おそらく、また更新が遅れてしまいますが
「そういえば、こんなのあったな〜」
程度に覚えてもらえてたら幸いです。
「どーゆーことっ‼︎」
放課後になり、イリヤと美遊、仁久須はクロが監禁されている筈のルヴィア邸に向かった。
「なんでちゃんと閉じ込めておかなかったの⁉︎おかげでわたしの学校生活がめちゃくちゃにー⁉︎」
「イ…イリヤ、冷静に…」
「一旦落ち着きなしゃい」
二度も脱獄を許し、それにより日常生活をめちゃくちゃにされているイリヤはとてもご立腹な様子である。
落ち着かせる為に頭を撫でて鎮静させようとする
「な、なんなんですの?」
帰宅したばかりのルヴィアさんはいまいち状況が理解できず困惑している。色々と落ち着かせているイリヤの代わりに美遊が状況説明をする
「今日…クロが学校に現れたんです。それで問題を起こして来週転校してくるとまで…」
「あ、あと…わたしの友達に片っ端から、ちゅ…ちゅー!」
「あと従妹とも名乗ったよ」
説明を受けて大まかな状況把握をしため息をつく
「地下の倉庫の物理的・魔術的施錠は完璧でしたわ。それこそ並大抵の幻想種では破ることができないくらいに」
「ならどうして!」
「わたくしが知りたいですわ。これほど厳重な檻に閉じ込めても、あの子はそれを容易く破る。いったいどうやって…」
確かに特に破壊などされた形跡はなく、強引な突破のされ方はしていないようだった。なんらかの方法で警備な壁などをすり抜けたとしか考えられない。そしてその手段がわからないから、対処のしようがないとのことだった。
「そもそも監禁なんて、する必要がないんじゃない?」
唐突に声をかけられる。
振り返ると、ついさっきまでそのにはいなかったクロが桃を食べながら優雅にくつろいでいた
「どうしてわざわざ閉じ込めようとするのかしら?もう、わたしは呪いのせいでイリヤには手出しできないし、誰かに害意があるわけだもないわ」
意図的に加害を加えようとした対象はイリヤだけであり、痛覚共有が存在している以上殺傷事件にはならないとも言える
「わたしはただ普通の生活がしてみたいだけ、10歳の女の子として普通に学校に通う…そのくらいは叶えてくれてくれてもいいんじゃない?」
「……」
クロが真剣で悲しそうに感じてしまい要求を受け入れてもいいんじゃないかと仁久須はクロ側に傾き始めた
「フガフガ…おのれこやつめ、戯言を弄するか!」
「イリヤ語調がヘン!」
イリヤからしたらそんなの関係なく納得など到底できない様子
「ルヴィアさん…駄目かな…?」
「え!ニクス⁉︎」
「…そうですわね」
「ちゃんとお世話するから…」
「んーわたしはペットなのかしら?………むふっ、いいかも」
仁久須が真面目に人としてちょっとおかしいな交渉の仕方し、クロは若干困惑しながらも照れる
「……まぁ良いでしょう」
目を閉じて
「え、ちょっと、ルヴィアさんまで⁉︎」
慌てるイリヤを無視して話を進めだす
「許可なく屋敷を出ないこと、他人に危害を加えないことあくまでイリヤの従妹として振る舞うこと約束できるかしら?」
「ええ、もちろん。それで学校に行けるなら」
ルヴィアさんが執事さんに命令を出している。これで穏便にことを済ませられるかもしれないと安堵する。
ただイリヤはやっぱり納得し難い様子である
「ちょ、ちょっとわたしはイヤだからね⁉︎絶対問題起こすだろうしなんかボロも出すよきっとー‼︎」
「
「えー‼︎なんでー‼︎わたしもー⁉︎」
翌週、ちゃんと制服を着て、ランドセルをせよって転校してきました。
「クロエ・フォン・アインツベルンです。クロって呼んでね♪」
そして、やっぱりイリヤたちと同じクラスである
「イリヤちゃん達の従妹なのです…みんな仲よくしてあげててね…ちなみに、私の初めての人なの…」
「タイガー何言ってんだ⁉︎」
紹介文にわけわからん事を追加してクラス中に突っ込まれる
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
「うんうん、よかったね」
イリヤは頭の抱えて軽く絶叫している
仁久須はちゃんと?転校できたことにニコニコしている
クロは仁久須に向けてウインクをして、頭に?を浮かべながら返答に手を振られる。
「あ、席はいちばん後ろの美遊ちゃんの隣ね」
「は〜い」
指示された美遊の隣の席に向かい、席につく
「今日からよろしくねーミユちゃん♡」
さも初めましてっぽい挨拶をするクロに対して美遊はどう返答すればわからず無言になってしまった……
