俺とGZの異世界旅行記   作:マーシィー

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大帝国編は短い予定。


大帝国 冥王が乱入したようです2

 

「あ~……大丈夫、か?」

 

「ダ、ダイジョウ、モンダイナイ」

 

「本当に大丈夫なのか!?」

 

 ドクツ帝国総督、レーティア・アドルフは突如自分達が乗る宇宙戦艦の進路上に現れた巨大なコロニー群を所持すると思われる男性と通信越しに話していた。が、通信越しに現れた男性は初っ端から単身赴任の男が妻である女に誤解を受けてオシオキを受ける、と言う感じの態度を取られこれから話し合うと言う意気込みを挫かれてしまう。

 

 男性の姿は一瞬だが骨が見えるような電撃を受けたせいか服装のあちこちは焦げ付き頭部の髪もチリチリなっていた。

 

 ドクツ帝国を預かる身として、正体不明のこの男性は警戒しなくてはいけないのだがなんと言うか警戒心がそがれてしまっていた。

 

「……コホン。お見苦しい所を見せてしまいすみません。いやプレシアも悪い人じゃないんですけどね。その、思い込みが激しいというか、ヤンデレ気質と言うか」

 

「(ヤンデレ?)まあ、そのなんだ。私達は何も見なかった。それでいいかな」

 

「ありがとうございます……さて、と」

 

 とりあえずお互いに先ほどの事を無かった事にして男性が雰囲気を切り替える。それにつられてレーティアも先ほどまでの気の抜けた態度から総督としての態度に切り替える。

 

「改めて、はじめまして。自分は鈴木アキラと申します」

 

「はじめまして。私はドクツ第三帝国総統、レーティア・アドルフだ」

 

 まずはお互いに自己紹介からはじまった。

 

「さて、こちらから先に質問してもよろしいかな」

 

「ええ、大丈夫です」

 

「では遠慮なく……鈴木殿貴方が「あ、自分の事はアキラで結構ですよ」そうか。ではアキラ、貴方があのコロニー群の関係者なら、コロニー群を統括している人と会わせてもらえないか?話がしたい」

 

「統括している人って言うと、自分です、かね?」

 

 レーティアは男性、アキラの言葉を聴いて表情を変えはしなかったが内心驚いていた。一見ただの民間人のようなこの男性が直径100キロを超えるようなコロニー群を統括しているとは思わなかったからだ。

 

「“かね?” アキラ、貴方があのコロニー群を統括しているのではないのか?」

 

「まあ、一応そうなってるんですけど管理維持修繕等殆どまかせっきりだからなぁ……キューブ君に」

 

「キューブ、君?それは一体?」

 

「ああ、大体1メートル四方の万能作業機械のことですよ。いや~キューブ君がいなかったらこの規模のコロニー群の維持なんて出来ないですからキューブ君様様ですよ」

 

「万能作業機械……」

 

「最近は増産はとめてますけど現状で100万台ほど稼動してますからねぇ。よく作ったもんだ」

 

「ひゃっ、100万台だと」

 

「ええ。まあキューブ君自体の整備等で実質稼動してるのは80万台ぐらいですけど」

 

 レーティアとそれを聞いていた他の乗員は絶句していた。万能作業機械がどれほどの性能かは分からないがそれでも80万台という数の機械がか常時稼動していると言う事に驚愕せざるをえなかった。

 仮に一台の整備代や燃料代等維持費が仮に1万円掛かるとしてそれが100万台。維持費だけで100億円掛かるのだ。

 しかもこれは万能機械代だけである。これに直径100キロを越すようなコロニー群の維持費が入れば一体どれだけの金が必要になると言うのだろうか。

 

 レーティアはアキラに対する警戒度を最大まで引き上げると同時にモニターに映らない様にハンドサインで部下達に命令を下す。

 

「100万台、とは凄まじいな。維持が大変じゃないのか?」

 

「まあ、大変って言えば大変ですけど、殆ど勝手にやってくれますからね。気軽なもんですよ」

 

「気軽とは言っても作業の指示などやる事は多いんじゃないのか」

 

「いえ、キューブ君には人工知能が搭載されてますから勝手に判断してくれますから自分は簡単な命令を出すだけでいいんですよ」

 

 アキラが何気なく言った、『人工知能』と言う言葉にレーティアの科学者心が刺激された。

 

「人口知能、だと!?それはどこまで自立した意思を持つんだ!!見てみたい!!いやむしろ触ってばらして機能の隅々まで「は~いレーティア、ちょっと落ち着きましょうか」むぐむぐ」

 

 人工知能というこの世界では(・・・・・・)まだ誰も開発に成功していない物の存在に興奮して暴走しかけたレーティアの口を後ろから塞ぐゲッペルス。

 

「はじめまして、ミスターアキラ。私はグレシア・ゲッペルス。ドクツ第三帝国で宣伝相をしているわ」

 

「宣伝相、ですか」

 

「ええ。話を戻させてもらうけれど貴方は一体どこの国の所属なのかしら?名前からすると日本帝国圏あたりの名前みたいだけど」」

 

「日本帝国?いや、生まれは日本ですけど」

 

「日本、ね……では今回貴方がドクツ第三帝国内に不法侵入してきたのはどういう意図が有っての事かしら。事と次第によっては大変なことになるけど」

 

