俺とGZの異世界旅行記   作:マーシィー

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ウェイバー君とギル様ばっか喋ってる。

だってこの2人が動かしやすいんだもの。


フェイト/プルート 6

 『聖杯戦争はもう終っている』

 

 一般人にしか見えないサーヴァントが放った言葉は、周囲に居た他のサーヴァントと魔術師達の思考を一瞬止めるには十分な言葉だった。

 

 聖杯戦争とは七騎のサーヴァントと七人の魔術師が一騎と1人になるまで終る事が無い。それが聖杯戦争に参加したサーヴァントと魔術師の認識だった。

 深夜の冬木市のコンテナターミナルに集まった時点でアーチャーがアサシンを撃破したとは言えまだ六騎のサーヴァントが存在しているのだ。

 

 それなのにサーヴァントらしからぬ彼が言った言葉は聖杯戦争の終了。まだ六騎のサーヴァントが存在しているのに。まだ誰一人死んで(・・・)いないのに。

 

「聖杯戦争が終っているだと……。雑種、冗談にしては笑えぬぞ」

 

「雑種って……。冗談も何も嘘は言ってないですよ。“聖杯を手に入れるための戦争”は終了しているんですよ。なぜなら“聖杯はすでに機能してないんですから”」

 

「「「!?」」」

 

 サーヴァントらしからぬ彼の何気ない言葉に周囲のマスターとサーヴァントたちはさらに驚愕する。

 

 

「な、何を言っているんだお前は!!聖杯がすでに機能してないって、どういう事だよ!?」

 

 ライダーのマスターが叫んだ。

 

「どういう事も何も、言葉のままですが?」

 

「言葉のままって、おかしいだろ!!聖杯が機能してないって言うならどうしてサーヴァントがまだ消えていないんだ!!」

 

「ああ、それは聖杯の持つ機能全てを俺の宝具が肩代わりしてるんですよ」

 

「……はぁ!?」

 

 もはや周りの魔術師やサーヴァントは彼のいう事に着いて行けなくなっていた。

 

 万能を体現する『聖杯』。英霊と言う規格外の存在を七騎も世界に存在させ膨大な魔力を持って世界の法を書き換え奇跡を起こす聖なる器。

 そんな魔法(・・)を叶える『聖杯』の持つ規格外の機能の全てを彼の宝具は肩代わりしているという。

 

 それはすなわち彼の宝具は『聖杯』と同等かそれ以上の機能を持っていると同意義であることを示していた。

 

「まあ、普通に言っても信じて貰えないですよねぇ……」

 

「当たり前だろ!!聖杯の機能を肩代わりした、だなんて信じられるか!!」

 

「でもあの聖杯の中身、汚れてたからこのまま聖杯戦争が続いても意味無かったんですよ?」

 

「聖杯の中身が汚れてたからって何だっていう……聖杯の中身が汚れてたぁ!?」

 

「そうなんですよ。あの聖杯の中身にこの世の全ての悪(アンリマユ)が何故か入ってまして、もしもこのまま聖杯戦争を続けて最後に残った人が聖杯に願いを叶えて貰おうとしても碌な事にならないと思いますけど」

 

この世の全ての悪(アンリマユ)!?ゾロアスター教の化け物じゃないか!!そんな物が入ってるなんて信じられる訳が「はい」って何だ?」

 

 周りの声を代表して話している形となっているライダーのマスターに彼は懐から黒く濁った色をした結晶を取り出しライダーのマスターに投げて渡した。

 

「何だよこれ?黒い結晶?」

 

「それ、中身にこの世の全ての悪(アンリマユ)を封じた結晶ですから落さないでくださいね。割れたらここら一帯汚染されますから」

 

「……え”」

 

 彼の言葉を聞いて固まるライダーのマスター。そして周りにいた他のサーヴァントとマスター達はライダーのマスターから距離を取った。

 ライダーのサーヴァントは流石に離れはしなかったがその額には若干汗が流れていた。

 

「お、おま、そんな物を投げて渡すんじゃないよ!!」

 

「大丈夫ですよ。その結晶一見脆そうに見えますけど地球の中心部と同じ圧力を掛けても変形しないぐらい丈夫ですから。たかだか落したぐらいじゃ割れませんよ……たぶん」

 

「たぶんって言うなぁ!!」

 

「まあまあ落ち付いて」

 

「お前が言うなぁ!!」

 

 半泣き状態で激昂するライダーのマスター。

 

「……雑種共、話はそこまでにしろ。王たる我を差し置いて話を進めるとはいい度胸だな」

 

「差し置いた気は無いんですけど」

 

「我を介せずに話している時点で万死に値する行為だぞ」

 

「厳しすぎでしょ、アーチャー……いや世界最古の英霊ギルガメッシュ王」

 

「ほほう、我の名を当てるか」

 

「仮にも聖杯の機能を肩代わりしてるんですよ、どのクラスにどの英霊が召還されたかなんて分かるに決まってますよ」

 

 彼が言った事。それは他のマスター達のサーヴァントの手の内が完全にばれている事に他ならなかった。

 聖杯戦争において自身のサーヴァントの名前がばれるという事はもっとも避けなければいけないことである。なぜならば人知を超えた英霊といえその能力は生前の行動に比例するからである。

