紫の星を紡ぐ銀糸N   作:烊々

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 小さくなったギンガのセリフをひらがなオンリーにしたのはミスでした。読みづらくて申し訳ないです。



07. 有為転変

「かたまっているとさきほどのようにいっきにやられてしまいます、さんかいしましょう! あと、しょうじきいまのわたしではへんしんしたまじぇこんぬあいてはあまりやくにたちませんので、おおきいねぷてゅーぬさまのうごきにあわせるようにしてください!」

「はい!」 「りょーかーい!」

 

(へぇ……あのちっちゃい子が指示出すんだ)

 

「とりゃあっ!」「てやぁっ!」「ほにゃっ!」

 

 散開して四方向から攻撃を仕掛けるも、パープルシスター様とオレンジハート様、そして大きいネプテューヌ様の攻撃に比べて、明らかに私の攻撃の威力が足りていません。

 

 ……やはり今の私では力不足ですね。膂力が少ないため剣の斬撃でダメージが出せず、魔力も少ないため魔法攻撃でダメージを出すこともできません。武器から放つビーム砲も私の魔力をエネルギーに変換したものなので、魔法同様威力が出せません。

 

(……やはり今のギンガは弱い、無視してもいいだろう。となると意識を例の女に四割、女神どもに三割ずつと言った配分で割けばいいだろう)

 

「消えろ!」

 

 マジェコンヌの魔法攻撃が、パープルシスター様とオレンジハート様と大きいネプテューヌ様へ飛んでいきます。しかし、私の方には飛んできません。どうやら、マジェコンヌは完全に私を意識の外に置いているようです。

 

 ……よし! この状況を待っていました! 今の私にはシェアリングフィールドが使えなくても、『この技』なら使うことができます。

 

 『この技』は隙がありすぎて、一対一の状況ではまず使えません。しかし、敵の意識が私から完全に抜けている今、この技を使う絶好のチャンスなのです。

 

 自らの力を両手に集め、腕を十字に組み、技名と共に必殺光線を解き放ちます!

 

「はぁぁぁっ! 『ギャラクティカクロスシュート』!」

 

 私のエグゼドライブに相応する技、『ギャラクティカクロスシュート』。この技だけはステータスが半減している今でも充分な威力を出せる技なのです。

 

「……なっ! ぐぅああああっ!」

 

 意識の外から飛んできた私の技は当然マジェコンヌに直撃し、それが大きな隙となりました。

 

「なに今のウルトラヒーローの必殺光線みたいな技⁉︎ まぁいいや、これで隙ができたね!」

「はい! 畳みかけます‼︎」

「おっけー!」

 

 大ダメージにより動きが鈍ったマジェコンヌに絶え間なく三人の攻撃が叩き込まれます。

 

(しまった……ダメージが大きすぎる……っ! これでは更なる変身ができん……! くそっ、あの男……こんな技を隠し持っていたとは‼︎)

 

「トドメだよっ!」

 

 その言葉と共に放たれた大きいネプテューヌ様の斬撃により、ついにマジェコンヌを倒すことができました。

 

「馬鹿な……この私が……っ!」

「ふっふーん! だいしょーり!」

 

 そして戦闘が終わり、パープルシスター様とオレンジハート様が変身を解きます。すると、変身解除を見たネプテューヌ様は何かに気付いた様子でうずめ様に話しかけます。

 

「あれ? もしかして二人って女神様だったの?」

「まぁな、名乗り遅れたが、俺の名はうずめ。この国の女神だ。さっきは助かったよ」

「おっー! うずめって、普段はかっこいいんだね!」

「俺がかっこいいだと⁉︎ ふっ、さすがねぷっち、わかってるじゃないか」

 

 そういえば、零次元のうずめ様はかっこいいことに拘っていると以前海男さんに聞きましたね。最初は頼れる女神様を演じるためのものだったと聞きましたが、それはそうともううずめ様本人の趣味になっているようです。

 

「ネプギアは女神化を解くと名前だけじゃなくて見た目もわたしにそっくりさんになるんだね」

「え、えと……」

 

 ネプギア様は大きいネプテューヌ様の対応にあたふたしています。私が話を遮ることで、助け舟を出してあげましょうか。

 

「それよりも、まじぇこんぬをどうするかです」

「俺としてはボコボコにしてやりてえとこだがな……!」

「ダメ! このグロいのは私が標本にするって決めてるんだから!」

「え……?」

「生きたまま標本にするんだ! だって、見てよ、この紫色の羽根。如何にも毒を持っている珍しい蝶って感じだし、絶対レアな生物だって!」

 

