それでは前置きはここまでにして、拙作を読んでくださる皆様への感謝を。
おかげさまでUA69520、お気に入り件数も603件、しおり230件、感想も136件(2021/12/19 21:44現在)にまでなりました。誠にありがとうございます……やっぱ相変わらず伸びがエグくて怖っ。
なんか今回15000字近くと歴代最長になりました。あと今回ちょっとギスってます。上記に注意して本編をどうぞ。
――それは永山重吾が異世界トータスに来て二度目の朝を迎えた時の話であった。
「なぁ重吾、昨日の話なんだけど」
「……決心は、変わらないのか?」
今日も自分専属のメイドに起こされて身支度を手伝ってもらった永山は今、親友の野村健太郎と共に食堂へと向かっていた。
メイドにお世話してもらうという経験も流石に二日目となれば少しばかりは慣れ、今は昨日ほどテンションが上がってはいない。
……初日に体験した時は、地球ではまずない経験だったのもあって内心テンションがダダ上がりであったが。それを隠そうとはしていたものの、食堂に案内するために来てくれた神殿騎士が彼を一目見てどこか微笑ましいものを見るような目つきに変わった事を永山は今でも覚えている。すぐにでも記憶から消し去りたい黒歴史であった。
閑話休題。
今日も野村とは食堂へ向かう途中で合流し、会うなりある事を切り出してきた――昨日の朝話し合った、戦争に参加するか否かについてである。それはトータスに来た初日にイシュタルから頼まれただけでなく、その日の晩に起きたことも関わっていた。南雲ハジメ、中村恵里、谷口鈴の三人が裏切った可能性があると神殿騎士から伝えられたことである。
その話を聞いた時は永山も驚きを隠せなかった。トータスに移転する前から敵視していたとはいえ、まさかいきなりこんな行動をとるとは思いもしなかったのである。だからなのか聞いた直後は呆然としていたものの、すぐに冷静さを取り戻すことが出来た。また、それがあまりに突拍子もない話であり、まだ断定された訳では無かったため、永山はそれをすぐには信じなかった。とりあえず様子見をしようと考えたのである。
「ああ。やっぱり南雲も中村も谷口も信用なんて出来ない。クラスにいた頃からそうだっただろ? 特に南雲のヤツは人の話を聞かなかったしな。重吾、やっぱり俺達も戦う方法ぐらいは学んどくべきなんじゃないか? アイツらが本当に裏切ったんならいつ襲われないとも限らないからな」
隣にいる野村もそのウワサを聞いており、自分にその話を伝えに来た神殿騎士のように本気にしている様子である。とはいえ彼がその話を持ち出した時は、永山は自身の考えを明かすようなことはしていなかったが。今もなおそのウワサを信じ切っている彼に対して何か言う気はない。あの三人を信用出来ないのは永山も同じであったからだ。
確かにあの三人は宴会の途中で体調不良を理由に抜けたという話は彼も聞いており、宴会が終わってもあの三人の姿を見ることはなかったことからつじつまは合っていると思っていた。
とはいえそれはあくまで三人が宴会場にいなかったという理由であって、神殿騎士が伝えに来た話が本当である証拠はないのだ。証言以外のものが無かったのもあってその情報を信じたという訳ではない……が、あくまでそれだけである。親友である健太郎の言葉に待ったをかける気すら永山には無かった。
「何が学園三大女神だよ……白崎も八重樫もあんな奴らの味方してて、しかも中村は裏切り者だぞ。とんだろくでなしの集まりじゃないか」
怒りと苛立ちを露にしている親友に永山は何も言わなかった。自分達を食堂に案内するために先導してくれた神殿騎士も微妙な表情をしており、心配そうに自分達を見つめている。ウワサを信じ込んでしまった親友をたしなめようという気は永山にはなく、むしろそのウワサが本当であった場合のことを改めて考えていた。
――もし彼ら三人が本当に裏切り者で、自分達に襲い掛かってきたら?
