山田先生と別れた鬼一と藍は寮に向かっていた。
空は太陽が沈もうとしており、保健室にいたころより暗くなっていた。
「なあ藍、山田先生に一つ聞き忘れたことがあるんだけど」
「なんだ?」
「あれから織斑先生はどうなったんだ?仮にもIS男性搭乗者の片割れを怪我させたんだぜ?」
藍は顎に手を添えて考えるポーズをとった。
「ふむ……、今の世の中だからそこまで罰せられないだろうな」
「やっぱりか……」
それを聞いた鬼一は溜息を吐き、そして空を見上げた。
「あ~あ、男だからって色々不便すぎるぜ」
それを聞いた藍はうんうんと頷いていた。
「まったくだ。全くこの世の女どもはどんな頭の思考をしているのだ。おかげで鬼一に色々な迷惑が掛かっているだろ。それに……」
藍が話を延々と続けていると、寮の前についたため藍は話すのをやめた。
そして自分の部屋についた。
「それじゃあ、私は着替えてくるから鬼一はのんびりしていてくれ」
藍が脱衣所に入ったため、鬼一はさっさと着替えてベッドの上に転がった。
その時だった
ずばんっ!!
すごい音がしたので鬼一は音の発信源に向かった。
そしたら、発信源と思われるところでは女子が群がっていた。
そして目の前にいた女子に何があったか聞くことにした。
「なあ、何があったんだ?」
「えっ、斎藤君!?頭大丈夫だった!?」
鬼一が話しかけたのはクラスの生徒だったらしく心配された。
「まあ、大丈夫だったが……、ここを通っていいか?とても邪魔なんだが」
「う、うん、いいよ」
そして鬼一が進んでいくと、見たのは穴だらけになった扉に張り付く一夏の姿だった。
そして一夏は鬼一に気付いたのか、近づいてきた。
「鬼一、助けてくれ!」
「……何があったんだよ」
鬼一の質問に答えようとした時だった
ずばんっ!!
再びすごい音がした。この時鬼一が見たものは木刀で、それが鬼一の頬を掠めたのだ。
「鬼一!?」
『きゃぁぁぁぁ!!!!』
鬼一は直撃したかのように吹き飛んで、この時周りの女子は鬼一が怪我をしたことに悲鳴を上げていた。
「嫌な予感がする……。」
部屋で着替えていた藍はすばやく普段着に着替えて脱衣所を出た。
部屋に鬼一がいなかったため、部屋を出て周りを見渡すと人盛りができていたためそこに向かった。
そして一番外にいた女子に何があったか話を聞くことにした。
「何があったのだ!?」
「藍さん!?って着物なんですね」
「ああ、結構気に入ってるでな……じゃなくて、いったい何があったのだ?」
「え、えっと、実は……」
それを聞いた藍は顔を真っ青にして人ごみの中を一気にかき分けて進んだ。
そしてかき分けた先にいたのは頬から血を流している鬼一とおろおろしている一夏がいた。
「鬼一!?大丈夫か!?」
「藍?あ、ああ、なんとかな」
鬼一はニッと笑った。
藍は鬼一に木刀が当たったと聞いたため焦っていたが、掠めた程度だから安堵した。
だが、掠めたところから血が流れていたため、藍から表情が消えた。
その時だった。
ずばんっ!! がしぃ!!
再び木刀が現れたので、藍は片手でつかんだ。
そして……。
メキメキメキ、バキィ!!
つかんだ手を捻って木刀をへし折ったのだ。
その光景を見た周りの人たちは目を点にしており、何が起きたのか理解してなかった。
「おい、木刀を持ったやつ出てこい」
そして藍の口からとてもドスのきいた声を出したため、周りの人がビクゥと肩を震わせた。そして綺麗な人から出るような声にビビッて腰を抜かした女子もいた。
「何者だ……ひぃぃ!!!???」
そこから出てきたのは篠ノ之箒だった。箒は扉を開けた時にいた藍から出ている黒いオーラにビビッて腰を抜かしたのだ。
「貴様か、鬼一に怪我を負わせたのは」
箒は何のことか全くわからず混乱していた。
「な、何のことだ!」
それを聞いた藍は目を細めた。
「ほう、わかってないようだな。なら説明してやる。貴様が放った木刀の一撃で鬼一が怪我したのだ。」
「たかが頬を掠めた程度であろうが!」
「たかが……だと……!?」
藍は箒の言葉に頭に来たのだった。
そして
ぱぁぁん!
