インフィニット・ストラトス・センチネル   作:妖刀

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プレバンで予約してたSガンダムブースターユニット装着型がやっと家に届いたぁぁぁぁぁ!!!これを鬼一専用カラーに染めるぜ!


泣くとすっきりすることもある

「あーあ、負けちゃった」

 

一夏の渾身の一撃をくらって負けた蒼は地面に大の字になって寝っ転がっていた。空は憎いほど青く、周りからは一夏の勝利を祝う声援が響いていた。

 

「うぅ……、悔しいなぁ……」

 

敗者は不要。祖父が言っていた言葉を思い出した蒼は、目じりに涙を浮かべ、そして頬を伝って涙が流れた。蒼はそれを手で拭った後、ゆっくりと起き上ろうとした。

 

「ほら」

 

その目の前に手が差し伸べられた。蒼はゆっくりと顔を上げるとそこには笑顔で手を差し伸べる一夏がいた。

 

「何のつもり」

 

蒼は若干声を低くして言い、一夏を威嚇した。一夏は何故そんな怖い顔をするのかわからず、首を傾げた。

 

「いや、女の子が泣いてるなら何かしないとなって思ってな……」

 

一夏は頬をポリポリ掻きながら言っていたが、蒼からしたら勝者の余裕で見せつけてい行動でしかなく、精神を逆なでしてるだけにしか感じなかった。

 

「あっそ」

 

蒼はそう言って一夏の手を払いのけた後、自身の力で立ち上がってピットへと向かって行った。

一夏は差し伸べた手が払いのけられたことに少しショックを覚え、蒼がピットに戻っていく姿をただ見送るだけだった。

 

 

 

 

 

「う、うぅ……」

 

ピットに着いてラファールを返却した後、蒼はピットの片隅で膝を抱えて独りで泣いていた。

 

「あんなに頑張ったのに……、私頑張ったのに……、奥の手を使ったのに……負けたぁ……。ぐすっ。皆の応援に答えてやれなかったよぉ……、うぅ……ぐすっ」

 

そして嗚咽を凝らしながら泣いているときにいきなりピットの扉が開いた。蒼は驚きながらも腕で顔をこすって泣いていたことを隠した。

 

「ここにいたか」

 

そして入ってきたのは藍であった。

蒼はなぜ藍がピットにやってきたのかわからなかった。藍がいるなら近くに鬼一がいるはずだから扉の後ろを覗こうとしたら扉が閉まったため鬼一がいるのかわからなかった。

蒼は鬼一がいるのかわからなかったが藍の方を向いた。

 

「藍さん……、なんでここに……?」

 

この時藍は膝を抱えている蒼と同じ目線になるまでしゃがんで、蒼の頭を優しく撫でた。

 

「蒼、よく頑張ったぞ。心に何かため込んでいるならここで吐き出せ。そしたら楽になるぞ」

 

藍がそう言った時、蒼は藍の首に手を回して抱き付く形になった。そして小さかった嗚咽がどんどんと大きくなり、藍は何も言わず蒼を抱き返した。

 

「私頑張ったのに!ギガドリルを使えるようになるまで頑張ったのに……!負けたよぉ……」

 

「ああ、お前が努力をしてるところはよく見てた。だからこの失敗を糧に成長すればいい、ただそれだけだ」

 

「う……、うわぁぁぁぁん!!」

 

そして蒼は声を出して泣いた。藍は頭を優しく撫でながら頑張ったと優しく言った。

 

 

 

 

 

「すっきりしたか?」

 

「は、はい……」

 

あれから三十分ほど経ったのだろうか。蒼は泣き止んでおり、先程まで大泣きしてた恥ずかしさか顔を赤くしていた。藍はそんな蒼の初々しさをみて笑みを浮かべていた。

 

「それじゃあ対抗戦を見に行くか」

 

「あ、はい!」

 

「っとその前に制服に着替えてこい。私はここから一番近い自販機にいるから」

 

「わかりました」

 

そして藍はピットを出て行き、近くにある自販機にやってきた。

 

「終わったか」

 

「すまないな、こんなことに突き合わせて」

 

自販機の近くにあったベンチに鬼一が座っており、藍は鬼一の隣に座った。

 

「別に。藍がそういう風な性格なのは知ってるから。まあ、それで懐かれたりするけどな」

 