魔法などという力が身近にあるこの世界でそのようなことになってしまったら、自衛の手段を持たなければどうなるかわかったものではない。
学校にいた時から態度を改めたり、慎みのない行動を止めるよう言っても聞き届けようとしなかったあの三人である。
むしろ元の世界に帰る方法がエヒトの言葉に従う以外に無いにもかかわらず、現地の人間に怪しまれるような真似をあの三人はした。故に永山は彼らを一層嫌悪し、信用しない。下手に庇おうものなら自分達にまで疑いが及ぶからこそ、切り捨てるべきだと考える。
それは彼ら三人と親しくしていた天之河光輝を筆頭としたグループの人間もだ。こんな行動をとるまで野放しにしていた以上、彼らにも問題がある。そしてそれは天之河のグループ以外のクラスメイトの皆も自分達と同様であり、誰もが彼らの事は信用していないのを昨日の朝食の席で聞いた。
(悪いが南雲、中村、谷口……聞く耳を持たなかったお前たちを信用することはやはり出来ない。それに家に帰るためにもこれが最善なんだ……邪魔をするなら、クラスメイトだろうが三大女神だろうが容赦はしない)
永山は決断する。自分を頼りにしてくれる親友のために、クラスメイト全員で家に帰るためにもここで立ち上がるべきだと。
「健太郎、他の皆……辻、吉野、相川、仁村、玉井に改めて声をかけてくれ。戦う意思があるかどうかをもう一度聞いて欲しい」
昨日の朝食の席で相川、仁村、玉井は戦争参加の意を唱えていたが、辻と吉野は何とも言えない具合であった。それに考えが一日で変わってしまった可能性もある。それを自分の一声で捻じ曲げてしまうのを避けたかった永山は、各人の意志の確認を野村に頼み込んだ。
「――! わかった、じゃあ朝食の席で話そう。それなら皆いるはずだ」
「おお! 決断して下さったのですね使徒様がた!」
野村だけでなく神殿騎士にまで礼を述べられ、永山は少しだけ罪悪感を感じた。戦いの悲惨さを学校で学んでいながらも巻き込んだ親友に、そして戦う理由がこの世界のためでないことに。あくまで自分達が元の世界に戻るために戦うのだから。そのために親友の、クラスメイトの手が血に塗れさせることを自分の独断で決めてしまったことへの罪の意識を。
普段の彼であれば人殺しに手を染める事にためらいはあっただろう。だがあるものがその判断を鈍らせた。それはトータスに来た初日にイシュタルの話を聞いたことや、宴会で貴族から自分達の窮状を訴えられたことや昨日の座学で魔人族の行いを聞いて同情したからというだけではない。トータスに来てから力が滾り、しかもそれが未だに衰えることなかったからである。
また、二度目を覚ましても自室の布団の中ではなかった事もあって、少しずつ強くなっていく郷愁も彼の判断を狂わせてしまった。これが現実であるのならば与えられた目的に従うべきだ、と考えてしまった。そして自分の手足のように使えると確信している新たな力がこの手にある――故に永山は思ってしまった。この力があるならどうにかなる。一刻も早く家に帰るためにもエヒトとやらの願いを叶えるべきではないか、と。
永山は降って湧いた力にただ酔ってた訳ではない。昨日のイシュタルの話を思い返した際、ここでもし戦争参加に反対したらどうなるかも考えたからだ。こうして今いた場所とは違う環境で、しかも自宅にも帰れないとなると下手に反対したらどうなるかわからなかったからだ。寝床の確保は? 食事の用意は? そのためにどうやって金を稼ぐのか? 神の使いと崇められている自分達が戦争に参加すれば、そうないがしろにはしないだろうと考えた上での決断である。
もし辻達が参加しないと言っても、自分達でどうにかすればいいと考えながら永山は歩く。
「ああ。任せて欲しい……与えられた使命を全うしてみせる」
(止めてくれた愛子先生には悪いが……俺達は魔人族に勝利して家に帰る。それ以外の方法が浮かばない。だから折れてもらう)
そうして覚悟を決めつつ永山らは食堂へと向かっていく。一刻も早く家に帰るためにも、あの疎ましい奴らが何かしでかしてきた時に身を守るためにも戦う術は身に着ける必要がある。昨日の座学で魔法や地理などは軽く学んだが、柔道部に籍を置く自分ならば組み合っての戦闘だろうと考えながら。
「ええ。それがこの世界の、そして俺達のためになるんですから。当然ですよ。な?」
親友の言葉に永山は深くうなずく。結局のところそれ以外の方法は自分達にはない。ならば手にした力で叶えるまで、と前を見据えながら永山は考えていた。
「そうだな……家に帰るためにも、それしかないだろう。頼りにしてるぞ……」
そう言って永山は野村と目を合わせてお互いうなずいた。たとえ自分達を頼りにしてくれた五人が戦いに参加してくれなくとも、隣にコイツがいるなら大丈夫だと口角を上げながら二人は進んでいく。
――そうして駒がまた一つ、盤面に並んだ。
「……朝ごはんぐらい好きにしたいんだけどね」
近くに座っていた恵里とハジメはその鈴のボヤきに深くうなずく。自分達三人は昨日から食事の時も、座学の時も、光輝達とも永山らとも離れた場所でする羽目になっていた。しかも何人もの神殿騎士の視線付きで、である。
幸い浩介達が耳打ちしてくれたおかげで、トータスに来た日の晩に光輝達が何を話し合ったかを聞くことは出来たものの、今後の方針を立てるための綿密な話し合いをするのは現状不可能だ。それこそ神の使徒として強権を振るえばどうとでもなるのだろうが、それは間違いなく自分達の立場を悪化させる。そのため浩介を通じて無用な接触は控えようとハジメが伝えたのである。
