キャロルちゃんをママと呼ぶ話が書きたかっただけ   作:小指のファウストローブ

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今回はキャロルちゃんの視点はなし。というか当分はアリアちゃんの視点で背景を固めるかも。
地の文が私なのは仕様です。セリフも本来なら時々一人称がアリアではなく私になったりするけど今の所ない。

あと今回もアンケートの時間だァ!


アリアちゃん転校生になる

 青いランドセルに必要な教材を詰め込み、学校指定の帽子を被って名札を取り付ける。あと忘れちゃいけない防犯ブザー。うっかり引き抜いた時は音で肩がビクンと跳ねたっけ。

 

 今日から私も小学生。

 友達たくさんできるかな。

 

「アリアちゃんこっちを向いてください」

 

「どうしたのファラ?」

 

「写真撮りませんか?」

 

 ファラの手には立派なカメラがある。

 

「撮る撮る!」

 

 ランドセルも一緒に写す為に角度をつけてポージング。笑顔も勿論忘れない。気分はモデルさんかも。空かさず鳴るシャッター音と満足気な様子のファラを見ればベストショットは一目瞭然。あとでママに頼んで現像してもらおう。

 

「良い感じ?」

 

「良い感じですわ」

 

 ニコニコと笑い合っていれば時間もそろそろ頃合い。初日に遅刻はテレポ案件なのでファラの手をとって家の外へ。

 

 つい最近になって生えた(・・・)我が家に別れを告げる。改めて見ても立派な佇まい。シャトーと比べたらちっちゃいらしいけどお城と比べる時点で変だと思うの。凝り性なママらしいと言えばらしいけど。

 

「では行きましょうか」

 

「うん」

 

 転校生の私はまだ登下校の班に属していないので1人での登校になってしまう。だから今日はファラが付き添いとして同行する事になってる。

 

 小学校までの距離はさほど遠くない。子供の脚で徒歩25分くらいかな。ママがわざわざ学校近くの土地を買い取って建てた家だから当然と言えばそうなんだけど。周辺の物件を全て見てから気に入らないって自分で施工しだすのはどうなんだろう。

 

 うちって業者さんなのかな。お城も建てた経歴があるからそうかも。あと雨樋を流しそうめん機に改造しようとしたエルフナインは見たくなかったな。教えた私が悪かったのかな。

 

 

「思ったより新しい校舎だね」

 

「なんでも新しく出来た私立小学校らしいですよ。大学附属高校の敷地を更に拡大して建てた新校舎だとか」

 

「小中高大のエスカレーター式にしたいのかな?」

 

「確か別の場所に同時期に建てられた幼稚園があるらしいですわ」

 

 思った以上のブルジョアな学校だった。レイアポイント高そう。自分のセンスと勢いで決めたのは速まったかも?

 

「折角ですし此処でも1枚撮りましょうか?」

 

「そうしよっか、ママも喜ぶ」

 

 キリッとキメてシャッター音を待つ。カメラを覗き込むファラは撮る合図を送ったすぐ後、あっけらかんとこんな事を言い放つ。

 

「言い忘れていましたわ。その制服、とても似合っていますよ」

 

 キメ顔が崩れた。どうやらファラは思った以上にカメラマンとしての才能があったみたい。おかげで緊張も解れちゃった。

 

 

 校内のマップを頼りに職員室に向かう。広いからもっと迷うと思っていたけど早々に見つけたのは僥倖だったなぁ。

 

 担任の顔合わせをしてから教室まで案内されて扉の前で待って、先生から自己紹介の内容を考えるように言われた。ママがくれた苗字を暗唱しておく。

 

 ママと同じ苗字じゃダメなのかって聞いたけど危険だと言い捨てられた。名乗るだけで危険な苗字でなんだろう。

 

「入って来ていいよ」

 

 向こう側からそう聞こえたので教室へと踏み入る。

 

 姦しい喧騒と好奇の視線が突き刺さる。特に髪の毛付近。やっぱりここまで白いのは珍しいのかもしれない。パッと見ても似通った容姿の持ち主は居ない。

 

 先生から白いチョークを受け取り名前を黒板に刻む。足場が有難い。

 

「はじめまして、本日から一緒の教室で勉強させていただきます。『宝条 アリア』と言います。よろしくお願いします」

 

 少し堅かったかも。でも予行演習だと大丈夫って言われた、いや今思えば小学校に行ったことのある人居なかった。というか半数が人でさえなかった。アリアちゃんもしかしてやっちゃった?

