皆さん、お久しぶりです。お初にお目にかかる方は初めまして。プラネテューヌの女神補佐官、ギンガと申します。
初めましての方のために、少しだけ私のことと、前作のことをお話しさせていただきます。
女神補佐官というのはプラネテューヌ教会にしかない役職で、主なお仕事は基本的に女神様や女神候補生様の身の回りの世話や教育、鍛錬などを行うことです。それ以外にもプラネテューヌの衛兵や諜報員の戦闘指南も任されています。有事の際のプラネテューヌの兵の司令役も担っています。
言うならば女神補佐官とは教祖と対を成す、国のトップである女神様の直下の双璧のようなものあり、教祖であるイストワールがプラネテューヌの「知」を司るのなら、私は「武」を司るなどと言われています。「武」を司るとはいっても、私の実力は女神様には及びませんが。まだギリギリ候補生の皆様より私の方が強いかもしれませんが、超えられるのは時間の問題でしょうね。
次に、前作についてかるーーーーくおさらいします。
ゲイムギョウ界の主要四国、『プラネテューヌ』、『ラステイション』、『ルウィー』、『リーンボックス』の間では、長きにわたり世界の覇権を巡って争う歴史が続いていました。
しかし、その状況を良しとしない現在のプラネテューヌの女神、ネプテューヌ様の提案から、その主要国間で武力によるシェアの奪い合いを禁止する『友好条約』が締結されました。
友好条約を結んだことにより、女神様たちは以前よりも友好的な関係を築き上げていきました。その間に様々な事件が起こり、女神様やゲイムギョウ界に何度も危機が訪れましたが、女神様たちが力を合わせてこれを乗り越えていきました。
ちなみにその過程で私は一回死にました。なんだかんだで生き返りましたが。
そしてその危機を乗り越えた後、これまたネプテューヌ様により友好条約の破棄が宣言されました。マイナスな意味ではありません、これからは条約がなくとも真の絆で結ばれた友として、共にゲイムギョウ界を守り発展させていくという意味でした。それに他の国の女神様たちも賛同し、友好条約は破棄された……というのが前作のラストです。
そしてその友好条約の破棄から数年、私は今、プラネテューヌの女神、ネプテューヌ様に………
………正座させられています。
「ネプ子さんが怒っている理由……わかる?」
「……申し訳ありません、わかりません」
「昨日、何してたの?」
「ユニ様の鍛錬にお付き合いを」
「一昨日は?」
「ロム様とラム様と遊んでいました」
「その前の日は?」
「ブラン様の古書店巡りに荷物持ちとして御一緒させていただき……」
「その前の日は?」
「ベール様とオンラインゲームを」
「……その前の日は?」
「ネプギア様と……」
「ネプギアとなら別にいいや、その前の日は?」
「ノワール様の趣味の裁縫のお手伝いを」
「ふーん、その前の日は?」
ネプテューヌ様のご機嫌がどんどん悪くなってしまっている……⁉︎ 何故でしょう? それに、質問の意図がわかりかねます……私はどうしたらいいのでしょうか。
それにしてもネプテューヌ様は怒っていても可愛らしいお方ですねぇ。いくらでも怒られたいです。しかし、怒っているよりも笑っている姿の方が可愛いらしいので、ご機嫌を直して欲しいのですが……
「ギンガは……」
「は、はい」
「ギンガはわたしの女神補佐官でしょー⁉︎」
「そ、その通りです……」
「わたしを一週間もほったらかしにして! 他の子とばっかずっと一緒にいて! そんなのダメだよー!」
「申しわけありません……しかし、女神補佐官としての職務は全うした上での外出ですし……」
「一番の職務はわたしと一緒にいることでしょ⁉︎ これには温厚さが取り柄の主人公のネプ子さんでもおこだよ、おこ!」
……確かに、ネプテューヌ様の怒りは最もですね。私はネプテューヌ様とネプギア様に仕える身。他の国の女神様からのお誘いがあっても、ネプテューヌ様を最優先に考えればなりませんでした。それによりネプテューヌ様に不愉快な思いをさせるとは……女神補佐官として何とも不甲斐ない。
「……っと、ここら辺にしておかないとまたギンガが切腹するとか言いだしかねないからお説教はここまでしようかな」
「……」
「最近はギンガがわたしの命令だけじゃなくて自分の意思で行動するようになってくれて嬉しいけどね」
「ネプテューヌ様……!」
「でもそれとこれは別だよ! 放っておいたらすぐにわたしのことを蔑ろにするダメダメ女神補佐官のギンガのために『プラネテューヌ女神補佐官基本法』を制定します!」
「……なるほど、いいですね」
「あれ? 意外と乗り気?」
「はい。教祖と違い女神補佐官はこの国にしかない役職ですので、条約や法律など色々なルールがある教祖と違い女神補佐官は慣習法のようなものしかありません。ですから、そのように成文化させていただくと私としても有り難いと言いますか……」
「なんかすごい真面目な話になっちゃった」
ネプテューヌ様……こんな私のためにそんな素晴らしいものを作ってくださるなんて……!
