あまりありふれていない役者で世界逆行   作:田吾作Bが現れた

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皆様大変長らくお待たせいたしました。ようやっと落ち着いたので戻ってまいりました。

では改めまして拙作を見て下さる皆様への盛大な感謝を。
おかげさまでUAも210252、お気に入り件数も929件、しおりも457件、感想数も733件(2024/6/18 17:06現在)となりました。誠にありがとうございます。

では今回の話を読むにあたっての注意点として長く(14000字足らず)なっております。では上記に注意して本編をどうぞ。


幕間五十六 これが彼らの進む道・序

「……以上が報告となります」

 

「ったくあの馬鹿は……」

 

 ――話は反逆者と呼ばれた少年少女達がライセン大迷宮を発見したその日まで(さかのぼ)る。

 

 玉座に腰かけながら大臣の報告を聞いていたガハルド・ヘルシャーは頬杖を突き、苦虫を嚙み潰したような顔をしている。そしてそれはこの玉座の間にいる全ての人間も同様であった。

 

「後継ぎとして箔のひとつでもつけてやろうって思ってたが……とんだ期待外れだったな」

 

 先の報告は皇太子であるバイアスの失態のものだ。アンカジ公国との交渉の場において『出した条件は全部吞め。さもなくば殺す』だの『友好の証にそこの女を寄越せ。文句はないだろ?』と不要な圧をかけたり、公女であるアイリーに舌なめずりしながら身柄の引き渡しを要求したりといったやらかしについてだ。

 

(ガキ()の育て方を間違えたな)

 

 おつきの文官が主体となって交渉を進めたことや彼らが必死に止めてくれたこともあって大事には至らなかったものの、ガハルドの表情は次第に失望へと変わる。いずれアンカジ公国も手中に収めることは考えているが、今そんなことをして余計な敵を作ろうとまでは考えていなかったからである。

 

 役に立たない()()を切り捨て、他の子供の誰に後を継がせるべきかを考えそうになったがそれも止める。まだやるべき事があると考え直したガハルドは眼前にいるベスタや大臣らに問いかけた。

 

「まぁいい。他はどうだ? 軍備は? 根回しの方は終わったか?」

 

 ハイリヒ王国と戦争するための手はずはどこまで整ったかと。いつ進軍してその全てをこの手に収めることが出来るのかと。その問いに部下であるベスタや大臣らがいささか慌てた様子ながらもそれに答えていった。

 

「ははっ! 既に糧食、武器の調達は完了! 兵も仕上がっております!」

 

「治癒師の動員も終わっております! 回復薬も質の良いものを多数取り揃えることが出来ました!」

 

「元王国の貴族共はガハルド陛下に恭順を誓っており、陛下の命があらばすぐにでも兵を王都へと差し向けると述べております!」

 

 先程とは違って意気揚々と答えてきた臣下を見て、ガハルドは口元を吊り上げてくつくつと笑った。

 

 もう待つ必要はない。全ての準備を終えた。遂に時が来たのだと確信したからだ。ガハルドは立ち上がると玉座に立てかけていた長剣を鞘から抜き、目の前に掲げた。

 

「行くぞお前ら! これは聖戦であると同時にトータス全土を帝国のものにするための前哨戦だ! 王国の全てを食らい尽くしてやれ!!」

 

 号令をかけると同時に玉座の間が熱狂に包まれ、誰もがギラギラとした目で歓喜に震える。共に抱いていた野心を遂に満たせる時が来た。ここにいる全ての人間が抱く思いに更に火をくべるべくガハルドは更に指示を下す。

 

「寝返った日和見共は露払いに使え! 武功を多く立てた奴らに報奨をくれると言ってやれば進んで動くだろうからな! 無論当主自ら前線に立てと伝えろ!!」

 

 上手くいけばこちらに寝返ったコウモリ共を根絶やしに出来、疲弊した貴族を思うままに支配できる。仮に相応の戦果を挙げたというのなら受け入れるまで。そうして次々と指示を出していったガハルドであったが、最後に腹心であるベスタにある命令を下した。

 

「ベスタ、『エグゼス』の移送は?」

 

「既に準備を終えました。()()したのは罪人が二名ですな」

 

「たったか。ご苦労」

 

 それは早馬で伝えられたトレイシーの頼みのことだ。宝物庫の奥底に眠っていたあるアーティファクト、それを是非とも使わせてほしいとお願いしてきたのである。それもわざわざ()()も込みで伝えられたのだ。

 

「しかし陛下、よろしいのですか。相当の失態を重ねたとはいえ、トレイシー様は継承権が――」

 

「それがどうした」

 

 重臣からの指摘にガハルドは掲げた剣を下ろし、心底つまらない劇を見ているかのような目で臣下全員を見つめ返す。ベスタを含めた重臣は目をそらしていたが、この男は一顧だにしなかった。

