おかげさまでUAは137249、しおりも363件、お気に入り件数も801件、感想数も460件(2022/10/16 10:45現在)となりました。ありがとうございます。
もう100話まで秒読みの段階まで来ましたが、それもこうして皆様が支えて下さるおかげです。改めまして感謝を申し上げます。
そしてAitoyukiさん、拙作を再評価していただき誠にありがとうございます。こうしてまた筆を執る力をもらいました。ありがとうございます。
それと今回の話を書いてたらまた15000字余裕でオーバーしそうなんで分割しました(白目)
という訳で今回の話は短め(8000字程度)となっております。それに注意して本編をどうぞ。
「――神の使徒様はまだ六十一階層で苦戦されているそうだ」
「此度でもう五度目……まだ十全な状態で突破出来ぬというのか」
「我等が最善を尽くして支援されているというのに……貴公ら騎士団の怠慢ではないのか?」
「我等を愚弄するか! 騎士団の中の選りすぐりを使徒様がたの許で戦わせているのだ! 言いがかりはよしていただこうか!!」
ハイリヒ王国の王宮にある会議の間にて、各部門の大臣やイシュタルら聖教教会の上層部らは顔を突き合わせて互いに憂鬱な表情を浮かべている。それは議題ともなっている神の使徒の現況が原因であった。
裏切者である中村恵里、南雲ハジメ、谷口鈴の三名が天之河光輝らを引き連れてオルクス大迷宮の深部へと潜っていった後、
当初は神の使徒たる永山らのステータスの高さ、騎士団及び神殿騎士らの中で特に優秀な人間を三十余名を連れて数の暴力で押し込んだこともあってか破竹の勢いで階層を進んでいった。しかしそれも二十六階層を超えるまでの話。
そこから次第に攻略速度も鈍化し、四十階層を超えた辺りから全員の消耗が激しくなり、四十八階層で回復薬が底を尽きて一旦足を止める。そして二日かけて地上に戻っては再度攻略。そして三日かけて六十一階層まで進んだ際に持ち込んだ薬品がほぼ底を尽きる。そして三日かけて戻り、一から攻略にあたる。ここ最近はこの流れを繰り返しをしていたのだ。
「これもそれもダーククリーパーのせいだ!! あの魔物さえいなければ足止めを食らうこともないというのに!!」
その名前が出た途端、会議の場にいた全員の顔が暗くなる。それもこれもこの魔物の持つ厄介な特徴のせいであった。
ダーククリーパーとはウォンバットを二回りほど大きくしたような魔物だ。この魔物は土属性魔法を使ってそこかしこに穴をあける性質があり、また極端に足跡も小さい上に普段は巣穴に隠れている。そして獲物の足音を聞いた途端、そこかしこからあけた穴より襲撃するという性質から冒険者に忌み嫌われており、気が付いた時には背後から首を狙われるということも少なくない。だがこの魔物が嫌われるのはこの点だけでは無かった。
「倒せど倒せど数が減らぬ……なんとおぞましいことか」
そう。この魔物の真に厄介な点はその数である。何せどこぞのGのように一匹襲って来たら三十匹はそこかしこの穴から出てくる直前だったというのがザラにあるのだ。天井、足元、壁の穴からいつそれらの大群が襲ってくるかわからず、しかももう一度この魔物がいる階層に戻って来た頃には既に前回と同じぐらいの数に戻っている。これが悪夢でないはずが無かった。
「だが、永山様がたは数をこなす毎に立ち回りが上手くなっているという報告が上がっている。だというのに貴様ら騎士団は相も変わらず……うだつの上がらない兵でもあてがっているのではないか?」
「何度我等を虚仮にする気だ!! 国境の防衛にあたっている腕の立つ者にも声をかけて引き抜いているのだ! 実力に関しては申し分なかろう!! 教会の皆様が“豊穣の女神”様のためにあてがった戦力の幾らかをこちらに回していただければ――」