そしてそれは恵里達も同様であり、ほとんど会話らしい会話をしていなかった。隠語やらハンドサインやらで計画を練っていると疑われるのを避けるためである。そのため三人とも食事の席でありながらも少しイライラしていた。
(飯を不味そうに食ってる、って顔して……一体誰のせいだと思ってるのやら)
自分達が何かやった際のお目付け役として挟むように座っている神殿騎士達からそのように見られていることに腹を立てながらも恵里は出されたものを口に含む。味自体は決して悪くないのだが状況が状況のため、楽しむ気は一切ない。前世? で似たような経験をしていて助かったと思いながら食事をとっとと終わらせようと不躾にならない程度に早く食べ進めていく。
「――じゃあ辻も吉野もそれでいいんだな?」
「うん。戦うのは怖いけど、だからって何もしてないのは辛いから……」
「正直頼れるのが永山君達しかいないからね……お願い」
――それも盗み聞きを兼ねながら。昨日の朝食の時も聞いていたのだが、その時は勝手に流されたウワサのことやどうするかを単に尋ねていた様子であった。が、今日ここで聞いているのは戦争に参加するかどうかの最後の意思確認だろう。この場で聞いているのはあてつけの類だろうかと思いながら恵里は最後の一口を咀嚼していた。
恵里を中心として繋がったグループ以外でトータスに召喚されたのはたまたま教室にいた畑山先生を含めて全部で八人。先述した畑山先生を除けば永山重吾、野村健太郎、辻綾子、吉野真央、相川昇、仁村明人、玉井淳史の七人である。
その話し合いをしていた彼らの元にパタパタと畑山先生が走っていく。大方戦争への参加を止めるためなのだろうと考えながらも、止める気も無いし止めることも一応は出来ないため、お手並み拝見とばかりに恵里はそれを眺めていた。
「ダメですよ永山君! 野村君も、辻さんも、吉野さんも、相川君も、仁村君も、玉井君も! 簡単に参加を決定して、取り返しのつかないことになったらどうするつもりなんですか!?」
「……悪いが俺達の意志は固い。一晩考えるよう伝えた上で皆は参加を決めたんだ」
「ああ、そうだよ。俺達はちゃんと考えたんだ――
「そうだ。それに、もし参加しなかった場合はどうするんだよ? 飯は? 寝床は? 金だってこの世界のものを持ってないんだぞ」
「そ、それは……私がどうにかします!」
「ねぇ愛ちゃん、じゃあどうやるの? 私達仕事なんてわかんないし、愛ちゃんもどうやってお金を稼ぐか決めてるの?」
「え、えっと……うぅ…………」
野村達にあっさり論破されて涙目になる畑山先生を見て恵里は鼻で笑った。ほれ見ろ言わんこっちゃない、と。いつものようにロクに考えもせずに突っ込んでいったのだろう。だからああなると思いながら恵里はコップの水を煽る。そうして畑山先生が必死になって言い訳を考えている間にも永山達は再度話をし、そして永山が席を立つと光輝達に声をかけてきた。
「俺達は戦争に参加する――天之河、お前らはどうするんだ……?」
「……本気なのか?」
光輝の問いに永山はただ黙ってうなずく。その目つきから敵意や侮蔑が見てとれる辺り『自分達は違う』とでも言いたいのだろうか。だとしたら結構な事だ、と色めき立つ神殿騎士共々うっとうしく思いながらも恵里は光輝の出方をうかがう。
「……俺達も全員参加する。龍太郎や雫、香織や幸利、それに檜山達とも話し合ってちゃんと決めたんだ。それと、ハジメと恵里、鈴もそのつもりだと聞いた」
自分達の参加の意志は雫と龍太郎を介して伝えており、それを聞いた永山達はほんの一瞬だけ自分達に向けてきた。敵意たっぷりのものを、である。尤も、恵里からすればまだまだぬるい代物でしかなかったが。
「そんな……ダメですよ~! 天之河君達も考え直して――」
「そうか……ならアイツらの手綱をちゃんと握れ。寝首を掻かれたら困るからな」
必死になって止めようとしている畑山先生も無視して光輝と永山は互いに見合って火花を散らせる。
永山の瞳には自分達への敵意や猜疑心しか映っておらず、自分達も敵と見なしているのだろう。流されたウワサがここまで尾を引くかと思いながらも、自分としても厄介ごとの種は早めに対処したいからこうなるのも仕方ないと恵里は考える。あくまで理解出来るだけで共感する訳では無いが。
「……そこまで恵里達が信用出来ないのか」
「……学校にいた時から協調性の無かった奴が、あんなウワサを立ててもまだ庇う気なのか?」
「んだとオイ永山――!」
「落ち着けって大介! ここで言い争いなんてしなくっていい!!」
「幸利の言う通りだ! アイツらのことなんて構うな!」
そう永山が言い放つと同時にあちらのグループの人間もそうだそうだとまくし立ててくる。ケンカっ早い大介達が口論に応じようとするも、幸利と龍太郎に止められ、落ち着くようなだめすかしているのが見える。
「違う! 違うの永山君! それは――」
「何が違うんだ……? わざわざこの世界の人間に誤解されるような真似をして、アイツらのせいで俺達は信用を失うかもしれなかったんだぞ? そうなったらここを追い出されていたかもしれない……違うか?」
「それ、は……」
そして香織も必死に自分達を庇い立てようとするも、永山の言葉に何も言えなくなってしまった。確かにここで『全部エヒトが悪い。あとエヒトを信仰しているコイツらも信用ならない』と言ってしまったらどうなるかわかったものじゃないからだ。ここでひとまず香織が黙ってくれた事にホッとしつつも、自分達のために動いてくれた親友に恵里は心の中で少しだけ感謝する。
