優雅に咲かせ、墨染めの桜 ~Border of life~が、聞いていて一番書くのが捗りましたね。
あれから時間が経ち放課後、鬼一と藍はアリーナでFAZZをうまく使えるようになる練習をしていた。
「らーん、こっちだぞ~」
鬼一はEx-Sを縦横無尽に動かし、FAZZの攻撃をかわしていた。
藍はハイパーメガカノンでロックオンするが、機動力ものを言わせた鬼一の動きに付いていけず、小さく舌打ちをした。
「鬼一、こっちはまだ慣れてないんだぞ。しかもこいつ動きも少し重いし」
藍はFAZZを巧みに使うが、まだ完璧にに慣れてないせいもありハイパーメガカノンが一掠りもしなかった。
「くっ、ならこれを使わせてもらうぞ」
藍はそう言った後、FAZZの背部のコンテナ二つからミサイルを十発ずつ、計二十発を飛ばしてきた。鬼一はそれをかわしていくが、誘導性が異常に高いせいもあり直角以上の曲がりを見せるなどの性能を持っており、鬼一を驚かせた。
「ちょ、何だよその誘導性は!今その場から一瞬で折り返してきたよな!」
「これが超誘導ミサイルの性能だ!」
鬼一は頭部バルカンを掃射してミサイルをいくつか破壊したが、それでも数発が飛んできた。
「ちぃ!」
鬼一はビームスマートガンと大腿部ビームカノンを使って残りのミサイルを全て破壊した。
そして鬼一はスラスターを吹かしてFAZZに一気に近づき、そしてビームサーベルを抜いてビームを発振させてない状態でFAZZの首筋に軽く当てた。
「……参った」
藍はそう言って両手を上にあげた。そして鬼一はビームサーベルを格納した。
「すごかったね~……」
「うん……、そうだね……」
「というよりISが二機ってあり?」
「あれ、片方無人機らしいよ?何でも藍さんが操ってるとか……」
「なにそれ!?」
将棋部の面々は観客席で、二人の模擬戦を見ていて唖然としていた。普通は部活の時間だが、この日は訓練機を利用して強くなろうっていう日のため部員全員+顧問の山田先生とアリーナに来て全員で練習をしていたのだが、二人に「新しくもらった武器を使った練習をしたいのだがいいか?」と言われ、許可したのはいいが……。
「まあ、あんなに息ぴったりだとあそこまで強くても違和感ありませんね……」
山田先生はそう呟いた。そのころにはFAZZは格納され、鬼一達は将棋部の面々がいるかっ客席に向かうため、ピットの中に入って行った。
そして数分後に制服姿の藍と、ISスーツの姿で鬼一が観客席に現れた。
「俺らの練習見ててどうでした?」
鬼一がそう言った時、部員全員が怒涛の返しを見せた。
「いや、どうでしたっていろいろおかしいよね!?」
「Ex-Sってあんなに機動力があるの!?」
「FAZZってかっこいいね!」
「皆さん、二人が困ってるから質問を少しやめてくださーい」
全員から質問攻めに遭っているため二人はあたふたしていたが、山田先生によって解放されたため安堵の息を吐いた。
「まあ、ちゃんと答えていくから一人ずつ話して言ってくれ」
藍がそう言った後、一人が挙手した。
「何だ?」
「藍さん、Ex-S以外にいた、あの白いISは何ですか?」
「あれか?あれはFAZZと言ってな……」
そして藍はFAZZの説明を始めた。山田先生を含む部員全員は藍の説明をしっかりと聞いており、何人かはメモを取っていた。
そして他にもいろいろ質問がされていたが、藍は的確に答えて行き、気付けば時間が午後六時を回っていたため今日はこの場で解散になった。
そして夜、鬼一達は自室でベッドの上にいた。
「あ、藍。寝間着を浴衣に変えたんだ」
「ああ、こっちの方がしっくりくるからな」
藍は笑顔を浮かべて答えた。この時の二人の服装は鬼一は黒のタンクトップと半ズボンを着ており、藍は蒼色の無地の浴衣を着ていた。
二人は同じベッドの上にいたが、藍が鬼一を後ろから抱きしめてきた。
「ん?どうした?」
「いや、最近いろいろあったからこんなこともしてないなと思ってな。だから抱きしめてみた」
「ん、そう」
「ああ、そうだ……」
そして藍は、先程より抱きしめる力を少しだけ強めた。そして二人は何も言わずにその状態で数分過ごした。
五分ほど経っただろうか。藍は満足したのか、鬼一から離れた。
「ふぅ、鬼一分を摂取したぞ」
「何だよそれ」
藍言った謎発言に鬼一は笑いながら答えた。この時二人は向き合った姿勢でおり、藍は正座を崩した座り方に対して、鬼一は足をだらんと伸ばしていた。
「鬼一、ちょっといいか?」
「ん?何だ?」
鬼一は藍の方を向いた。藍は顔を赤くして少し俯いており、いったい何なのか鬼一は首を傾げ、とりあえず鬼一は藍に抱き付いた。この時鬼一の頭が藍の胸の谷間にあたる形になってしまい、藍は顔を真っ赤にさせた。
「き、鬼一!?」
藍は鬼一がいきなりこんなことをしてきたせいで浴衣が少しはだけてしまい、浴衣から谷間等が普通に見えていた。
「ら~ん~」
この時鬼一は幸せそうな顔をしており、藍は小さくため息を吐いた後、鬼一を抱きしめた。
藍は驚き半分、嬉しさが満ち溢れていた。最近甘えてくれなくなった鬼一がこうやって甘えてくる姿を見れたのだから、藍はもう浴衣がはだけてるとかどうでもよくなっていた。
「鬼一!すまんが助けてく……れ……」
この時一夏が扉をノックせずに入ってきた。そして鬼一に何か助けを求めようとしてたが、目の前の光景を見て固まった。まあ、はだけた浴衣を着た女性に男性が抱き付いている光景を見たら、ほとんどの人が固まってしまうだろう。
そもそも何故鬼一たちの部屋を知っているかは謎だったが、鬼一と藍は同じことを考えていた。『とても邪魔』と。
「失礼しb」
この時一夏は部屋を出て行こうとしたが、いつの間にか浴衣を着なおして目の前に現れた藍に三連往復ビンタをくらい、部屋の外へ飛ばされた。
「鬼一、ちょっとお仕置きしてくる」
「あぁ、いってらっしゃい」
そして藍は一夏のいる廊下へと向かって行ったのであった。
妖刀「鬼一、お前の甘えてる姿初めて見たんだが……」
鬼一「いやぁ、見苦しいとこを見せてすまなかった。藍に抱きしめられたら甘えたくなってな。ははは」
妖刀「まあ、あんな美人に抱きしめられたらそうなるよな。羨ましいねぇ」
鬼一「あと俺、お酒を飲んだら藍にベッタリ甘えるらしい」
妖刀「おいおい、酒飲むのかよ」
鬼一「いや、自分の住んでいる所であった前の宴会でさ、近所に住んでいるオッチャンに無理やり飲まされたわけ。そしたらその後の記憶がなくてさ……。そして目を覚ましたら翌日の朝になっていたんだよ。甘えていたのは藍から直接聞いた」
妖刀「甘え上戸ってか」
鬼一「しかも藍以外に甘えないらしい。藍が離れた後、俺が異常に無口になったらしいんだよね」
妖刀「無口上戸、藍がいるときだけ甘え上戸か。すげえな」
鬼一「ははははは……」