 ある意味一番タチの悪い方に捕まってしまいましたね。ご愁傷さまです、マジェコンヌ。

 

「と、いいましても、こんなにでかいやつをどうやってひょうほんにするんですか?」

「それはね……えーい! きゅーしゅー!」

 

 大きいネプテューヌ様が懐から手帳のようなものを取り出して開き、マジェコンヌがそれに吸い込まれていきます。

 

「そして、最後にテープで止めて、本を閉じて……はい、おしまいっ、と」

 

 ……なるほど、持ち運びに便利なアイテムですね。私も欲しいなぁ。

 

「……さて、さきほどうみおさんに、うずめさまのほんきょてんとやらでおちあおうといったのでむかいましょうか。うずめさま、あんないをおねがいできますか?」

「わかった。そうだ、でっかいねぷっちも来るか?」

「わたしもいいの?」

「助けてくれたんですし、当然です。何かお礼もしたいですし」

「わーい、やったー! この世界に来てからずっと一人ぼっちだったから寂しかったんだよね。それに持ってた携帯食料がなくて、野垂れ死に寸前だったんだ……」

「なら、礼に腹一杯食わせてやるよ」

「本当⁉︎ ありがとう!」

「よし、じゃあ向かおうぜ」

 

 拠点に着いたら、私は大きいネプテューヌ様がプラネテューヌ教会地下の祭壇から例の渦巻きマークのゲーム機を持ち去った件について聞きたいんです……が、この状況で聞いても気まずいことになりそうですし、とりあえず保留にしておきますか。

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、俺の本拠点だ」

 

 うずめ様の本拠点。山と森、豊かな自然に囲まれた川のほとりで、周りにシェアクリスタルの反応も有りますね。拠点にするのにうってつけの場所と言えます。

 

 うずめ様の声を聞き、海男さんを始めとしたうずめ様のお仲間のモンスターたちが集まってきます。

 

「無事だったか、みんな! ……あれ? ねぷっちがいるね。まさか……この短期間でねぷっちが急激に育ってから零次元に帰ってきたというのかい?」

「うわっ! このお魚なに⁉︎ あははははは! 真顔でおっかしーのー!」

 

 海男さんの言葉をそっちのけで海男さんのビジュアルに爆笑している大きいネプテューヌ様を置いといて、私が説明します。

 

「〜〜〜というわけなんです」

「……なるほど」

「ねえねえ、これドラム缶風呂だよね! わたし、本物みたの初めてかも! わたし、これに入ってみたい!」

「大きくても、ねぷっちは相変わらずのようだね。早速だけど、君が何者なのかを話してくれないかい? お風呂はその後で、ね?」

「うん、いいよー。その代わり、この世界のこととか、あなたたちのこととか教えてくれないかな? ずーっと一人だったから何がなんだがサッパリだったんだ」

 

 こうして、私と海男さんで大きいネプテューヌ様に零次元のことや我々の戦いのことなどを説明しました。

 

「〜〜〜ということなのです」

「おーっ、わたし以外にもわたしがいたんだー。会ってみたいなー」

「では、そちらのせかいのぷらねてゅーぬでは、べつのめがみさまがくにをおさめているということなのですね」

「そうそう、プルなんとかって女神様なんだ」

「……! そのなは……!」

 

 プルなんとかというのは『プルルート』様……私たちが以前出会った別次元の女神様ですね。となると、大きいネプテューヌ様はプルルート様の次元『神次元ゲイムギョウ界』のネプテューヌ様なのでしょう。まぁ、並行世界や次元など星の数ほどあるので確定ではありませんが。

 

 それよりも今私たちが必要な情報は、大きいネプテューヌ様の出身地ではありません。どうやら大きいネプテューヌ様は次元を超える力をお持ちのようなので、それをなんとか私たちのために使わさせてもらいたいのですが……

 

「その、お願いがあります! 私とギンガさんを元の次元に連れていってくれませんか⁉︎」

 

 私が口を開くよりも先にネプギア様が頼み込みます。

 

 ……くっ、出遅れました……! 本来こういった交渉のようなものは女神補佐官である私の役目。それを女神であるネプギア様にやらせてしまうなど、愚の骨頂……っ! なんとも不甲斐ない、穴があったら入りたいです。