 

「あいつはな、反逆者どもに負けたんだ。それも四百の兵を逃げさせてな」

 

 その言葉と共に臣下は一層気まずい空気を放つ。ガハルドの心が冷え切っていたのはトレイシーが馬鹿正直に自分達の身に起きたことを伝えたからだ。

 

 反逆者の存在がそれほどの警戒に値するとトレイシーが考えたのはガハルドも読み取ることが出来た。だが、彼女が犯した失態はあまりに大きい。故にその功績と失態を鑑みてガハルドは彼女の頼みを聞いたのだ。

 

「それにフューレンの奴らのこともある。奴が頼んだ通り、戦いで死なせてやるだけ俺は優しいと思うがな」

 

 一度触れたが最後、持ち主から命を失うまで魔力を奪い続ける曰く付きのアーティファクト。それを使って華々しく散りたいということも彼女は伝えていた。ならばお望み通り、反逆者と戦って()()()死ねるようガハルドは取り計らったのである。

 

「さぁ行くぞお前ら。聖戦だ。エヒト様に背いた馬鹿を仕留める立派な戦いにな」

 

『ははっ!』

 

 ひどく冷め切った表情から一転、ガハルドは獰猛な笑みを浮かべる。その号令に誰もがうつむき、床に汗を垂らしながら答えたのであった……。

 

 

 

 

 

「頼まれてたとこは終わったぞー。後は頼むわー」

 

「わかったよ大介。次はこっちの方を――」

 

 ライセン大迷宮攻略を終えて早四日。恵里達は重吾らや愛子に自分達の惨状がバレないようすぐにオルクス大迷宮九十九階層へと移動し、かつて自分達の生活スペースだった場所の改造と拡張を行った。そうして造り上げた造船ドックにて作業に勤しんでいたのである。

 

“ハジメくーん。三番の魚雷発射管、完成したよー”

 

“わかったよ恵里。後は海に出して微調整だね”

 

 今彼女達が手掛けているのはメルジーネ海底遺跡へ向かうための新たな潜水艇とその武装だ。

 

 先日クリオネ型の巨大生物によって破壊されたため、次は絶対に負けないよう魚雷の発射装置を付け加えたり“縛羅”を使った防御装置なども設置している。

 

“皆ー。防御装置の起動実験したいんだけどよ、船体の方はあとどれぐらいかかんだー?”

 

“大介のおかげで私達の班は終わりました”

 

“もう二分だけ待ってくれー。あと少しでどうにかなる”

 

“こっちもー。幸っち、もうちょっとだけ待ってねー”

 

 造船作業をメインに行っていたのは幸利や浩介、奈々といった手足が無事な面々がほとんどだ。“錬成”の付与されたガントレットによってハジメの設計通りに船体の仕上げ作業を行い、魔力で動くエンジンの作成をしていた。

 

「良樹、そういや新しいアーティファクトには慣れたか?」

 

 そんな折、浩介が作業中の良樹のところを訪れる。手足がやられた面々は船体の大まかな形成や潜水艇に積む魚雷の作成を行っており、彼に声をかけられた良樹はそちらに顔を向けた。

 

「流石に中村ほど()は上手く動かせねぇけどな。ま、ゴーレムの方はやれるようにはなった」

 

 良樹がそう言うと、背負った金属製のリュックサックから生えている腕が魚雷を一つ掴んだ。そして彼が乗っている車イス、後ろでグリップを掴んでいた猿型のゴーレムがイスを動かして体ごと浩介の分身の方へと向ける。

 

 ――ハジメ謹製拡張型義肢アーティファクト“ヘカトンケイル”。リュックの形状をした箱に金属製の腕を取り付け、頭の両脇から伸びるそれを箱の中に仕込まれた感応石を使うことで自在に動かすというものだ。良樹を含めた手を失ったメンバーはもちろん、浩介や幸利などもこれを活用している。

 

「まぁ恵里はな……ひと晩で右腕の代わりになるレベルにまで使いこなせるまで練習した、って言ってるし」

 

「中村の奴、先生が絡むとこれだもんなぁ」

 

 お互い苦笑し、恵里をダシにしながら話を続ける。

 

 元々は『複数のアームを展開して、ガトリングやバズーカとかいっぱい持って射つのってロマンだよね!』という地球にいた時の発想だったと渡す際にハジメが語っている。先日のミレディとの戦いの際、無くなった腕の代わりや対エヒト戦で活用出来るかもともらった感応石の活用法として潜水艇より先にハジメが作ったのだ。

 

「雫は今両腕がないし、ハジメも無くなった腕をイメージしてくれって言ったからわかるんだけど」

 

「アイツ左腕残ってるだろ。それで腕()()使いこなしてやがるからなぁ」

 