こうして一触即発もいいところの状況になってしまい、さてどうしたものかと恵里達は静観し続けていると、ふと視界の端に見覚えのある人物が現れた。イシュタルである。
「イシュタルさんか。実は天之河が――」
「すいませんイシュタルさん、ちょっと永山達と揉めて――」
「あ、あの、イシュタルさん! ど、どうかクラスメイトの子達を止めて――」
「落ち着いて下され勇者様がた――我らの話を聞いていただきたい」
ふと軽くぞわりとする視線を自分達にも向けられ、声をかけた光輝、永山、畑山先生も止まってしまう。老人とは思えぬ眼光の強さ、少し低めで威圧感のある声を放って一発でいさかいを止めてしまう。なるほど教会のトップに立つのは伊達じゃないかと恵里は思いながらもイシュタルの動きを見ることにした。
「神殿騎士の者から話は聞きました。我らのために決心して下さり感謝いたします。して、畑山愛子殿。貴方はどうされるおつもりですかな」
「わ、私は、その……」
礼と共に一度頭を垂れ、そして頭を上げた際にイシュタルは畑山先生に問いかけた。言葉もトーンも穏やかではあったものの、どうしてお前は参加しないのだと言外になじっているように恵里は感じる。言われた畑山先生もどうすれば、とオロオロした様子で周囲を見ている。大方戦争に参加するリスクや自分達クラスメイトのこと、そして
「わ、わかりました……わ、私も参加します。ですが、ですがどうか生徒たちをすぐに連れていくのは――」
「ありがとうございます畑山愛子殿。みなまで言わずともわかっております」
そしてにこやかな笑みを向けるイシュタルを見て恵里は心の中でまた舌打ちをした。
こうして参加するのは確定事項とはいえ、あちらに完全にペースを握られている。これではどこまで計画通りに動けるかわかったものではない。どうしたものかと苛立ちながらも恵里はイシュタルの言葉を待つ。
「こうして皆様がたが魔人族との戦いに身を投じる覚悟を決めてくださったことに改めて感謝いたします。しかし、天之河殿が先日仰ったように皆様は戦のない世界から来られたと――ですので、本日の座学の時間を削って、皆様に何が出来るかを確認しようではありませんか」
イシュタルがそう言うと程なくして新たな人影が現れた。いち兵士とも違う、どこか見覚えのある人物が教皇の近くまで歩いてい来ると、よく通る声が食堂に響いた。
「私はハイリヒ王国にて騎士団長を務めているメルド・ロギンスだ。こうして戦いに参加してくれたことにまず礼を言いたい。感謝する。それと、お前たちはこれから俺の後をついて来てもらいたい」
自己紹介で『ああ、そういえばこんなのいたな』と思いながら恵里は永山グループや光輝達の後に続いてメルドの後をついていく。相変わらず自分達を監視している神殿騎士の視線は冷たかった。
昨日座学に利用した部屋でなく、訓練施設の方へと通されると、恵里達は先にそこで待っていた兵士から十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが渡される。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に混じって、『そういえばこれって何だったっけ』と思いながら恵里もプレートを眺めていると、メルドのせき払いが聞こえた。
あえて気配を絶っていた浩介、鷲三、霧乃以外にそのプレートを配り終えたらしく、メルドが配ったものについて直々に説明を始めた。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
話す感じは重々しく、話をする際に自分とハジメ、鈴に視線が向けられているのに恵里は気づく。永山達に伝わっているぐらいなんだからお偉いさんも知ってて当然か、と自分達を警戒している様子のメルドに特に何も思わずに恵里は話の続きを待った。
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 “ステータスオープン”と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。それと原理に関してはすまないが不明だ。神代のアーティファクトは皆そういう物だと思ってくれ」
「あの、すいません。アーティファクト、っていうのは何でしょうか?」
そしてメルドの説明で出てきた“アーティファクト”という単語に反応した光輝が質問すると、メルドもうなずいてそれに答えた。
「アーティファクトというのは現代では再現できない強力な魔法の道具のことだ。まだ神やその
その説明を聞いて光輝もうなずき返すのを恵里は見た。ハジメと接していることもあって、彼がファンタジー小説を雫と一緒に読むこともそう珍しくはない。だからこそこんな質問をしなくてもよかっただろうにと思っていたのだが、彼の表情からして自分の中の“アーティファクト”という単語とこの世界のそれがどう違うのかが気になったのだろう。
どこぞのアイツとは違って随分慎重だなと思いながら、恵里は指先を渡された針で刺し、そうして出てきた血を魔法陣にこすりつける。
(結果はまぁわかってるけど、ちゃんとリアクションはとらないとね。流石に驚かなかったら怪しまれ――へ?)
