見て! 束ちゃんが踊っているよ   作:かわいいね

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予告通り投稿済みの上中、予定だった下の三話を統合
上中共に修正版


月曜日の午前

「遅い!」

 

 第二グラウンドに到着した僕らを出迎えたのは、腕組みをした千冬さんだった。

 

「うへぇ……」

 

 一夏すごく間の抜けた顔してる。おかしなこと考えてる時のあれだ。

 

「くだらんことを考えてる暇があったらとっとと列に並べ!」

「いてっ!」

 

 ふわ、一夏叩かれたっ。ひえー……。

 僕は二人と別れて、一組の後ろに並んだ二組の列に加わる。ええと、鈴はどこだろ。合流しときたいな。

 

「ここよ、ここ」

「……?」

 

 あれ、鈴の声だ。後ろかな?

 

「千冬さんじゃないけど、遅かったわね」

「……鈴」

 

 おお、もっと後ろだったか。うっかりうっかり……。

 ううん。僕の気の所為かもだけど、ISスーツ着ると距離感がちょっぴり狂うんだよね。ハイパーセンサーがぽわぽわしてるみたいな感じ。なんか変。

 少し動いて横に並ぶ。と、鈴は眉を下げて僕を見た。

 

「なにかあったの?」

「シャルルの案内してた」

「シャルル? ああ、そっか転校生……」

 

 そのまま首をこてんと曲げる。

 

「仲良くできそう?」

「わかんない」

 

 まだそんなに話したわけでもないし。でも、いい人だとは思うよ。悪い人じゃないんじゃないかな……多分。

 

「ふうん。どんな子なの?」

「……面白い」

「そっか……やば、千冬さんが来るわ。静かにしときましょ」

「うん」

 

 ずんずんと歩く千冬さんの動向をじっと見守る。

 

「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」

「はい!」

 

 一組と二組の合同実習が始まった。千冬さんが先生だと空気がピリッとするなあ……。

 でも変だ、一組の副担さんがどこにもいない。合同実習は千冬さんと副担さんの二人で指導するって、うちの先生から聞いてたんだけど。

 

「近くに起動済みの訓練機がいるわね」

「鈴、部分展開してる?」

「センサーだけ、もう解除したわ。……ったく、なに企んでるのかしら」

 

 腕を組んでぶすっとする鈴。稼働中の訓練機は、姿の見えない副担さんかな。多分鈴も気付いてるはず。

 

「今日は戦闘を実演してもらおう。ちょうどやる気に満ちた専用機持ちもいることだしな。──凰! オルコット!」

「……へえ」

「わたくしですか!?」

 

 獰猛な笑みを浮かべるオコジョ──鈴に対し、同じように千冬さんから名前を呼ばれたオルコットさんは不満そう。僕が交代してもいいけど、千冬さんは曲げないだろうな……。ちぇ。

 

「専用機持ちはすぐにはじめられるからだ」

「だからってどうしてわたくしが……」

「織斑は汎用性がないし、宮田は特殊すぎて参考にならん。わかったな、わかったら前に出ろ」

 

 真っ当な理屈を述べる千冬さんだけど、それでもオルコットさんは首を縦にふらない。ごめんね、参考にならなくて。

 

「それって消去法ってことじゃ……」

「さっさとはじめるわよ」

「ちょ、ちょっと鈴さん!?」

「なによ。……セシリアは一夏にいいとこ見せるチャンスでしょ?」

 

 鈴がオルコットさんになにやら耳打ちをする。

 ちらちらと一夏の方を見てるから、多分一夏をダシにしてオルコットさんを焚き付けてるんだろうけど。

 

「やはりここはイギリス代表候補生、セシリア・オルコットの出番ですわね!」

 

 恋する女の子ってすごい……。

 

「……単純で助かるわ」

「あら、なにか?」

「いーえ、別になんでも。まあ、あたしも似たようなもんよね……」

 

 いきなりやる気を出したオルコットさんの姿に、一夏は首を傾げている。僕は鈴が生暖かい目をしてる方が気になるかな。どうしたんだろ。

 

「それで、相手はどちらに? わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」

「そうね。相手がなんでも、誰でも、あたしは勝つだけよ」

「……慌てるなバカども。対戦相手は──」

 

 キイィィィン──……

 

「……?」

 

 千冬さんの次の言葉を遮るように。どこからか、ここ最近よく耳にするような音が聞こえる。

 これはISが滑空してる音だ。こっちに近づいてきてるみたいだな。

 

「雪夫!」

 

 返事をする間もなかった。鈴の声が聞こえた瞬間、突風が吹いたかと思うと、体がぐんっと空中にさらわれる。

 それとなにかが地面に激しく衝突したような、派手な音が下の方から聞こえてきたのはほとんど同時だった。

 ちなみに突風の正体は鈴。僕は宙に浮かぶ甲龍に抱っこされていた。これは知ってる。姫抱きってやつだ。

 