「お風呂に入る時と一緒に寝る時以外はずっと動かしてたからね。ハジメくんの作ったものはボクが一番使いこなせるんだー、って」

 

 昔からハジメにご執心な少女について二人は雑談を続ける。良樹は魚雷を作り、浩介はそれを宝物庫に収めながら話をしていると、カラカラと車輪が回る音を鳴らしながら鈴もこちら側へとやって来た。

 

 鈴や良樹を含めた足を失った面々はハジメや幸利が作った車イスを活用している。それと魂でなく感応石を仕込んだ猿型のゴーレムも作成し、ゴーレムを運用するための練習として車イスを押すこともやらせていた。

 

「やっぱ中村平常運転じゃねぇか。知ってたけどよ」

 

「ホントね……“崩軛” はい浩介君。鈴の方は一応ノルマ終わったよ。それとサボってたりしないよね?」

 

 あきれ顔の良樹に同意しつつ自身の宝物庫から作成した魚雷を取り出すと、鈴は新たに手にした神代魔法の一つである“崩軛”を発動する。地面に落ちるはずであった魚雷を宙に浮かせ、ふよふよとそれらを浩介のところへと動かしていく。

 

「大丈夫。船体の方は分身にガントレット渡して作業させてる。作った魚雷の回収の係やってたんだよ」

 

「さっき斎藤君と話をしてたみたいに油売ったりしてないよね」

 

「してないしてない」

 

 軽いジト目を向けてくる鈴をいなしつつも、浩介は先程自分のところまでやってきた魚雷を宝物庫へと収める。ちょっと盛り上がったのは事実ではあるが、適当なところで切り上げて戻るつもりだったからだ。

 

“アンタ達ー、ご飯出来たわよー。早く体洗ってきなさーい”

 

 そんな折、優花の“念話”が彼らな頭に響いた。造船作業の代わりに炊事担当を買って出た彼女であったが、三日前に礼一が作業にノって無視し続けたことでキレた事があったのを浩介は思い出す。

 

「……行こうか」

 

「……だな」

 

「行こう」

 

 ふと良樹と鈴の方も見ればあちらも顔色を悪くしていたため、きっと同じことを考えたのだろうと思いながらも浩介達は顔を見合わせる。うなずき合った三人は急いでその場を後にするのであった……。

 

 

 

 

 

 ドックの横に新たにこしらえた浴場スペースで全員が汗を流した後、岩で出来たテーブルやイスのある休憩スペースへと移っていく。すると優花や鷲三、霧乃そして二人の分身がせわしなく動いているのが全員の目に入る。

 

「はい十二番の分終わったわー。持ってってー」

 

「うむ。任せなさい」

 

 優花は寸胴鍋からすくったスープを次々と食器に移している。霧乃もパンに燻製の肉やレタス(モドキ)やトマトなどを挟み込んでナナメにカットしている。調理スペースから漂ってくる匂いに少なくない人間の腹の虫が暴れた。

 

「今日も作ってくれてありがとぉ~優花ぁ~」

 

「はいはい。しっかり食べて午後の仕事も頑張りなさいよ、タエー」

 

「おーい、サンドイッチじゃなくてハンバーガー食わせろよー」

 

「うっさい中野。嫌だったら食べなくっていいからね」

 

 備え付けのテーブルのほとんどには今日の分の昼食が置かれており、今も鷲三が分身と共に配膳をやってくれている。各々優花らに感謝やら意見やらを伝えつつも席についていく。そうして今日も休憩がてら恵里達は食事をとるのであった。

 

「そういやアンタ達、新しい腕には慣れた? あ、エリ。アンタには聞いてないわよ」

 

 食事の感想やら作業の進捗やらについて話が飛び交う中、優花もしたサンドイッチを口にしながらもあることを話題に挙げる。なおのけ者にされた恵里は軽く顔をしかめた。

 

「ひどくな~い優花ぁ~? ボクだけなんで無視するワケぇ~?」

 

「アンタは普通に使いこなしてるからでしょうが。まぁ一本は簡単な作業とか物持ったりとかだけど」

 

 優花の指摘に恵里は思いっきりブー垂れた。ハジメと鈴が『まぁまぁ』と恵里をなだめはするものの、光輝や雫もそのことには反論しない。大介達はだよなぁと言い合いながらケラケラと笑っていた。

 

「恵里、渡された次の日には普通に使いこなしてたんだし仕方ないと思うわ。それと私の方はどうにか、ってところね。元の腕ほど器用には動かせないけれど」

 

 両腕を失った雫も新たな腕を動かしてスープを飲みながら述べる。ちなみに石けん水に浸して洗うことで義肢の汚れは落としてあり、サンドイッチは隣の光輝からあーんしてもらいながら食べていた。

 