そしてステータスプレートに表示されたものを見て恵里は思わず固まってしまう。そこには――。
===============================
中村恵里 16歳 女 レベル:1
天職:闇術師
筋力:20
体力:30
耐性:10
敏捷:20
魔力:80
魔耐:80
技能:闇属性適性・闇属性耐性・言語理解・気配感知[+特定感知]
===============================
「……あれ、恵里? 恵里? どうしたの?」
「うん、どうした? まさか表示されなかったのか?」
本来なら天職は“降霊術師”のはずなのに表示されているのは別のもの。天職のところをこすったり、何度叩いても表示は変わらない。不審に思ったハジメやそばにいた神殿騎士から声をかけられても恵里はそれに気づけない。段々と顔が青ざめていくばかりであった。
なんで、どうして、と必死に理由を探して記憶を漁っていると、恵里はあることに気づいてしまった。
(もし、かして……ボクがお父さんを助けたから? だから、天職が変わった……?)
納得できる理由を探しても“死”に関連した理由でそれっぽいのがこれしかない。
またしても自分のせいで計画が大いに狂った可能性が出てしまい、ダラダラと脂汗が流れ、全身が脱力しかかってしまう。とはいえここで倒れるのもまたいけないと思いながら足に必死に力を入れる。
「ねぇ恵里、どうかしたの? そのプレート壊れてたの? そ、それとも、もしかして……」
「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に“レベル”があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に――」
計算が狂った。計画が狂った。どうしようどうしようとパニックを起こしてしまった恵里はメルドの説明も鈴の声もロクに入って来やしない。むしろ更に悪い可能性が頭の中に浮かび、もうそれどころじゃなくなってしまう。
「――ではないかと考えられている。それと一部を除いてお前たちには国の宝物庫から装備を選んでもらうぞ。エヒト神から遣わされた使徒を簡単に死なせる訳にはいかないからな」
「ちょ、ちょっと恵里。何があったの? そのプレート見せて。ねぇ見せて」
「ねぇ恵里、ちょっとそれ見せて。お願い、鈴のも見せるから。ね? ね?」
「おい貴様ら、何をやろうとしている。こいつのプレートは私が確認する――うん? ちゃんと機能しているぞ?」
心底心配した様子のハジメと鈴にも、自分のステータスプレートをこっそり覗いた神殿騎士にも気づけないまま、恵里はドツボにはまりかけていた。
(も、もしかして……ボク以外にも天職が変わった奴が――マズいマズい! もしハジメくんの天職がものづくりに特化したものじゃなかったら計画が完全にパァだ!! え、えっと、ハジメくんは……)
計画の要がこの時点で崩壊している可能性に思い至った恵里はすぐにハジメの方に視線を向けると、ハジメは神殿騎士と何かを話している様子であった。そして露骨にガッカリした様子の神殿騎士に苦笑いを浮かべ、適当なところで話を切り上げてこちらの方を向いてくれた。余裕のある笑みを浮かべ、落ち着き払っている様子からして問題はなさそうであり、それに安堵した恵里は思いっきりため息を吐いた。
一方ハジメは恵里の様子を見て察した。下手したらとん挫している可能性があるということを。すぐにその顔は曇ってしまい、とにかく何度も恵里に頭を下げた。
(ご、ごめんねハジメくん!……と、とりあえずハジメくんは大丈夫だったし、後で謝らないと。えっと、他には、他には――)
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高い……おい。中村、だったか? 一体どうした? 何を探している?」
そしてメルドの説明と問いかけを無視して恵里は周囲を見渡す。するとかなり心配そうな顔をした鈴がこちらを見ていたことにようやく気づいた。そしてその表情からして自分と同じ問題を抱えているであろうことに恵里も気づく。またしても体が震えだす。
前世? の鈴の天職は“結界師”である。一緒に行動していた頃は大抵の攻撃をいなすバリアを張り、自分と戦った時はそのバリアを爆発させて自分を追い詰めていた。それを思いっきりアテにしていたというのに、どうやらそれも外れたらしい。また恵里の顔から血の気が引いていった。
