あれから数日経ち、鬼一はIS学園に入学した。いや、実際は入学させられたって言った方が正しいが。
そして鬼一は教室に入ったとき、周りが女子しかいなくて自分のことをじろじろ見てくるから、それを逃避するために椅子に座って手を組んで少し俯き目を閉じた。
藍はそのことが心配になり、目を閉じて鬼一用回線を開いた。
『鬼一、大丈夫か?』
『藍……、もう疲れたんだが。これ、どうにかならないか?全部が織斑の方に行くとかさ』
『どうにかしてやりたいのは山々だが、どうしようにもできないから我慢してくれ』
『マジか……』
鬼一が落ち込んでる時、教室のドアが開いた。このとき鬼一と藍は回線を切って前を向いた。そしてそこに入ってきたのは緑色の髪をした先生が入ってきた。
「初めまして。今日からここの副担任をする山田麻耶です。これからよろしくお願いします」
麻耶はそう言うが、周りから何も反応がなくて涙目になっていた。
「で、では、自己紹介していきましょう……」
そう言って自己紹介が始まった。
その中で、一夏は現実逃避をしていた。
(あ~どうしよ。ISに触れちゃったら何か起動してからここに放り込まれたんだけど……。ん?そういえば、もう一人男子がいたよな。後で話しかけに行ってみようかな……。「……ら君。」ん?何か聞こえたな。)
「織斑君!」
「は、はい!」
一夏は考え事をしていたせいで麻耶の声が聞こえておらず、大声で呼ばれたため立ち上がりながら返事をした。このときに周り何人かがクスクスと笑っており一夏は『しまった』という感じの顔をしていた。
「あのね、自己紹介しているんだけど、今、織斑君の番なの。だから、前で自己紹介してくれるかな?」
麻耶の申し訳なさそうな声で一夏の心に何か刺さった音がした。
「わ、わかりましたから」
そして、教室の前に立った一夏は何を言うかまだ決まっておらず困っていた。
(何を言えばいいんだ?自己紹介だよな?なら……、あれでいいか?)
一夏が悩んでいる間に女子達が目を輝かせて一夏を見ていた。
「……織斑一夏です、……以上です!」
それを聞いた女子は芸人よろしく思いっきりずっこけていた。その間、鬼一は目を閉じて藍と話していた。
『なあ藍、あの自己紹介どう思う?』
『逆の意味で凄いな。あんな自己紹介鬼一は……、一回したことあったな……』
『それ言わないで!恥ずかしいから!』
こんな話をしているときだった。
すぱぁぁん!!
いきなり凄い音がしたから鬼一と藍は会話を止めて、目を開けて前を向いた。そこには頭から煙を出している一夏と出席簿を持った黒いスーツの女性がいた。
「お前はまともな自己紹介もできないのか」
「げっ!関羽!?」
すぱぁぁん!
「だれが三国志の英雄か。馬鹿者」
一夏を二度叩いたのは、織斑千冬。一夏の姉であり、IS学園の教師である。
『なあ藍、暴力教師って怖いよな』
『あれが担任とか……。あんな理不尽な暴力を振るう奴が本当に教師か?』
『認めたくないよな』
『ああ、認めたくないな』
二人が話していると、千冬が二人を睨んだため会話をやめた。
そして千冬は教卓の隣に立って、声を上げた。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが私の仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。私の仕事は弱冠十五歳十六歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。安心しろ、できないものにはできるまで指導してやる。いいな?」
そう言った時、周りから黄色い悲鳴が上がった。
「きゃー!!本物の千冬様よ!!」
「ずっとファンでした!」
まあこんな感じの黄色い悲鳴が聞こえるから鬼一と藍は耳をふさいでおり、一夏はいきなりのことでフラフラになっていた。
「まったく毎年私のクラスは馬鹿者ばっかり集まってくるな。もしかしてあれか?私のところに来るように仕込んであるのか?」
「キャー!もっと罵って!」
「そして私を躾して!」
千冬はそんな生徒を見て、ため息をついた。
「それにしても織斑、自己紹介はもうちょっとまともにできなかったのか?」
「いや、千冬姉、あれは……」
「織斑先生だ」
ぱぁぁぁん!!
