インフィニット・ストラトス・センチネル   作:妖刀

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どうにか若干無理やり終わらせました!

番外編です!



25日の愛

「ところで……クリスマスって、何?」

 

鬼一のこの一言は、クラスの全員(藍を除く)を凍りつかせるには十分な破壊力であった。

 

「へっ?さ、斎藤君、それ、本気で言ってるの?」

 

クラスの女子がそう話しかけるが、鬼一は

 

「いや、俺の住んでるところそんな風習ないからな。それこそ盆と正月ぐらいしかないし」

 

『……えぇぇぇぇぇ!!??』

 

そしてクラス全員「藍は除く)の悲鳴が教室にこだました。

 

「なんでこんなことになったんだっけ……?」

 

鬼一はそう呟き、藍は苦笑いを浮かべるのであった。

そう、なぜこうなったかというと時は少し戻る。

 

 

 

 

 

この日十二月二十二日、外はイルミネーションやクリスマスの準備でにぎやかになってる時、同じく一年一組もクリスマスムードでにぎやかになっていた。

 

「ねえねえ、今年は彼氏とどこに行くの?」

 

「そうねえ、スカイツリー?」

 

「なっ!?彼氏がいるだと!?今すぐ問い詰めるぞ!」

 

「了解!」

 

こんな風にクラスがにぎやかになってる時、教室に一夏を筆頭とする名物『一夏ラヴァーズ』がやってきた。

 

「嫁!クリスマスは何をする!」

 

「一夏さん、クリスマスは私とイギリスに!」

 

「あ!セシリアずるいよ!一夏、私と一緒にどこか行こうよ!」

 

「一夏!私の作ったクリスマス酢豚を食べなさい!」

 

「一夏!こんなことで腑抜けるな!クリスマスは私と一対一で剣道だ!」

 

「あは、はははは……」

 

一夏は五人に完全に振り回されており、気の抜けた笑いをただ出し続ける。周りもいつもの光景として見ており、誰も一夏に救いの手を差し伸べなかった、いや、差し伸べれなかった。

完全に四人が他の女子達を近づかせないかのような陣形になっており、それで近づいたら一気に睨みつけられるのだ。これでは周りも何もできないだろう。

 

(クリスマスってそもそもキリストの誕生日だろ!?なんでこんな風に周りからこう問い詰められるんだ!?)

 

一夏もずれた考えをしているせいで五人の考えを全く理解してないのであった。

そしてすぐに再び扉が開く。中に入ってきたのは鬼一を抱き寄せる藍の二人である。この光景は季節が秋から冬になってよく見る光景になり、一夏ラヴァーズはこの光景を見るたびにグヌヌと唸っていた。まあ一夏にできないからの嫉妬だろう。

そんな五人、もといクラス全員に見られながらもいつものペースで二人はしゃべり続ける。

 

「うーさむ。田舎と違う寒さが都会になるな、まったく……」

 

「しょうがないだろ。まあ雪が全く積もらないからこの寒さを吹き飛ばす遊びができないのが残念だがな……」

 

「あー、雪合戦したい。鎌倉つくりたい。その中で七輪で餅焼いて砂糖醤油をつけて食べたい」

 

「全くだ」

 

藍はそう言って溜息を吐くが、この時何か思いついたのか鬼一の方を向く。

 

「……そうだ、今夜か明日に部屋で餅焼くか?」

 

この時鬼一は嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

「うん、賛成」

 

「なら餅と砂糖と醤油をそろえておかないとな」

 

そう言ってお互いに向き合って笑いあう二人。周りは会話がクリスマスの時期にするようなことではなく、正月とかそこら辺の会話であることにとても疑問を感じていた。

 

「えっと、二人は何の会話を……?」

 

「何って今年の冬の過ごし方だろ」

 

一夏はこの時をチャンスに五人の中から抜け出し藍に聞くが、藍がさぞ当たり前かのように言うため、周りは疑問から困惑に変わり始める。

 

「えっと、それって普通正月の話じゃ……?」

 

一夏がそう言った時、藍は若干不機嫌になったのか目を細めて一夏を睨みつける。この時一夏はやべぇ!と思って冷や汗を掻き始めるがすでに遅し。

 

「なんで正月と決めつける?まあ確かにもうすぐクリスマスだから恋人同士は外でイチャイチャするものってのが普通らしいが、こっちはこたつに入ってミカンを食べたりするのが好きなんでね。わざわざ外でそんなのをしなくても家の中ですればいいだろ、なんでわざわざ寒い外まで行ってデートとかしないといけないのだ?」

 

「なっ!?外でイルミネーションとかを見たりどこかいいレストランで外食したりするのがいいじゃない!そして絶景の景色が見えるところでのプロポーズ……、あぁ、とてもいいじゃない……。それが外で過ごすときの楽しみよ!そもそも何よそのジジババ臭い過ごし方!」

 

この時鈴が割って入り、いきなり反論をしてきた。途中で頬を染めたりしてたが、それでも藍に反論する。そして最後の言葉に藍の眉間に皺が寄り始めた。

 

「悪かったなジジババ臭くて。そもそもこっちはクリスマスにいい思い出がないんだ。過去に男十人ががりで襲われたり、昔の男友人にいきなり告白されたと思ったらそいつの彼女にいきなり頬をられて修羅場になったり……。それだから私は都会のクリスマスが嫌なんだ」