 

「いいよ!」

 

 大きいネプテューヌ様は快く承諾してくれました。

 

「……と言っても、次元を移動できるのはわたしじゃなくて、クロちゃんの方なんだけどね」

「クロちゃん……?」

「それで、そのクロちゃんというのはどこにいるんだい?」

「実は、この世界に来るなり、巨人みたいなのを見かけたと思ったら、面白そうとか言って飛んで行っちゃったんだ」

「なら、次の目的は決まりだね」

「ええ、あしたからは、そのくろちゃんさんとやらのそうさくですね」

 

 話が済ませて、あり合わせの食料で夕食を済ませた後、大きいネプテューヌ様の手帳を開き、待ちに待ったマジェコンヌ尋問タイムです。

 

「というわけで、今から……ええと、名前なんだっけ?」

「まじぇこんぬです」

「そうそう、マザコング! マザコング拷問会を始めたいと思いまーす!」

「マジェコンヌだ! ……と言いたいところだが、こんなザマではそうも言ってられんか……」

「じゃあ、質問! どうしてマザコングはうずめを倒そうとしてるの?」

「そこに女神がいるからだ」

「なにそれ。じゃあ、倒したらどうするの?」

「超次元に帰るだけだ」

「なんか、聞き出せる情報がほとんどないね。つまんないの」

「あの、ねぷてゅーぬさま。たのみがあります」

「どうしたの?」

「すこしこのまじぇこんぬとふたりだけではなしがしたいのです。そのあいだみなさまはせきをはずしてもらってもよろしいでしょうか?」

「わたしは別に良いけど、みんなは?」

「俺も構わねえよ」

「じゃあ、わたしたちはお風呂に入りましょうか」

「いいね! あ、話終わったらちゃんとねぷのーとを閉じといてね!」

 

 そう言って三人はテントから出ていきます。

 

 …………さて。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、良い湯だなぁ」

「こうしてドラム缶風呂に入りながら見る光景も風情があって良いですね」

「……風呂に三人で入ってなければ尚更良いんだけどなぁ」

「やっぱり三人で入るのは無理があったんじゃ……」

「ダメダメ! やっぱりお風呂はみんなで入らなきゃ! これ、お約束なんだよ」

「なんだそのお約束……ていうか、なんかドラム缶がすっげえ綺麗だな。輝いてるぜ」

「お風呂を沸かす前にギンガさんが洗って磨いておいてくれたんですよ」

「あいつ何でもできるよな……さっき飯作った時もあり合わせの食材ですげえ美味い飯作ったし。ねぷっちが羨ましいぜ、あんなできる部下がいるなんて」

「そういえば、あの子は女神じゃないんだよね? 男の子だし」

「子っていうか、なんか知らないけど身体を二つに分身させて見た目を半分の年齢にしてるんだっけか?」

「うわぁなにそれすごい。本当に人間?」

「ギンガさんは人工生命体なんです。昔は人間だったんですけど」

「へぇ〜。そういえばさ、ギンガはネプギアとか大きいわたしの何なの? 親代わりとか? もしかして……恋人⁉︎」

「ち、違いますよ! ……そうですね、私とお姉ちゃんの……なんて言えばいいんだろう? 私が生まれた時から一緒にいるのに、こうやって考えてみると、私ってギンガさんのこと全然知らないなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 意気揚々とマジェコンヌに詰めてみたはいいものの……正直、大したことは聞けませんでした。残念です。

 

「お風呂あがったぞ、紫ババァと何話してたんだ?」

「うずめさま……」

「な、なんだよ俺をじっと見て……なんかついてるか?」

 

 風呂上がりのうずめ様……ふつくしい……見惚れてしまいますね、やはり女神様は最高です。

 

「いえ……せけんばなしのようなものです。たいしたことではありません」

「そっか。じゃあ、ギンガも風呂入りな」

「ありがとうございます、いただきます。どらむかんふろのあとしまつはしておきますので、うずめさまたちはおつかれでしょうしさきにねていただいてもかまいませんよ」

「悪いな。じゃあ、おやすみ」

「ええ、おやすみなさい」

 

 そう言ってテントを後にし、私もお風呂に入ります。

 

「ふぅ……いつのじだいも、おふろというものはきもちがいいですねぇ……」

 

 気の抜けた独り言を呟きながら、水面にぼんやりと映る小さくなった自分の体を見て、ふと思い出に浸ります。遠い昔、私がまだ人間で、今の見た目通りの年齢だった頃、初代プラネテューヌの女神様に初めて会ったあの日のことを。

