英雄たちの戦場に不死鳥が降り立つ   作:厨二病と妄想の不審者

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かき乱され始まる日常

何であれ監禁していた筈のクロがいる

 

「何でいるの⁉︎早速脱走⁉︎警備ゆるすぎ‼︎」

「クロ…なにしにきたの?」

 

あんな厳重そうだったのに!ハリボテなんじゃないの⁉︎

 

「ん〜?ニクスに会いたいから出てきただけよ♪」

 

妖艶に笑い仁久須を見ているが、ジト目で信用してない風だったので、証明するために仁久須の手を握りリビングの方へ連れてってしまった

 

「んなっ⁉︎…何アイツ‼︎」

 

ニクスをそんな目で見るなんて!許せない!

何よりクロがニクスを連れ去る時、わたしの方にチラッと勝ち誇った顔をしたのが腹立つ‼︎

 

急いでイリヤもリビングに突撃しに行こうとするが、ルビーが待ったをかける。

 

『今、リビングには士郎さんがいます。今イリヤさんが行ってしまえば、イリヤさんが2人いるとなり色々と面倒臭い事態になります』

「ぐぬぬぬぬ………じゃあ、どうすれば…」

 

入ることの出来ないのでバレないように覗き見ると、そこには…

 

「もう、姉に意地悪するなんて…悪い子だわ〜」

「ちょっと…クロやめて…あひゃっ」

 

ニクスをソファへ押し倒してあいつがくすぐり始めていた。

片手でニクスの両手を頭の上で固定して抵抗できないようにして…

 

「やめて…ごめんなひゃい…ゆるひへぇ…」

 

しばらくしてニクスがくすぐりにより息が吸えず真っ赤になって息を荒くして許しを乞う。

ちょうどあいつの耳に熱い吐息が入って……ハイッテ…

 

『あの〜イリヤさん?ずっと無言で凝視してるの怖いんですけど…なんか言ってくれません?』

「あれはイケナイよ」

 

ていうかお兄ちゃん!すぐ横のソファで豆の皮なんて、むいてないで止めてよ⁉︎

 

「じゃあ…ニクスはどんな女の子が好きなの?」

「…?」

「おいおい。仁久須だって年頃なんだから、流石にやめてやれよ…」

 

やっと変態(あいつ)の所業にお兄ちゃんがストップをかけた。

頑張って!お兄ちゃん‼︎仁久須を魔の手から守って!

 

「あら?でもね〜お兄ちゃん、ニクスだって喜んでるじゃない♪」

「ん?…そうなのか?なら、いいのか…?」

 

あぁもう!言いくるめられないでよ!

 

『ははぁ…そういうことでしたか。クロさんの壮大な目的はズバリ仁久須さんですね』

「……ニクスが目的」

「そのために本物のイリヤさんは邪魔だったんですね〜けど手出しできなくなったから今度から積極的に接触する策に出たと」

「さ、最悪!最低最悪の敵だわ…っ‼︎」

 

ニクスに対して妙に好意的だったのはそういうことだったのか!

 

『いやはや…うーん…ですがこれはイリヤさんが望んでいたことじゃないんですか?』

「は⁉︎何を…」

『イリヤさんが姉弟の枠を壊して、それ以上の関係になって気持ちをぶつけたいっていうのをクロさんはそれを着実に実行しているように見えますよ?』

 

くっ、たしかにちょっと羞恥心でヘタレでしまう事は多い……とても認めたくないけど、今までクロがやっていた事はわたしの願望でもあった。

 

クロは恥ずかしさでやめてしまう事はしてない。好意を伝えて行動に起こしてる……でもそれじゃクロの方が本物でわたしが偽物みたいじゃない‼︎そんなの…絶対に認めない‼︎

 

「だとしても……許せるわけないでしょうが‼︎」

 

わたしにはクロの所業を止める手段がある!

 

イリヤは左手を振り上げて、思いっきり振り下ろした。

近くにいるルビーにではなく自分自身に、頬に、パァンといい音が鳴り響く。

 

「ひぶっ⁉︎」

 

やりたい放題に仁久須を背中から抱きつきこねくり回していたクロが唐突の左頬からの衝撃(不意打ち)を悲鳴を上げながら痛みに悶える

 

「イリヤ?どうした?」

「どど、どうしたの?いきなり…」

 

2人が突然の悲鳴に動揺しながら心配する。

 

「だっ…大丈ぶあっ!あっ、ぷっ、らっ

 

そこから怒涛の痛みによる連撃を受け、床に転がり回る

 

 

被害者であり加害者であるイリヤは…

 

 

「いっ……いだいぃぃ…!て"も"、ごれであいづは止ベられてるばず…」

『あぁ〜自分で自分をマジビンタなんて…イリヤさんってばなんて面白健気なんでしょう…!』

 

両方の頬を真っ赤に腫らし床に涙目で、うずくまっている。

 