「ええと、じゃあ条文を読むよ!『第一条 女神ネプテューヌの命令は絶対』!」
「はい!」
「うわぁ、すごいいい返事……『第二条 女神ネプテューヌの許可なしに他の女神にデレデレしてはならない』!」
「……はい!」
「あ、少し返事に躊躇があったね」
「そ、そんなことは……」
「どうだかねー『第三条……うーん、こっからまだ思いついてないんだよねー」
「そんなぁ……!」
「ねぷぅ⁉︎ なんでそんなショック受けてるの⁉︎ そんなに楽しみにされるなんて意外だったよ……」
「……『第三条 女神ネプテューヌがあまりにも仕事をしない場合は強制的に執務室に連行するか、ギルドまで連行しクエストをさせることができる』」
「い、いーすん⁉︎」
いきなり現れて条文を追加したのは、プラネテューヌの教祖、いーすんことイストワール、私の相棒です。
「『第四条 女神ネプテューヌがプラネテューヌの統治を放棄した場合、第一条第二条の効力は失われ、女神補佐官の命令権は女神候補生に移るものとする』」
「ちょっと! 勝手に条文を作らないでよ、いーすん!」
「当たり前のことを追加しただけです。それに、ネプテューヌさんはギンガさんを怒れる立場ですか?」
「え?」
「この一週間他の女神様たちと遊びながらも与えられた仕事はちゃんとこなしていたギンガさんと、この一週間ほとんど仕事をすることなくゲームばかりしていたネプテューヌさん。さて、どちらがどちらをお説教する立場でしょう?」
「それは……」
「そして、ギンガさんもです! ネプテューヌさんを甘やかしてばかりいないで、ちゃんと叱るところは叱ってお仕事をさせてください!」
「はい……」
「ですからね! 私は……くどくどくどくど」
(いーすんの長いお説教が始まっちゃったよ……)
(ネプテューヌ様、いーすんがお説教に夢中になっているうちに逃げましょう)
(そうだね!)
