小学生に戻りたい…。
引き出しにタイムマシンとかないかな…。
〜十一番道路〜 『水晶』群
十一番道路はカロスでも比較的短い道路だが、続く「映し身の洞窟」と共に摩訶不思議な物体が多数存在している事で知られている。
其の物体とは、道端に地面から突き出ている水晶の事だ。
抑々の話として、水晶とは二酸化珪素が結晶化した物であり、其の中でも特に透明度が高い物の事を指す。
主成分である二酸化珪素は地中深くのマグマに含まれており、其れが地表に溢れ出て溶岩となる時に水分と共に放出される。
そして其れが岩石の破れ目や空洞で冷却される事で、初めて水晶として現出する。
此等が大まかな水晶の出来方だが、此処に点在する水晶は主に二つの点で違う。
一つ目の点は、水晶を構成する成分だ。
本来ならば二酸化珪素が主成分なのだが、此処の水晶は未知の物質で構成されているらしく、最近の研究では此の水晶は高密度のエネルギー結晶体であるという事が判明している。
然しながら其のエネルギーの正体は解らず、研究者の間で意見が別れている。
二つ目の点は、其の地理条件だ。
先程述べた通り水晶は岩石の破れ目や空洞で冷却されて現出するが、其れには長い時が必要だ。
だが此処の水晶は其の条件に合う場所が無く、地面から急速に突き出た構造をしている。
まるで何かの出来事によって、其処に突然発生したかの様だ。
一つ目の点から、本来ならば『水晶』では無く『結晶』と言うべきなのだが、少しややこしいので『水晶』と続けておく。
兎に角、どうやら此処の『水晶』は普通の水晶とは違い、彼の有名なヒャッコクシティの『日時計』と同じく未知の物体の様なのだ。
因みに、ヒャッコクシティの『日時計』はポケモンの生命エネルギーで出来ている、と言う説もあるが、ポケモン保護団体等の反対もあり調査は進まず、其の真相は不明のままだ。
そんな摩訶不思議な水晶が点在する十一番道路に、少年はシャラシティに向かう為に来ていた。
セキタイタウンから少し離れた郊外迄は石柱が並び立っていたが、其の石柱群を抜けると、今度は水晶柱が輝きを放ちながら存在していた。
少年は化石とは違う神秘を暫しの間眺めていたが、旅の目的を思い出して直ぐに足を進ませる。
幾ら日数的に余裕が有るとはいえ、旅は早いに越したことは無いのだ。
少年がシャラシティに通じる「映し身の洞窟」に向かっていると、ムゲン団のTシャツを着た男性が水晶の前で円匙を片手に立っていた。
比較的小さい水晶を掘り出そうして悪戦苦闘しているが、此処の水晶は掘り出し禁止となっている。
少年が其の男性を止めようと声を掛けると、少年が見ている事に気付いた男性は、露骨に顔を顰めてモンスターボールを手に取る。
最近は何かと縁があるムゲン団とのポケモンバトルが勃発した。
少年とのポケモンバトルに負けると、男性は不格好な捨て台詞を吐きながら走り去って行く。
水晶を守った少年は近くを巡回していた監視員に男性の事を報告してから、再びシャラシティを目指して進み始めた。
其後は特に何事も無く、少年は複数人のトレーナーとのバトルやサイクリングを楽しんだ。
然し、遠くから彼を見つめる数々の影の視線には、少年は気づいていなかった…。
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〜映し身の洞窟〜 冥界の祭壇
古代において神聖とされた物は複数あるが、其の一つに鏡がある。
鏡には特別な力が宿り、境界の象徴として異界に通じる物とされていた。
其の為、自然が生み出した鏡が存在する此の洞窟は古代人には冥界へと繋がる場所と信じられ、洞窟深くには祭壇が建てられた。
前に「輝きの洞窟」の話をしたが、其処とは真逆の意味を持つ場所だ。
此処は鎮魂と慰霊の儀を行う場であり、だからこそ彼の『大帝』も此の地に近いあの場所を『最終兵器』の場に選んだのかもしれない。
だが現在では、其の祭壇は埋もれてしまったのか定かでは無いが祭壇が確認されていない為、其の様な事は存在しないとされている。