 

「好きな事とか物とかも先生聞きたいかな」

 

「えっと……」

 

 流石に錬金術ですとは言えないよね。ママにも怒られちゃうし。

 

「読書、かも?」

 

「何故に疑問形?」

 

 好きな事は勉強ですとはちょっと言い難い。だって此処勉強する所だし何か違うって言うか。じゃあ他に何かと言われた場合読書としか言えない。ミカとの遊びは小学生にそぐわない事くらい私でも分かるし。

 

 結果無難な回答になってしまった。

 

「宝条さんの席はあそこね」

 

 指された席は左奥の席。すぐ後ろには廊下に続く扉がある。隙間風とかあったら地味に寒そう。あとあの席だけ隣が居ないと言うのもマイナス。

 

 前の席の子によろしくねと挨拶をしておいたけど赤い顔で顔を逸らされた。何故だろう。

 

 『あさのかい』という名のホームルームを終え、必要な教材をランドセルから取り出しているとぞろぞろとクラスメイトが私の席目掛けてやって来る。誰も彼も興味津々といった様子。

 

 名札に書かれた名前をとりあえず全員覚えて顔と紐付けて改めて記憶しておく。

 

『何処から来たのか』 『ハーフなのか』 『親は何をしているのか』

 

 断続的な質問に答えていく。どれも予め用意しておいたバックボーンなので全部嘘なのが申し訳ないけど、ママに迷惑掛かっちゃいけないし。

 

 

 授業は正直退屈だった。目新しい事は特になく、黒板に書かれた内容をノートに写していくだけだから。でも道徳とか生活とかはなんだろうね、前者は若干国語っぽいし後者は理科と社会に近い気がするけど何か大きな違いがあるのかな。

 

 体育は楽しかった。

 さすがのシャトーにも跳び箱はないからね。たぶん強請ったら次の日にはご立派なのが出来るけど。そんな事にはならないでしょう。

 

「次は何回捻りを入れられるかな」

 

「入れないでよろしい!」

 

 ハンドスプリングから始まり色々試していたら体育の先生に全力で止められた。なんでだろうね。

 

 怪我とかした試しがないから大丈夫と言ってもわかって貰えなかった。真っ青になった先生が可哀想だから止めておいてあげよう。

 

 

 休み時間はどうにか前の席の子に名前を呼んでもらえた。粘り強い説得が効いたんだよ。でもやっぱり顔が赤いから保健室行こ。

 

「大丈夫です!」

 

「そんなに手を突き出さないでもいいじゃん。アリア傷付いちゃうなぁ」

 

「うぇ、ごめんそんなつもりじゃ!?」

 

 打てば響くとはこのこと、百裂張り手のようにシュバシュバ手を突き出す様も見てて飽きない。ママとは違う方向で接していて楽しいかも。でもそろそろ可哀想かな。

 

「えへへ、別に気にしてないよ!」

 

 目に見えてホッとしてる。でも相変わらず顔は赤い、体質なのかな。りんご病とかじゃないといいけど。

 

 

 ソフト麺って食感が何とも言えない。茹ですぎてるような、そうでも無いような曖昧な感じ。あとミートソースが少し甘すぎじゃないかな? 牛乳もなんか薄いというかなんと言うべきか食レポに困る。成分的には違いがない気がするけども味覚受容体に秘密があるのかな。

 

「なんでスパゲティを睨みつけてるのアリアちゃん……」

 

「未知の味だからだよ」

 

「やっぱり変わってるねアリアちゃんは」

 

「ちょっと失敬だね」

 

 あと小さいブロッコリーって大きいのに比べて美味しく感じる気がするのは好みの問題なのかな。唯一見慣れたサラダをまじまじ見てたらやっぱり変だと笑われた。私も失敬だと改めて言い返しておく。

 

 

 程よく充実した時間も『かえりのかい』を持って終了。と言っても明日も学校には来るんだけどね。取り敢えず初日は問題も無く終わった。友達らしい友達も出来てきたからスタートは好調でしょう。明日も頑張ろーという所で下校時間なんだけども。

 

 私の方面に帰る人がまさかの1人、集団登校ってなんだっけ。不幸中の幸いはクラスメイトだってことだね。これはお友達にするしかないよ。

 

「お友達になって下さい!」

 

 ベッタベタのストレートコミュニケーションだ喰らえ!

 

「嫌よ」

 

「然しものアリアも断られるとは思わない!?」

 

 長い黒髪に神経質そうな細い眉を持った同級生は琥珀色の瞳をキツく歪ませている。明らかな拒絶、身に覚えのない敵意。私の学生生活に早くも影が差し始めているかも!?




とりあえず小学校の一日分を縮めてみた。
アリアちゃんの変人ぶりというか変態ぶりをパパっと描写するとこうなる。実は通常教科もちょこちょこやらかしてた。

感想評価待ってやす。

アンケートは4/1まででいいかな。埋まるの速かったし。

オリキャラの可否を決める(響の代わりになる琥珀色の瞳の子)

  • 大いに構わん! やれ。(友情)
  • ダメです。小学校だけのモブ!
  • ここにキマシタワーを立てよう!(百合)
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