当然進んだ分部隊の練度と技量は上昇しており、特に結界魔法を使える人間はこの魔物相手に必死にバリアを張っているせいで相当張り方が上手くなっていた。しかし、先述した魔物のせいで例の階層から先は消耗が激しいことから進めなくなっているのは事実であり、それ故に誰もが苛立っている。遅々として進まない迷宮攻略の責をこうしてなすりつけ合うのは自明の理であった。
「皆の者、静粛に!」
溜まっていくフラストレーションが爆発する前にエリヒド王は一喝して黙らせるも、教会と騎士団の間の険悪な空気は改善されず。このままでは神の使徒のオルクス大迷宮攻略に支障が出てしまうと誰もが危惧した矢先、ルルアリア王妃が挙手をした。
「申し訳ございません、皆様がた……現状オルクス大迷宮の攻略は厳しいご様子ですし、このままでは永山様らの威光が
イシュタル教皇やエリヒド王と比べれば発言権は劣りはするものの、腐っても王妃である。ましてやこうして紛糾している状況を打破するために差し込まれたまっとうな意見を誰も無視することは出来なかった。
「……なるほど、領内へ永山様がたを派遣されると」
「確かに。オルクス大迷宮の攻略の知らせを巡らせても、ここ最近は“伝説”の冒険者と民衆からよく比較されるというのも耳に入っております。であれば新たな試みは必要でしょうな」
「流石はルルアリア王妃様であらせられる」
教皇が実質的なトップであるとはいえ、飾りでしかない権力としても力は力だ。事実イシュタルの心を動かし、他の面々もそれを非難することなく受け入れている。ひとまず事態が落ち着き、騎士団と聖教教会との間に亀裂が走ることを食い止めることに成功したことにルルアリアは心の中で少しホッとしていた。
(このままでは重吾さんが、他の皆さんが……)
――この場で唯一、『神の使徒』と持ち上げられている少年達を案じているリリアーナに気付かないフリをして。
未だ実質的な軟禁が続いていたリリアーナは目の前で繰り広げられている会議を何とも複雑な思いで見ていた。
理解は出来る。だって彼らは自分達を救うためにこの世界に遣わされた偉大な存在なのだから。こうして永山達がオルクス大迷宮で訓練を続けているのは、単に彼らの腕を鍛えるためではない。攻略を続けることで彼らの腕を喧伝するためだ――かの“最強”と呼ばれた冒険者を神の使徒は超えたのである、と。
かつて相対したベヒモスはその二つ名を持つ冒険者をして歯が立たない相手であった。だがもし、それを神の使徒が倒したとしたら? 少なくとも冒険者の間では彼らの存在が大いに称えられるであろう。そしてベヒモスは図体も大きい。防腐処理を施した上で首や爪などを持ち帰れば神の使徒の武勇に箔がつく。だからなおの事、国が総力を挙げて攻略に力を入れていたのだ。
だがそれも既に陰りが見えてしまっている。幸い死亡した人員は今のところ誰一人いないが、それは天職が“治癒師”である辻や教会の人間が必死になって治療しているからであって、損害そのものが皆無という訳ではないのだ。度重なる戦闘による回復薬や食料に武具の消耗が激しく、しかもそれが神の使徒の護衛として選ばれた部隊の人間の方がひどいといった具合なのだから。
仁村が群れの攻撃を受け止めて吉野が付与魔法による支援、永山や玉井らが肉薄し、野村と相川が魔法による援護を行っている。そして傷ついた人間を辻が癒す。そんな彼らをサポートするべく遊撃をしたり、集団で中級魔法を放つなどして敵を撃破するなどして貢献していたという旨を永山から聞いてはいる。そして彼らのステータスが低い分、傷を負い、魔力が尽きて薬品を服用する頻度が多いことも。
それらを考えるとここが限界であったと言わざるを得ないし、彼らの威光に陰りを見せぬようルルアリアが新たな策を考えたというのも理解できる。それはいち王女としてリリアーナもわかったつもりでいた。
(私だって王女です。このままでは重吾さん達の立場だけでなく、この国そのものが傾きかねないことぐらいわかってます。けれど……)
