「海行こうぜ!うみーーッ‼︎‼︎」
結局仁久須には逃げられ、ギリッギリに学校に到着させイリヤ達は普通に授業を受け、放課後までちょっと前ぐらいに
クラスメイトのタツコの唐突な遊びの誘いを受ける
「ん?何の話?」
「夏休みの予定だよ。まだ6月だってのに、こいつテンション上がだちゃってさー」
同じくクラスメイトのスズカは若干苦笑いで解説を入れてくれて、どういう話かは理解したようだ
でも一ヶ月以上先のイベントにはしゃぐって…
「海?海に行って何をするの?」
「何って泳ぐに決まってんだろうが!
あ スク水は禁止な!各自最高にエロい水着持参で!うっひゃあああ‼︎」
「おちつけ」
テンションがオーバーフローし叫び散らかしたタツコをナナキがアッパーで制圧した。割といつもの事である
「ミユ…もしかして海行ったことないとか?」
美遊はコクリと頷き、そこに畳み掛けるようにミミとスズカが外堀を埋めにかかる…
「じゃあ一緒に行こうよ美遊さん!」
「え」
「あんたの事だから泳ぎも速いんだろ?せっかく海が近いんだし、行かなきゃ損だよ!」
「あ…イ…イリヤが、行くなら…」
唐突にコミニケーションという災害に見舞われ、イリヤに救助を求める
「うん!みんなで行こうね」
美遊に退路はなかった
「ニクスも……あれ?」
前の席にいたはずの仁久須がいつの間にかいなくなっていた
「消えたな」
「消えたね」
そういえば泳げなかったけ…
流石に泳げないのに無理矢理行かせるのはちょっとかわいーー
『各自最高にエロい水着持参で!』
……
いや、そうだよね!
うん、だってプールの授業とかあるもん
うんうん、泳げないと補修とか受けなきゃいけなくなっちゃうもん
よし、泳げるように練習しなきゃね
「イ、イリヤちゃん…どうしたの?そんな急に真剣な顔して」
「いや!ミミ!別に!そんな下心とか!全くないから!」
「何…言ってるの?」
放課後になり、みんなで下校している
「い〜こ〜う〜よ〜」
「うん、楽しんできてね♪」
ちゃんと後で仁久須を捕獲して説得を試みている
「うん、ちゃんと練習付き合うよ!」
「うん、頑張って♪」
僕は獣化状態の時は水に弱いが人間状態の時は水には弱くない。
だだ少し、ほんの少しだけ苦手意識があるだけである
「そもそも、別に泳げないわけじゃないもん。ちょっと息継ぎと目が開けられないだけだもん」
「それを泳げないっていうんじゃ…」
「苦手な事も練習すれば絶対克服できるぜ!」
美遊とタツコの他にもミミやスズカ達も参戦してくれている
その時
グォオオオオオ
仁久須達の目の前にリムジンが止まり
「ヘっ」
「あっ」
「えっ」
開かれたドアから手が伸びてきて
「……ゆっ…誘拐だーーッ‼︎⁉︎」
「なんだ⁉︎へんたいふしんしゃの仕業か⁉︎」
「いや…待て、あのリムジン確か…」
仁久須達三人を引きずり込み、走り去っていった
「あ…リンさん!ルヴィアさん!…の車?」
「急で悪いけど…
任務内容として、地脈の乱れの原因であるカードを全て回収してもいまだに回復してないらしく
地脈の乱れを調整する為の打開策にルビーとサファイアの無限の魔力供給を利用し高圧縮魔力を地脈に注入し拡張することらしい
「うーん…結局のところ私たちの権力関係は変わってないんだね」
『イリヤさんもリンさんの言うことなんて聞かなくていいんですよー?』
「
「あはは…」
まあ…この騒動の元凶がルビーなら…その騒動を持ち込んだのがリンさんとルヴィアさんなんだよねー…いつも喧嘩ばかりなんだけど、いざとなった時の判断力とかなんだかんだ頼りになってかっこいい…
そう考えていたら一瞬で2人の姿が視界から消えた