 

「ギンガ」 

「おっ、うみおさん」

 

 物思いに耽けていると、海男さんに話しかけられました。

 

「風呂に入りながら、晩酌でもどうかな? といっても、これはお茶だけど」

「おさけはあまりすきではないので、ぎゃくにおちゃでたすかります。それに、いまのみためでおさけをのむとみせいねんいんしゅにみえてしまいますし」

「ははは、確かにそうだね」 

 

 そんなたわいない会話をして、風呂をあがり、私たちも眠りにつきます。

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。朝食を済ませ、クロちゃんさんとやらの捜索の準備をします。

 

「それで、くろちゃんさんとやらをさがすのに、あてはあるのですか?」

「ないよ」

「ないんですか……」

「まぁ、そのうち見つかるよ!」

「だといいんですが……」

 

 うーん、この行き当たりばったりな感じ、やはりこの方もネプテューヌ様ですね。

 

「あのさ」

「はい、なんでしょう?」

「前から言おうと思ってたんだけど、わたしにも『様』を付けるのはやめてほしいかなって。わたしは女神じゃないし」

「それも……そうですね。しつれいしました、ネプテューヌさん」

「さん付けかぁ……呼び捨てでもいいよ!」

「それはできません」

「えー、なんでよー」

「なんでもです。そのなまえをよびすてにするぐらいならしをえらびます」

「つれないなぁ」

 

 そんな会話をしていると、いきなりネプテューヌさんのパーカーワンピースのポケットが膨らみだしました。

 

「えっ⁉︎ なに⁉︎」

 

 ネプテューヌさんがポケットから取り出したのは、今にも自力で開きそうなぐらい膨らんでいるねぷのーと。そして、そこから放たれるプレッシャーは……!

 

「嘘⁉︎ ねぷのーとから出てくるっ!」

 

 ネプテューヌさんがたまらず本を手から離すと、パァン! という爆発音と共に、マジェコンヌがねぷのーとから出てきました。

 

「まじぇこんぬ……っ!」

「あ、あのおばさんマザコングなんだ」

 

 そういえばネプテューヌさんは通常形態のマジェコンヌを見るのは初めてでしたね。

 

「ギンガさん! お姉ちゃん! 今の音は⁉︎」

 

 爆発音を聞きつけたうずめ様とネプギア様がテントから出てきました。

 

「てめえ、出てきやがったのか!」

「私が本気を出せば、あの適度の封印を破ることなど他愛もない」

「なら、もう一度あなたを倒してみせます!」

「ふん、多勢に無勢のこの状況。誰が貴様らと正面から戦うものか! さらばだ!」

 

 そう言ってマジェコンヌは逃亡します。意外と冷静な判断しますよねあいつ。

 

「追うぞ!」

 

 うずめ様の号令と共に、私たちもマジェコンヌの後を追いかけます。

 

 

 

 

 

 

「こちらです、みなさま!」

 

 前に言ったか言っていないかわかりませんが、私は五感がバグレベルで優れているので、奴が残した気配を辿り、後を追うことができます。以前のように用意しておいた魔法で逃亡するならまだしも、普通に逃亡するだけならば私から逃れることはできません……!

 

「まるで警察犬みたいだね」

「すごい通り越して怖いな」

「私がまだ幼い頃、かくれんぼで遊んだことがあるんですけど、ギンガさんには絶対に勝てなかったなぁ……」

 

 マジェコンヌの逃亡先は、まるでコロシアムのような場所でした。なるほど、これは逃げたと言うより……

 

「……あきらかにさそいこまれてますよね」

「上等だ! 今度もぶっ倒してやる!」

「まぁ、わたしたちが力を合わせれば簡単に勝てるよ!」

「だといいのですが……」

 

 コロシアムの内部に進んでいくと、その中心にマジェコンヌが立っていました。そして、その隣に飛んでいるのは……いーすん?