既にパレードを行って大々的に神の使徒の存在を喧伝している。それ故に彼らが目立った成果も出せずにいたらどうなるか。それは間違いなく落胆や失望に繋がってしまうだろう。彼らの存在を宣伝してしまったが故にその傷は深くなってしまう。そしてその失意がどこに向かうか――神の使徒への不信あるいは王家に向けられるとこの場にいる誰もが容易に想像出来た。
六十一階層まで頑張って攻略しました、では駄目なのだ。もっと派手に、もっと目立つ成果を引っ張て来なければただの
(神の使徒の皆さんは……皆さんだって私達と同じ
……だが、リリアーナは知ってしまった。彼らの人となりを。大した時間でなかったとはいえ、何度となく話をしたからこそ少なくとも光輝と永山がどういう人間かを彼女は知ってしまっていた。
なんてことはない。嬉しいことがあれば笑顔を見せるし、不安なことがあれば思い悩む。立場上敬わなければならないだけで、それ以外は自分達と変わらないのだと理解してしまっていた。
毎日訓練に明け暮れて、そして作法を身に着けるためのレッスンを繰り返していると自分が何をやっているのかがわからなくなると永山がこぼしたこともあった。メイドと話をしている時とリリィと一緒にいる時間だけが唯一安らげる、とどこか疲れたような表情で語ることも少なくなかった。
あまり長く話し込んでいた訳ではないにせよ、こうして彼らと何度も会って話をしていた。華々しい活躍だけでなく苦労も聞いていた。だからこそ永山だけでなく他の神の使徒にも親近感も抱いていたし、話しか出来ないことを歯がゆく思っていた。ただ戦いに送り出すだけで何の力にもなれないことに苦しんでいた。
(……もし、もし彼らが人を殺してしまって、そのせいで皆さんが壊れてしまっても、お父様は、お母様は、ここにいる皆様は何も、何も思わないの……?)
故に、この場にいる人達が勝手に彼らの命運を決めてしまうことが怖くて仕方が無かった。怒りを覚えない訳ではない。けれどもその怒りのままに動いたところで彼らに何か出来る訳でもない。聡明なリリアーナだからこそ動けなかった。動く意味が無いことをわかっていた。
(私は、私は……)
ただ力のない己が恨めしい。彼らを助ける力さえあれば、意見できる立場さえあれば、とうつむいて耐えるだけしか出来ない。そのことが何より辛かった。下手に動いたとしてもあのクゼリーのようになってしまうのが怖くて動けなかった。
「――であれば、デライオン盗賊団とやらが適当ですな。規模に関しても申し分ないでしょう」
「うむ。彼奴らも勇者様の覇業の礎となれるなら本望だろう」
(……どうして、私は無力なの?)
心の中で浮かんだその疑問に誰も答えることは出来ず。彼女の心情など誰も汲むことなく会議は進み、対人戦の訓練を何度かこなしてから実際に盗賊の討伐を行わせることが取り決められる。そしてホルアド~フューレン間の街道でうろつく賊の噂が議題に上がり、その討伐に向かうことが決定されたのであった。
「……は? とう、ばつ?」
「えぇ。卑しい賊どもを皆様の手で滅ぼすのです、使徒様がた」
そして先の会議で取り決められたことは練兵場にいた永山達にももちろん伝えられることとなった。休憩時間を利用し、彼らと付き合いが一番長いことから伝言を頼まれたクゼリーは微笑みを浮かべながらそう述べる。
「ね、ねぇクゼリーさん。そ、それって盗賊の人を殺せ、ってことだよね? 私達がしなきゃ、なんだよね……?」
さも当然のように語る目の前の女性に対し、吉野は普段の軽い感じの口調も態度も消え、かなりうろたえた様子で問いかける。戦争に参加する旨は確かに伝えたし、覚悟はしたつもりだった。けれども
「何を仰せになられるのです真央様? 奴らは既に人としてしてはならないことを幾度となく繰り返しているのです。ならば皆様が戦争で活躍するための糧とするのが世界のため、いえ道理なのは明らかだと思われますが」
微笑みを崩すことなくさも当然とばかりに答える女に、質問した吉野だけでなく永山達は震える。
「せ、戦争のために俺達呼ばれたんだろ……?」
