俺とGZの異世界旅行記   作:マーシィー

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久しぶりの主人公の登場。

今回のお話のテーマは「明るく楽しい第四次聖杯戦争」です。


フェイト/プルート プロローグ

 聖杯戦争

 

 それはあらゆる願望を叶える万能の器「聖杯」をめぐり七人の魔術師と七騎のサーヴァントが命を掛けて戦う戦争である。

 そして極東の地、日本の冬木市にて第四回目となる聖杯戦争が始ろうとしていた。

 

 

 

「雁夜よ、貴様にはこの触媒を使ってサーヴァントを呼んでもらう」

 

 低くしゃがれた声でそう言うのは間桐臓硯。ミイラの如く細く枯れたような手に持ち、見せ付けるのは脈を打つ(・・・・)心臓そのものだった。

 

「……爺、これは一体何なんだ」

 

 目の前に突き出された脈打つ心臓を見て臓硯を睨みつけるのは間桐雁夜。臓硯による魔術師としての訓練と言う名の拷問を受け、体の半分以上に障害が出来てしまった雁夜は思うように動かない体を抑えつつも臓硯に聞いた。

 

「なに、本来使うはずだった触媒が手に入らなかった時の為にいくつか探させていた物の一つよ。もっともこれはワシも一体どういう物なのかは解らぬがな」

 

「そんな物を使って英霊を、サーヴァントを召還させるのか」

 

「カッカッカ、構わんじゃろうて。二流以下、いや三流にもなれん雁夜、貴様にはお似合いじゃろう?それに貴様に拒否できるのか?」

 

「……チッ」

 

 ニタニタを気味の悪い笑顔で雁夜を嗤う臓硯。そんな臓硯の態度に怒りを覚えながらも雁夜はその感情を抑え、臓硯から触媒を奪い取るように手に持つ。

 

「カッカッカ。ではいくぞ雁夜よ。今日の為にあの娘の調整は終らせてあるからの」

 

 低い笑い声を響かせながら部屋を出て行く臓硯。その後ろ姿を見ながら少し遅れて部屋を出る雁夜。部屋を出てすぐに雁夜は一人の少女に出会う。その少女は雁夜を見つけると顔を上げて雁夜を見つめる。生気の無い瞳(・・・・・・)で。

 

「おじさん、何所かいくの?」

 

「ああ。ちょっと下の地下室にね」

 

 上手く動かない体を動かし少女、間桐桜と同じ目線まで頭を下げて優しげな表情を浮かべる雁夜。

 

「……今日の調整(・・)が早くに終ったのはおじさんのおかげ?」

 

「ッ……あ、ああおじさんが今日地下室を使うからね」

 

「そうなんだ」

 

 魔術師の家に生まれさえしなければ、明るく笑顔でいられたであろうその顔は喜怒哀楽の全てが抜け落ち無表情であり生気の無い瞳と相まって生きているだけの人形のようだった。

 

「じゃあおじさんはもう行くね」

 

 桜の頭を少し撫でてゆっくりとした動作で立ち上がり地下室に向かう雁夜。その後ろ姿を無表情で見つめる桜。

 

「……バイバイ、おじさん」

 

 

 今日が終わり、明日となる真夜中の深夜零時。

 

 何年、何十年という歳月を越えて佇む一つの洋館の地下。そこは薄暗く、湿気が篭りカビがいたるところに発生していた。

 そして、壁の隅や天井、欠けた壁の裏側に異形(・・)の姿をした蟲が蠢いていた。

 

 そんな場所で雁夜と、臓硯は佇んでいた。二人の眼前の床には幾何学模様をあしらった円陣が刻み込まれており、その中心にはある物が贄として捧げられていた。

 

「雁夜よ、準備は良いか?」

 

 臓硯がニタニタと気味の悪い笑顔を浮かべながら雁夜に聞く。

 

「うるさい、準備ならもう出来ている」

 

 雁夜は後ろに佇む蔵硯の問に振り向きもせずに答える。

 