「「底なし沼だー‼︎‼︎」」
「なんでこんなところに致死性のトラップがーー⁉︎
沈むっ!沈むーっ‼︎」
「だっ大丈夫ですかルヴィアさん!」
「あだだだだだだだ⁉︎なんで髪を引っ張るんですの美遊ーーッ‼︎⁉︎」
どんどん底なし沼に沈んでいくルヴィアの様子に美遊が焦りルヴィアの髪を引っ張り引きずり出そうとするが筋力が足りないのかうまくいかない
「どどどどどど、どうしよう⁉︎」
「わかった、任せて」
すでに部分獣化をしていた仁久須の手(脚)により救出された
思わぬ出来事もあったが大空洞にたどり着いた
そして…ここで、さらに思わぬ出来事が起こるとは…
「うわー…すごい大空洞…こんなところがあったんだねー」
「洞窟だけあってひんやりしてるね」
滅多に見られない光景に感心する
「道中危うくしにかけたわ…」
『開幕早々最高におマヌケなデッドエンドでしたねー』
「うぅ…
『愛され系ですね』
「すみません…」
泥で汚れてしまったり、髪型が変わった人達がいるがこれから重要な任務に入る
「やれやれ…ちゃっちゃと終わらせて帰るわよ」
遠坂凛がヴァイオリンケースののようなバックから巨大なネギのようなものを地面に突き刺し、ルヴィアが魔法陣を描き、イリヤと美遊がステッキを構え魔力を注ぐ
「充填率20…40…」
「いけるわ…出力そのまま維持!」
やる事がない仁久須はジッとその光景を見ている
「60…75…90…100…110…115…!…120!」
「
充填され凝縮された魔力が地脈に注がれ地鳴りがしたがすぐに収まる
「…これで終わり?」
「ふぅ…一応はね。効果の程はまた改めて観測しなきゃいけないけど…」
仁久須がずっと黙って真剣な表情で地面に刺さった地雷針を見ている
不思議に思ったイリヤが声をかけようとすると
「ー⁉︎なんかくる‼︎」
「え…ちょっと待ってこれは…!」
仁久須の言葉の直後、地面がせり上がり魔力が溢れて出した
「ノックバック⁉︎うそ…出力は十分だったはずよ⁉︎」
「まずい…来ますわ‼︎」
「「逆流……ッ‼︎」」
溢れ出した魔力の勢いは大空洞の天井を崩してしまった
やばい…なんか嫌な予感がすると思っていたけど…ここまでの事が起こるなんて…
完全獣化すれば瓦礫程度、吹き飛ばせるがもう間に合わない
どうしようもない危機に直面した時
それはスイッチみたいに切り替わる
これで4度目で
わたしにはどうすればいいかがわかってしまう
「クラスカード【アーチャー】
イリヤが赤い外套に黒のインナーの姿に変わり、紫に輝く4つの花びらのようなものを出現させた
「光の盾……⁉︎」
「イリヤ…!」
イリヤが出現させたであろう花びらは落石を押し留めていた。
だだイリヤは片手を出して花びらを維持する事、それ以外の行動が取れないようで、このままでは押し潰されてしまう
「神代ーー回帰」
「過去ーー再生」
イリヤが稼いでくれている時間は無駄にはしない。
すぐに完全獣化しくちばしに炎を溜め
花びらが消えると同時に熱線で落石を吹き飛ばす
煙がその場の全員に立ち込める
即座に完全獣化を解いてイリヤに駆け寄る
さっき突然倒れた所を見ていたから心配している
「大丈夫⁉︎イリ…ヤ?」
見たところ怪我は無さそうだ。
うん、問題無さそう
そしていつものピンクを基調とした魔法少女の衣装を着たイリヤとさっきの赤い外套に黒のインナーの姿で褐色肌のイリヤがいた。
うん、問題ありだ
「「え……?」」
2名のイリヤはハモり、お互いを見る
そして褐色イリヤの方が真っ先に動き、素早い動きで大空洞の出口には行ってしまった
想定外な異常事態に誰もが硬直していた。