「まったく、何があった? プレートの故障か?」
「えっ!? あ、いやー、その、ちょっと不具合があるみたいで……交換してもらえますか?」
「いえ、メルド殿。正常に機能している様子ですが」
いつの間にやら自分のそばに寄っていたメルドに大いに驚き、見せてみろと言わんばかりに手を差し出されたため、恵里はおずおずとプレートを手渡す。手に取ったプレートを見たメルドは首を傾げながらそれを見るも、一体何が不満なのかと言わんばかりの表情でこちらを見つめてくる。
「闇術師か。相手の精神や意識に作用する系統の魔法のエキスパートだな。それがどうした?……まぁ、交換してほしいのなら構わんが。イヴァン、予備を持ってきてくれ」
そしてメルドの部下のイヴァンからステータスプレートと針を受け取り、再度やってみても結果は変わらず。ごめんなさい、と頭を下げるもメルドは『あまり手間を取らせないでくれ』と短く答えるだけであった。
(あーもう……“縛魂”は使えるかもしれないけど、倒した使徒を操って戦力増強するのはとん挫かな。何とも言えないや)
メルドの言葉を聞いた感じだとやはり“降霊術師”よりもやれることが制限されるようである。生きている人間相手ならば“縛魂”は効くかもしれないが、残留思念に干渉する技能がないため、前に一度トータス会議で提案した“殺した使徒を使って数の暴力に対応しよう”という作戦は無理であった。ちなみに滅茶苦茶不評だったし却下されていたが。それでも恵里としてはこっそりやるつもりであったため、結局不可能になったことに落胆している。
「いや、谷口。治癒師は立派な天職だと思うぞ。薬も使わずに戦場で傷を癒す力を持っている人間は間違いなく貴重なんだが……」
「で、でも! 故障したかもしれないですし、それにわ、私、けっ――べ、別の方が良かったかなー、って……」
今度は鈴のカミングアウトを聞いてしまい、思わず天を仰ぎたくなった。鈴、お前もかと心底頭が痛くなる心地であったが、ここでふとあることを恵里は思い出す――前世? の香織のことだ。
(あれ? そういえば香織も治癒師じゃなかったっけ……それで確か結界も張ってた……あ、むしろいい方に転んだかも)
バリア一辺倒でなく、回復も出来るようになった。そう考えればお得ではないのか、と恵里はその変化をプラスに受け止めた。どうして鈴の場合は変わってしまったのか、恵里は心当たりが全然なかったものの、とりあえずいいかと考え直す……それはそれとして、口を滑らせかけた鈴は後でスネを蹴っ飛ばすと決意した。
その後メルドが説明を再開するも、話の腰を折ったせいで永山グループににらまれるもののそれは気にならなかった。むしろ光輝達が心配そうに見つめてきた方がよっぽど辛かった。軽く罪悪感に苛まれながらも恵里はメルドの説明を聞き、そして全員の天職を確認する流れとなる。
そこで光輝の天職がやはり“勇者”であったことにホッとしたり、雫の天職が“暗殺者”になってて軽く荒れるものの、『まぁこっちの雫の家って忍者の家系だし』と考えて気を取り直したりした。そして遂にハジメの番が来た。
渡されたハジメのステータスプレートを見た途端、これまで戦闘系の天職ばかりで少し浮かれていた様子のメルドの表情が固まってしまう。見間違いか何かとばかりにプレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。そして、ジッと凝視した後、もの凄く微妙そうな表情でプレートをハジメに返した。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」
そして歯切れ悪くハジメの天職についてメルドは説明する。ハジメとしてもトータス会議で恵里からそういった天職だというのは聞いているし推測していたのもあり、また先ほど神殿騎士からメルドと同じような説明を受けていたためそこまでショックは受けていない様子ではある。とはいえちょっとしょんぼりした様子ではあるが。後で鈴と一緒に慰めようと恵里は決意した。
メルドからステータスプレートを返してもらい、元居た場所に戻っていくハジメを永山グループの奴らの多くが憐れみや侮り、呆れた様子で見ていた。自分達が敵視していた奴が取るに足らない相手でしかなく、そういった感情があふれたのだろう。