「鈴?」

「危ないわね……雪夫、大丈夫?」

「平気」

 

 これくらいならまだちょっとしたジェットコースターみたいなものだ。一度も乗ったことないけど、絶叫マシン……。こんな感じなのかな。

 

「そ、よかった。……ルート上にいた一夏には悪いけど、万が一を優先させてもらったわ」

「なにかあったの」

「ちょっとね、訓練機が墜落したの」

「墜落?」

「大したことないのよ、大したことは。ただ、ちょっと……うわあ……」

 

 そんなふうに話されると、地上でなにがあったのか気になってしまうもの。僕の知識欲と好奇心は姉さんでも止められない。そんなわけで……。

 少しでもいいから下を見ようと、軽く体をよじる。

 

「あ、ダメ!」

「むぎゅ……」

 

 すると、鈴が僕の頭を抱き込むような形に姿勢を変えた。なんという不覚……。物理的にとめられてしまった。

 

「雪夫は見ちゃダメ。……目が腐るわ」

「腐るの?」

 

 なにそれ怖い。鈴とか、他の人は見ちゃって大丈夫なの?

 

「腐るわね、確実に。どうしても見たいなら束さんのでも見ときなさい」

「……?」

「っとに、あいつどうなってんのよ。あーあ、心配して損した気分……」

 

 どゆこと?

 

「……ごめん、あたしがどうかしたわ。今のは忘れて」

「うん、忘れる」

「ごめん。いやほんと……ごめんなさい」

 

 鈴がどうして謝るのか意味がわからない。

 けれど、ここ数分で鈴の表情がどっと疲れたものに変わっているのはわかる。授業が終わったら、お昼休みに労ってあげないとな。

 

「凰、さっさと降りてこい」

 

 千冬さんに急かされ、鈴は渋々地上に降下した。

 

 

 

 

 

「ごほん……。というわけで、三人には模擬戦をやってもらう。──では、はじめ!」

 

 千冬さんの号令と共に飛翔した鈴たち。それを一組の副担さん──山田先生が追いかける。

 甲龍、ブルー・ティアーズ対ラファール・リヴァイヴ。生徒対教師のIS戦闘、その実演が始まった。

 

「手加減はしませんわ!」

「手を抜くんじゃないわよ!」

「い、行きます!」

 

 強気な二人に対して、控えめな調子の山田先生。

 僕は詳しく知らないのでなんとも言えないけれど、千冬さんが対戦相手に先生を紹介した時、列の中から少なくない驚きの声があがっていたから、普段は千冬さんのようなバリバリの武闘派って感じじゃないのかな。

 千冬さんが言うには、山田先生も元代表候補生だったのだそう。ちなみに鈴も代表候補生。なら先生も強いんだ、きっと。

 

「鈴、頑張れ」

 

 だからといって、鈴が負けるとは思わない。

 生徒組は自然と鈴が前衛、オルコットさんが後衛の手堅いフォーメーションを組み立てて、山田先生に先制攻撃を仕掛ける。

 鈴が一対の大型ブレードで目眩しを兼ねた攻撃を繰り出し、背後から狙うオルコットさんの射線を紙一重で通す。というか通している。山田先生には惜しいところで避けられてしまってるけど。

 

「さて、今の間に……そうだな。ちょうどいい。デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみせろ」

「あっ、はい」

 

 圧巻の空中戦を観戦しながら、僕もシャルルの話に耳を傾ける。リヴァイヴのことはあまりよくわかってないから、ちょうどいい機会だ。

 

「山田先生の使用されているISはデュノア社製『ラファール・リヴァイヴ』です。第二世代開発最後期の機体ですが、そのスペックは初期第三世代型にも劣らないもので、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴の機体です」

 

 衝撃砲を起点にして格闘戦へ持ち込もうとする鈴を、山田先生は手を替え品を替え突き放す。なるほど、道理で純粋な手数が鈴たちよりも多いんだな。スペックが高いと言うだけあって、逃げ足もそこそこ早い。

 

「現在配備されている量産型ISの中では最後発でありながら世界第三位のシェアを持ち、七ヵ国でライセンス生産、また十二ヵ国で制式採用されています。特筆すべきはその操縦の簡易性で、それによって操縦者を選ばないことと多様性役割切り替えも両立しています」

 

 言われてみれば、山田先生は相手との距離によってアサルトライフルやショットガン、盾に切り替えて応戦している。

 主に射程距離のない鈴から逃げつつ、接近戦に不慣れなオルコットさんを先に落とそうとしているように見えた。

 比較的低燃費な鈴にはまだ余裕がありそうだけど、オルコットさんのビット兵器は随分前に動かなくなっている。多分ガス欠かな。第三世代型の特殊兵器はどれも燃費が悪いんだ。