「見た感じ皆もそうなんじゃないか。少なくとも俺にはそう見えるよ……まぁ俺ももう一本増やされても恵里や雫みたいに器用にやれるかわからないけどさ」

 

 光輝も残った右手で雫の分のサンドイッチを彼女の顔に近づけたり、水の入ったコップを時折そっと渡したりしながら述べると場がどっと沸く。光輝の言った通り、ヘカトンケイルを使い始めて数日そこらで彼女達はほぼ使いこなしている。からかいなども含まれていたものの、二人のすごさを誰もが認め合っていた。

 

「確かに便利ではある。それは認める……が、私も使えるようにならねばならんか?」

 

 そんな折、食事も共にしていたフリードがつぶやく。もちろん彼も造船作業に参加しており、ヘカトンケイルの練習も兼ねて船体や魚雷に使う金属の大まかな加工を担当していた。同席していた鷲三と霧乃もふむとその言葉を受け、フリードに向けて声をかけた。

 

「便利であることには違いないとは思うが」

 

「私達の場合は羽が邪魔になりますから特注の腰に取り付けるタイプですけれど便利ですよ。もう少し器用に両方動かせるなら暗器……いえ、飛び道具も使えるのですが」

 

「相変わらず貴様らは素性を隠す気があるのかどうかわからんな……まぁハジメの奴が作った武器を使うのには便利だな。少しは努力するか」

 

 霧乃が述べたように二人が扱うタイプは他のメンバーのものとは違う仕上がりとなっている。感応石の入ってる心臓部はウェストポーチ程度の大きさに留め、腕もそれに合わせて二回りほど細い。そのため物を持つのにはそこまで向いていないものの、暗器を飛ばす程度ならば問題なく扱えるようにはなっているとはハジメの弁だ。

 

「まぁでもよ先生。それに中村も。もうちょい使いやすくなんねぇ? やっぱ意識してねぇと上手く使いこなせねぇっていうかさ」

 

「そこはこれからの研究次第かな。使って見た感じ、感応石って結構質の悪い魂でも入れてるみたいだったし」

 

 フリードに続いて大介もヘカトンケイルに対する要望を出すと、恵里も左手をあごに当てながら意見を述べる。一晩で元の腕とそん色なく使いこなせるようになり、また魂魄魔法に関してはアレーティアと引けを取らない彼女には何か感じるものがあったようだ。

 

「確かにもっと使いやすく出来れば俺達でも二本や三本動かせるようになるかもしれないしな。恵里、やってくれるか?」

 

「まぁやってみるよ。前にゴーレム造った時に入れてた魂を幾らかグレードを落として、勝手に動かない程度には賢いぐらいに抑えたものを入れてみてかな。そこから微調整入れれば何とかなるかも」

 

「もし俺らが大迷宮攻略が終わっても続いてるんだったら入れてくれよ。大迷宮の方はやれる範囲で何とかする」

 

「うん。頼りにしてるよ幸利君」

 

 光輝からのお願いに恵里も軽く悩む素振りをしながら答えを出せば、幸利もそれに乗っかった。恵里、アレーティア、光輝を除けば魂魄魔法の素質が他の仲間の中で一番優れているのは幸利である。故に彼の提案に恵里も力強くうなずいた。

 

「お願いします幸利さん、恵里さん。これが使えるようになったらハウリアの皆の底上げにもつながりそうなので」

 

「アイツらの場合だと……クロスボウとか使ってる部隊か。頼めるか中村」

 

「ま、努力はするよ。とりあえず弦の引き上げは義肢の方でやると楽になるかな」

 

 シアも真剣な表情を浮かべ、幸利らを見つめている。彼女の意図に気付いた良樹が予測を立てるとシアもそれにうなずいて返し、恵里も軽く息を吐いてから首を縦に振った。

 

「任せとけ良樹、シア……ごちそうさま。そろそろ作業再開しようぜ」

 

 彼らの言葉に幸利もうなずくといち早く席を立つ。そして彼の提案にこの場にいた全員がうなずき、恵里達はドックへと向かっていく。

 

“皆さーん! 頼まれてたパーツの納品終わりましたー!”

 

 そんな時、リリアーナの“念話”が全員の脳裏に届いた。実は彼女、長いこと恵里達が戻らなかったことを怪しんで三日ほど前に解放者の住処へとゲートキーを使って押しかけたことがあったのだ。そしてその場で“念話”を使って恵里らを問い詰め、何故姿を現さないかを無理矢理聞き出した。

 

“今日もありがとうリリィ。助かってるよ”

 

 根比べに負けて真相を話した後、リリアーナはすぐに謝罪して恵里達の手伝いを申し出た。そこで恵里も『潜水艇のパーツの作成や金属の加工とか大雑把にやってもらったら早くなるんじゃない?』と提案。現在は王国の腕利きの錬成師をかき集めてそれらの作業を行わせ、納品したものを解放者の住処へと持ってくる役目を担ってくれている。

