先日、プレシアさんが居た場所から転移で移動してきたこの町、海鳴と言う町なのだがなかなかに良い場所だ。治安もよく商店街の人たちは皆気前がよく活気があった。
GZに再び計算をさせてからはや三日がたった。GZの廃スペックならすでに計算が終っているはずだろうに何故か終っていない。調べてみても計算中としか出ない。何故だ?まあ別に急いでるわけではないから良いけど。
そういえばプレシアさんの所から転移した時一緒にプレシアさんのデバイス、持って来ちゃったなぁ。返さないとなぁこれ。
そんな中、町をほっつき歩いていて見つけた公園で一休みしようと立ち寄ったらGZが警告してきた。この公園内に高密度エネルギーを含んだ結晶体があるとの事。何所にそんな物騒な物があるんだと探してみたら茂みの中にあった。
それは青い色をした宝石のような物だった。拾って持ってみる。見た感じはただの綺麗な宝石のようだがGZ曰くこれ一つで使いようによって町一つ吹き飛ぶぐらいのエネルギーが有るらしい。
何でこんな物騒な物がこんな街中に有るんだ?そんな風にこの結晶体を手に持って考えていたら
「あ、あの、すみません」
後ろから話しかけられた。
「ん、と……なんだいお嬢ちゃん」
「あの、その手に持っている石なんですけど」
「これか?今さっきそこで拾ったんだけど」
「あの、その、それ私にくれませんか」
「え?」
どうやらこの子はこの石が欲しいらしい。この高密度エネルギーの結晶体を。
「どうしてこれが欲しいんだい?確かに綺麗だけどそれだけだろう」
「それは、その……」
「それに今日は平日だろう?学校はどうしたんだ?」
「学校には私通ってないから……」
この日本で見た目10歳ぐらいの子が学校に通っていない?マジで!?学校に通わずこんな物騒な物を集めるって……
「学校に通っていないってどういう事だよ。君ぐらいの年齢なら通っているはずだろう」
「その、私には母さんに言われた事をしなくちゃいけないから……だからそのジュエルシードを渡してください」
どうやらこの結晶体はジュエルシードと言うらしい。だがそれよりも
「母親に言われたからって、こんな物騒な物を年端もいかない子供に集めて来いってどんだけ物騒な親だよ。DVですか?」
「か、母さんのプレシア母さんの悪口を言わないでください!!」
「ふ~ん、君の母親プレシアって言うのか……プレシア?」
プレシアって、え?まさか……
「……君の母親ってもしかしてプレシア・テスタロッサって言わないかな」
「母さんの事を知ってるんですか!?」
「髪が背中まであって前髪で片目を隠してて杖から電撃を放てる?」
「母さんに会ったことあるんですか?そこまで知ってるなんて……」
「知ってるって言うか治療したと言うかなんと言うか……」
不法侵入者は死ネェ!!みたいな事されたとは言えん。
「そういえば君の名前は?俺の名前は鈴木アキラって言うんだが」
「あ、わ、私はフェイト、フェイト・テスタロッサです」
「フェイト?アリシアじゃなくて?」
「アリシアって誰ですか?」
首を傾げるフェイト嬢。どうやらアリシアと言う名前は知らないらしい。
「あれ、知らないの?なら俺の勘違いか?」
「あ、あのそれでジュエルシードは……」
「ああ、これね。渡しても良いけどどうするの?このままだと危ないぞ」
「私のデバイスで封印しますから大丈夫です」
「そう、封印できるんだ。ならはいこれ」
俺がジュエルシードをフェイト嬢に渡すとなにやら作業を開始し始めた。
「バルディッシュ、ジュエルシード封印」
「イエス、サー」
直後ジュエルシードがフェイト嬢が取り出したデバイスの中に入っていた。
「それで封印できたの?」
「はい。これで封印できました」
「そっか……じゃあここでお別れだね。俺、用ができたから」
「そう、なんですか」
「そう。じゃあ
「はい」
そう言って俺はフェイト嬢と別れ早足で人気の無い場所に向かった。
「……また?」
プレシアはアリシアの遺体の前でフェイトの事を考えていた。
(あの人形はアリシアじゃない……そう、思っていたのに)
GZによる治療のおかげで不治の病から完治したプレシアは心境の変化に戸惑っていた。
(病にかかっていた時はアレだけ憎かったのに今はそんな風に思えなくなってる)
プレシアは病にかかっていた時病からくる体調不良にストレスや睡眠不足、栄養失調等など様々な要因から精神が正常な状態ではなかった。ゆえにフェイトに対して過剰な体罰をしたりアリシアの出来損ないと思い込み憎悪していた。
だが、病とストレスから解放されたことによってプレシアの精神は正常な物へと戻った。戻ったがゆえにプレシアは悩む。
(フェイトはアリシアのクローン……見た目が同じだけで癖や利き手が違うしアリシアには無かったリンカーコアもある……)
フェイトはアリシアの出来損ない。だがそれだけなのだ。そう考えてしまうとプレシアはもうフェイトの事を憎く思えなくなってしまった。
「……でも今更フェイトに母親面なんて出来るわけが無いじゃない」
「まあ、あんな危険物を一人で集めて来いって言ったらね~」
「そう、なのよね……?」
自分一人しかいない筈の部屋から声がして振り向いた所には
「先日振りですね、プレシアさん」
この前会った時と変わらない姿のアキラがいた。
「……また不法侵入かしら」
「……すみません」