紫の星を紡ぐ銀糸N   作:烊々

5 / 38
 この回で登場するあるキャラは、原作のVⅡと大幅に設定が違います。



03. 遥かに煌めく女神たち

 

「これがNPガンブレイドとNPカタールかぁ……! わぁ……ガンブレイドはちゃんと私とユニちゃんが手伝って作った設計通りになってる! それにこのカタール……さっき自動で飛ばしてましたよね⁉︎ 脳波制御ってやつですか⁉︎」

「は、はい」

「すごい……! それに、ガンブレイドもカタールも連結するんだ……ちょっとくっつけてみていいですか⁉︎」

「構いませんよ」

「ありがとうございます! こことここ……かな? ……あれ? もしかしてこれ、全部連結させられるんですか⁉︎」

「そうですね」

「うわぁ……! 私もこんな武器使ってみたいなぁ!」

「あの……ネプギア様……そのあたりで武器を返してもらえると……」

「えぇー! もっと見たいです! それに、ギンガさんこの武器が完成したら最初に私に見せてくれるって言ったじゃないですか⁉︎ それなのに結局見せてくれないままお姉ちゃんと試合して、私少し怒ってるんですよ!」

「うっ……申し訳ありません」

 

 そんな約束したようなしなかったような。私のメモリー機能は同じ人工生命体であるイストワールと違いそこまで性能が良くないので、割とうっかり忘れてしまうことがあるんですよね……

 

「なぁねぷっち、ぎあっちがすげえテンション上がってるけどなんだあれ?」

「ネプギアは機械オタクだからね。ああいう興味を引く機能とかあると夢中になっちゃうんだよ」

「……しょうがない。作戦会議はぎあっちの気が済むまで待つとしようか」

 

 うぐぐ……ネプテューヌ様たちに助けを求めようと思ったのですが、既に諦めムードとは。しょうがないですね、元はと言えば忘れていた私が悪いので、ネプギア様の気が済むまで待ちましょう。

 

「連結合体にも色々種類があるんだー! とりあえず全部やってみよう! 楽しいなぁ!」

 

 結局ネプギア様の気が済むまでは数時間かかりました。しかし、夢中で私の武器をいじるネプギア様はとても可愛らしかったのでいつまでも見ていでもよかったですね。

 

「……気を取り直して、作戦会議といこうか。先程、大量のシェアクリスタルがありそうな場所があるとの連絡を受けた」

「何度か戦ってわかったんだが、デカブツはシェアの力に弱いらしい。だから、大量のシェアクリスタルがあれば奴に有効な手を打てる!」

「なるほど」

 

 そういえば説明するのを忘れていましたが、どうやらこの世界はシェアクリスタルが拾えるようで、うずめ様はそれを使い女神化するようです。女神様の変身に用いられるシェアクリスタルは私たちの世界では創るのが難しいかなり貴重なものなのですが、世界が違えばそのような違いがあるということなのでしょう。ディメンションギャップってやつですね。

 

 女神様が存在し、シェアという概念がある。つまり、ここもゲイムギョウ界……ということなのでしょう。

 

「シェアクリスタルがあれば、わたしたちも変身できるかなぁ?」

「自らが信仰で得たシェアで作られたシェアクリスタルでないと無理……なのは私たちの世界でのルールなので、別の世界ならワンチャンあるかもしれませんね」

「とりあえずそこに向かいましょう」

「よーし! じゃあ行くぜ、みんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 向かった先は桜の花が生い茂る森でした。私は花を愛でる趣味はないので、花が咲いてるなーぐらいで特に何も思うことはありません。花より女神様なので。

 

「ここにシェアクリスタルがあるのか……」

「この国にもまだこんなに綺麗な場所が残っていたんですね」

「シェアクリスタルがある場所だけ、だけどね」

「どういうこと?」

「そうだね……ギンガ。君の方がシェアクリスタルというものに詳しいと思うから、説明を任せていいかい?」

 

 桜並木の下を歩く女神様たちに見惚れていたら急に海男さんにキラーパスを投げられました。まぁいいでしょう、女神様とシェアの関係の詳しさにおいて私の右に出るものはイストワールぐらいしかいないと自負していますし。

 