 

“えぇ。これも信……皆さんのためですから。じゃあ私はこれで”

 

“いつも悪いなリリィ”

 

「……んだよ。やるぞオメーら。ほら仕事仕事!」

 

 今日も意欲的に動いてくれている彼女に光輝と信治が礼を述べれば、彼女も信治の名前を言いかけてすぐに“念話”を切った。大介達がニマニマと笑い、信治も何度か視線をさまよわせてから皆の方を振り向いてぶっきらぼうに再開を呼び掛ける。大介達だけでなくハジメや光輝、鷲三やフリードも笑みを浮かべながら作業へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

「ではわしらは行くとしよう」

 

 ライセン大迷宮攻略を終えて六日が経過した頃、遂に潜水艇が完成する。恵里達は船に乗り込んでメルジーネ海底遺跡へと出発し、入り口から侵入した途端に横殴りの海流に襲われたり、無数のトビウオのような魔物の襲撃を受けたりとトラブルに見舞われながらも無事に大迷宮に侵入することに成功したのであった。

 

「じゃあ幸利君、皆。危ないと思ったら引き返してね」

 

 魔物の気配がないことを確認してから一行は外に出ると、すぐにハジメは潜水艇を自身の宝物庫にしまった。今回の大迷宮攻略に役に立つアーティファクトも詰まったその宝物庫を幸利に渡しつつ心配そうに声をかければ、幸利も真剣な様子でそれに応じる。

 

「わかってる。礼一の言ってたクソでかいクリオネも出くわさなかったからな」

 

 ……その理由は、礼一達を襲った例のクリオネモドキの襲撃が無かったせいであった。

 

 礼一もしょうもない嘘ならともかく自身が危険な目に遭ったことを茶化したりはしない。何よりあの場には愛子や相川昇達もいたのだからそれが本当に起きたことだということは明らかである。だからこそ何が起きるかわからない。その懸念を全員抱いていたのである。

 

「気を付けてくれよ。いくら状況が悪かったからって礼一があそこまで追い詰められた相手なんだ。最悪ゲートキーですぐに戻ってきてほしい」

 

「たまたまあそこにいただけ、ってんならいいんだがよ……死ぬなよ、幸利。お前ら」

 

「わかってるよ。散々痛い目見てんだ。もう調子になんか乗らない。引き際ぐらいわかってる」

 

 光輝と礼一の心配を受け、今回の大迷宮攻略のリーダーとなった幸利が一切茶化すことなくそれに答える。お互い真剣な眼差しで数秒ほど見つめ返していると、フリードがせき払いをしてから話しかけてきた。

 

「私も見極めを行うから安心しろ。決して無様を晒したりはせん」

 

「わ、私も!……その、私もいます。昔の経験を活かして、絶対死なせませんっ」

 

「……わかりました。じゃあ皆、無事に戻ってきてほしい」

 

 フリードとアレーティアの言葉に攻略メンバーである幸利、優花、奈々、浩介、鷲三、霧乃もうなずく。そうして恵里達に見送られる中、幸利達は洞窟の奥へと進んでいった。

 

 彼らの背中が見えなくなった頃、この場に残ったメンバーの顔を見ながら恵里が言葉をかける。

 

「じゃあ皆、いつまでもここにいるのも何だし戻ろっか」

 

「だな。手に入れた神代魔法の修行もしねーとだしな」

 

 ゲートキーを取り出しながら述べた恵里に大介が続き、全員がそれにうなずく。今この場に魔物の気配が無いとはいえ、いつ襲ってくるかもわからない状況だ。反対する人間はこの場にはおらず、全員すぐにゲートをくぐって造船ドックと戻っていった。

 

「じゃあ恵里、イルワさんによろしくね」

 

「キレて変なこと言わないでね」

 

「もちろんだよハジメくん。それと鈴は黙ってて」

 

 ドックに戻った面々の大半はすぐに手に入れた重力魔法の訓練に励んでいたが、恵里達だけは違った。

 

 アンカジから来たビィズらの対応についてイルワ達と話し合いをした際、そのイルワからあることを頼まれたのだ。それは話し合いの場を貸してくれたクデタ家、その三男坊であるウィルの話し相手になってくれという頼みを引き受けたからである。

 

「本当なら俺達も行けたら良かったんだけど……」

 

「この格好じゃな……」

 

「仕方ないよ。ボク以外だとごまかすことすら難しいだろうしね」

 

 光輝と龍太郎が悔しげに顔を歪め、うつむきながら胸の内を漏らす。抱いているであろう申し訳なさを感じ取りつつ、恵里は二人にいたわりの言葉をかける。

 

「ウィルさん、冒険者に憧れてるらしいし」

 

「私達が来たらきっとショックだろうしね」

 