「……南雲、お前はどうする気だ?」
……ただ一人、リーダーである永山を除いて。
「なんのことかな永山君」
「とぼけるなよ。もし仮にお前が裏切る気なら俺達の使う武具を滅茶苦茶にすることが出来る。それに鍛冶師にでも頭を下げて弟子入りして、そこで手にした技術を魔人族に流すことも出来る……」
「――っ!」
永山だけは正しくハジメの脅威を理解していた。ただし、自分達は兵器の製造や移動手段の開発などの方であり、永山はハジメの技能の悪用の仕方といった違いがあったが。
それを聞いた途端、他の永山をリーダーとして集った生徒がハジメに疑念と嫌悪の眼差しを向けてきた。よくもまぁやってくれると思いながら恵里も彼らに軽く敵意をぶつける。
「あ、あの、皆さん! け、ケンカはやめてくださーい! 南雲君や中村さん達が疑われるような行動をとったのは悪いですが――」
「……ウワサはウワサ。そうでしょ? 僕が裏切る、っていつ言ったの?」
「それは聞いていない……が、お前が中村を裏切る様は想像できなくてな。中村が裏切るならば谷口も巻き込むことが想像出来ただけだ」
慌てて畑山先生が止めに入り、ハジメは冷静に返すものの、永山は屁ともせず問い直してきた。よくもまぁハジメを疑ってくれるものだ、と恵里は殺意が沸きかけたが、ここで下手にそれをむき出しにしたら本気で裏切ろうとしていると捉えられかねない。そのため歯がゆい思いをしながらも永山をにらむしかない。するとハジメの前に苛立った様子の大介が立った。
「おう永山、俺らの恩人に向かって言いたい放題言ってくれるじゃねーか。ふざけんじゃねぇぞ」
「だな。テメーらにとっちゃ憎くて仕方ねぇんだろうけどよ、俺らにとっちゃ大事なダチなんだよ――わかったら失せろ」
すると良樹も続いてハジメの盾になるように前に立ちはだかり、信治、礼一も同様に敵意の籠った視線の盾となるべくハジメを囲むように立った。
「お、落ち着いてください檜山君! 近藤君も、斎藤君も、中野君も、どうか抑えて!」
「出来るわけねーだろ! なぁ愛ちゃん、アンタは友達をここまで馬鹿にされて頭に来ないのかよ!!」
「だ、大介君! ぼ、僕はいいから! ここは僕が我慢すれば――」
「俺らが我慢できねぇんだよ! ハジメ、お前だって中村のことをコケにされて悔しくねぇのかよ!!」
急ぎ畑山先生とハジメが四人をとりなそうとするものの、自分達のために色々やってくれたハジメを虚仮にされたことが我慢出来なかった。そしてそれは大介達四人だけでなく――。
「そうだな。檜山の言う通りだ。俺達としてもハジメと恵里を何度も何度も馬鹿にされて許していられない」
「ちょ、ちょっと光輝君!」
光輝だけでなく雫や龍太郎、香織に幸利と他の面々も立ちはだかった。恵里も矢面に立ちたかったものの、下手に動いて教会からの印象を更に悪くする訳にもいかない。だからあえて止めず、皆に任せることにした。
「お前ら! ここはいがみ合ってる場合じゃ――」
「すいませんメルドさん。これは俺達の問題なんです――いいか。皆だって友達が偏見でイジメられたら辛いだろ! なのにどうして人の嫌がることをやるんだ!!」
「だったらどうして中村の奴があんなウワサが立つようなことをやったんだよ! 俺達も疑われてもおかしくなかったんだぞ!」
「ハジメ達にも事情があった、って思わないのか! 俺達はクラスメイトじゃないのかよ!」
「なによ! 南雲達なんて学校にいた頃から信用なかったのに!! 女の敵をどう信用しろって言うのよ!」
「幼馴染の子と一緒にいるだけでもダメなの!? ハジメ君はみんなの想像しているような人じゃ――」
「二人の態度を見たらどう考えたって二股じゃねぇか!! その時点で信用なんてゼロだろうが! そんな奴をどうしたら庇えるんだよ!」
メルドの制止も聞かず、言い合いが始まってしまう。第三者から見れば確かに褒められた行動ではなかったにせよ、ハジメのことが大切な光輝達は全力で庇いたてる。一方、永山達は一般的な倫理観などを盾に容赦なくハジメを、彼を容認してきた光輝達を口撃する。
「お、落ち着いてみんなー!」
「いい加減お前達とは理解しあえないと思っていた……! 何をやったらあんな奴をそこまで庇えるんだ?」