「わかりました……シェアクリスタル、そしてその源であるシェアエネルギーは、ゲイムギョウ界の本質と言えるものです。女神様が国を守護する力が失われ、シェアエネルギーが存在しなくなった土地は朽ちていきます。そして女神様の力の源でもあるシェアエネルギーのさらに源は主に人間による『信仰』。つまり、人間のいないこの世界では女神様は本来の力を発揮できません。かつて別の次元のゲイムギョウ界の方と関わる機会があって、その方もそのゲイムギョウ界と同じと言っていたので、おそらくゲイムギョウ界という場所は次元が違えどどこも同じなのでしょう。話を戻すと、この場所が自然豊かなのはシェアクリスタルの影響で土地がまだ生きているからでしょうね」

「そういうことだ、説明ありがとうギンガ。このゲイムギョウ界に名前をつけるなら……零次元だろうか」

「零……次元」

「じゃあさ、ここのシェアクリスタルを持っていったら、この森は枯れちゃうんじゃないの?」

 

 ネプテューヌ様……こんな草木ごときを気にかけるとは、やはり慈悲深いお方……! 

 

「そうだけど、こういう場所は貴重だから全部は持って行かないようにしているのさ」

「よかったぁ。それなら、今度お花見に来れるね!」

「お、お姉ちゃん……ギンガさんと海男さんが割と重い話をしてたのにそんなこと考えてたんだ」

「こういう切羽詰まった状況だからこそお花見みたいな娯楽が大事なんだよ」

 

 ネプテューヌ様……! 何と素晴らしい心がけ……! 感動で涙すら出てきます……!

 

「なぁねぷっち、何でギンガ泣いてんの?」

「うずめ、ギンガのやることに突っ込んでたら疲れるからある程度は放置するのがオススメだよ」

「おっけー」

「でさ! あのでかいのをやっつけたらここにうずめの仲間のみんなも連れてきてパーっとお花見やろうよ!」

「いいなそれ!」

 

(うずめのあんな笑顔を見るのは久しぶりだ。できればいつまでも笑顔でいてほしいものだ)

 

 おっと、ネプテューヌ様の尊さを感じるのに集中していたせいで皆様に置いて行かれそうになりました。急いで追いかけましょう。

 

 その後、シェアクリスタル探索が始まりました。この森にいるうずめ様のお仲間のモンスターたちにも手伝ってもらっています。たとえ人がいなくとも、その代わりに多くのモンスターに慕われている……やはりうずめ様は立派な女神様です。

 

 ならば……理論上は『あること』が可能ですね。

 

「さて、シェアクリスタルの反応は……」

「あーそっか、ギンガならわかるか」

「どういうことだい、ねぷっち?」

「ええと、ギンガは特異体質ってやつで、本来人が生まれ持つはずのシェアエネルギーが全くのゼロなんだ」

「それは……ゲイムギョウ界においてはかなりのディスアドバンテージではないのかい?」

「そうなんだけど、その代わりに人よりも強い身体で生まれてきてるんだって。だからすごく五感が優れてて、シェアエネルギーを感じ取れちゃうんだって。まぁなんていうか……バグキャラ?」

「バグキャラ……」

「まぁつまり、シェアクリスタルの探索には適任ってわけ!」

「なるほど」

 

 さてさて、シェアクリスタルはこちらにありそうですね。茂みをかき分けながら進みます。おっ、それらしき物体が見つかりました。

 

「ペロっ……これはシェアクリスタル!」

「なんで舐めたんだよ」

「このシェアクリスタルを見てくれ、こいつをどう思う?」

「すごく……大きいです」

「これぐらいのシェアクリスタルなら、あの作戦ができて、デカブツを倒せるかもしれねえ!」

「おぉ! やったねうずめ!」

 

「ほう、それは困るな」

 

 その声が聞こえた瞬間、私たちを魔法の閃光が横切り、それによりシェアクリスタルが砕け散りました。

 

「……っ⁉︎」

「そんな……シェアクリスタルが……っ!」

「誰だ⁉︎」

 

 その声……その気配……まさか……!

 

「ナーハッハッハ! 私の名はマジェコンヌ。この世界に終焉を齎す者だ!」

「「マジェコンヌ⁉︎」」

 

 ……『マジェコンヌ』とは、私たちがかつて戦い、時には前作のラスボスであるタリの女神を倒すために協力した者です。さっき感じたプレッシャーはこいつのものか。

 

 ……というか、何故奴がこの零次元に……?