 ハジメと香織の言葉に全員が苦い表情を浮かべる。本来ならウィルと話をするのは龍太郎と香織の二人であった。だが先日のミレディとの戦いで二人含めて今ほとんどが手足を一本ずつ失ってしまった。

 

「頼むぞ恵里」

 

「任せてよ龍太郎君。皆」

 

 そのため頭も回る上、アーティファクトで姿を偽った際に一番ごまかしの利く状態の恵里が急遽抜擢されたのだ。当時もため息を吐きながらも恵里も二つ返事でうなずいており、今もハジメや鈴、皆のためならと胸に左手を当てて力強く宣言した。

 

「永山達に丸投げできたら良かったんだけどな」

 

「前の話し合いで言ってたじゃないですか大介さん。重吾さん達の心のこととか、愛子さんに伝わりかねないからやめましょうって」

 

 そして重吾達が不参加なのもちゃんとした理由があった。最初に話し合いをした時は彼らが心に深い傷を負って間もなかったことを考慮し、重吾達と話し合った上で不参加ということになった。

 

 ミレディとの戦闘の後も礼一や良樹が彼らに頼みこむことも考えたものの、姿をアーティファクトで偽ったとしても体の動きから自分達の負傷の具合があちらにバレる懸念があった。そのため彼らに頼むこともしなかったのである。

 

「ま、仕方ないよ。後はこっちに任せといて」

 

 苦笑を浮かべながらも恵里は自身の宝物庫からゲートキーを取り出し、虚空にそれを突き立ててひねる。光の膜が現れたのを確認すると皆に手を振った。

 

「じゃあいってくるね」

 

「頼んだよ、恵里」

 

「お願いね恵里ちゃん」

 

「うん。いってきます」

 

 ハジメや香織らの言葉を受けながら彼女はゲートの向こうへと姿を消す。程なくして光の膜も消えたのを全員が確認すると、さっそく光輝が号令をかける。

 

「よし。じゃあ皆、これから重力魔法の修行を再開しよう! ハジメ、さっき作った板はどんな感じなんだ?」

 

「物を載せて浮かせるだけならどうにかかなー。僕の適性だと浮かせるだけでも魔力を結構食うみたいだし」

 

 すると多くがすぐさま修行に戻り、重力球の発生やその操作、自身の体を浮かせたり動かすなど先程までやっていたことを再度やっていく。重力魔法に適性がないと言われたハジメはアーティファクトの作成を行っており、空を飛ぶ移動手段の開発のためのプロトタイプを作っていたのである。

 

「わかったー。じゃあ鈴でも俺でも構わないから重力魔法が得意な人間に付与を手伝ってもらってもいいぞー!」

 

「ありがとー! じゃあ鈴おねがーい!」

 

「ねぇ光輝、ちょっといい? 光輝はどれくらい“壊劫”を発動出来る? 私はまだ一つがどうにかなんだけど……」

 

「雫?……うーんまだ小さいのが二つ、いや動かすにしても一緒にはちょっとやれないかな。コツを早く掴めれば雫や皆にも教えられるんだけど」

 

「私の場合、ハジメさんと違って何をやればいいかわからないです……良樹さん、いい考えありませんか?」

 

「んなこと言ったってな……ま、体重計ごまかせるし、上から落ちる時に重さ増やせば下の相手も潰れ――痛っ!? いってぇ!?」

 

 ドックに残った仲間の中でやはり一番上達の速度が早いのは光輝であり、ピンポン玉程度の大きさのものを一つだけなら重力球を何とか動かす事が出来るようになっていた。ハジメの方も魔力を注ぎ込むことで宙に浮く板を作ったり、どこまでの重さに耐えられるかで鈴が協力するなどしている。

 

「優花達、大丈夫かなぁ~」

 

「今の俺らでどうにか出来る話じゃねぇよ妙子。浩介に鷲三さん達がついているんだ。きっと無事に戻ってくる。そう信じろ」

 

「そうだよ。龍太郎くんの言う通り……きっと大丈夫だよ妙子ちゃん」

 

 ……そんな時、ふと妙子が心配を漏らす。人数だけで見れば確かにいつもの攻略のメンバーの半分もいないのだ。とはいえ実力者達で構成されたメンバーならきっと大丈夫だと龍太郎と香織がそう返すも、二人も何度か視線が泳いでいる。

 

「信じよう。妙子、皆……よし、続けよう。時間を無駄にしちゃいけない」

 

 妙子に言葉をかけた後、修行に戻るよう呼び掛けた光輝もどこかうつむいている。誰もが晴れない顔のまま修行を続けたのであった……。

 

 

 

 

 

「クソッ! ベーオウルフが!」

 

 光輝達が悩みながらも修行をしていた頃、幸利達は異変に襲われていた。

 