 

「豊富な選択肢、装備によって格闘・射撃・防御といった全てのタイプに切り替えが可能で、参加サードパーティーが多い事でも知られています」

「ああ、いったんそこまででいい。……見ろ」

 

 山田先生がオルコットさんを射撃で誘導、鈴にぶつけたところでグレネードランチャーを取り出し、二人に擲弾を撃ち込む。

 

「鈴……」

 

 予想外の衝突に目を見開く鈴。

 けれど即座に左腕を前に突き出し、擲弾を腕の小型衝撃砲で迎撃。

 二人の目と鼻の先で爆発が起こる。

 

 キュイィィィンッ──!!!

 

 一拍置き、突然煙の中から飛び出してきた鈴が山田先生に斬り掛かった。

 

「瞬時加速……!」

 

 一夏が呟いた通り、今のは正しくクラス対抗戦で一夏が披露した瞬時加速だった。鈴も使えるようになってたんだ。

 

「──!」

「でああああああ──ッ!!!」

 

 鈴の不意打ちは功を奏し、連結したブレードの刃が山田先生をしっかり捉える──も、

 

「……っち、あたしの負けか」

 

 寸前でぴたりと止まり、悔しそうに白旗をあげる鈴の後ろで、オルコットさんが地面に落ちた。

 先の爆発により、オルコットさんには撃墜判定が降りたらしい。

 まだ動けるんだから粘ってもよさそうなものなんだけど、それでも鈴が降参したので今回の実演は山田先生の勝利ということで終了。

 鈴がまとっていた、鬼神じみたオーラはどこかへ散った。

 

「……お見事でした。完敗です」

「は、はいっ、恐縮です……」

 

 山田先生に軽く頭を下げ、甲龍を解除して列に戻ってきた鈴を出迎える。

 こういう時は下手に話しかけることはしないで、黙って寄り添う方がいい。

 

「…………」

「……ありがと」

 

 僕の判断は間違っていなかったようで、ほどなくして鈴に笑顔が戻ってきた。

 こっちに寄せてきたのか、二の腕に鈴の頭が触れた。

 

「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」

 

 ぱんぱんと手を叩く千冬さん。

 

「専用機持ちは織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰、宮田だな。では六〜七人グループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな? では分かれろ」

 

 千冬さんが言葉を切るのと同時に一夏やシャルル、鈴と僕に向かって大きな人の流れが生まれる。

 二クラス分の人間が、僕らに押し寄せてきたのだ。

 

「織斑くん、一緒に頑張ろう!」

「デュノアくんの操縦技術を見たいなあ」

「凰さんも格好よかったよ、さすが代表候補生!」

「み、宮田くん、よろしくね!」

「ね、ね、私もいいよね? 同じグループにいれて!」

 

 なんだろう、女の子にここまで詰められたことがなかったからかな。キャピキャピした圧にちょっぴり困ってしまう。鈴も同じく、戸惑っているみたいだった。

 この状況を見かねたのか、それとも一夏のSOSを受信したのか、難しい顔をした千冬さんが重たいため息をつく。

 

「この馬鹿どもが……。出席番号順に一人ずつ各グループに入れ! 順番はさっき言った通り。次にもたつくようなら今日はISを背負ってグラウンドを百周させるからな!」

 

 おお、これが鬼のちーちゃん……。千冬さんの低い声を聞いて、女の子たちはさっさっと各々のグループに散って整列まで済ませてしまった。

 

「最初からそうしろ。馬鹿どもが」

 

 苦労が透けて見えるから、あんまりバカって人に言っちゃいけないんだよとまではさすがに言えない。

 そんな千冬さんの様子を伺いながら、各グループの女の子たちがひそひそとお喋りしているのが聞こえてくる。

 

「……やったぁ。織斑くんと同じ班っ。名字のおかげねっ……」

「……うー、セシリアかぁ……。さっきボロ負けしてたし。はぁ……」

「……デュノアくん! わからないことがあったら何でも聞いてね! ちなみに私はフリーだよ! ……」

「……凰さん、よろしくね。あとで専用機の話聞かせてよっ……」

「……宮田くんがこんなに近くにいるなんて……。わ、

私も話しかけてもらえたりするのかな? ……」

「…………」

 

 ふと、静かなグループがあることに気付いた。

 そこだけが冷ややかな空気と、重たい雰囲気に包まれている。グループの女の子たちの表情も暗い。まさに貧乏くじを引かされたとでも言いたげな顔。

 その中心にいるグループリーダー、千冬さんがボーデヴィッヒと呼んでいた子は、

 

「クロエ……」

 

 僕の娘ということになっている女の子に、どこか似ているような気がした。

 

「み、宮田くんどうかしたの?」

「……ん、なんでもない」

 

