俺とGZの異世界旅行記   作:マーシィー

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フェイト/プルート 4

<クローンノ成形ガ完了シマシタ>

 

 無機質な声が響くなか、四つあるカプセルの内一つが音を立てて開く。

 

「う、うぅん」

 

 中から出てきたのは体が壊死しかけていた青年ではなく、無駄の無い体つきをし、張り艶共に十代のような人間だった。

 

「ここ、は……そうだ、アキラに連れて来られた医療施設」

 

 蓋の開いたカプセル内で上半身を起こし周囲を見渡す彼。

 

「そうだ!!桜ちゃんは!!」

 

 カプセル内から飛び降りて(・・・・・)隣で自分と同じ治療を受けている少女の下に駆け寄る。

 

「桜ちゃん」

 

 顔の部分だけ見えるようになっているカプセル内では幼い少女が安らかな表情で眠っていた。

 

「成功、したようだな……よかった」

 

 安らかに眠る少女の顔を見て安心する彼だったが、そこで異変に気付く。

 

「……?、なんでカプセルが大きく(・・・)なっているんだ」

 

 最初彼がこの設備がある部屋に入った時、このカプセルは地面に横になるように設置されていたため彼の膝上ぐらいの高さしかなかったのに今彼の目の前にあるカプセルは彼の胸元近くまであった。

 

「これは、どういう事だ……ッ!?」

 

 彼がカプセルに手を近づけた時、彼は自分の体に起きた異常を見た。

 

「手が縮んでいる(・・・・・)!?」

 

 カプセルにつけた手は子供のような小さな手であり、彼は慌てて体を見回そしてカプセルの正面に薄っすらと映った自分の顔を見て叫んだ。

 

「な、な、な……なんだこれはあああぁぁぁぁーーーー!!」

 

 カプセルに映った彼の顔は、十歳児(・・・)の物だった。

 

 

 

 どこかで悲鳴が聞こえた気もしないが、そんなことは無かったぜ。さて、今俺がしているのは雁夜さんが居た洋館の掃除です。

 この洋館、人が入っている所はある程度掃除されているがそれ以外はほとんど掃除とかされていなかったんだ。客間や庭等など。そんな場所をただいま掃除をしています。掃除には俺が作ったコロニーに沢山居るキューブ君を数十機ほど持ってきて手分けして掃除してます。

 おかげでボロボロだったこの洋館も新築同様の綺麗な洋館に変わりました。ちなみに蟲が沸いていた地下室は埋めました。あんな気持ちの悪い場所なんて必要ないでしょう?

 

 あらかた掃除が終った頃GZ経由で医療施設から連絡が来た。時計を見ればそろそろ雁夜さんと桜ちゃんのクローンの成形が終った頃なのできっと雁夜さんあたりが連絡をしてきたんだろう。

 

「はい、ア「どういう事だああぁぁ!!アキラアアァァァーーーー!!」何事!?」

 

 連絡を受けたら子供の声で怒鳴られた。

 

「何事ですかって誰ですか、貴方は?」

 

「誰ですか、貴方は?じゃない!!一体どういう事なんだ!!説明しろ、アキラ!!」

 

「……まさか、雁夜さん?」

 

「俺以外に誰が居る!!」

 

「……いや~若返りましたね雁夜さん。ハッハ」

 

「今すぐ、こっちに来い」

 

「え、いやまだ掃除中……」

 

「今・す・ぐ・に・だ!!」

 

「はいぃぃ!!」

 

 子供になった雁夜さんの顔には言い様の無い凄みがあった。

 

 

 

 

 ただいま冷たい床の上で正座をさせられています。目の前には仁王立ちしている雁夜さん、もとい雁夜君が。

 

「で、どうして俺の体が若返っているんだ」

 

「えっと、そのですね……怒りません?」

 

「話を聞かないと怒るかどうかは分からないんだが」

 

「そうですよね……」

 

 仁王立ちしながら無表情でそう言ってくる雁夜君。ちなみに桜ちゃんは少し前に目覚めて今はキューブ君に連れられて別室で身体検査を受けてます。

 

「実はその……先に桜ちゃんの身体データを確認して問題が無かったんですけど、その後そのぉ」

 

「その、何だって?」

 

「……その、モニターに「間桐雁夜も同条件で実行しますか?」って出たのでOKって押しちゃったんですよ。確認せずに」

 

「……つまり何か?お前が確認するべき所を機械に任せたから俺の年齢がおかしくなったっていいたいのか」

 

「いや~同条件でって言うもんだからてっきり桜ちゃんに実行した条件を雁夜さんに当てはめるのかと思ったんですけど、まさか性別以外の全てを桜ちゃんと同じ(・・・・・・・)にするとは思いもしなかったんですよ」

 

「結局、俺がこんな年齢になった原因はお前の確認不足、と」

 

「そうなりますね……」

 

 俺が雁夜さんから雁夜君になった理由を話したら雁夜君は無言のまま俺に近づいてきて、小さな体を巧みに使い、俺にアームロックを掛けてきた。

 

「お、折れるぅ~」

 

「ふ・ざ・け・ん・な!!結局お前のミスじゃないか!!どうしてくれるんだゴラアアァァァ!!」

 

「そ、それ以上はいけなああぁぁ!?」

 

 その後、部屋の中で鈍い音が響いた。

 

 

「で、俺は元の体に戻れるのか」

 

 俺を踏みつけながら凄みのある声で聞いて来る雁夜君。

 

「い、今すぐには無理です」

 

「なんだと」

 

「今の雁夜さんはまだ精神と肉体が完全に一致していないので今体を再構築したら下手すると一生精神と肉体が一致しなくなる可能性が」

 

「じゃあ、俺の精神と肉体が一致するのは一体何時なんだ」

 

「……大体一年後ぐらいかと」

 

「ふん!!」

 

「ギャアアァァァァーーーー!!」

 

 尾骶骨に飛び乗られ悶える俺。

 

「なんてこった。確かに俺には害は無かったが、まさかこんな事態になるなんて……」

 

 地面に手をつけうな垂れる雁夜君に一言。

 

「やったね雁夜君。思い人だった人の娘と違和感無く付き合えるよ」

 

「ていや!!」

 

「目があぁ、目がああぁぁぁぁ!!」

 

 目潰しをされた。

 

 

 




NGシーン

「いや~同条件でって言うもんだからてっきり桜ちゃんに実行した条件を雁夜さんに当てはめるのかと思ったんですけど、まさか『性別含めて』全てを桜ちゃんと同じ(・・・・・・・)にするとは思いもしなかったんですよ」

「笑い話じゃないだろうが!!……性別含めて?」

 そこで雁夜は気がついた。今まで半ば混乱していたせいで気がつかなかった自身の股間の違和感に。

「ま、さ、か……」

 恐る恐る自分の手を股間に当てる。そこには自分が生まれてからずっと生きてきた相棒の姿が無かった。

「frgてゅjこl!?」

「か、雁夜さん!?ちょっとおち、落ち付いて」

 声にならない悲鳴を上げてぶっ倒れる雁夜さん、もとい雁夜ちゃん。

 その後、欝になったり引き篭もったり、桜ちゃんに妹扱いされて複雑な表情を浮べる事となる羽目になるとはこの時の雁夜ちゃんには考えられなかった。
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