それではどうぞ!
それから数十分後。一夏VSセシリア戦が始まり、一夏とセシリアはアリーナの真ん中で向き合っていた。
セシリアのブルーティアーズは鬼一戦でインター・セプターを除く全武器が破壊されたが、予備パーツでビットが二機足りない以外すべて復活していた。
(ただで男に負けているのに、ここで負けたらわたくしの努力が……!だから負けるわけにはいきませんわ!)
セシリアは一夏には負けられないと展開していたスターライトmk-3を強く握り、一夏は雪片弐型を両手で握り切っ先をセシリアに向けていた。
「なあセシリア」
「何ですの!?」
セシリアは一夏にいきなり話しかけられたため少し口調を強めにして返事した。
「いや、鬼一と戦った時大丈夫だったか?」
「あなたも負けたからって同情のつもりですの!?」
「そうじゃないんだ」
この時セシリアはピクリととまった。そして一夏の顔を見てみるととても真剣な顔であるため少し息をのんだ。
「では何ですの?」
「あのさ……」
ピットで二人の様子を見ていた鬼一と藍は同時に溜息を吐いた。
「つまらん……」
鬼一がそう呟いて藍が苦笑いをしていた頃、画面越しで二人は笑いあっており、そして真剣な顔になってお互いの得物を構え、そして試合が始まった。
鬼一にとってはこの試合はどうでもいい試合であり、今から何をするかベンチに寝転がって考えていた。
この時ガメラの鳴き声がした。これを聞いた藍はケータイを取り出して、それを耳に当てた後誰かと話していた。
(着信音、ゴジラの鳴き声にしようかな……。あ、どのゴジラにするかでまた変わってくるな)
鬼一はそんなことを考えながら試合風景を見ていた。
「ああ、わかった。そう伝えておく」
そして藍が話し終わったのかケータイを耳から離した。
「鬼一、この後午後五時頃に将棋部部室に来れるか?って部長が言ってたぞ」
鬼一は少し考える仕草をして返事した。
「いいけど、何があるんだ?普通に部活?」
「さあ、行ってみないとわからないからな」
そして二人は試合に興味が完全になくなったため、ピットを出て行ったのであった。
なお試合はセシリアが辛勝したそうだ。
あれから時間が経ち、放課後。鬼一と藍は部室前に来ていた。
「「お邪魔します」」
部室に入るが、誰も返事をしないため二人は疑問に思った。そして奥に進んでふすまを開けると……。
『斎藤君!代表決定戦、全勝おめでとーう!!』
部員全員がクラッカーを鳴らしながら二人を出迎えたのであった。
「い、いきなり何だ……?」
鬼一はいきなりのことで目を点にしており、藍は理解したのかなるほどってな顔で頷いていた。
そして二人は部員に手をつられてテーブルが置かれている席に着いた。テーブルの上にはケーキやお菓子。ジュースなどの甘い品物が置かれており、二人前に置かれていたコップにジュースが注がれた。
そして部長がジュースのそそがれたコップをもって掲げた。
「それじゃあ、斎藤君、斎藤さんの全勝を祝って~。かんぱーい!!」
『かんぱーい!!』
乾杯の音頭とともに全員が言った後、パーティーが始まったのであった。
そしてパーティーを始めてすぐ、部室の扉が開く音がし、ふすまから一人の女性が入ってきた。
「やっと着いた……って、何先に初めているんですか!?」
「山田先生!?」
入ってきたのは山田先生で、鬼一は山田先生が入ってきた理由が分からず混乱した。藍はそんな鬼一を見て、いつの間にか出した扇子で口元を隠してクスクスと笑っていた。
「あ、山田先生遅いよ~」
「もうはじめちゃってるよ~」
「も~、始めてるなら連絡くださいよ~」
「ごめんごめん」
「こら、先生にため口を使わない!」
「は~い」
他の部員に茶化されながらも山田先生は楽しそうな顔をしており、鬼一が付いていけず混乱していた。
「あの~山田先生」
「どうしました?斎藤君」
山田先生は目を点にしたままの鬼一を見て首を傾げた。
「なぜ山田先生がここに……?もしかして……この部活の顧問とか……?」
「はい、そうですよ。あれ、斎藤さんから聞いてません?」
「ちょ、らーん!!」
鬼一は勢いよく藍の方を向いた。
「どうした?」
藍はイチゴショートケーキをおいしそうに食べており、ほおが緩んでいた。
「いや、どうしたじゃなくて!山田先生がここの顧問だってこと知ってたの!?」
「ああ、知ってたが……。あ、鬼一に伝えておくのを忘れてた。すまん。」
「ちょ、おい!」
藍の平謝りに鬼一が突っ込み、周りが大いに盛り上がった。そして山田先生も交えてパーティーが再開された。
そしてパーティーが行われている途中、鬼一が思い出した顔をして山田先生に近づいた。