 

「くっ…なら最後にせめて…!」

 

クロが最後の意地で立ち上がり仁久須に飛びかかる。

 

「ニクス〜〜キスぅ〜!」

「なっ…バリア!」

 

手をクロスしてガードしようとしているが、そんな貧相な守りでは自分の貞操も(自分の何も)守れやしない。

 

「させるかァァーーー!」

 

壁の角に足の小指を勢いよく蹴りつけた。

その直後

 

「イリヤ、仁久須!無事⁉︎」

「たった今、クロが脱走を……‼︎」

 

遠坂凛とルヴィア、美遊の3人が突撃して来た。

真っ先に目に入ったのが…

 

「……っ!………!っっっ‼︎」

 

足の小指を押さえながら倒れ、声も出せないほど悶絶しているイリヤだった。

 

「どうしたの⁉︎クロに何か…」

『いえ、違います!それよりクロさんを!リビングにいます!今なら動けないはずですよ!」

 

「ハッ!そうだわ!」

「行きますよ!」

 

ダウン中のイリヤを飛び越えて遠坂凛とルヴィアはリビングへ突撃する

 

「クロ!」

「観念なさい!逃しはーー」

 

 

2人が目撃して驚いたのはクロじゃなく…

 

「衛宮くん…?」

士郎(シェロ)…?」

 

この反応で兄さんとは初めましてではないと思うけど……これは、ライバル追加(増えた)のかな?

 

「ごめんね衛宮くん‼︎イリヤちょっと借りていくわ‼︎」

「あっ…」

「ごめんあそばせ〜!オホホホ〜」

 

空中ダウン中のクロを担ぎ、雑な誤魔化しをしながら去ってゆく。

彼女らの奇行に困惑しながらも士郎は追いかけるがそこには

 

「おい、遠坂⁉︎…あ、あれ?イリヤ?」

「……そ、そうだね、いるねイリヤ」

 

仁久須もひょこっと顔を出しながら確認するとイリヤと美遊が玄関のドアを押さえていた。

 

多分間に合ったんだね

 

「なななな、なによくわかんない事言ってるのかな⁉︎」

「あ、うん。ごめんね変なこと言って……」

 

流石の兄さんでも怪しむだろう…どう誤魔化せば…

 

「ワケがわからないが、何にもないならまあいいか」

 

ナイス鈍感!それで済ませちゃうなんてやっぱり才能だね!

 

「えっと、君はイリヤと仁久須の友達かな?」

 

兄さんが美遊に話かけて

それまで美遊は兄さんに背を向けていたが、振り返り

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん…?」

 

 

 

 

おっと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜なんか色々起こりすぎてわかんにゃい…」

「う、うん。お疲れ様イリヤ」

「ふにゃ〜〜」

 

仁久須が膝枕して腫れた頬を冷やしてあげている。

 

「んーむ…ニクスは…あの時のミユ、どう思った?」

「そうだね…」

 

はじめましての筈の美遊が兄さんを【お兄ちゃん】と呼び、兄さんの胸に飛び込んだ。奇行に対しての疑問もあるけど、それよりも

 

「兄さんを見る目がなんか悲しそうに見えた…の、かな?」

「そうだね。ミユとお兄ちゃんに何かあったのかな?ミユのお兄ちゃんと私たちのお兄ちゃんは似ていたらしいし」

 

「「うーん……」」

 

何か考察しようにも情報が足りない…というかなんもない

そういえば僕らは美遊のこと何も知らないんだ。

 

「考えてもしょうがないから、今日はもう寝よっか?」

「うん!」

「……あれ?イリヤ?」

 

 

イリヤが自分の部屋に行かず、仁久須のベットに入った。

 

「なんで自分の巣に戻らないの?」

「巣って……ほら、リンさんに今日は一緒に過ごせって言われました。なら一緒に寝るべきです!」

 

ふむふむ、なるほど

言いたいことはわかった…何故に敬語?

 

「私、ここから、出ないもん」

 

布団に籠り、完全に居座る体勢になった

 

「わかった、わかった。じゃ、少しそっちによって」

 

横で寝るためにスペースをわけてもらった…僕のベット(領域)なんだけどなぁ〜

 

「えへへ〜ちょっと久しぶりだね一緒に寝るの♪」

「あー確かに、前は結構寝てたと思うけど…気づいたら別々に寝てたね」

「だって、ちょっと恥ずかしく…」

「zzzz…」

 

いや⁉︎早すぎでしょ⁉︎

まあニクスも今日大変だったもんね。クルマに轢かれたり、植木鉢が頭から落ちてきたり、クロ(アイツ)にベタベタ触られたり…クロ(アイツ)にキ、キ、キスされたり………

 

「今日いっぱい穢されちゃったもんね…」

 

元々仁久須と近かったがピッタリくっつき、抱きつく。若干イリヤの方が身長は高いので抱き締める形になる。

 