然し、旅行者の体験した都市伝説として其の祭壇の存在は有名であり、TV番組の特集や考古学の論文も出る程には信じられている。
そんな洞窟で、少年は今なんと迷子になってしまった。
少年が迷い込んだ場所には、年季が経っている石造りの祭壇らしき物と其の祭壇に置かれた巨大な黒耀石の鏡、そして祭壇の周囲には古代語で文章が彫られた数多くの石版があった。
何故少年が此の洞窟で迷子になってしまったのか、少し時間を遡ってみるとしよう…。
「映し身の洞窟」は世界にも類を見ない程に珍しい場所であり、カロスでは有名な旅行雑誌「カロスの絶景百選(ミアレ出版編集)」にも取り上げられている。
勿論の事、少年も此の場所を旅の楽しみとして興奮していた。
煌々と輝きを放つ水晶と氷の様に透き通った鏡が織り成す洞窟の光景は、まさに大自然の神秘としか言い様が無く、何時の時代も人々を魅了して止まない。
少年が其の神秘的な光景を眺めていると、鏡と化した岩石に人型の不審な影法師が写っていた。
そして鏡面に写る其の影は独りでに動き出し、洞窟の奥へと少年を誘う様に消え去ってしまう。
其の超常的な出来事に少年は驚きから一度目を擦り、もう一度目を凝らす様に動き出した影を観察すると、急ぎ足で影が見えなくなった場所へと向かう。
影が消えた場所に少年が辿り着くと、其処から見える鏡に其の影が漂っていたかと思えば、また直ぐに奥へと消え去って行く。
流石に追い駆けている影の正体に気付いた少年は、トレーナーズスクールで学んだゴーストタイプの対処法を思い出しながら、其の影を慎重に追い駆ける。
怪しい影を追い続ける事約一時間、少年は今いる所に来てしまった。
此の祭壇らしき場所迄影を追い駆けて此の場所に着いたのは良いのだが、其の影は何処にも見当たらない。
そんな少年が周囲を観察すると、やはり祭壇に鎮座している巨大な漆黒の鏡が目が向く。
其の鏡をよく観察してみると鏡には精巧な装飾の溝が彫られていて、過去に何かと打つかったのか数本の大きな罅割れがある。
少年が鏡を調べようと一歩踏み出した其時、其の鏡面の罅割れの隙間に複数の紅い目玉が浮かび上がり、驚いて立ち止まる少年に視線を向ける。
すると光を宿した少年の目は虚ろと成り、まるで操り人形の様にゆっくりと漆黒の鏡へ近付いて行く。
自我の無い少年の手が其の鏡に触れそうになった瞬間、少年の後ろから静止の大声が聞こえた。
「
鏡に触れかけていた少年が其の声に気付き、少年の目に光が戻る。
正気に戻った少年が声のした方向に振り向くと、其処には八番道路の海岸で出会った男性が立っていた。
そして其の男性の傍らにはあの珍しいフラエッテ以外に、手持ちポケモンらしいゴルーグとシンボラー、コータスもいた。
白髪で巨体の男性は少年に駆け寄ると、何をしようとしていたのか、と少年に尋ねる。
少年は洞窟で見た影を追い駆けて此の場所に着いた事を話し、あの鏡を調べようとしたら鏡面に紅い瞳が浮び出た、と男性に話す。
少年が鏡を指さそうとして件の鏡が置いてあった祭壇の方向に振り変えると、其処には古めかしい祭壇があるだけであの巨大な黒耀石の鏡は影も形も無くなっている。
先程迄確かに存在していた筈の不思議な鏡に少年は恐怖と驚きを感じて茫然とし、少年の気持ちを察した白髪の男性は、洞窟から一緒に出よう、と少年に話す。
少年は男性の気遣いに感謝を述べると、二人は急いで此の場所から離れる事にした。
少年が去り際に此の祭壇らしき場所を振り返った時、何故か居る筈の無い数多くのポケモンが隣の白髪の男性を見つめている様に感じた。
其後、夕方には無事に少年は男性と共にシャラシティ側の洞窟の出口に辿り着く事が出来た。
命の危機から脱した少年は男性に御礼を言い、恩人である男性に何か物品を渡そうするが、男性は一向に受け取ろうとしない。
男性の様子から少年が御礼の品を渡すのを諦めると、男性は少年に御礼の代わりにして欲しい事があると言う。
「
真面目な視線で少年を見つめる男性に、少年は前回の出会いの時に聞きそびれた事を質問する。
世界の破滅とは何か、そして世界を救うとはどの様な事なのか、と少年は男性に尋ねた。