 不敵な笑みを浮かべるゲッペルスに小声で話しかけるレーティア。

 

(ゲッペルス、何を考えている)

 

(レーティア、貴女も分かっているでしょ。このアキラという人間を逃したらどうなるか)

 

(それは……)

 

 レーティアも冷静になって考えてみて分かった。このアキラと言う男をこの場で見逃せば、レーティア達が考えている計画に支障が出るかもしれないと。

 

 100キロ以上の建造物、複数を同時にワープゲートの力を借りずに転移する技術。それに人工知能搭載の作業機械が100万台と言う膨大な力。少し話しただけでもこれだけの事を平然と扱っている事が分かったのだ。一体後どれだけの力を隠し持っているのか分からない。

 

 もし、アキラが自分達以外の勢力についたら最悪の場合、自分達の計画が頓挫するかもしれない。それだけは何としても回避しなくてはならなかった。

 

(いいレーティア。この場が最初で最後のチャンスなのよ。彼の力を手に入れれば最高。最低でも彼がどの国に所属しているかを割り出さないと)

 

(そうだな。後1年まで迫った計画をこんな所で頓挫させるわけにはいかないな)

 

(そうよ、その意気よレーティア)

 

 と、こんな風に話し合っている二人をよそにアキラは見当違いの事を考えていた。

 

(……またか、またなのか。ま た 並 行 世 界 な の か )

 

 表情を変えずに内心やさぐれていた。

 

(宇宙空間で出会った時点で違うとは思ってたけど、ドクツ第三帝国って何なの?ドイツなの?ナチスなの?それとも俺の元いた世界はすでに人類が宇宙空間に進出してさらに国を作れるぐらい文明が発展しているって言うの……ねーよ)

 

 どこか遠い所を見ているような瞳はどう見ても腐って見えた。

 

(あ~あ、俺の元いた世界、一体いつになったら戻れるんだろう?教えてくれグレートゼオライマー。俺は後何回並行世界に転移すればいいんだ。次元連結システムは答えてくれないんだ……)

 

 そこまで考えてからゲッペルスに質問されていることに気がつく。

 

「あ~、その前に一つ確認させてほしいんだけど」

 

「確認?何かしら」

 

「今西暦何年なんだ」

 

「……西暦って何かしら?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 アキラの質問に答えられないゲッペルス。そして予想していたとはいえ西暦を知らないと言われるとは思っていなかったアキラ。二人の間抜けな声が重なる。

 

「……西暦、とは確か統一宇宙暦の前の暦の名称だったはずだが」

 

 そんな二人に答えを出すレーティア。

 

「宇宙統一暦って何ですか?」

 

「なんですかって、ワープゲートが発見された年を元年として始まった新しい暦のことだろう。なんでそんな常識を知らないんだ」

 

「……」

 

「……」

 

 お互いに無言になる。

 

「お互いに情報を照らし合わせないか?何かすれ違っている気がするんだが」

 

「そう、ですね。自分もそう思います」

 

 その後、しばらくの間お互いの基本知識を言い合ったのだが

 

「何ですか!!宇宙怪獣って!?惑星より大きい生物って有り得ないでしょ!!」

 

「有り得ないのはこっちのセリフだ!!なんだ単体で空間転移可能って!?こっちはワープゲートを使って特定のルートしか使えないのに条件がそろえばどこにでも移動できるって私達に喧嘩売ってるのか!!」

 

 と、いう感じにお互いの基本知識というか常識を教えあったのだがお互いの常識をぶっ壊す生き物と技術にいろいろと吹っ切れてしまっていた。

 

「あああ、もう埒が明かない。レーティアさん、自分のコロニーに来てください。直接話しましょう」

 

「いいだろう。こっちも直接話してやる」

 

「じゃあコロニーの入港ハッチ開けて誘導ビーコン出すのでそれに従ってください」

 

 それだけ言ってアキラは通信を切った。

 

「ちょ、ちょっとレーティア無用心じゃないの?」

 

「ああ。私もそう思う」

 

「なら「だがな、ゲッペルス。これはチャンスなんだ」え?」

 

「基本的な常識や知識を話し合っただけであれだけの技術の差が有ったんだ。正直私でも分からない技術が有ったんだ」

 

「レーティアでも分からない技術ですって」

 

 絶句するゲッペルス。この世界で身内贔屓無に世界一の大天才と言って過言ではないレーティアが分からない技術。アキラはそんな超技術を平然と扱うと言うことだ。

 

「この後の会話で少しでもいいからアキラから新技術を得ることが出来れば私達の計画がより確実になるかもしれない」

 

「レーティア……」

 

 そう言い切ったレーティアの顔は、どん底のドクツ第三帝国を立て直した総統としての凛とした表情であった。

 

 だが、長年の付き合いがあるゲッペルスには分かった。

 

「レーティア……そんなカッコイイ事言って、ホントは新しい技術を見たいだけでしょう?」

 

「ハハハ、ナンノコトカナ」

 

 ゲッペルスの指摘にソッポを向くレーティア。

 

 だが、このレーティアの取った行動が後の世界統一国家、ドクツ千年帝国への第一歩となるとはこの時のレーティアには思いもしなかった。

 

 

 

 

 

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