これほどの期間を空けるとは思ってませんでした!
………次回は…毎度の事ですが…未定というとこで
イリヤと新技の開発?のついでに自分が意外と不器用だったのだと感じた為家の裏で特訓をしていた
しかし……
「お風呂が壊れちゃったから、お借りしたく参上仕ったわけなのですが…」
「「……ははぁ」」
イリヤと仁久須が手元を狂わせて愚かにも給湯器を破壊してお湯が使えなくなってしまったのである
「もちろん構いません!シェ…イリヤの家族なら私の家族も同然。私の方からご招待したいと思っていたところですわ‼︎」
ルヴィアさんにとっては棚ぼた案件で上機嫌に出迎えてくれた
そしてイリヤ達は美遊含めて浴場に行き、僕と兄さんはオーギュストさんに連れてられて使用人用の浴場に案内してもらった。……兄さんの肩を鷲掴みながら…
その後仁久須がオーギュストに対して士郎に乱暴しないでと怒られたので仁久須には悟られないように圧力を与えていた。どうやら仁久須に対しては甘いのかも知れない。初対面で主人であるルヴィアの命を文字通り身を挺して守ったりしていたからかもしれない。
お風呂から上がった後待っているとしばらくしてイリヤと美遊、凛さんとルヴィアさんが上がってきた。しかし何故かイリヤが目に見えてイライラとしていた。
「ねぇー⁉︎アイツが逃げたんだけどー⁉︎」
「……え、え?あいつって…?」
イリヤが仁久須にガシッと掴みかかり、ぐらぐらと揺らしながら絶叫のように訴えかける……余りに情報が少な過ぎてよくわからなかったが落ち着いた…というよりも悲しそうにした美遊達によってクロが逃走したことを伝えられた。
浴場でクロがおり、丁度いいから今後の活動方針なるものを決めようとした。そこで問題が発生したのだ。
最初にアーチャーのクラスカードが消失したことについて話し合いが始まった。それはイリヤがアーチャーのクラスカードを使用し変身した時を境に消失している。凛とルヴィアは全カードを協会に持ち帰ること、この目的が果たされれば他のことは特に構わないとのことである。そしてこの件の収拾の形をイリヤに委ねた。
「イリヤは何を言ったの?」
「ただ元の生活に戻りたいって言ったら…突然…」
元の生活に戻りたい……それがクロにとって許せなかったというらしい。他人に危害を加えない・許可なく屋敷を出ないことを破ってしまった。それにより普通の生活…普通に学校に通うことを放棄してしまってまでの行動を起こしてしまった。
クロにとって学校生活はとても楽しそうであった。ドッチボール中にイリヤに言われた、偽物という言葉でも少々のやり返しはあったけど、どうにか飲み込んでいた。それほどまでに守っていた約束も今回は我慢出来なかったらしい。クロにはこの言葉がそこまでの意味があったらしい
「あーもー‼︎振り出しに戻ってもう一回捕まえなきゃいけないのー⁉︎」
「……元の生活」
元の生活に戻るでクロが怒る……元…前の…生活……あれ?それって…その中に………いや!イリヤはそんなじゃ……!探さなきゃ……ちゃんと話をしなきゃいけない…
そして何か怖かった………家族を失うような予感がして……
翌日、いつも通り学校へ登校する。
「やっぱりアイツ…学校には来ないかー……」
クロは欠席しており、イリヤはクロがまた何処かで襲撃の機会を伺っていると思い壁に張り付き警戒している。
「アイツほんっと勝手だし何考えるかわからないわ!……あれ?どうしたの?ニクス?」
アイツの事を考えていたけど、よくわかんなくてイライラしちゃってたら、ニクスがぼーと眠そうにしていた。そして昨日の夜から少し様子がおかしかったような気してたけど……
イリヤがそんな事を考えていると、ランドセルが美遊に唐突に投擲されとてもびっくりしてその思考が掻き消された
「うみ"ー‼︎」
龍子が夏休みが訪れないことについて発作を起こし暴れることもあったがそれをイリヤが鎮圧させたり、夏休み初日にイリヤの誕生日会の話になったり、それ以降は特に変わった事はなく放課後になり家に帰ることになった……美遊を除いて
クロから呼び出しの手紙を応じて1人で街を抜け、林を切り抜けて向かうとそこには一面に海が見えた
「……そっか…海…本当に近かったんだね」
『美遊様…?』
「まるで初めて海を見たような反応ね。ミユ」
サファイアは今まで黙っていたが、美遊の行動と言動に疑問を持ち、訪ねようとした時ある者の登場につき遮られた
「こんにちはちゃんとひとりで来てくれたのね。嬉しいわ」
「……呼び出しに応じただけ、用件は?」
短く返答して下駄箱に入っていたクロからの手紙を見せ話を進めようとする
「まず、わたしの話を聞いてくれるだなんて、やっぱりミユとニクスは優しいわね。ニクスなんて、一晩中飛び回ってわたしを探してくれて…最初はリンたちに命令されてやってるのかと思ったけどあんな顔しながらずっと探してて最後涙を流しながら帰っていったのよ……あの子は……リンたちとは全く違うわ」
クロは悲しそうにも嬉しいそうにもしていた…ちゃんと想ってもらえているということに
しかしそれだと疑問が生まれる
「じゃあなんで、わたしを呼び出したの?…仁久須じゃなくて…」
「う〜ん、そうね………ま、それは座って話しましょ?」
美遊はクロにいきなり背後に回られて、そこら一帯には無かった筈の椅子に座らせられたのだ。慌てて飛び退き距離を取る。
「あら、そんなに警戒しなくてもいいのにね?」
美遊の反応を若干からかうように話していると足元に転がっている椅子が透明になって消えた
「ミユを選んだ理由ね……」
美遊がクロが何をしたことついて考察・思考すると仮説を立ててそれを口にしてしまう
「転移と……投影…?」
「ふ〜ん…やっぱりミユは一般人じゃなくて
「ッ‼︎」
美遊は自分の失言によって早々に自分が追い詰められている事に驚愕するのと同時により一層警戒心を高める。
「ならきっと分かり合えるわ。わたしとミユは敵対する理由もないでしょう?」
美遊は発言について気をつけて、言葉を考える
「…だから私を呼び出したの?仁久須だったら味方になってくれるんじゃないの?」
「そうね、最初はニクスを呼ぼうと思ってたんだけど、それは
簡単な認識阻害の魔術でも騙す事ができたしね?などと言っているが、クロだって本当は仁久須に味方になって欲しい筈だ。だがそれが出来ないのは仁久須にはあまり苦しんで欲しくないからなのだろう。そしてクロに加担するという事はアーチャーのクラスカードを奪うようなもの、完全に教会に盾突く事である。敵対者に関して詮索しない筈もなく仁久須の事を知れば捕獲して即解剖・研究材料行きである。そんな事が当たり前のように起こる狂気と根源への探究心渦巻く、普通の倫理観などは一切ないような世界である。
「……もう一つだけ答えて」
もう完全に察しはついているけど、ちゃんと聞いておかなければならない
「あなたはまだイリヤを殺そうとしてるの?イリヤと共存はできないの?」
「共存ね……それは無理なんじゃない?」
答えは見えていた、だから事前にサファイアを手にしていた。即座に転身してクロに狙いを定めて魔力砲を放ち、土煙をあげる
「も〜…イリヤもミユも短期すぎるわねお風呂の時も思ってたけど」
「あなたが言う通りわたし達には戦う理由はないかもしれない……でもあなたがイリヤの敵になるのならわたしはそれを排除する!」
その言葉がまた、戦いの火蓋を切って落とされるのを促進させた