 天井にびっしりと付いて“破断”を放つフジツボ型の魔物、手裏剣の如くカッ飛んでくるヒトデ型の魔物、足元の水中を泳いで襲い掛かって来たウミヘビ型の魔物などが道中現れはしたもののいずれも彼らの脅威にはなり得なかった。どれも幸利のファントムで撃ち落としたりアレーティアや奈々の中級魔法などで簡単に迎撃出来たからだ。

 

「ユキ、服が!」

 

 油断させて凶悪な魔物をぶつける類の大迷宮なのかとメンバーと話しながら進んでいた一行だが、その答えは通路の先にある大きな空間で示された。膝くらいまで海水で満たされたそこに入った途端、半透明でゼリー状の何かが通路へ続く入口を一瞬で塞いだのだ。

 

「幸っち、武器の方も溶けちゃってるよ!」

 

 そこで幸利は壁を壊そうとベーオウルフを叩きつけ、凶悪な杭打の一撃で粉砕しようと試みた。しかし表面が飛び散っただけでゼリー状の壁は壊れず、また幸利の服に付着した飛沫が、壁に刺さったままのベーオウルフから煙とシューシューという音を立てたのである。

 

「ここもか!――“纏炎”っ!」

 

「服もパイルバンカーも――おい幸利っ!」

 

 奈々の叫びを聞くと同時に幸利は自身の服とベーオウルフを対象に“纏炎”を発動し、火の力を纏わせたことで数秒そこらでゼリーは蒸発する。どうにか事なきを得たものの、浩介の叫びを聞き、自分の服と先程壁から抜いたベーオウルフを見た幸利の脳裏にはある脅威が浮かんでいた。

 

「あぁ! ここはあのクリオネ野郎のテリトリーだ!!」

 

 ――かつて礼一達を襲ったあの巨大クリオネ、奴がこの場にいるということにだ。

 

「全く! やはりここが奴の縄張りだったということか!」

 

「“縛羅”っ! これでひとまずは大丈夫だよ!」

 

 フリードが思わず悪態を吐くと同時に奈々も“縛羅”で自分達の周りを遮断する。直後、四方八方から無数の触手が襲い掛かり、槍のように鋭く尖った先端で最硬の結界を破壊せんと迫ってきた。

 

「だ、ダメですっ! このままじゃ溶かされます!」

 

「嘘でしょぉ~!? 神代魔法なんだよコレぇ~!!」

 

 結界全てをあのゼリーが覆っても中にいる幸利達にはまだダメージはない。だが先程ベーオウルフから聞こえたシューシューと溶かす音がこの障壁からも聞こえており、アレーティアの警告に奈々は涙目になってしまう。

 

「近藤君が分解の効きが悪いと言ってましたね。ならば」

 

「わしらが監督するとしよう。『火遊び』の時間だ」

 

 やや険しい表情で霧乃と鷲三が外のゼリーを見つめるも、すぐに二人は口元を吊り上げてヘカトンケイル、酸素ボンベと黒い大型ライフルのようなもの二丁を取り出す。

 

「オッケー! じゃあ派手に燃やすぞ!」

 

「宮崎さん、防御は私が!――“聖絶”!」

 

「うん! アレーティアさんお願い!」

 

 すると幸利達もそれに倣って同じ装備を取り出す――その大型ライフルのようなものは、本来マガジンが装填されるべき場所にボンベのようなものが取り付けられている。また口径も弾丸を発射するとは思えないほど大きい。

 

“気を付けるが燃やし尽くすなよ! 酔狂なお前達の食事が消えるからな!”

 

“もちろん気を付けるわよ! アンタ達、やりすぎないでね!”

 

 それもそのはずだ。それはライフルではなく火炎放射器なのだから。金属の腕と一緒に火炎放射器を手に取ると、全員が一斉に引き金を引く。ボンベにはタール状のフラム鉱石が入っており、引火させれば摂氏三千度の消えない炎となる。酸素ボンベで肺を熱から守りつつ、彼らはすさまじい火炎を撒き散らして周り一面を炎で赤く染め上げていった。

 

“っ! あれが例の!”

 

 周囲のゼリー状の壁は一瞬で焼き尽くされたものの、壁から更にゼリーがにじみ出て来た上に天井の僅かな亀裂からゼリーの塊が染み出すように落ちて来た。いきなり現れた塊は空中に留まり形を形成し、半透明で人型、ただしクリオネに近い見た目となる。礼一達を襲った相手だと全員が理解するのに時間はかからなかった。

 

“おっきくない!? あれじゃあ前の潜水艇も壊れちゃうよ!!”

 

“何メートルあんのよこの化け物っ! えいっ!”

 

 全身に極小の赤いキラキラした斑点を持つそれにも幸利達は燃え盛る火炎をぶつけ、蒸発させていくがキリがない。何せそこかしこからクリオネモドキと思しきゼリーが湧き出てくるのだ。

 

“あーもう確保っ!――って、まだ出るの!? しかも吞まれちゃったじゃない!”

