ムゲン団はいいですよ。
新・ムゲン団(カロス)
過去に戻りたい
人間であれば誰も彼もが、一度は思った事があるのではないだろうか。
例えば、食べてしまったお菓子をもう一度食べたい。
例えば、無くしてしまった玩具を手に入れたい。
例えば、もう二度と逢えない人に会いたい。
そう、例えば、あの運命の時の選択を変えたい。
人によって理由は異なるが、誰しもがやり直したい過去がある。
そしてこれは、その様な少女の結末の一つ…。
言うなれば、あり得たかもしれない
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〜ミアレシティ〜 ミアレタワー最上階 展望室
ミアレシティの中心地にはプリズムタワーを改築した『ミアレタワー』と呼ばれる巨塔が聳え立っている。
そのミアレタワー内にはポケモンジムの他、展望台や商業施設、更には行方不明となった元チャンピオンが設立した慈善団体であるムゲン団の本部が存在する。
その最上階にある展望室では、曇り無き夜空に浮かぶ月から届く光によって、其処に存在する者達を照らし出していた。
一人は、喪服の様な目隠しと、漆黒のドレスを身に纏った少女。
そしてもう一人は、年季の入った旅装束を身に着け、彼の父親の過去の姿によく似た少年。
数多くの試練を、数多くの協力者達のお陰で乗り越えて、急いで此処に辿り着いたであろう少年に、少女は背を向け、窓ガラスの向こう側の景色を眺めながら、ただ静かに語りかける。
「此処に辿り着くのは、貴方だと思っていた」
「此の時代を生き、未来がまだ輝かしい貴方には、その資格があるから」
「貴方のお父さんでも、他の誰でもない貴方だけに」
「貴方も、もし私を止めたいと言うのなら…」
そこで言葉を切り、少女は振り返り少年少年に目を向ける。
「貴方も、この世界と共に消え去るがいいッ!!」
ムゲン団総帥の 『セレナ』が 勝負をしかけてきた!
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カエンジシの様な髪型をしたその男性に初めて出会った時、少女はその男性を変人だが凄い人だと思った。
次にその男性に出会った時、少女は彼を情熱的な理想家だと感じた。
その次にその男性に出会った時、少女は彼を努力家で善良な人だと思った。
そして、最後にその男性と出会った時、少女は彼を現実に破れた敗北者であり、彼の描いていた理想の未来を引き継ごうと決意した。
その後、少女は好敵手であり想い人であった少年を倒し、遂にカロスのチャンピオンとなったが、同時に確かにポケモンは好きではあるが、好敵手である少年の様な強い意志でチャンピオンを望んだ訳では無いことに葛藤を感じていた。
然し、好敵手である少年はまだ夢を諦めてはいないと少女に断言し、いつか必ず少女を撃ち破ってみせると約束した事で、少女は多少救われた。
実際に好敵手の少年は何度もカロスリーグに挑戦し、最後は少女との白熱したポケモンバトルを繰り広げた。
そして好敵手が目指すチャンピオンに相応しくなる様に考え、ある組織を設立して彼の理想を少しでも実現しようと努力した。
しかし少女は、彼が何故あの様な狂気じみた行動に走ったのか理解した。
そう…。理解する他無かった。
『守る強さ……か。だが、君は何を守るのだ?今日よりも悪くなる明日か?』
あの言葉は間違っていなかった。
限られた資源を只々浪費してゆく人々。
他人を貶め、己の利益の為に行動する人々。
口では綺麗事を宣いながら、裏では汚職に手を染める人々。
そして、努力をせず他人の助けにのみ縋り、更に助けを求める人々。
守りたい明日とは、この様な未来の事だったのだろうか?