そう言って千冬は一夏の頭を出席簿で叩いた。一夏はこの衝撃で少しフラフラになっており、周りの女子に少し心配された。
「さて斎藤、自己紹介をしろ」
そう言われた時、鬼一と藍の目は点になった。
そいて鬼一は織斑先生に対して聞いた。
「え……?なんで俺なんですか?今って『お』のところですよね?なぜにいきなり『さ』なんですか?」
「早くしろ次が詰まっているだろ」
「あの、質問に答えて下さい」
「黙れ、早くしろ」
この瞬間、鬼一はイラッっときた。藍も鬼一と同じく頭に来ており、少し表情が怖くなっていた。
「……分かりましたよ。したらいいんでしょ、したら」
そして鬼一は教室の前に行き、クラス全員の前で自己紹介を始めた。
「俺の名前は斎藤鬼一だ。歳は十六。本当はISが使えたのは軽く八年以上前でそのことを隠していたが、織斑一夏がISを使えるってわかったせいでここに強制的に入学させられた。あと専用機を持っている。それじゃあ藍、よろしく」
鬼一がそう言って、藍が立ち上がった。
「斎藤藍だ。はっきり言うと私は待機状態が人間になった鬼一のISだ。気になることがあったら休み時間に聞いてくれ」
そう言って藍は席に着いた。周りの生徒は今のセリフに目を点にしており、山田先生は苦笑いをしていた。そして鬼一は自己紹介を続けた。
「まあ続けるが、好きなのは裏切らない人で、嫌いなのは女尊男卑に染まった女だ。以上」
そう言って鬼一は席に戻って行った。鬼一の専用機を持っている発言と、藍がISである発言で教室がざわついていたが、織斑先生の一喝で静かになった。
そして自己紹介は続いていった。
「休み時間の後、場業を始める」
そう言って先生たちは教室から出て行った。
休み時間、周りの女子は二人の男子に注目しており、その視線で鬼一はぐったりと机に寝そべっており、藍はそんな鬼一を心配していた。
「鬼一、大丈夫か?」
「藍……、将棋しよ?これじゃあ俺の精神が死ぬ……」
「ん、わかった」
そう言って藍は自分のバッグから百均で売っているような小さい折りたたみ式の将棋盤を出した。そして、駒を出した後二人で並べて行った。
そして鬼一が先手で歩を動かそうとした時だった。
「ちょっといいか?」
「「ん?」」
鬼一と藍が向いた先には一夏がいた。
「俺は織斑一夏ていうんだけど、確か斎藤鬼一だよな?」
「ああ、そうだが」
「それなら男子どうし仲良くしないか?」
鬼一はそれを聞いた時、藍の方を向いた。
『なあ藍、このときどうしよう。ちょっとめんどくさい』
『将棋をしているから後にしてくれ、とでも言ったらどうだ?』
「なるほど。、ありがと』
『どういたしまして』
そして鬼一は一課の方を向いた。
「あのさ、今から将棋するんだ、静かにしてくれ」
「お、おう、すまねえ……」
そして一夏が黙って二人は将棋を始めた。
一夏は将棋のルールが分からないためただ見ていたが、二人の一手一手の指す時間が約三秒ほどだったため、なかなかの速さに驚いていた。
「ちょっといいか?」
その時だった。一夏の後ろから声を掛けられたため一夏は振り向いた。
「久しぶりだな、一夏」
「箒……なのか?」
そこにいたのは篠ノ之箒であった。
「ちょっと屋上に行かないか?というより来い」
そう言って箒は一夏を引っ張って屋上に行った。
その光景を見た女子達は半分ほど一夏の方についていき、残りは、二人の将棋をしている光景を見ていた。
そして二分後……。
「あ゛……」
鬼一から何かやらかしたような声が聞こえた。
そして四分後……。
「あ……」
鬼一から声が漏れた。そして盤に向かって指を小さく動かしており、顎に手を添えていた。
「……十三手詰みか。負けました」
「ありがとうございました」
二人は最後の礼までして、そして鬼一はため息を吐いた。
「あ~あ、いいとこまで行ったのにな~」
「本当に惜しかったぞ。あんなところでミスしなかったら私が負けていたかもな」
藍はクスクス笑いながら言っていた。
そして鬼一は藍に何処が悪かったかを聞いていった。
そして数分経ってチャイムが鳴ったため、鬼一は授業の準備をした。
そして織斑先生が入ってきて、一夏たちが遅れて入ってきたため、一夏と箒は出席簿で頭を叩かれていた。
鬼一専用Ex-SガンダムをMGで制作中。完成し次第、その時の最新話と一緒に載せますのでお楽しみにしていて下さい。(五月中には載せる予定)
二人の服装は、鬼一は男子制服を少しゆったりした感じで、藍は東方projectの服装をIS学園の制服でアレンジした感じ。なお帽子はかぶってない。