鬼一はそう言って手に持ってたペットボトルの中身を飲んだ。

 

「鬼一……、何だそれ?」

 

藍は鬼一の手に持っている『バニシングフィストな烏龍茶』と達筆で書かれたペットボトルを見て、少し引き気味な顔で聞いた。

 

「これ?烏龍茶のホット。こんな名前だからどんなのかな?って思ったら、ただの温かい烏龍茶だったよ」

 

鬼一は一口飲んで答えた後、藍にふたを開けたままペットボトルを向けた。藍はそれを普通に受け取って、飲み口に口を付けてそして少し飲んでみた。

 

「うん、普通の烏龍茶だな」

 

「だろ?」

 

藍は普通の烏龍茶であったことに拍子抜けをし、それを見た鬼一は小さく笑っていた。そして藍も自然と笑いが出てきて、最終的には二人で笑いあっていた。

 

「お待たせしましたーって、あれ、鬼一君ここにいたんだ」

 

その時、制服姿に着替えた蒼がやってきたため、三人はいまあっている試合を見にアリーナの観戦席へと向かっているのであった。

 

 

 

 

 

「おー、今あっている試合は「二組対四組だ」ありがと」

 

鬼一がどこと戦って売るか言おうとしたときに、藍が早々と言ったため鬼一は少しふてくされた。

三人はアリーナの観戦席に着いた後、近くにあいている席を探してそこに座った。

試合は二組代表『鳳鈴音』対四組代表『更識簪』であった。試合は専用機を持っている鈴が有利と思われていたが、訓練機の打鉄に乗っている簪がそれなりに攻めていた。

 

「ここっ……!」

 

「くぅぅ!!なんでそんな武器でバカスカ当てれるのよ!!」

 

「ただの勘……!」

 

「ちょっ」

 

簪はその射撃武器を用いて鈴にほぼ直撃させていた。鈴は龍砲を放ちつつジグザグに回避をしていくが、簪はジグザグで移動してる時に方向が変わる一瞬を狙ってそれを放っていた。

その武器とは……

 

 

 

 

 

「「ストロングライフルかよ……」」

 

二人はそう呟き、額に手を当て溜息を吐いていた。この時蒼は簪が使っている武器に夢中になったかのように見ており、キラキラした目で二人の方を見た。

 

「あれってアナハイム社が開発したヘヴィウェポンユニットシリーズのだよね!?」

 

「あ、ああ、そうだが……。もしかして蒼はこんな取り扱いが利きにくい武器が好きなのか?」

 

「うん!」

 

「そ、そうか……」

 

蒼が天真爛漫な笑みを浮かべて答えたため、藍は少し引きつった笑いを浮かべた。

その時だった。

 

「これで、終わり!」

 

「え、きゃあ!?」

 

その時鈴の悲鳴と爆音がしたため三人はアリーナの方を向くと、そこには薙刀で切り裂かれて地面にひれ伏した鈴と、上空に浮いて鈴を見下す簪がいた。

 

「あなたには、量産型で戦うものの、勇気が分からないんだね」

 

『勝者、更識簪』

 

簪がそう呟いた後、終了のアナウンスとブザーが鳴った。そして打鉄で専用機を撃墜したことで周りからは驚きと感動の声が出ていた。

 

「ふむ、決勝戦は織斑対簪か」

 

「藍、決勝戦っていつからだっけ?」

 

藍が顎に手を添えて小さくうなずいているときに鬼一が聞いた。

 

「えっと、たしか午後の最初が決勝戦だったな。とりあえず今から早めの昼休みが始まるからご飯を食べに行くぞ」

 

「わかった」

 

そして藍は鬼一の手を引いて食堂に向かうのであった。

 

「あ、うん、あれって付いて行ってもいいのかな?」

 

蒼は二人から出る仲良すぎて近寄りがたい空気になっていたため、食堂に行くのをためらっていたのであった。




鬼一「藍ってさ、泣く子に対するなぐさめ方がうまいよな」

藍「まあ、いろいろあったからな」

鬼一「まあそれで藍を慕う人が多くなるけどな」

藍「あぁ……、私たちの住んでるところでは何人の子供に懐かれてることか……、ハァ……」

鬼一「あの町……いや村か?に住んでる子供たちほぼ全員に慕われてるよな」
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