次の時間
体育の為、皆が着替えを済ませて校庭に向かうと
「よーう、クロちゃん。ちょーっとツラ貸してくれんかいのぅ?」
龍子、雀花、那奈亀の3人が仰々しい様子でクロに詰め寄る。
何が起こるかまだわからないけど、喧嘩ならないか心配になっている
「え〜なに?イジメ〜?」
「いじめじゃねー!!尊厳をかけた果たし合いだ‼︎」
「忘れたとは言わせないよ!」
「俺たちの唇を根こそぎ奪いやがって!」
3人の要求はクロに以前のキス魔事件のケジメをつけろということだった。
しかし無理矢理、小指切るなど残酷なことではなく……
「何かと思えばドッジボールか……」
そこは年相応に平和的?な方法での解決であった
「ルールは簡単!一回勝負に、負けた方は勝った方の舎弟になること‼︎公序良俗に反しない限り、命令には絶対服従‼︎アーユーオーケイ⁉︎」
「舎弟ねぇ……何を命令するつもりなの?」
クロが興味あり気に質問すると
「給食のプリンよこせ!」
「宿題写させて」
「夏コミでファンネルになって」
意外と私欲のこもった要求だった。
「ま、いいんじゃない?それじゃわたしが勝ったら…全員一日一回キスさせて」
「「「んなあぁッ!!?」」」
「………」
動揺してたじろぐ3人とジト目で冷ややかな視線を浴びせる者
そして悶えてる者がいる
「はぁ……あれ?ニクスは?」
「うーん…特にないから後で」
仁久須は初ちゅー奪われまし隊のメンバーに+αとして入れられたのである。パワーバランス的に入ってもいいかな?的ない感覚のようだった
「くっ……!良俗に反しまくってる気がするが…よかろう!
威勢も気合も十分なようだ
「……おまけが本物って面白いわね
それで白虎は?」
クロの指摘に、はっと気付いた時、現れた
「虎を……御所望かい?」
静かなる声と共に乱入してきたのは…
「初ちゅー奪われまし隊、隊員NO.4‼︎藤村大河参戦するわよコンチクショウー‼︎」
環境不安定で乱入により藤村先生の参戦
破茶滅茶な茶番劇にうんざりし始めた頃、ようやく始まった
「それじゃあ試合開始!ボールはクロ組からです」
審判役に美々になってくれて開始された。
人数差によって先攻はクロ組からである
「ふん。本来ならこの程度の人数差だったら先攻は譲ってもいいのだけど、油断できない人がいるからね」
ボールをバンバンと地面にドリブルしながら気合を入れる
「手加減しないわよ!」
昂ってきているクロとは違ってイリヤはかなりやる気のかけらもなく、その温度差でグッピーに死傷者が出る。その証拠に大河先生が顔面ショットを受けた後の反撃の弾にあっさりと当たってしまった。
はぁ…早くおわんないかなぁ〜〜
ただ普通の生活がしてみたいって…なら別にわたしと同じ学校じゃなくてもいいじゃない……
「どうしてわざわざ…まあ…どうせニクス目的だろうけど…」
『乗っ取られますよ〜?』
「いっいたの…ルビー⁉︎」
いつのまにかイリヤの髪に隠れていたルビーを慌てて皆から見えないように隠す
「やる気がないのは危ないですよ〜?生活が侵食されているどろか…仁久須さん取られますよ?」
「なッ⁉︎なんで⁉︎なんでそうなるの⁉︎」
「ほら、見てください。あれを」
ルビーが試合を見るように誘導すると、クロと仁久須がバンバンとボールを投げ合っている
なんか…楽しそう…
『そしてですね…クロさんがこの勝負に勝ったら…』
ここまで言われてわたしは理解した…というか思い出した
冷や汗をかきながら悪寒が襲う
「ままままま、まあ?ニクスだって運動できるし⁉︎きっと……!」
ルビーとの会話に気を取られて
いつの間にか、あっち陣営が仁久須と龍子だけになっている。
その代わりにクロ陣営はクロ1人である……だが戦況的にはクロの方が有利だろう
仁久須は高速戦闘を可能にするほどの反射神経・視力と獣化してなくても人間としては中々の身体能力は持っているが、高速で飛んでくるボールを正確に掴むほどの精密な作業ができるほど手先が器用ではなく結構危なげにキャッチしている
それに対してクロは飛んでくるボールを危なげなくキャッチしながら仁久須の投げる方や身体の動かし方などを冷静に観察して癖を見極め始めてきている。ストレートよりもカーブなどの変化球が苦手だと気づき変化球で攻め始めた。結構ガチで勝ちにきている
変化球などのいやらしい球が多くなって徐々にイライラしていた仁久須
「あら?随分と余裕がないようね、降参してもいいのよ?