 

うんざりとした表情を浮かべていたため周りも何とも言えなくなってしまい、鈴も申し訳なさそうな顔をしていた。

そもそも二人は家はド田舎だが、たまに様々なものを買いに都会の方に出るが、帰るときにいつも使う電車が雪で不通になってしまうから時々どこかのホテルに泊まる。この時が大体クリスマスのシーズンに重なってしまい、このような目に遭ってしまうのだ。それ以降二人は何でも揃うアナハイム社によくいったりするのであった。

 

「ところで……、クリスマスって、何?」

 

この時である。鬼一が問題発言をしたのは。これで冒頭に戻るのであった。

 

 

 

 

 

「は、初めて見ましたわ、クリスマスを知らない人を……」

 

「こ、こんな人物がいるのか……」

 

「まじ……かよ……」

 

セシリア、箒、一夏はそう言い、他の女子達は絶句してるのか口が開いたままだ。

鬼一は何がおかしいのか理解しておらず、疑問の表情を浮かべながら首を傾げている。

その時だ。チャイムが鳴ったため、鈴は急いで自分の教室へと戻り、クラスの全員は席に着く。そして千冬と真耶が教室に入ってきてホームルームが始まるのであった。

 

 

昼休み、一夏と鬼一が楯無に呼ばれていないため、藍と一夏ラヴァーズは一緒に昼食を食べていた。

 

「藍さん、なんで鬼一はクリスマスのことを知らないんです?」

 

この時シャルロットは、今日一番気になることを聞く。藍は

 

「鬼一のためだ。あの日だけは鬼一の記憶から消さないといけないからな」

 

藍はそう言って味噌汁を啜る。全員はなぜ記憶から消さないといけないのか気になってしょうがない。

 

「いったい何があったのですか?」

 

シャルロットはさらに質問をし、全員が藍の方を向く。藍はご飯を飲み込んだ後、

 

「……単純に言うと、クリスマスの日は鬼一のトラウマの日でもある。だから聞くな、いいな?」

 

五人を睨みつけながらそういったため、五人はビクッとビビッて何も言えなくなる。

 

(まあ、私たちの出会った日でもあるがな)

 

藍は軽く鬼一と初めて出会ったころを思い出しながら昼食を食べるのであった。

 

 

 

 

 

そして時は過ぎて12月25日。IS学園は冬休みとなり、ほとんどの生徒は実家に帰省している。鬼一達も実家に戻っていたが、その日鬼一は雪の積もった道を下駄を履いた足で歩いていた。

 

「うー寒、まったくミカンが無くなったからって何が買いに行ってきてだよ。そもそも履くものがちょうど下駄しかないってどういうことだよ、チクショー」

 

鬼一は上着はジャンバーを着ており、ズボンは厚着のものを履いている。だが履物は下駄である。そのため雪が素肌に触れるせいで体温が奪われ、鬼一は顔をしかめる。

ザクッザクッっと雪を踏みしめる音が何もない銀世界で聞こえる。鬼一はその後坂道を上り、ついに自宅へとたどり着いた。

 

「ふぅ~、やっと着いた。足が……」

 

下駄を脱いで裸足で床の冷えた縁側を歩く。そして目的のふすまを開けて時、そこにいたのは炬燵で伸びるかのような状態になっていた藍であった。

 

「あ~お帰り~」

 

「ただいま。うー炬燵炬燵」

 

そう言って鬼一は藍と向かい合う形でさっさとこたつの中に足を入れる。すでに冷え切った足では温かい炬燵に入ると温かいというより痛いって感覚が足を襲うが、それもすぐに収まり温かいと感じ始める。

鬼一は思い出したかのようにマイバッグから大量のミカンをこたつの上にプラミッドの形になるように並べた。

 

「はい、ミカン。こんだけあったら数日は持つやろ」

 

「ありがと~」

 

そう言って藍はさっさとミカンの皮を剥き始める。おして剥き終わった後に果実の一つを口の中にほおりこみ、そして美味しそうに食べる。

 

「それじゃあ俺も食います「はい、あーん」むぐっ」

 

皮むきしようとした鬼一の口に、まだばらしてない未完の果実の塊を藍は若干押し込む形で食べさせた。鬼一はそれを驚きながらもモゴモゴと食べていき、飲み込んだ後に藍の方を睨んだと思ったらいつの間にか自分の隣にいたため驚く。

そして藍に抱きしめられた。

 

「鬼一、今日は何の日かわかる?」

 

「……俺たちが出会った日」

 

「正解♪」

 

藍は嬉しそうに答える。

 

「……温かいな」

 

「ああ、温かいな」

 

藍に抱きしめられたおかげか冷え切った鬼一の体温も元に戻る。そして二人は仲好く抱きしめあうのであった。

次の日、二人が布団の中で裸で眠っていたが、それはまた別の話。

 

 

 

 




言い訳させてください。いろいろあったんですよ!こっちには招かざる客だらけ(嫌なこと)で書く予定が大幅に遅れたんです!本当にごめんなさい!


なお、この話は本当にこうなるか分からない話。現実はどうなるかわからない。だからこの二人に永遠の幸あれ。
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