そのままネプテューヌ様と共に物音一つ立てずにその場を去りました。
「くどくどくどくど……あれ? ネプテューヌさん? ギンガさん? ……ぐぬぬぬ、また逃げられましたー!」
*
「いい天気ですね」
「そうだねー!」
「そういえば、ネプギア様のお姿が見られませんでしたが」
「今日はユニちゃんと朝イチでお出かけだって」
「ほほぅ、仲の良いことは良いことです」
さて、ノリで外に出てきたはいいですが、何をしましょうかね。このままネプテューヌ様とお散歩というのも乙なものですが。
「ねーねーギンガ」
「なんでしょう?」
「戦闘訓練しよーよ」
「これまた急ですね、構いませんけど」
「この間あいちゃんが、ギンガが戦闘スタイル大きく変えたって言ってたから気になってたんだよね。ちょうど外に出てきたしいい機会かなって」
そうです、私は色々と自分の力不足を痛感したので、以前と大きく戦闘スタイルを変えたんです。メインウェポンがネプテューヌ様と同じような刀剣なのは変わりませんが、色々と装備が増えました。今からそれをネプテューヌ様にお見せしましょうかね。
「いいですね、やりましょうか」
「よーし! そうと決まれば早速どっか広めのダンジョンに行こうよ!」
「かしこまりました」
それに、私とネプテューヌ様は、言葉を交わすよりも剣を交える方が質のいいコミュニケーションをすることができますので。
*
「……変身完了。ギンガ、準備はいい?」
「いきなり変身ですか」
「変身前だとあなたには敵わないもの」
「そんなことないと思いますけどねぇ」
「あるわよ、変身後でも油断すると勝てないもの……で、準備はいいの?」
「あ、すみませんまだです。今整えますので」
先ほどいった追加装備を急いで整えます。両腰部に新武装『NPガンブレイド』、両脚部には新武装『NPカタール』。NPというのは、ネプギア様の武器にも使われている新発見されたNP粒子というもので、よくわかりませんけどなんかすごいものらしいです。そして手に持つのは以前より愛用している剣。ガンブレイドやカタールを使用する際は背部に収納します。
ガンブレイドとは、ナイフとしても使用できるハンドガンです。連結して中型のライフルとしても使用できます。ネプギア様とユニ様に相談にのっていただいて作ったものです。
カタールは、あいちゃんのように手に持って使うというよりは、脚部に装備されていることから蹴り技を斬撃にすることができたり、そのまま投擲したり、連結してブーメランのように使用するのがメインですね。脳波制御による操作で、投げたカタールは自動でまた脚部に装着されます。
「随分と……トゲトゲしたシルエットになったわね」
「私は女神様ほど成長性がないので、強くなるためには手数を増やす方向でいかないといけませんからね」
「……楽しみだわ、今からあなたと戦うのが」
「ありがたきお言葉」
それにしても…………変身したネプテューヌ様、パープルハート様は美しいですねぇ……そして凛としたその美しさの中に垣間見える普段のネプテューヌ様のような可愛らしさ……ゲイムギョウ界が生み出した奇跡のようなお方です。
……っと、いけません。パープルハート様に見惚れている場合じゃありませんでしたね。今から私たちは戦うのですから。
「行くわよ! ギンガ!」
「はい!」
「「はぁぁぁっ!」」
*
……というわけで、『紫の星を紡ぐ銀糸N』スタートです!
登場人物軽く紹介
ギンガ
本作オリ主。プラネテューヌ女神補佐官。いーすんよりちょい年上。女神様が好き。女神様を信じない人間はみんな死ねば良いと思ってる。
ネプテューヌ
原作主。プラネテューヌの女神。ギンガに想いを寄せてるけど肝心なところで日和る。ギンガの一番は自分だと思い込んでいるし、実際そう。
ネプギア
ネプテューヌの妹でプラネテューヌの女神候補生。ギンガを兄のように慕っている。
イストワール
いーすん。プラネテューヌの教祖。ギンガとお互い一番信頼しあってるが、ギンガが女神を甘やかすところだけは信頼してない。
ノワール、ブラン、ベール
他の国の女神たち。ギンガの女神補佐官としての能力は評価してるけど性格がアレなのでプラマイ0って感じ。ノワールとブランは自分たちがまだ女神として未熟だった頃の恥ずかしい思い出をギンガに知られてるのでいずれ抹殺しようと思ってるとか思ってないとか。ベールは気にしてない。
ユニ、ロム、ラム
他の国の女神候補生たち。姉たちとは違い、自分たちをちゃんと指導してくれるギンガを慕っている。
アイエフ
プラネテューヌ教会の諜報員で、自他ともに認めるギンガの愛弟子。ギンガの魔法の名前は大体アイエフの手帳から取って付けていて、アイエフはそれを恥じらいながらも半分誇りに思っている。
コンパ
プラネテューヌのナース。度々死にかけるギンガをいつも看護するのがコンパ。だからギンガはコンパに頭が上がらない。