「さて…それじゃあ、尋問を始めましょうか」
「……この扱いはあんまりじゃない?抗魔布の拘束帯まで持ち出して…」
現在、ルヴィアの豪邸の地下倉庫で褐色イリヤを魔力を封じる布で十字架に厳重に縛り付けられている。
「まったく、ここまでしなくても危害を加えたりしないわよ。イリヤ以外には」
「それが問題なんでしょーッ⁉︎」
イリヤが激情して机を叩き叫ぶ。まあ無理もない。命を狙われて心中穏やかにしろと言う方がおかしいのだ。
「残念だけど、貴女には弁護士を呼ぶ権利も黙秘する権利もないわ。わからないことだらけなの……全部答えてもらうわよ」
「全部…ねぇ」
そろそろ本格的に尋問が始まる
「まずは、そうね。貴方の名前を教えてもらおうかしら?」
「名前?イリヤだけど、イリヤスフィール・フォンアインツベルン」
凛さんの言葉に褐色イリヤはさも当然な事を言うように答える。
イリヤが不機嫌になるので頭を撫でて落ち着かせる。これをするとイリヤは結構な確率で落ち着きを取り戻す。
「……ちなみに嘘をつく権利も認めていないわよ?」
「心外ね。嘘なんかついてないわよ」
「どうだか…」
まだ真偽を判断できるほどの情報がないので、まずは疑いながら慎重に進めるつもりである
「貴方の目的はなんなの?」
「まあイリヤを殺すことかな〜」
「なら、自分の首でも締めればいいじゃない」
「わたしじゃなくてあっちのイリヤだってば」
このままではどちらのイリヤかわかりづらく面倒くさくなってきた。
「ああもう!どっちもイリヤじゃややこしい!えーと黒…クロ!黒いイリヤだからクロでいいわ」
「わたしは猫か…」
褐色イリヤはクロと雑に命名されました。
「…でイリヤを殺そうとする理由はなに?まさかオリジナルを消してわたしが本物になってやるーとか、そんな陳腐な話じゃないでしょうね」
「あれ、よくわかったわね。まぁおおむねそんな感じ」
ドッペルゲンガー的な感じだろうかでもおおむねということはそれだけではないという事なのか…
「…貴方は何者なの?」
「核心部分?んー…ネタバレはまだちょっと早いんじゃないかなぁ〜」
真偽はどうであれ、ここで初めての誤魔化し、
「……もういいわ」
まあ尋問、初日だ。今日はこの辺りで尋問は一旦お開きである。
「あら、全部聞き出すんじゃなかったの?」
「聞き出すわよ、いずれね。でもその前に…イリヤに関する抑止力を作っておきましょうか」
するとルヴィアは何かを察してイリヤを羽交い締めにした。
「え?なに?ちょっ…えっ」
凛さんが結構な大きさの注射器を手にしてイリヤに近づく、何をされるか察したけど唐突な出来事に困惑しながら恐怖する。
「いっ…いあーーーーーッッ⁉︎」
地下倉庫でイリヤの悲鳴が響いた。
「ひ、ひどい」
「ちょっと血を抜いただけよ。大げさね」
献血させられた腕を押さえてて涙を浮かべるイリヤを横目にいくつかの宝石が入ったシャーレにイリヤの血を入れる。
「…何をする気?」
「言ったでしょ?抑止力よ」
凛さんが右手の人差し指にイリヤの血を塗り、クロに近づき、露出した腹部のに地図記号のようなものを描く。魔導書を片手にイリヤの血を床に垂らしながら詠唱を行う。
ルヴィアさんがイリヤをクロの前まで連れて行き、腹部の模様に手を当てさせる。
すると模様がより一層輝き魔法陣が浮かび上がる。
「何?なに⁉︎なにをさせられてるのー⁉︎」
遠坂凛とルヴィア以外何をしているかわからずただ事の様子を見守ってると、やがて光が収まると辺りは何か変わった様子はない。
「人体血印…呪術⁉︎何をしたの⁉︎」
クロが何をしたのか聞くが、無視をし凛さんがイリヤを手招き
「なにを…あだっ⁉︎」
「あだっ⁉︎」
突然の
「いややややや⁉︎」
「いだだだだだだ⁉︎」
「ちょっと凛さん⁉︎何してんの⁉︎」
意味もなくイリヤを痛めつけいるように見えた為、仁久須がイリヤを遠坂凛から離し、背中で隠すように抱き頭を撫でる
「「ゔゔ〜いだいよ〜」」
「よしよ〜し痛かったね〜クロも痛かったね〜」
イリヤは涙目で仁久須の小さな胸板に顔を埋めスリスリとする。
クロも涙目で見ていたので背伸びして頭を撫でてあげる。
なんか胸がスースーするな…
「まあこの通り痛覚共有よ。ただし一方的な…ね!
「くっ……やってくれたわね…」
クロがイリヤを攻撃した場合その
そしてクロが受けた
これでイリヤはクロに対して完全有利を取れたことになる。それどころかクロは一切手出しできなくなったのだ。
「そう…つまり貴方は……イリヤスフィールの肉奴隷ということですわ‼︎」
ルヴィアはクロに向かってドンと指を指し決める。
ただこのトンデモ発言に一同シーンと静まり返り
「いや…それ違う」
「…イリヤの非常食?」
「ニクス…それもちがうよ、わたし人なんて食べないからね?」
仁久須もちょっとずれた解釈をする。
もう時間的に遅いということでイリヤと仁久須は帰宅する事となり、とりあえずクロのことは遠坂凛達に任せることになった。
「
「……よし!」
まあクロは英霊の力を自在に扱うのだ。万が一がありうるしね、一応気を抜かないようにしなくてはと仁久須は気合を入れる
「念のためランサーのカードを預けておくわ。もしもの時はそいつで遠慮なく貫いてやりなさい。ブスッと」
「わーお、ばいおれんす〜」
イリヤ自身が自衛出来る出来ないとでは全然違うのでありがたく受け取る
「はぁ……結局アイツが何なのかわからないままかぁ……」
『ややこしい存在でしたね〜イリヤさんへの殺意も何か壮大な目的があるかもしれませんね』
「壮大な目的……」
イリヤを殺して得る何か……もしかして居場所が欲しかったとか?
3人で考えながら玄関の扉を開けると…
「お帰りなさい、ニクス♪」
『「「え…?」」』
そこには監禁生活を送っている筈のクロ囚人がいた…
「わたしにするぅ?わたしにするぅ?それともぉ…わ、たーー」
仁久須とイリヤは目を擦ったり、ほっぺをつねったりして夢ではないことを確認して再度ドアを開ける
「お帰りさない♪わたしにーー」
またそっ閉じする。そして再度夢確認してまた開ける
「お帰えーー」
またまたそっ閉じすーー
「させないわよ!何回もやらせないでよ!ちょっと楽しんでるでしょ⁉︎」
少し赤くし息を荒げながら玄関のドアを掴み、強引に開ける
まだ怒涛の一日は続くようだ