 

「あっ、クロちゃん! もう! わたしを放ってなにしてのさ! 寂しかったんだからね!」

「わりぃわりぃ、こんな面白そうな世界、滅多にないからついはしゃいじまってよ」

「ねぷっち、こいつがクロちゃんってやつか?」

「その通り、俺様がクロワールだ」

 

 この方がクロちゃんさんですか。外見がいーすんの2Pカラーみたいな感じですね。それに、魂の輪郭もいーすんに酷似しています……が、存在の質が違います。

 

 ……もっと、高次の存在のような……

 

「黒いからクロワールっていうんだよ」

「違えよ! クロニクルのクロだよ! オメエは何回言えばわかんだよ」

 

 クロニクルとイストワールでクロワールですか……いい名前ですね。それに、グレたいーすんみたいな見た目がすごく可愛らしいです。

 

「俺様は歴史を記録するのが役割なんでね。いろんな世界を渡り歩いてはその世界の歴史を記録してるんだ」

「なんでそんなやつが紫ババァと一緒にいるんだよ?」

「まぁそれは成り行きってやつだ」

「成り行き……?」

「俺がここにいんのは別に待ってる奴がいるからなんだけどな、そこにこのマジェコンヌがやって来たからよ、こりゃあ面白えことが起こるって思ってこいつといるわけだ」

「クロちゃん。別に待ってる人って誰?」

「言ったってわかんねーだろうから今は気にすんな」

「えー」

「……お?」

 

 ネプテューヌさんとの話を適当に切り上げたクロワールさんが私のことを凝視してきました。なんでしょう?

 

「……なるほど、お前がこの次元の『あいつ』か。ははっ、俺と会ったばかりの頃の『あいつ』にそっくりだな」

 

 ……『あいつ』? クロワールさんの口ぶりからすると、別な次元の私なのでしょうか?

 

「与太話はそこまでだクロワール。そろそろ、そいつらを始末させてもらう」

「へいへい、勝手にやりな」

「その前にクロワール。先程言っていた、貴様が持つタリの女神の力とやらを渡せ」

「たりのめがみ……っ⁉︎」

 

 衝撃の名前が出てきました。それにタリの女神の力をクロワールさんが持っている……だと⁉︎

 

「くろわーるさん……あなたはいったい……⁉︎」

「あ? あー、タリの女神に力を与えたのは俺だ。まぁ俺があげたのはほんの少しのカケラみてえなもんで、あんなにおっかなくなったのはあいつの資質なんだけどな」

 

 ……まさか、前作ラスボスの更にまた元凶にこんなところで会えてしまうとは。

 

「本当はあいつが世界を滅ぼすところをもっと間近で見たかったんだけどよ。結局あいつは負けちまうわ、その後あいつの力を回収して別の次元でぶらぶらしてたらネプテューヌには捕まるわで散々だったんだぜ?」

 

 どうやらクロワールさんは中々邪悪な心の持ち主のようです。しかし、いーすんと同じ顔をしているので可愛くて憎めません。困ったものです。

 

「さて、ちゃんと渡してやるから、面白えもんを見せてくれよな、マジェコンヌ」

「ふん、期待しておけ」

 

 そう言ってクロワールさんは禍々しい黒い炎のようなものをマジェコンヌに渡します。

 

「……聞け! 女神ども! 私は今から最後のダークメガミ召喚を行う!」

 

 その力を手に、マジェコンヌが高らかに宣言しだします。

 

「最後……?」

「最後のダークメガミ召喚、それは…………私自身がダークメガミになることだ! ……天王星うずめ、貴様がシェアリングフィールドを完全に使いこなせるようになる前に殺しにきておいて本当に良かった」

 

 そう言ってマジェコンヌはクロワールさんから貰った力を取り込み、ダークメガミに変身していきます。

 

「うおおおおおおっ!」

 

 ……しかし、あまりにもの力で、完全に変身するのに時間がかかっているようです。

 

 ならば……

 

「みなさま、ここはいったんにげましょう!」

「ここまで来て逃げるのかよ……って言いたいところだけど、これはマジでやべえから逃げるしかないな……っ!」

「そうですね、一旦退いて作戦を考えましょう!」

「よーし! じゃあ、てったーい! クロちゃんも一緒に逃げるよー!」

「は? おい! 離せ! いや、まぁいいか。どうせ逃げてもダークメガミと化したマジェコンヌがこの世界をぶっ壊すのは変わらねえしな」

 

 

 

 




 みなさん、いよいよお別れです!
 零次元を守るオレンジハート様たちは大ピンチ! しかも! ダークメガミへ姿を変えたマジェコンヌが、オレンジハート様に襲い掛かるではありませんか! 果たして! 零次元の運命やいかに!

 次回、零次元編 最終回『オレンジハート大勝利! 希望の未来へレディーゴー‼︎』
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