「暗闇の中に星のようなものが輝いている……こんな場所がこの世界にあったなんて……」
「ねえ、ユニちゃん。ここって……」
「うん、黄金の頂の内部みたいね」
「黄金の頂……? ゲイムギョウ界が改変されていた時にあった金色の塔だっけ?」
「そういえば、ネプギアは行ってないんだっけ? あたしとかロムとラムはその中でゴールドサァドと戦ったのよ」
「そうだったんだ」
『天王星うずめ』とネプテューヌ(大人)を追いながらも、雑談する候補生たち。
その少し後ろで、うずめは隣を走るギンガに問いかける。
「なぁギンガ。俺にそっくりなあいつのことだが、知り合いだったのか?」
「……話すと長くなりますし、今頭の中で言葉をまとめている途中なのでお待ちください。後で全てをお話しするので……」
「……無理すんなよ。なんかお前すげえしんどそうな顔してるぞ? 言いたくないことなら言わなくていいからさ」
「いえ、こうなった以上必ず話さなくてはならないことですから」
「そうか……まずはあいつらを追いかけねえとな」
「はい」
そうこうしているうちに、ギンガたちは零次元の果ての果てまで辿り着いた。
しかし、『天王星うずめ』とネプテューヌ(大人)は既に消えていた。
「逃げられたか……ここまで来ておいて……」
「待って、何かあるわ!」
アイエフが指を差した方向に、空間の歪みのようなものがあった。
「あれは……」
近づいて見てみると、零次元に来た時のゲートと同じような構造のゲートであることがわかった。
「多分ここから逃げたんだと思うけど……まだ開いてるわね……」
「大きいねぷねぷ、閉じ忘れちゃったですか?」
「充分あり得るわね。別次元の別人とは言え根本はネプ子だし……」
「とりあえず行こうぜみんな」
*
「さて、ネプテューヌ。君は何か大事なことを忘れていないかい?」
「大事なこと? わかった! おやつの時間でしょ!」
「ゲート、閉じてないだろう? 今しがた、彼女たちがこちらに来た反応があった」
「しまったーー‼︎ わたしとしたことが、すっかり忘れてたよ!」
「まぁ良いさ。他の有象無象ならまだしも、ギンガには来てほしかったしね」
「……ほっ」
「……とでも言うと思ったかい? ゲートを閉じずに彼女たちを心次元に招き入れたことは、どう償ってもらおうか」
「あれ、うずめさん……怒ってる……?」
「いや、全然。むしろ気分いいよ。久しぶりにギンガに会えたし。けどさ、裏切り者を始末する機会に丁度いいと思わないかい?」
「えっと、裏切り者……? わたし裏切ってないよ?」
「とぼけるなよ。おかしいと思ってたんだ。ギンガは明らかにこっちから出していた情報以上のことを知っていた。つまり、ギンガに秘密結社の情報が漏れていたんだよ。だから誰かがギンガと内通してると思ってたんだよね」
「わたし本当に知らないってば⁉︎」
「そもそも君の利用価値など、君の持つ標本に閉じ込められているクロワールの力しかない。マジェコンヌ」
「なんだ?」
「ねぷっちを始末しろ」
「いいのか?」
「もう必要ない」
「……そうか」
「ちょっ、やめてよマジェっち。わたしたちズッ友でしょ?」
「やれ」
*
ゲートを通り過ぎると、そこにはまるで宇宙のような空間が広がっていた。
「なんだ……ここ……」
目を引くのは中央らしき場所に浮かぶ大きなオレンジ色のシェアクリスタルのような物体。それを恒星に例えるなら、その周りに浮かぶ大きさそれぞれの瓦礫が惑星や衛星のように感じられる。
「……」
神秘さと不気味さを併せ持つその空間の雰囲気に圧倒され、ギンガたちは言葉を失う。
「……とりあえず拠点となるとこを探そうぜ」
「あぁ、みんな疲れていそうだし、一旦休むとしよう」
少し歩くと、廃墟が並ぶ場所へ出る。
「なんか、零次元にそっくりな場所ですね……」
「休めそうな場所ではあるから、ここを拠点にするっていうのはどうだ?」
「うずめさんにさんせー! わたしもうくたくただよ」
「くたくた……」
「みんな疲れてるようですし、一先ずここでおやすみしましょうか」
「ああ、そうしよう」
そのまま一堂は、廃墟の中で一番原型をとどめていた建物を拠点とし、休息をとることにした。
「私から皆様に言わなければならないことがありますが、その前に私はこの次元の特定のポイントである人物と合流します」
「『ある人物』……?」
「はい、実を言うと私は知り合いを秘密結社に潜り込ませ、内通していました」
「……!」
「秘密結社の戦艦、アフィベースの特定を迅速に行えたのも、アノネデスのハッキングだけでなくその内通者からの情報があったからです。と言っても、敵の全てを知ることはできなかったことや、こちらに情報が漏れていることを悟られぬよう、ほんの少しの情報しか渡されませんでしたが」
「そうだったんですか……」
(内通者……もしかして大きいお姉ちゃんかな? うん、きっとそうだ!)