「ケンカをやめてくださーい! クラスメイト同士でケンカなんてダメでーす!」
「俺と雫を助けてくれた恩人だからだよ! 恩人で、幼馴染で、大切な親友の味方になって何が悪いんだ!!」
「嘘を言うなよ! どうせ適当な事を言ってお前達を助けた気でいるだけの――」
「――いい加減にせんか!!!」
うろたえながらもどうにか止めようとハジメと畑山先生が声をかけるも、ヒートアップしてしまったクラスメイトの熱は納まらず、今にも一触即発の状況を破ったのはメルドの怒号であった。
今にも殺さんとばかりににらんでくる偉丈夫の視線にクラスメイトの多くが怯え、息をのむ。中には腰を抜かした者もおり、恵里以外は誰もが気勢をそがれて何も出来なくなっていた。
「中村、南雲、谷口の三人は俺も疑っている。あの日の行動は結局どういったものかはわからないままだからな。この国の防衛を担う騎士団長として、三人を野放しには出来ん。だがな――」
凄まじい形相でにらまれてしまい、武術を修めている光輝や雫、浩介に永山もメルドに反論も肯定も出来なくなる。鷲三、霧乃も息を少し荒くして身構え、恵里はメルドの放つ気迫に耐えてはいられるものの、下手なことを言いだしたら首が文字通り飛ぶような錯覚を受け、何も出来ずにいた。
「お前らは仲間ではないのか!! 少なくとも同じ故郷の人間だろう! こうして魔人族との戦争に参加の意思を示したのならば、どういった腹の内であれ協力し合うのが筋だろうが!!」
大気を震わせるほどの一喝に畑山先生や辻などの女子は思わず涙を流し出してしまう。誰もが国の要に圧倒され、言われるままとなっていた。
「その様子だと背中を預けあうことすら満足に出来んだろうな――ならわかった」
一瞬怒気が引っ込んだことでようやく収まったかと玉井らや大介達がホッとしたのもつかの間――怨敵を前にしたかのような顔でメルドは叫ぶ。
「お前らがどんなクズであれ、俺はお前達を戦場に送るために鍛える義務がある――今すぐ走れ。俺がいいと言うまで走れぇ!!」
有無を言わせぬ凄まじい剣幕に誰も逆らうことは出来ず、一目散に走り出していった。思ったよりコイツヤバかったと思いながら恵里も走ろうとするも、その前にメルドがその肩を掴んできた。
「さて、中村。南雲と谷口もいるな?――お前らが不用意な行動を積み重ねたせいでこのような結果が起きた。理由はわかるな?」
「アッハイ」
「使徒の間で仲をこじらせる原因を作ったお前らは俺が直々に鍛えてやる――二度と変な気も起こさない様にしてやるからな?」
とんでもない鬼教官に目をつけられた、と思いながら恵里もハジメも鈴も自分達の過去の行いを後悔した。みんな仲良くが一番だよね、と思いながらも恵里達はメルドの指導の下、容赦なく走らされる……数日の間、三人の悲鳴は止まらず、そして誰も止めることが出来なかった。
メルドニキガチギレ。流石にこの時点でこんな状況じゃあ豪放磊落な彼でもブチギレると思うんです(本日の言い訳その1)
Q.どうして恵里と鈴の天職が変わったの?
A.あくまで作者の持論ですが、ありふれ世界は各人の神代魔法の素質にバラつきがあると思っています。またそれを引き出すのはこれまでの行動なども関係しているのではないかと思うのです。恵里の降霊術しかり、幸利の闇魔法による魔物の使役しかり。
それを根拠に考えると
本家の恵里:父の死を切欠に人生が狂い、自分の願いを叶えてくれる人(光輝)を欲した→降霊術師となり、また独力で魂魄魔法の領域までたどり着いて光輝を洗脳。
こちらの恵里:父の死を回避。ただし前世? を引きずっているため心にそれなりに闇が残っている→ちょっとスペックダウンした闇術師に。
本家の鈴:自分の気持ちを覆い隠し続け、ムードメーカーとしてふるまい続けた→ある種の拒絶やペルソナが結界師として顕現した。
こちらの鈴:自分の気持ちを打ち明け、また雫を助けた→本家と比べて心理的な仮面がないため結界師としての適性ダウン、また雫の傷を癒したことで傷を癒す方向に適性アップ。結果治癒師に。
とまぁこういった理屈です。香織が治癒師になったのも心がボロボロになった雫を助けたのがちょっとは影響してるかなーと思ってたり、でも時に干渉出来るレベルにまで到達するから結局当人の資質なのかなーと思ってもいたり。
……メタ的に言うと鈴はこっちの方がちょっと都合がいいというかなーという面もあります(クソ作者)