「そ、そうだよ。こ、ここまでやれなんて言われてねぇ――」
「何故ですか使徒様」
玉井と仁村がそんなことは知らない、やりたくないとばかりに言い訳をしようとしたその時、クゼリーの顔から表情が抜け落ちた。それは周囲で彼らを見守っていた神殿騎士にまで伝播していき、神の使徒と称された少年達は短く悲鳴を漏らす。
「使徒様がたは我等人間族解放のために遣わされた方々のはずでしょう? なのに何故拒否されるのですか奴らは私達の生活を脅かす存在ですよ神の名の下に滅ぼすのが定めのはずでは? 魔人族との戦争の予行演習にもなるというのにどうして拒まれるのですかおかしいおかしいおかしい」
「ひぃっ!?」
その悲鳴は誰のものか。まるで
「国のために徴収した税を支払ってまで我等は援助したのです。何故ですか使徒様お答えください」
「我らの願いを無碍にするとでも仰るのですか何故ですどうしてですどういうことです答えて下さい答えろ答えろ答えろ」
「何故我らの頼みを無碍にされるのですか皆様――まさかあの裏切り者どものように我らを裏切る気か。答えろ。貴様らはエヒト様の遣いのはずだろう。もしや違うというのか。ならば今殺す絶対殺す確実に殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
誰もが身に着けた装備を手にし、今にも襲い掛かりそうに武器を構える。そこには普段彼らが向けてくる崇拝の念は無く、『神敵』を前にしたかの如くどこまでも冷たくおぞましいまでの敵意を露わにしていた。
「これはイシュタル教皇の御意志でもあるのですよ?――今すぐ答えろ。さもなくばここで殺す」
「わ、わかった!!」
そしてクゼリーもまた腰に下げた鞘から剣を抜き、上段で構えるのを見ると同時に永山が声を上げる。
「し、従う!! お、俺達は神の使徒だから、参加する!! だから、だから武器を下ろし――」
参加することを伝えなければ絶対に死ぬ。それを確信し、皆を守るためにすぐに命乞いをすると同時に彼等の瞳から敵意が抜け落ち、尋常じゃないまでの殺気も一瞬で霧散していく。そして能面のようになっていた彼らの表情に敬意や崇拝の念が瞬く間に戻っていき、すぐに自分達の前でクゼリーらは
「そうですか……申し訳ありませんでした、使徒様がた。皆様がたを疑ってしまい、誠に申し訳ございません。どうか私めの命を以てその罪を贖い――」
「や、やらなくていい!! 今すぐ武器を下げてくれ!! クゼリーさん、ゲインさん達も!!!」
「そ、そうだ!! やらないでくれって!!」
「や、やめてください!! わ、私達が悪かったですから!! 反省してますから!! ねぇ!!!」
今度は咎人の如く、許されない真似をした己を恥じるかのように自分の武器を首に添えるなり、互いに向き合って武器を向ける――互いに介錯せんと武器を振り上げた。それを永山は必死になって止めようと声をかけ、野村や辻など他の面々も何度となく声を張り上げる。
「……先程は誠に申し訳ありませんでした。使徒様がたからかけて下さった慈悲に応じるよう、今後も一層励む所存です」
「わかって、くれたらいい……ハァ、ハァ……」
かれこれ十分ほど説得に時間を費やしたことで彼らも自害を止めた。しかし一層深まった崇拝の念を向けられ、息を荒げていた永山達は生返事をするしか出来なかった。そして訓練を終えた彼等はうつむきながら部屋へと戻っていく。
(本当に、これで良かったのかな……)
(私達、取り返しのつかないことをしたんじゃ……)
吉野と辻は今更ながら自分達が間違ったことをしたのではないかと後悔していた。
『この世界に連れて来た神様の言う通りにすれば帰れる』と信じて戦いに身を投じた。仲間の誰かが、もしくは自分達が魔法で殺した魔物を見て吐き気がこみ上げてくるのは今でも変わらない。けれどもこれから自分達は『人』まで殺す。それを自覚させられて体の震えが止まらなかった。
(あそこでうなずかなかったらどうなるかわかんなかったけど……けど!)