「詳しくは、その人物と合流し、ここへ戻って来てからお話しさせていただきます」
「じゃあ、私も行きます!」
「俺も行くよ。ぎあっちとギンガなら心配はないけど、じっとしてるのは性に合わないし」
「わかりました。では行きましょう」
*
逃げ惑うネプテューヌ。それを追い回すマジェコンヌ。
「どうした? 逃げるばかりか? 零次元での威勢はどこへ行った!」
「マザコング……わたし、マザコングと戦いたくないよ」
「何……?」
「昔のマザコングは悪い人だったって聞いたけど、今はそうじゃないんでしょ?」
「何が言いたい……?」
「小さいわたしが、世界を守るために小さいわたしたちと一緒に戦ったって言ってたよ! マザコングはうずめと一緒に世界を滅ぼしたいわけじゃないよね? 何か事情があってうずめに協力してただけなんだよね?」
「……っ、黙れ! 分かったようなことを言うな! 無抵抗の相手を痛めつけるのはつまらんからと手加減してやっていたら調子に乗りおって! そんなに死にたいならば殺してやろう‼︎」
ネプテューヌに、マジェコンヌの槍が振り下ろされる。
「……っ!」
しかし、その槍はネプテューヌを捉えることはなかった。
間に入ったNPカタールが、マジェコンヌの槍を防いでいたのだ。
「……ほぅ、来たか」
マジェコンヌは驚く様子もなく、不敵な笑みを浮かべる。既にマジェコンヌの興味はネプテューヌにはなく、その瞳はギンガを捉えていた。
「マジェコンヌ……!」
「お姉ちゃん!」
「ねぷっち! 大丈夫か⁉︎」
「ネプギア……うずめ……ギンガ……」
「……その様子ですと、あっちのうずめ様に裏切っていたのがバレた、と言った感じでしょうか?」
「うん……クロちゃんも取られちゃった……ごめんね、みんな」
「気にすんな。まずはあの紫ババァを倒すことからだ! 俺たち四人なら勝てるさ」
「……ネプギア様、うずめ様、申し訳ありませんが、奴とは一人で戦わせてもらえませんか?」
「ギンガさん……?」
「奴とはタイマンで戦いたいのです……我儘なのは分かっていますが……」
「……わかりました。勝ってください……必ず……!」
「はい!」
ネプギアとうずめはギンガの意を汲み、ネプテューヌ(大人)を連れて少し離れたところから戦いを見守ることにした。
「これまで貴様とは二度戦ったが、いずれも決着にはならなかったな」
「最初のは私の負けで構いませんよ」
「いや、貴様は女神候補生どもが来るまでの時間を完全に稼ぎ切り、その後私は女神候補生どもに敗北した。あの戦いは私の負けさ」
「やけに潔いですね。なら引き分けといきましょう」
「そうだな。なら、ここで完全に決着としようか」
「……お前のことは嫌いですが、お前の作るナスは好きでしたよ」
「そう言ってもらえると生産者冥利に尽きる」
どこか気の抜けるようか会話をしながら、お互い一定の距離を取り、戦いに意識を向けていく。
「見せてやろう……この私の真の変身を……!」
「そう言えば、結局零次元編では見れなかったんでしたね。ならば、私も全力で相手をしましょう……!」
「はぁぁぁっ! 変身‼︎」
「『ネプテューヌリング』起動!」
マジェコンヌは闇に包まれ、零次元編で見せた魔物の姿へと変わり、そこから更に人型の魔物の姿へ変貌する。
ギンガは光に包まれ、女神ネプテューヌの加護をその身に纏う。
「ギンガネプテューヌ 、変身完了。プロセッサユニット装着。NPフルブレイドモード展開」
『NPフルブレイドモード』。修復したNPカタールとNPガンブレイドを装備し、更に星晶剣銀牙と機械剣ネプテューヌを両手に携えた完全装備形態。全身から剣が生えているような見た目をしているためこの名前が付いている。
「お互いに……随分と大仰な見た目になったものだ」
「私はその姿、嫌いじゃないですよ?」
「ふん……」
「行くぞ……マジェコンヌ‼︎」
「さぁ来るがいい……ギンガ‼︎」
・ゲイムギョウ界こそこそ裏話
『NPフルブレイドモード』
NPガンブレイド、NPカタール、星晶剣銀牙、機械剣ネプテューヌを携え、リミテッドパープルを装備したギンガネプテューヌの完全武装形態。
基本的に両手が埋まっているが、NPカタールだけでなくNPガンブレイドも脳波制御によって動かせるため、ほぼ全ての武器を同時に使用ができる。
『バスターソードモード』
NPガンブレイドとNPカタールを星晶剣銀牙に合体、連結させた大剣モード。
『ライフルモード』
NPガンブレイドとNPカタールを連結、合体させ、大型のビームライフルとして扱うモード。
通常のビーム砲、ビームマシンガン、照射ビーム、ワイドカッタービームの四種類のモードが存在する。