「カッカッカ、ならば始めい。ワシは雁夜、貴様がのた打ち回る姿を見てやるから、安心して召還の儀を、『英霊召還』の儀を始めるがいい」

 

 気味の悪い笑みをさらに深めながら雁夜をせかす臓硯。

 

「……クソッ」

 

 そんな臓硯の態度に苛立ちを覚えながらも自身の体内に寄生する蟲を使い、自らの命を削り魔力を生み出しその魔力を眼前の円陣、『英霊』を召還するための魔方陣に注ぐ。

 

(俺の命が如何なってもいい。どんな英霊だって構わない。ただ、あの子を、桜ちゃんを助ける事が出来るだけの力を持った英霊よ、俺の声に応えてくれ)

 

 蟲が体内を駈けずり回る嫌悪感と、命を削る激痛に耐え、体中いたるところが壊死しかけながらも雁夜は確固たる意思を持って召還の詞を詠う。

 詠唱が始り、魔方陣に魔力が注がれる。詠唱が続くにしたがって雁夜の体内にいる蟲達が活発に蠢き雁夜の命を削り取る。口から、血を流し充血した瞳から血涙を流しながらも雁夜は詠唱を続ける。

 

 そして詠唱の最後の一言を言った時、魔方陣の中心に捧げられた贄が光に包まれ、雁夜と臓硯の視界を覆う。

 

「ッ!?」

 

 薄暗い地下室を白く染めた光が収まった時、魔方陣の上には人の姿が見えた。

 

「お、前が……俺のサーヴァント、なのか?」

 

 雁夜の声に反応したサーヴァントは振り向き、雁夜の顔を覗き込む。サーヴァントの素顔は何所にでもいるような普通の顔だった。それこそ、群集の中に入ってしまえば見失ってしまうような、ありふれた顔だった。

 

 そんな顔をしたサーヴァントは雁夜の顔を覗き込み、その後周囲を見回し、もう一度雁夜の顔を覗き込こむ。そして呟いた。

 

「……ここ何所?」

 

 頭に?を大量に出しているような雰囲気をかもし出す自分自身が呼んだはずのサーヴァント。神秘を感じさせないその佇まいに気が遠くなりかけたのを必死の思いで繋ぎとめ、サーヴァントのマスターの能力として得たサーヴァントのステータスを見る力で眼前のサーヴァントのステータスを見る。

 

(見た目に神秘性が見当たらなくてもこいつはれっきとしたサーヴァントのはずだ!!ならステータスは……)

 

 いかに神秘性のしの字も感じられないサーヴァントとは言え自分の詠唱に呼ばれて出てきたのならそれは英霊で有るはず。ならばそのステータスは偏りがあるかもしれないがそこいらの魔術師を越える力を持っているはず。

 そんな期待と言う名の願望を持ち、いざサーヴァントのステータスを見た雁夜の目に映ったのは……

 

 

 【クラス】 ???

 

 【マスター】間桐雁夜

 

 【真名】 ????

 

 【性別】男性

 

 【属性】中立

 

 【ステータス】

 

 【筋力】 E-  【魔力】 E-

 

 【耐久】 E  【幸運】 A 

 

 【敏捷】 E  【宝具】 ?? 

 

 

(ダメだ、聖杯戦争終った)

 

 激痛と魔力消費による疲労に自身が呼んだサーヴァントのステータスを見て緊張の糸が切れ倒れ付す雁夜。

 

 だが、雁夜が呼んだこのサーヴァントが自分自身の願いを、そして聖杯戦争自体を斜め上の方向で変えてしまうとはこの時の雁夜には想像もできなかった。




ステータスのEは一般成人の身体能力と同じ、Dで達人、Cで弱い英霊級、Bで普通の英霊級、Aで強い英霊級、と言う具合でこの作品内では扱います。

つまりアキラの身体能力は一般人並しか持っていないという事。

ただ宝具扱いの物がバグっているだけで。
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