ちゃんと可愛がってあ、げ…るから!」
「……ふん‼︎」
飛んできた球を脚で器用にキャッチして地面に押さえてつける。
「なっ⁉︎ちょっとそれ、ずるいわよ!」
「ふん、どうじゃ‼︎」
ニクスはご満悦な様子でドヤ顔しちゃって…なんか、あのほっぺ抓りたい
「じゃ、これからは僕のーー」
ピーーー
「仁久須君アウトー!外野に回ってください」
笛の音が鳴り響いた。全員固まっている
「え?なんで……」
「ちゃんとキャッチしなきゃ駄目だよ?」
「「「「「あ……」」」」
自信満々だった自分の策によってあっさりと脱落してしまったようだ
「ふふっお間抜けさんめ〜調子に乗りきれなくて残念ね〜」
「う"う"…なんで…うまくいかないの…」
完全に勝ち誇った顔のクロと羞恥心・悔しさを噛み締めている仁久須
「よし、一番の不安要素はいなくなったわ!これで勝てる‼︎」
あとは龍子が残るだけなのだが、あうあうと涙目で震えてほぼ戦意喪失しており、明らかに決着はついていると思われた
「うおおちきしょー!やってやらぁー‼︎嶽間沢死すともーー」
やけくそになって立ち向かおうとする龍子の前に現れた者
「選手交代!タツコに代わってわたしが戦うわ!」
イリヤが龍子の代わりに参戦した
龍子はもちろん、クロも異論はないらしい
「あら?やる気なったのね。まあ、いいわ
意外そうにはしていても優位性は保たれていると思っているらしい。
絶対に吠えずらかかせてやる!
「一対一の一球勝負よ!わたしが負けたら好きにすればいいわ。でもあなたが負けたら…学校を出てってもらう‼︎」
先程まではまだ遊びの範囲内と言えるが少々冗談の域を超えている
「あーあ…なんかうまいこと乗せられちゃった気がするけど…自分の日常・大切なものは…自分で守らなきゃ‼︎」
イリヤがストレートでボールを投げると想像以上の速度で飛んでいった。
クロは驚きながらもなんとかキャッチできた。
「卑怯とか言わないでよね。もともとあなた自身が反則みたいなものなんだから」
イリヤ頭に特徴的な髪ゴムがあった。衣装替えなしの転身を行い、姿を変えずに魔法少女としての能力を引き出している。今は全魔力を身体強化に回してクロに対抗している
「いいわ、それならこっちも遠慮なく全力で…ぶっ飛ばしてあげる!」
クロが全身を使って高速でボールを投げる。イリヤもキャッチしてそれを投げ返す。それを交互に繰り返すと立派な
互いに言い合いをしながら投げ合いを続けていると
「あんたなんか…わたしの偽物の癖に‼︎」
「…………偽物……ね」
イリヤの発言によりクロの少々のラインを超え、雰囲気が変わる
「それは…どっち…かしら…ね‼︎」
イリヤが投げたボールを殴って跳ね返すことで反動とパンチの威力によりイリヤの反応が間に合わない速度で飛んでいき顔面に当たってしまった
「ぽぎゃっ…‼︎」
「忘れ…てたわ……」
イリヤが気絶し、痛覚共有によってクロも気絶し相打ちとなり、勝負はあやふやになった。