 

「……ん? 貴様らは、プラネテューヌの女神と候補生ではないか。何故こんなところにいる?」

「それはこっちの台詞だ。何故お前が零次元にいる?」

「ほぅ、ギンガ……まさか貴様までいるとはな」

「質問に答えろ」

「答える義理はない」

「ねぇマザコング。わたしたち、世界を守るためにタリの女神と一緒に戦ったよね? わたしたち仲間になれたんじゃないの?」

「マジェコンヌだ‼︎ それにあれは一時的に手を組んだにすぎない。私はいつでも貴様ら女神の敵だ」

「そんな……」

「ふん、さぁ行けダークメガミよ! 女神どもを葬ってやれ!」

 

 マジェコンヌの声と共にいきなり巨大なモンスター……奴が『ダークメガミ』と呼称しているので私もそう呼びましょう……ダークメガミが姿を現しました。

 

「なっ……お前がデカブツを操ってやがったのか!」

「その通りだ」

「なら、お前がこの世界をこんな風にしたのか⁉︎」

「だとしたら……?」

「……っ! 絶対に許さねえ! うおおおおっ!」

「うずめ様! 闇雲に突っ込むのは危険です!」

「……ふん、許そうが許さなかろうが貴様はここで死ぬ」

 

 そう言ってマジェコンヌが手を振りかざすと、ダークメガミが巨大な腕を振り下ろし、前に出過ぎたうずめ様を思い切り吹き飛ばしました。

 

「ぐぁぁぁっ!」

「うずめ様!」

 

 そしてダークメガミの巨腕は次に私たちの方に振り下ろされます。

 

「ちぃ……っ!」

 

 私は急いで皆様の前に立ち、武器を大剣モードにしてそれを盾のように構えることで、ダークメガミの攻撃をなんとか防ぐことができました。

 

\ うわぁぁぁっ!/ \きゃあああっ!/

 

 しかし、私の防御の範囲から外れてしまっているうずめ様のお仲間のモンスターたちはその攻撃の被害を受けてしまっている様子。いくら私でもあれだけの数を守りきれはしません。

 

「こんなのマップ兵器だよ! ズルだよ!」

「ジージェネとかだとマップ兵器って戦闘アニメーションが見れないし、連続行動ができないのであまり使わないんですけど、こうやって実際やられてみるとかなり強いですね」

「そんなこと言ってる場合じゃないですよギンガさん!」

「すみません」

 

 実際かなりやばいですね。私の大剣でダークメガミの攻撃をいつまでも防げるわけではありませんし、なんならそれを指示しているマジェコンヌ本体もそれなりの戦闘力を有しています。

 

「……『エクステンドエッジ』!」

「『32式エクスブレイド』!」

「『スラッシュウェーブ』!」

 

 私たちの技をダークメガミにぶつけてみるも、ほんの少しのダメージにしかなっていない様子。

 

「なるほど、どうやら貴様らは変身ができないようだな。シェアクリスタルを破壊しておいてよかったよ。貴様たちはここで終わりということになるな」

「……それは……どうでしょう?」

「何?」

「私は女神様の可能性を信じています。たとえシェアクリスタルが無くても、人間から信仰が貰えなくても、女神様は立ち上がり、この危機を乗り越えることができると」

「ふん、くだらん! 塵芥と成り果てろ!」

 

 

 

 

 

 

 

「結局……俺には……うずめには何も守れないの……?」

「……うずめ」

「海男……」

「いつも君だけに戦わせてしまって、辛い思いをさせてしまってすまない……ギンガの話を聞いて気づいたんだ」

「何を?」

「俺たち零次元のモンスターがうずめを『信仰』しシェアエネルギーを渡すことができるのではないか、と。だから、俺たちの思いと力を受け取ってくれ」

「……できるかな? うずめに」

「それは君の心次第だ。けど、俺たちはうずめのことを信じている」

 

\ うずめさん! 頑張って!/

 

「この光……そうだよね……うずめが……俺が……やるんだ! 俺がこの世界を守るんだ! うおおおおおっ! 変身‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぷぅ⁉︎ この光は!」

「お姉ちゃん、これって!」

「シェアの光だね! 行くよネプギア!」

「うん、お姉ちゃん!」

「「変身!!」」

 

 その瞬間、眩い光が二人を包み込みます。やりましたね、うずめ様……!