仁久須の身体を触ってみるとがまだまだ幼い身体でもちゃんと筋肉がついており、ちゃんと男の子の身体であると実感できる

 

「////」

 

赤面してもしばらく触っており、お次は…

 

()()()まだだったよね」

 

仁久須の顔へ近づき…重ね…

 

ふわふわ〜っと頭が思考がうまく働かなくってきている

 

「もっとしゅる〜もっと〜」

 

 

 

 

 

「…リヤ!イリヤ!」

「ムニャムニャ…ニクチュウ〜」

 

身体を揺さぶれてて目覚め出す

 

「起きて!朝だよ!」

「ハッ!……夢?……どこから⁉︎」

 

朝から涙目になっているイリヤを見て

 

「どうしたの?何か怖い夢でもみた?」

「怖い夢っていうか…その…………か、顔洗ってきます!」

 

イリヤが逃げるように走って洗面所に行ってしまった

 

「………?」

 

無意識に口を擦りながら見届ける

 

 

 

 

 

先に兄さんは行ってしまっているので2人で学校に行く。

 

「「いってさまーー」」

「ごきげんよう、シェロ。家が向かいだなんて、これも運命!今日からは是非もなく、わたくしと一緒の車で…

 

ルヴィアさんが華やかな笑顔で背景に薔薇の花が咲きそうな雰囲気で手を差し伸べていた。レットカーペットまで引いて…すごいな〜

 

 

「……あら?」

「お兄ちゃんならとっくに朝練に行ったよ…」

「これがルビー情報()の外面モードなんだ…」

『いえいえ、こんなもんじゃないですよ?もっと上手に外っ面はめてますよ?』

 

ここんとこ毎日だからね、そして暫くは朝練に行くだろうし一緒に車登校は先の未来だね……誘えたらだけど

 

「くうっ!相変わらずのナチュラルスルー!」

 

やはりあの鈍感は猛威を奮っているのだろう

 

「まぁいいですわ…せっかくですし、あなた達だけでも送りましょうか」

「え?」

 

車での登校により楽ができる。

 

何も問題はない、空気が重くはならない。奇行が起きた次の日でも涼しく楽しく、気まずくはならないだろう。

 

「「「「………」」」」

『なんでしょう、この微妙な空気』

『姉さん静かに…刺激はしてはいけないわ』

 

なっちゃった☆

 

「昨日は…」

「は、はいッ⁉︎」

「ん?」

 

気まずい空気の中、美遊から話を始めてくれた

 

「驚かせて、ごめんなさい。もう…大丈夫だから」

 

大丈夫と言いながら何かを耐えているような様子に感じた。でもそこについて聞くことができずにいた。イリヤが頑張った話題を振ろうとする

 

「そ、そんな謝るようなことは何も…ミユのお兄ちゃんと勘違いしちゃったんだよね?ミユにもお兄ちゃんがいたなんてちょっと意外ーあはは…ハハ」

 

助けをまとめるような視線を仁久須に向けるが困ってしまう。完全に美遊の触れて欲しくないラインであり、それを上手く避けながら話題を振るほどの話術はなく黙ってしまった

 

「イリヤスフィール、仁久須。誰にでも踏み込まれたくない領域というものがあるわ。過去がどうであれ今は美遊・エーデルフェルト…わたくし達にとってはそれで十分なはずでしょう?」

「そう…だね」

「たしかに…」

 

どう言っても人外である僕を拒絶せずに仲間・友達として受け入れてもらったんだ。たかが他人の兄に抱きついたぐらいどうってことない。美遊は美遊だ。

 

「そう、それに………あなた達の兄も士郎・エーデルフェルトになるかもしれませんし」

「「「は?」」」

 

なんか凄いことを宣言し始めましたよ、この人。

 

「ああ、そうなればあなた達とも、姉妹に姉弟ということになりますわ。そうね今日からわたくしをお姉様と呼んでもよくてよ!」

 

わたしにとってもミユはミユ…それでいいんだ。ミユが話したくないなら今、無理矢理に聞き出す必要はない。きっといつか打ち明けてくれるよ。その日をゆっくり待とう。なんだか少し寂しけど

 

イリヤは明後日の方向を向き、スルースキルを覚えた

 

「なんですの?この小汚いノートは」

 

ニクスはランドセルから少し古びたノートを取り出してルヴィアさんに渡した

 

「兄さんの生態ノートです。使うも使わないもルヴィアさん次第です」

「まあ⁉︎なんて出来た弟ですの⁉︎大切に保管させて頂きますわ!」

 

これを最初に作ってβ版を渡そうとした相手にはすでに熟知しており、むしろ優しく事細かで引くほど深く指摘され書き直し完全版にされるという恐怖体験を味わったのはまた別のお話

 

 

そしてイリヤ達に待ち受ける騒動はこの場の誰も知る由もないのであった

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