一日過ぎる毎に、世界はより悪くなる。
自分だけが、過去と変わらないままで。
そんな中、想い人である好敵手から結婚式の招待状が届いた。
相手は同時に旅に出た同年代の女性だと書いてあり、これからはポケモンバトルを控えてカロスリーグにも挑戦しないと考えていると書かれていた。
世界を知った少女の数少ないの心の支えと化していた好敵手との交流が無くなると考えた時、少女は自身の心が砕けた音を聞いた気がした。
同時に、カロスリーグの執務室に置き手紙を遺して少女は行方を眩ませた。
少女の失踪はニュースにもなり、ポケモンリーグによる大規模な捜索活動が行なわれたが、少女の痕跡を示す物は何一つ見付からなかった。
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ムゲン団という組織がある。
この組織は、少女が理想の世界を実現すべく設立した慈善団体であり、主に野生ポケモンの保護や孤児院・トレーナースクールの運営、環境保護等の活動をしている。
しかし当然のことながら、少女が失踪した事によって組織に混乱が広がっていた。代表である少女が消えた事で、組織の舵取りをする者が居なくなったのだ。
だが、その混乱は短期間で終息した。
副代表であり、炎タイプの四天王の座に君臨している女性が代表となったからだ。
新しく代表となった彼女は、ポケモンの生命力を源とする新たなエネルギー研究に注力する様に命じた。
表向きの理由は、環境に頼らない無限大エナジーの利用による社会の発展の為だったが、真の目的は違う。
無限大エネルギーの研究はとある少女からの指示であり、彼女はその真の目的を達成すべく行動していた。
過去へと戻り、あの方の理想を実現する為に…。
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〜アサメタウン〜 民家
父親によく似た少年が、明日から始まる旅に向けた準備をしている。
トレーナーとなり旅に出れる年齢である十歳を超え、少年は既に十五歳となっている。
他のトレーナーに比べると遅いが、彼の父親も同じ年齢で旅に出て、今となっては此のカロスのチャンピオンとなり連勝記録を更新している。
勿論、少年の旅の目標は父親であるチャンピオンを超えることだ。
それを父親と約束し、実現出来るように努力してきた。
父を超えるという決意を新たにしたところで、彼の母親が少年に夕食の準備が出来た事を伝えた。
少年が居間に着くと、多忙な筈の父親も着席していた。家族全員で此の御目出度い門出を祝うのだ。
因みに、夕食は少年の好物であるリヨン(フランス版豚の角煮)だった。
食事が終わると、両親からプレゼントがあった。
プレゼントの中身は、タウンマップとキズぐすり、モンスターボールといった旅の必需品ばかりだ。
少年は両親に感謝し、自室に戻って相棒であるフォッコとハリマロンと共に、明日に備え川の字で眠りに就いた。
少年が去った居間では、両親が少年について話していた。
「ねぇ、貴方。あの子、本当に大丈夫かしら?」
「問題ないよ。僕達の子供だ。きっと、この僕なんて軽く超えられるさ。」
「でも、もし彼女みたいな事になったら…。」
彼らの背後にある写真の中で、旅立ちの日に全員で撮った集合写真が、ひっそりと存在を主張していた。
そこには、居なくなった少女と旅の同期達が、満面の笑みを浮かべていた。
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そして、遂に旅立ちの日。
両親の見送りもそこそこに、少年は一番道路とメイスイタウンを抜け、ニ番道路に来ていた。目的は、最初のポケモンをゲットするためである。
しかし、少年にとって野生のポケモンを捕まえる事は初めての事であり、中々上手く出来ない。
時間ばかりが過ぎていき、段々と焦る少年。
そんな少年に、声をかける物陰が一つ。
少年がその声に驚き振り向くと、そこには一人の少女がいた。
喪服の様な服を着た、美しくも儚げで、そして何処かで見た事があるような少女だった。
少女もまた、驚いていた。まるで、過去の想い人にそっくりだったからだ。
それは、そんな出会いから始まる
駄文を見て頂き有難う御座いました。
誰か続き書いてくれないかな…。
オリジナルポケモンはあり?
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あり。
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なし。
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知らん。