5、機神の錬金術師
前回のあらすじ。
・日記はここで終わっている。
待ちに待った使い魔品評会。
はもう終わって俺、デル公、ルカは寮に戻ろうとしていた。
ジャグリングがウケて優勝確実だからか、だって?
ははっ。
嫌味か貴様。
『いや〜、まさか相棒にあんな特技があったなんてな。』
うるせえ。
あれでも五つ回せるようになるまで結構苦労したんだぞ。
「…、私は案外いい評価貰えると思うけどね。」
『てかよう相棒。
クレー射撃だっけ?
あれやれば良かったじゃねえか。
銃は確かこの国にもあるんだろ?』
分かってないなデル公。
奥の手ってのは限界ギリギリまでとって置くものなんだよ。
そんで土壇場で使って『な、なぜお前がそんなものを!?』って言われて、『これで…! 終わりだ!!』で、トドメをさすのが最高にカッコいいんじゃねえか。
『お、おう…。
まあオレッちは剣で遠距離武器のこと詳しくねえから何とも言えないが。」
ふと思ったけど、2丁拳銃と大剣を使って戦うとか、俺はどこのデビルハンターだよ。
当初のイメージだったホークアイ中尉は何処へいってしまったんだ。
おう錬金術使えや。
まだ真理の扉持ってんだろ?
ちょっとジャンプしてみろよ。
そして唐突に現れるこの巨大ゴーレムである。
ルカがまた涙目になってるじゃねえか。
『ど、どうしたんだ嬢ちゃん!?』
「ルカは普段肝が座ってて最高にカッコいいんだけど、実は不足の事態に相当弱いんだよ。」
けどやっぱ泣き顔が一番可愛い。
もういっそ二つ名を涙目のルカに変えればいいのに。
ああダメか。
それだとカエルに返り討ちされた後、用済みで始末されるわ。
「どう思うデル公。
今の実力で倒せると思うか?」
『バカ言うな。
使い手ならまだしも、ただの人間が白兵戦で決戦型ゴーレムに勝てるかよ。』
ですよね。
あれ決戦型ゴーレムなんてカッコいい名前なのか。
狙いは俺たちじゃなくて『破壊の杖』のある棟だろうしこのままスタコラサッサしよう。
フーケって金持ちばっかり狙う義賊らしいし、ただの貧乏貴族とその使い魔(仮)の事まで執拗に殺そうとして来ないよね?
ー そんでギガドリルブレイクでフーケのゴーレム倒したい。ー
ふと脳裏にあの言葉が過る。
………。
違うだろ…。
違うだろっ…!
俺は何の為にこの力を手に入れた!?
残飯をパンとシチューに錬成する為か?
拳銃を錬成して戦う為か?
装飾品を錬成して売る為か?
否! 全て否!
俺が望んでいたのは巨大ロボットを錬成して戦うことだった筈だ!
その時、俺は無意識の内にルカの腕を掴んでいた。
「ルカ!
走って逃げるぞ!」
「えっ? う、うん!」
『そうだ! 何やるにしても、先ずは嬢ちゃんの安全確保だぜ相棒!』
できる限りの速さで広場を駆け抜け、品評会の会場まで辿り着く。
「おお、ミスホーエンハイムにリューノスケ君!
丁度今、品評会の結果発表をしていた所ですぞ!
おめでとう!
君たちは三位です!」
コルベール先生の賛辞をよそに、俺はルカの腕を離し、デル公を渡す。
「デル公! 何かあったらルカを逃がしてくれ!
落ち着かせるくらいは出来るだろ!?」
『おい相棒!?
ちっ……、何をするのか知らねえが、嬢ちゃん残して死ぬんじゃねえぞ!』
デル公の言葉を背に、俺は会場を後にする。
以前描いた錬成陣を復元。
広場に埋めた大量のルカ製金属を分解、再構築。
言霊って言葉もあるし、あれやるか。
「憎悪の空より来りて!」
動力、基礎骨格を錬成!
「正しき怒りを胸に…。」
駆動機関、制御室を錬成!
「我は魔を断つ剣を取る!」
外骨格、全兵装を錬成!
オールクリア!
五秒後広場に突入する!
「汝、無垢なる刃!
『デモンベイン』!!」
トリステイン魔法学院のとある広場。
そこに二体の決戦型ゴーレムが現れた。
一言で表すなら…、そうだね。
『何だこれ。』って言葉が一番ふさわしいかね。
私が壊れた棟から破壊の杖を持って、ゴーレムに飛び乗り辺りを見回すと、其処には『白い鬼神』が居た。
私が驚いてさっきのピンク髪と黒髪を見ると、二人とも唖然と言った表情でその鬼神、いや、ゴーレムを見ている。
当たり前だがこの二人じゃないようだね。
そんなことを考えていると、私のゴーレムが棟の方へ吹き飛ぶ。
殴られた? あのゴーレムに?
おいおいおい、巫山戯るんじゃないよ!
あの巨体でなんて速さだい!?
土系統のスクウェアでもこんな規格外ありえないよ!!
直様再生し、殴り返そうとするが、その前に中心部を蹴り飛ばされ、先程より棟の内部まで後退してしまう。
参ったね…。
弱音は吐かない主義だったんだけど、私のゴーレムじゃ勝てる気がしない。
だけど、私を此処に押し込んだ時点であんたの負けなのさ。
私の使える魔法はクリエイト・ゴーレムだけじゃないんだよ!
あーやだやだ、これ怪盗っぽくない上に、土塗れになるから嫌いなんだよね。
ま、破壊の杖は手に入ったし別にいいか。
…、逃げられた。
まだアトランティス・ストライクもレムリア・インパクトも使ってないのに。
さてと、グレンラガンじゃないけどスーパーロボット大戦出来たし俺もお暇しようかね。
デモンベインは…、山にでも分解して隠しとくか。
ルイズとサイトが何か言ってるけど聞こえないから無視だ無視。
けばぶ。