 

 つまり、サーヴァントの名前が分かればその英霊がどういった能力を持つのかが分かってしまう。それは聖杯戦争において致命的な弱点となってしまう。

 

「ワザとじゃないとは言え英霊の中でも英雄王、なんていわれている貴方を待たせてしまったのは事実。その謝罪、と言うわけでは無いですけど後の話は俺が持つ所有地で話しましょう。夜も更けてきて寒くなってきましたし。あそこなら英雄王。貴方に満足……とまではいきませんがおもてなしもできますし」

 

「面白い。貴様の所有地がどれ程の物か我に見せてみるがいい。ただし我が気に入らねばその首が飛ぶと思え」

 

「気に入って貰えるといいんですけどねぇ」

 

 彼とアーチャーが話を進める中、話に割り込むライダーのマスター。

 

「おい!!これどうするんだよ!!」

 

「え、ああ。大丈夫ですよ貴方達も皆連れて行きますから。話はそこでしましょう」

 

「話はそこでしましょうって、どうやって移動するんだよ!!と言うかお前の所有地って何所だよ!!」

 

「俺の所有地は宇宙(・・)に有りますよ」

 

「……宇宙?」

 

「まあ、論より証拠。早速移動しましょう」

 

 彼はそう言って指を鳴らす。その瞬間彼らの視界は一転した。

 

 先ほどまでは薄暗いコンテナターミナルに居たはずなのに、今は青く澄み通った青空に周囲を遠すぎて山頂付近が霞んで見える山々に囲まれ都会の何所か濁った空気など一切感じさせない爽やかで木々の匂いが感じられる風が吹き抜ける大草原に立っていた。

 

 瞬き一回にも満たない刹那の時間で彼らは全く別の場所に移動していた。さらに彼が指を鳴らした瞬間一切の魔力を感じなかった。つまり彼は複数の一流魔術師達に悟られずに魔術を使い転移させたか魔術以外の方法で彼らを移動させたのだ。

 

 突然周囲の景色が変わった事に即座に周囲を警戒するマスターとサーヴァントたち。そしてさらに驚愕する事となる。

 

「切嗣、それに舞弥まで、どうして此処に」

 

「ソ、ソラウ!?何故君が此処に居るんだ」

 

「……これは、一体どういう事だ」

 

「お、王よ。何が起きたのです」

 

 そこには各陣営のマスターや協力者が立っていた。コンテナターミナルに居なかったのにも関わらず。

 

「何度も同じ話をするのもアレなのであの場所に居なかった人たちもついでに呼んでみました」

 

「ついで扱いでとか簡単に言うなよ!!瞬間移動なんて魔法の領域じゃないか!!」

 

「この世界では瞬間移動程度で魔法扱いなんですね」

 

「程度って何だよ!?」

 

 ライダーのマスターのツッコミが冴え渡る。

 

「雑種、さっき宇宙に所有地があると言ったな。此処のどこが宇宙なのだ。我を騙したのか」

 

 怒っている、と言うより試していると言う様な顔でアーチャーが話してきた。

 

「では証拠を見せましょう」

 

 彼はそう言うと右腕を上げて指を鳴らす。それと同時に快晴だった空が一瞬にして星が輝く夜空に変わった。

 

「「「!?」」」

 

 マスターとサーヴァントたちは一様に驚愕し、そして彼が指差す方向を見てさらに驚愕する事となった。

 

「では、あちらをご覧ください」

 

 彼が指差した方向には、青く輝く地球(・・)が存在した。

 

「ここは……本当に、宇宙なのですか……」

 

 セイバーが呆然と呟いた。

 

「そうです。ここは俺が所有する大規模コロニー群の内の一つ、リゾート用コロニーです」

 

 もはや誰も声が出せなかった。大人数を一瞬で移動させる転移に広大な敷地を持つコロニー群。聖杯の機能を肩代わりしてなお余裕がある彼の宝具。

 もはや彼らマスターとサーヴァントたちの常識では一切理解できないような事を彼はいとも容易く行っていた。

 

「さて、と。皆さんこれで此処が宇宙空間であることは信じてもらえましたかね。で、本題に入りたいんですけど良いですかね」

 

「本題、だと」

 

「ええ。本題と言うのはこの世の全ての悪(アンリマユ)のことなんですよ。あれ、聖杯から取り出したのはいいんですけどその後の処理に困りまして。俺のマスターは魔術師としてはニ、三流でして処理できないんですよ。まあ俺の宝具で消し飛ばしてもいいんですけど仮にもこの世界での全ての悪を名乗る物じゃないですか。勝手に消し飛ばすのもどうかと思いまして」

 

「「「……」」」

 

「あ、もちろんタダで、とはいいません。アレをどうにかできた陣営には俺がとある場所で手に入れた聖杯と同じ機能を持つ魔石、ジュエルシードって言うんですけどそれを贈呈しますよ。この魔石一つで大体の願い事は叶えられると思います。まあ一つで足りなくても全部で15個あるのでまあよほど無理な願い出ない限り叶えられると思いますのでこれで、どうでしょう?」

 

「「「……」」」

 

 誰も彼もが頭を抱えて唸っていた。いやアーチャーのサーヴァントだけはとても愉快な表情を浮かばせていたが。

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