世良さんのお母さんであるメアリーさんが言うには…僕の両親とメアリーさんは仕事の同僚で何かあったら僕のことを頼むように言われていたらしい。僕は自分の両親に関しての記憶が何もない。僕が物心を付くより前にどこかに行ってしまったから。
何で僕がその忘れ形見だと思ったのかと言うとそれは……僕が付けているネックレスと名前だと言う。僕のネックレスは唯一、両親が僕にしてくれたもの。そのネックレスは特注の品で世界に二つとないものらしい。
メアリーさんと話していると予想以上に時間が過ぎてしまい、気付く頃には窓から入って来ていた夕日の光が入って来なくなっていた。
「そろそろ、僕も帰らなくては……今日はありがとうございました。両親の話は誰からも聞いたことがなかったので正直、嬉しかったです」
「…もう遅い。今日はここに泊まっていけ」
「いえ、そう言うわけにはいきませんよ。僕の家もすぐ側なので今から帰っても問題ないので…」
僕がドアに向かおうとすると何故か誰かに袖を掴まれて行けなかった。その人物が誰なのかに関しては後ろを振り向かなくても分かってしまう。
「メアリーさん、袖を放してくれませんか?」
「お前がここに泊まると言えば放してやってもいい」
この人はどうしても僕をここに泊まらせたいらしい。何でここまでするのかは分からないけどここは素直に従っておいた方が良いかもしれない。これ以上、断り続けても絶対にメアリーさんは食い下がってはくれ無さそうだしね。
「……分かりました。僕がここに泊まればいいんですね」
「ああ、それでいい」
そんな感じで僕は何故かこの部屋に泊まることになってしまった。本当にこの世良さんの母親は何を考えているのだろうか。
その後はホテルのルームサービスで食事を頼んで三人で食べた。誰かと食事を食べる事がほとんどない僕にとって世良さんたちの食事は久し振りに誰かと話しながら食べた食事となった。食事を食べて、お風呂に入り、その後も少し会話を交わすと眠る事になった。
「ねぇ、千隼くん、一緒に寝ても良いか?」
世良さんはニヤニヤしていた。こんなにニヤついている世良さんを見るのは出会ったから初めてな気がする。
「別にいいよ」
僕はたまらう事なくそう答えた。僕は闇の仕事も色々してきたから世間一般的にうろたえる様なことでも普通なのだ。
「え……」
「良いよ。別に一緒に寝るぐらいなら」
世良さんがうろたえているように見える。あんなニヤニヤしていた顔は今や見る影もない。
そしてその後、結果的に世良さんは後に引けなくなってしまったのか、一緒に寝る事になった。僕は一緒のベッドでも早いうちに眠れたが世良さんはそうではなかったらしく、翌朝は目の下に隈が出来ていた。
感想など宜しくお願いします!!
この中で一番出番を多くして欲しいのは誰ですか?
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世良真純
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赤井メアリー
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服部平次
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毛利小五郎
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佐藤美和子