「山田先生、ちょっといいですか?」
「どうしました?」
「決定戦で俺、勝ちましたけど推薦されてないのでクラス代表になりませんよね?」
山田先生はそれを聞いたとき笑みを浮かべて言った。
「大丈夫ですよ。織斑先生が代表にしようとしてましたがしっかりと止めましたから。」
それを聞いた鬼一は胸をなでおろした。というより織斑先生は何をしようとしてるのか、それが気になって仕方がなかったが、それについては考えるのをやめた。
「ありがとうございます」
鬼一は礼をした後、藍のところ身に戻って行ったのであった。
そしてパーティーも終わり、二人は寮に戻っていた。
「藍、俺が先にシャワー浴びるけどいいか?」
「いいぞ」
鬼一がシャワー室へと向かい、藍はベッドに寝転んだ時だった。
コンコン
部屋のドアがノックされた音がしたので藍は扉の方へと向かい扉を開けた。
「どちらさま……、何の用だ、オルコット」
扉を開けた先にはセシリア・オルコットが立っており、藍は一気に機嫌が悪くなった。セシリアは藍と目が合ったがすぐ逸らし、藍はそのとびにイライラを募らせていた。
「何もようがないのなら部屋に戻らせてもらうぞ」
そう言って藍は扉を閉めようとした。
「ちょっと待ってください……。あの……、鬼一さんはいますか……?」
「鬼一?今シャワーを浴びてるが。で、何の用だ?」
藍はさっきより少し怒気を含ませて言った。このときセシリアはびくりと震えたが、藍には関係ないことだった。
「あの……、鬼一さんに今までのことを謝りたいので「だめだ」な、なんでですの?」
セシリアはいきなりダメと言われて驚き、藍の顔を見た。そしたら藍はセシリアを
「あたりまえだ。あんなことをしておいて許されると思ってるのか?」
「ですからそのことで謝ろうと……」
その時藍は袖の中からICレコーダーを取り出して再生ボタンを押してセシリアに聞かせた。
『ふん、あなたみたいな男はきっと昔から屑でしたのね。そんな男は早くこの学園から消えてどこかの研究所で解剖されるといいですわ』
『何ですの!?あんな屑でその低くて出席簿ぐらいで怪我するような男をなぜ庇いますの!?あんな男は力で従わせて、こき使い続けて、そのあ』
セシリアはこれを聞いたとき顔を真っ青にした。
「そ、それは……」
「さて、こんなことを言っておいて謝っても、相手が許してくれると思ってるのか?」
藍の顔はこの時怒気に染まっており、セシリアはとても震えていた。
その時だった。
「誰かいるのか?」
シャワールームから鬼一が出てきた。服装は黒の半ズボンに黒のタンクトップという姿で、頭にタオルをかけていた。
「あ、鬼一。実はな……」
藍は鬼一がシャワー室に入ってる間のことをすべて話した。この時鬼一は手を組んでただ無言で頷いているだけだった。セシリアはこの時、ただ震えてるだけで何も言わなかった。
「……オルコット、これ以上俺にかかわらないでくれ。お前の顔を見るだけでイライラする」
セシリアは謝ろうとしたが、鬼一の言葉から出たのは“拒絶”。セシリアは目の前が真っ暗になりそうになったが、それでも謝ろうとした。
「鬼一さんがそう言う気持ちもわかります。ですが「謝罪の言葉なんかいらねえよ」……!」
セシリアはその時の鬼一に恐怖した。自分を見る目が人を見る目ではなく汚物を見る目だったのだ。
「俺はお前が嫌いだ。だから一生話しかけないでくれ」
「あ、鬼一さ……」
セシリアが何か言おうとしたが、鬼一は聞く耳を持たず部屋の中に戻って行った。
バタン
「そん……な……、鬼一……さん……」
そして部屋の扉が閉じてセシリアはパタンと膝をつき、もう泣きだしそうな顔をしていた。藍は鬼一の考えてることが殆どわかるため、溜息を吐いた。
「オルコット」
藍に呼ばれたため、セシリアは藍の方を向いた。
「オルコット、お前は鬼一の嫌いな奴と重なりすぎたのだ」
藍はそう言って部屋に戻っていった。そして寮の廊下には座りこんでいるセシリアだけが残った。
「それって……どういうことですの……?」
ただその言葉だけが小さく聞こえ、そして小さくすすり泣きの音が小さく寮の廊下の中で聞こえたのであった……。
鬼一と藍が寝付いてしまったため妖刀一人であとがきをします。
山田先生が将棋部顧問。普段おっとりな人が、将棋できっちりとした面を見せるとギャップがすごいですよね。
セシリアの謝罪拒否。普通は謝罪して終わりのパターンが多いので、こんな風にしました。
二人がいないため、少し暇なの軽くで次回説明をします。
次回、ビームスマートガンが壊れたため整備室へ向かう二人だが、整備室を開けたとき一人の女子がいた。その正体とは……
分かるよね?