(何だよ、あれ……ひ、人殺しをしたくないって言っただけでなんであんな目を向けられなきゃならないんだよ……)
(怖ぇよ、怖ぇよぉ……人殺しなんてしたくねぇよぉ……)
相川、仁村、玉井もまた戦々恐々としていた。
日本にいた頃には戦争なんて自分達とはあまりに縁が遠い言葉であったし、自分達が関わることになるなんてこれっぽっちも思ってなかった。こうしてトータスに来る羽目になってもそれはゲームの延長、強いモンスターを倒してそれで終わりだなんて軽く考えていた。
けれども自分達の手で殺した魔物の放つ血の臭いが、教え込まれた剝ぎ取りを繰り返す度に感じる血のぬるりとした感触や硬直した筋肉が、時折砕けていたりする骨の触感が、これがただの現実で、いくら自分達を襲ってくるといえど生き物の命を奪っていたことを実感させていた。それが今度は『人』に変わる。そう思うと背筋が凍ったような心地がして自然と過呼吸になってしまう。
(そう、だよな……俺達、戦争するために呼ばれたんだよな。人を、殺すんだもんな。今までの訓練でも、騎士の人達を何度も何度も……)
野村は永山グループの中で数少ない人物――自分達は『人殺し』をやらされることを自覚していた人間であった。
当初『戦争』と聞いた時はまさか、と思っていたものの、こうして何度も『対人戦』をこなしていれば嫌でもわかってしまう。自分達は本物の戦争をするのだ。自分の手で何人も人を殺すのだ、と。『神の使徒』だなんてどれだけ持ち上げられていようと自分達は軍人に、兵士でしかないということを理解していた。
だけどそれを認めたくなんてなかった。だって怖いから。家に戻った時に家族にどう思われるかが、日本に戻った時に人殺しをした自分の居場所なんてあるかわからないから。だからオルクス大迷宮の攻略などで魔物を殺してる時に『自分が戦うのはこういう化け物なんだ』と思い込もうとしていた。それに冷や水をかけられて、目を覚まさせられた心地だった。
(……そうだ。戦争、なんだ……俺達は、人を殺すために呼ばれた。呼ばれて、きたんだ……)
そしてリーダーである永山も自分達のやることの重さを理解し、覚悟していたはずの人間だった。けれども同時に皆に人を殺すことを強要するのが怖くて何も言わなかった人間でもあった。もし自分達がこれからやることを皆に伝えてしまえば彼らがどうなるかわからない、と自分に言い訳をして。そうしてずっと黙り込んでいた。それが最善だと信じて。
魔物を殺すのだってようやく慣れてきたばかりで、戦争に参加するなんて、ましてや人を殺すなんてもっと先の話だと思っていた。けれども盗賊の討伐に自分達が駆り出されることを聞いて頭をガツンと殴られた心地になった。現実を見ろ、と。自分達はこれからその手をぬぐい切れない程の血で染めることになるんだ、と。
怖い。やりたくない。けれども逃げられない。逃げる場所なんて、ない。
とてつもない恐怖と後悔、そして先の見えない不安に苛まれながらもそれを打破する術を彼らは持ち合わせていない。ただ重い足取りのまま、これからやらなければならないことが頭の中で何度も何度もぐるぐると回った状態で部屋へと戻るしか出来なかった……。
後編は水曜辺りに投稿出来たらいいなー、って思ってます(出来るとは言ってない)
ちょっと皆様に質問をば。ヒーローショー、ってお好きですか?
ちなみに作者は大好きです。ええ。