 

「なっ、あの光……人のいないこの世界でシェアが発生したというのか⁉︎」

「理論上は可能ですよ」

「何⁉︎」

「実は、人間だけでなくゲイムギョウ界に生きとし生けるほぼ全ての生命は微量ながらシェアエネルギーを有しています。たとえそれがモンスターであっても」

「モンスター……まさか!」

「そのまさかです。我々の世界では人の言葉を喋り、人に友好的で善良なモンスターは稀なので、モンスターから女神様に『信仰』によってシェアエネルギーが譲渡される現象などほとんどありえません。しかし、この零次元にはそんなモンスターが数多く存在します」

「くっ……そいつらの信仰を得たということか……っ!」

「その通りです。実を言えば、私はお前の破壊したあのシェアクリスタルなんて最初からアテにしていません」

 

 そう、何かがきっかけでモンスターたちからもシェアが得られるようになれば、落ちているシェアクリスタルが無くてもうずめ様は変身できるようになりますからね。

 

「さぁ、待ちに待った女神様の変身です。ご唱和ください、女神様の名を!」

 

(ハイテンションだな……ギンガ)

 

「プラネテューヌの女神『パープルハート』様‼︎ 女神候補生『パープルシスター』様‼︎ そして、この零次元ゲイムギョウ界の女神『オレンジハート』様‼︎」

 

「変身完了。女神の力、見せてあげるわ!」

「変身完了です! 女神候補生だからって甘くみないでください!」

「変身かんりょー!」

 

 変身したパープルハート様とパープルシスター様の元に、オレンジハート様が飛んできて並び立ちました。

 

 嗚呼……三人の女神様が並んでいる……女神様尊い……最高……

 

「か〜ら〜の〜! シェアリングフィールド、展開ー!」

 

 そしてやはり、オレンジハート様といえばこの『シェアリングフィールド』ですよね。

 

 『シェアリングフィールド』。自らのシェアエネルギーを空間を作り出せるほどの高濃度のものへと昇華させるシェアエネルギー操作の『真髄』。そして、オレンジハート様が使うそれは、以前私が使った紛い物とは格が違う本家大元のシェアリングフィールドです。

 

 高濃度のシェアエネルギーの粒子がドーム状になり、私たちを包んでいきますーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん……このフィールドって」

「ええ……けど、あの人のものとは効果が違うようね。力が溢れてくるわ……!」

「ふっふっふー! これがうずめの秘策、シェアリングフィールドだよ!」

「これだけシェアの力が溢れているこの空間なら、ダークメガミがかなり弱体化するというわけね」

「そうだよ! 流石ねぷっち! ていうかねぷっちって変身するとすごく変わるね!」

「あなたも相当だと思うけど……」

「……あれ? ギンガさんとマジェコンヌがいない?」

「えー? おかしいなぁ、二人ともフィールドの範囲内にいたはずなのにー?」

「とりあえずはダークメガミを倒すのが先ね。行くわよ、ネプギア、うずめ!」

 

 

 

 

 

 

 

(あのフィールド……おそらくはギンガのやつが以前やったものと同じだろう。天王星うずめとやらが構えた瞬間に急いであの場から離れておいて正解だったな……)

 

「……まぁ、お前はそうするよな。俺が使ってるのを見て『シェアリングフィールド』を知ってるからな」

「相変わらず、女神がいない場所では敵に対して喋り方が素に戻るのだな。私はそっちの方が好きだぞ?」

「お前にそう言われても何も嬉しくねえよ」

「それで、私が逃げるのを予測して追ってきたわけか」

「そういうことだ。本当はあの中で女神様達と一緒に戦いたかったけど、お前を放っておくわけにはいかないからな。それに、お前には聞きたいことが山ほどある」

「答える義理はないと言った」

「なら、質問を拷問に変えてやる」

 

 そう言って剣を取る俺と、槍を構えるマジェコンヌ。

 

 女神様とダークメガミ、俺とマジェコンヌ。二つの戦いの幕があがる……なんてな。

 

 

 

 

 




 ぶっちゃけますと、オリ主のギンガと1番絡ませて楽しいのはこのマジェコンヌです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。