其の質問に男性は少し考える様な仕草をして、少年に口を開こうとした其時、何処からか声が聞こえてくる。
少年が耳を澄まして其の声を聞いてみると其の声の主は複数人らしく、どうやらある人物を探しているらしい。
声をあげる人物達に何かを感じたらしい白髪の男性は、再び会う時に話す、と少年に告げて一瞬で消え去ってしまった。
男性の突然の別れに少年は唖然としながらも、少年も自身の旅の目的の為にポケモンセンターに向かった。
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〜シャラシティ〜 ポケモンジム前
カロス地方には数多くの観光名所が存在するが、其の代表格に此処シャラシティに存在する学修院、通称『マスタータワー』がある。
現在はメガシンカ発祥の地として知られている場所だが、元々『マスタータワー』と呼ばれる学修院は時のカロス王によってポケモンの研究機関として設立され、後に戦乱の世を生き残る為に築城学修院として改装された事によって今現在の姿となった。
そして此処シャラシティは其の学修院を中心として発展してきた街であり、天高く聳え立つ巨塔は住民達の誇りと伝統として語り継がれている。
そんな街であるシャラシティに辿り着いた少年は、今ポケモンジム前で最後の気合い入れをしていた。
格闘タイプのジムである此処シャラジムのジムリーダーは、彼の有名な『マスタータワー』の院長兼伝承者という大変凄い肩書を持つ女性だ。
どのポケモンジムも難関ではあったが、是迄のジム戦に比べ非常に厳しいポケモンバトルとなるのは間違い無い。
暫くすると少年は覚悟を決め、ポケモンジムの扉を開けて挑戦の一歩を踏み出した。
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〜ミアレシティ〜 カロス大図書館 論文コーナー
ポケモンと呼ばれる生物は人間とは比べ物にならない程に強靭な肉体を持ち、身体能力と言う点では非常に秀でている生物だ。
彼等は電気を産み出したり熱光線を吐いたり、更には超能力を用いたりと超常的且つ摩訶不思議な存在として、時に神と拝まれ時に死神として恐れられる等、人間と共存してきた。
そんなポケモンと人類だが、ある日ポケモンと人類について大変興味深い一つの論文が発表された。
其の論文によるとポケモンの種類にもよるが、一番高い割合で人間とポケモンの遺伝子はなんと98.764%の割合で一致するのだという。
残りの1.236%が人類とポケモンの違いなのであり、人類とポケモンは過去に同一の種から別れたものだ、と論文の研究者は結論付けている。
然し、かなり話題を呼んだ其の論文は発表された学会では無視された上に、後に研究者は禁忌の行為(ポケモンの改造等の生命冒涜行為)をしたとして学会からの除名処分を受けている。
そして其の研究者はあるカントー地方のジムリーダーと親交があり、あるポケモンの制御に失敗して以降行方不明になったとされている。
そんな論文だが、カントー地方でのとある人物による事故から其の論文は見直される事になる…。
ムゲン団での執務を終えた少女はとある物を探しに、ミアレシティにあるカロス地方一の蔵書数を誇るカロス大図書館に来ていた。
そして今彼女が居るのは世界各地の研究論文が置かれたコーナーであり、少女には余り似つかない場所だ。
多少胡乱げな視線で見られても可笑しく無いが、周囲の人々はまるで彼女の存在など無いかの様に過ごしている。
暫くして少女は目的の物を見付けたのか、人物名順で『F』と書かれた本棚から出て来て、受付で其れを借りると軽やかな足取りで去って行く。
パソコンに記された少女の貸出履歴には、『ポケモンと人間の遺伝子構造』という題名の論文が載っていた。
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誰か、続き書いてくれないかな…。|д゚)チラッ
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