この時、藍が箒にビンタをしたのだ。
「!?な、何をする!」
「ビンタだが。さて、鬼一、部屋に戻って怪我の治癒をしよう」
そして藍が箒から離れていったため、箒は藍の肩をつかもうとしたがするりとかわされた。
「なっ!?」
そしてキョトンとする箒を無視して藍は鬼一に近づいた。
「鬼一、行こうか」
藍は鬼一に手を差し伸べて鬼一はそれをつかんで立ち上がった。
そして二人は部屋に戻って行った。
部屋についた途端、藍は鬼一をベッドの上に座らせた。
そして鬼一にどんな傷ができたか見ていた。
「藍、かすり傷だから大丈夫だって」
鬼一は苦笑いで大丈夫だと答えるが、藍はそれでもやめなかった。
その時だった。
ペロッ
藍が鬼一の頬の傷を舐め始めたのだ。
「ちょ、ちょっと、藍!?」
鬼一は藍のとった行動に顔を真っ赤にし、やめさせようとしたが体に力が入らずベッドに倒れこんだ。
その姿を見た藍は、妖しい笑みを浮かべていた。
そして藍はそんな鬼一に跨って頬の傷を舐め続けた。
それから約十分後、部屋にはニコニコの笑顔を浮かべた藍と少し疲れた顔を浮かべる鬼一がいた。
「藍、傷が早く治るからうれしいけど、やっぱり恥ずかしいよ……」
藍に舐められたところはすでに傷がふさがっており、傷跡も残っていなかった。
「何を言っている。昔は怪我をしたらよく舐めてもらってもらっていたくせに」
藍がニヤニヤと笑いながら言ったため鬼一の顔は真っ赤になった。
「そ、それは……」
鬼一が口ごもっているのを見て、藍は微笑んだ。
「それじゃあ晩御飯作るから鬼一はのんびりしていてくれ」
「ああ、俺も手伝う」
「だめだ。鬼一は怪我人だろ?だからそこでおとなしくしていろ」
鬼一は反論しようとしたが、藍に頭を撫でられて反論するのをやめた。
そして藍は割烹着を着てキッチンに向かったのであった。
それから晩飯が完成して二人はご飯を食べ終えてのんびりとしていた。
その時、不意に鬼一が口を開いた。
「なあ、藍」
「何だ?」
「……今日、助けてくれてありがと」
鬼一はさっきより声を小さくして言った。
それを聞いた藍は、鬼一を優しく抱きしめた。
「鬼一、いつでも私を頼ってくれ。私はずっと鬼一の味方だから」
「うん……、ありがとう……」
そしてお互い抱きしめあったまま時間が過ぎていった。
夜十時、鬼一と藍は部屋に備え付けのシャワーを浴びた後、鬼一は窓側のベッドに、藍はドア側のベッドにいた。
そして藍は不機嫌な顔をしていた。
「藍、なんでそんな不機嫌そうなんだよ」
「やっぱり私にはシャワーなんか好きじゃない」
「ああ、そういえば藍はシャワーが好きじゃなかったんだな」
鬼一は不機嫌な理由が部屋に備え付けていたのがシャワーだったことだったのに苦笑いをした。
「それじゃあ、俺は寝るから」
「一緒に寝るか?」
藍が普通に真顔で聞いてきたため、鬼一は少し溜息を吐いた。
「いや、今まで一緒に寝てたから一人で寝るよ」
「そうか……」
藍は寂しい笑顔を浮かべたが、それを鬼一に悟られないようにした。
「それじゃあお休み」
「ああ、お休み」
鬼一が言った後、藍が返事をしてお互いベッドに入って部屋の電気を消した。
「「……。」」
電気を消して三十分経ったが二人はまだ寝れないでいた。
なぜなら
「「(一人で寝るって寂しいな……)」」
二人は今まで一緒の布団に入って寝ていたため、隣にいるにもかかわらず何か寂しい感じがして眠れなかったからだ。
「……なあ藍、起きてるか?」
「……起きてるぞ」
「……お前の所に行っていいか?」
「……来い」
藍は布団をめくって鬼一に入ってこいとアピールをした。そして鬼一は藍のベッドへと向かい、入り込んだ。
「あ~、やっぱり二人で寝たほうが落ち着くわ」
鬼一は藍に抱き付いた状態で言い、藍はそんな鬼一微笑みながら頭を撫でていた。
「藍……、お休み……」
「お休み」
藍は鬼一が眠った後も頭を撫で続けた。
「鬼一、いつでも一緒だからな。あんな親みたいにお前を見捨てないからな。私はいつでも愛し続けてやるぞ、何があってもな。ふふふふふふふ……」
ただ、妖しい笑みを浮かべていたが……。
そして夜が更けていく……。
「妖刀「さて、いきなりだが二人とも、今回からここで色々話してもらおうか。」
鬼一、藍「「マジで?」」
妖刀「マジだ。さて、今回も鬼一、お前怪我しすぎだろ。」
鬼一「うん、今も頭が痛い。」
妖刀「つーか藍、鬼一の頬を舐めていたけどさ、なんで傷跡も消えているんだよ。普通血が止まる程度だろ。」
藍「あ~、私のよだれには医療用ナノマシンが含まれていてな、それで傷がふさがったて訳だ。」
妖刀「なるほど、ん?てことは鬼一が頭を怪我したときにそうすればよかったんじゃ?」
藍「いや、傷が大きいとこれをするより違う方法で止血した方が早いからな。そしてな……。」
妖刀「そして?」
藍「人前でするとかどんな羞恥プレイと思っている!?」ばぁん!←思いっきり妖刀にビンタをした音
妖刀「すいませんでした!?」
鬼一「え~と、感想、誤字脱字があったらどしどし書いてください。待ってます。」