 

 勢いが全然落ちないことに苛立ちつつも、優花はバスケットボール大の金属球を取り出して壁に張り付くゼリーにぶつける。着弾地点の半径一メートルを一瞬で消滅させたそれは前の潜水艇に載せてたキャプチャーボールの改良型だ。

 

 相手を少しでも減らすついでに食料の確保を目的としたそれは、役目を果たすと同時にゼリーの群れに吞まれてそのまま蒸発してしまう。

 

“あ、足元からっ!? だ、大介、だいすけぇ~~~!!”

 

 ゼリーが出てくるのは壁の隙間や割れ目だけでは留まらなくなった。遂には足元からも間断なくゼリーがあふれ出るようになったのである。更に悪いことに水位も上がってきており、幸利達の胸元までせりあがっていた。そのせいでアレーティアは既に全身がつかってしまっており、方々からゼリーに襲われてパニックを起こしてしまっていた。

 

“ちょちょ、アレーティアさんっ!? と、とにかくこれじゃジリ貧もいいとこだぞ!”

 

“嘘って言ってよぉ~! ば、縛羅張り直さないと!”

 

“このままじゃ靴まで溶かされるわ! ユキ、早く逃げないと!”

 

 アレーティアの方は浩介や鷲三らの分身がどうにか守ってくれてはいるものの、このままでは全員仲良く食われてしまう。もう神代魔法の入手にこだわっている場合じゃないと幸利も腹をくくった。

 

(こんなの相手じゃ命が幾つあっても足りねぇ! ゲートキーを出してとっとと逃げねぇと!)

 

 ここに来るまで遭遇した魔物と思しき残骸がゼリーの中に浮かんでいるのが幸利の目に入ってしまう。とっとと逃げないとと焦りながらも周囲を見やるが、足元からも攻撃が迫るせいでうかつにゲートキーを出せない。最悪破壊されてしまうからだ。

 

“縛羅張り直したよ! でも結構クリオネ入っちゃってるぅ~!!”

 

“こうなったら一か八かか……もうやるしか――いや待った!”

 

 そうしてあらゆる場所から襲い掛かってくるゼリーをいなしつつ、周囲を見ながら対処していた彼はあるものを見つけた。

 

“足元に亀裂があった! ここをぶっ壊す!”

 

 地面にある亀裂から渦巻きが発生しているのを発見したのだ。地面を壊して下に進み続ければどうにかこの化け物を撒くことが出来るかもしれないと考え、起死回生の一手を打つべく幸利はファントムとそれに込める弾丸を取り出す。

 

“清水、どうやって破壊する気だ!”

 

“決まってるだろ! 生成魔法で弾丸に空間魔法つけてぶっ壊すんだよ!”

 

 火炎放射器を持った金属の腕を動かしつつも、取り出した弾丸に片っ端から“震天”を付与していく。ファントムに元々入っていた弾丸を宝物庫に転送し、付与した弾丸を装填してすぐ幸利は地面の亀裂を撃ち抜き続けた。

 

“クソがっ! これで壊れねぇってか!”

 

“だったら私が!”

 

 しかし六発そこらの電磁加速した弾丸では地面を破壊することは叶わず。再度弾丸を取り出して“震天”を付与しようとした時、奈々が声を上げた。

 

「“斬羅”っ!!」

 

 灼熱地獄の中、奈々は酸素ボンベを外して叫ぶ。空間ごと断裂させ、あらゆる存在を切断する空間魔法の一撃を放つ――直後、巨大な切れ目が出来ると同時に全員が一気に流されて行ってしまう。

 

“ユキっ!”

 

「幸っち!」

 

“優花、奈々っ!!”

 

 下まで貫通したらしい穴へと途轍もない勢いで水が流れ込み、それに幸利達も巻き込まれてしまったのだ。彼らが落ちた場所は巨大な球体状の空間だった。しかも何十箇所にも穴が空いており、その全てから凄まじい勢いで海水が噴き出し、あるいは流れ込んでいて、まるで嵐のような滅茶苦茶な潮流となっている場所だったのである。

 

(ちく、しょう……ゆうか、なな……っ)

 

 その激流に翻弄されながらも何とか近くにいる仲間のそばへ行こうとした幸利達だったものの、潮流は容赦なく彼らを引き離す。薄れゆく意識の中、幸利は自分を慕ってくれた二人の少女に手を伸ばそうとする。しかしその手は決して届くことは無かったのであった……。




まぁ原作で魔王一行思いっきり苦しめた悪食ちゃんですし、そう簡単には倒せません。それはそれとしてご飯は確保していくスタイル。

2024/6/29 タイトル修正しました。察してください(遠い目)
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