 誤魔化すように右手で目をこする。

 どこがと訊かれると返しに困るけれど、雰囲気がどことなく。よく見たら全然似てないし……。

 親バカと言われても構わないし、どうだっていいけれど。これだけは言わせてもらおう。クロエは可愛いのだ。

 親の贔屓目に見ても頑張り屋で、努力家で。僕を父さんと呼んで花のような笑顔を向けてくれる。ちょっぴり不器用なのもまたプラスに働いてるのでいい。

 

(……気のせいかな)

 

 他人の空似ということもある。なにせ、世界には同じ顔の人間が二・三人はいるという話なんだから。

 このことはもう忘れて、今は授業に集中しよう。

 

「ええと、いいですかー皆さん。これから訓練機を各グループ一体取りに来てください。数は『打鉄』と『リヴァイヴ』が三機ずつです。好きな方をグループで決めてくださいね。あ、早い者勝ちですよー」

 

 と、リヴァイヴを降りた山田先生が指示を出した。

 自分のグループにどれがいいか訊く前に、他のグループの様子が目に入ってくる。というか一夏のグループがね。

 箒、一夏の足を踵で踏むのはダメだよ。僕はオルコットさんも応援してるんだからね……。

 

(でも心配だな)

 

 一夏はなんとか歩み寄ろうとしてるみたいなんだけど、箒が意固地になってるのと他の子の押しが強いのもあってなかなか上手くいってないみたいだ。

 この様子から見るに、二人は昨日の内に仲直りできなかったんだろうな。

 

(世話の焼ける幼なじみたちだ……)

 

 と、そんな具合でよそのグループにも目を向けながら、僕は自分のグループのことも進行させていく。

 

「早い者勝ち。……どうしたい?」

「え、えと……どぅ、おうしようかな……」

「あ、あんたテンパりすぎよ……」

「……そっちこそ、震えてるじゃん」

「これは武者震い!」

 

 ええと、僕は打鉄とリヴァイヴのどっちがいいのか訊いてるんだけど……。

 なかなか話がまとまらず、結果的に出遅れた僕らは残された打鉄を使うことになった。

 

『各班長は訓練機の装着を手伝ってあげてください。全員にやってもらうので、設定でフィッティングとパーソナライズは切ってあります。とりあえず午前中は動かすところまでやってくださいね』

 

 山田先生の指示に従い、さっそく僕のグループも訓練機を動かすところからはじめることに。

 するとシャルルのグループから、

 

 スパーン──!

 

「痛いっ!」と悲鳴が聞こえてくる。変なことしてた女の子たちが、修羅と化した千冬さんに叩かれたらしい。

 わちゃわちゃしてるのを見て、似たようなことしてた一夏のグループの子たちもピシッと授業に集中しはじめた。

 

(っと、見てる場合じゃなくて……)

 

 いい加減始めとかないと、僕のグループだけ時間までに終わらないかもしれない。放課後居残りはしたくないし、てきぱきやっていこう。

 

「……最初は誰?」

 

 こういう時は番号順がいいんだろうけど、生憎この中の誰がどんな名前なのか僕は知らない。

 

「は、はい!」

 

 と、元気よく出てきた女の子を運んできた打鉄の前に連れていく。

 

「まず装着と起動。歩行も軽く、簡単な往復を」

「わ、わかった。やってみるね……」

 

 別にそこまで難しいことをこれからしようとしてるわけでもないのに、女の子は緊張した面持ちで頷いた。

 

「焦らなくていい。ゆっくり、着実に」

「はう……う、うん!」

 

 ISに乗ること自体は授業で何回かやっているはずなので、よほどのことがなければ装着と起動までは全員問題なくこなせるはず。

 

「で、できた!」

「よくできました。じゃあ次は少し歩いてみよう。さあ、いち、に……」

「い、いち、に……」

「……そう、その調子……」

 

 こんな具合で一人、二人、三人と次々済ませていく。

 

「……ね、ねえどうだった? ……」

「……す、すごい……。み、耳の奥が溶けちゃうかと思った……」

「……距離感がえっちすぎる。男女の壁を容易に越えてくるのズルい……」

「……お、降りる時に手を握ってもらっちゃった……」

 

 終わった子からひそひそ話をしてるけるど、今のところ千冬さんから私語を咎めるような視線は飛んできてない。

 

「次の人、準備してて」

「は、はい!」

 

 ……こんな感じで。僕のグループでは特に問題が発生することもなく、月曜日の午前は平和に過ぎていった。

 

「織斑くんの班、織斑くんにお姫様抱っこで訓練機に乗せてもらってる……いいなあ……」

「あっ、こらやめなよ」

「うちはうち、よそはよそ!」

「授業とはいえ、宮田くんと会話できるなんて滅多にないチャンスなんだよ。絶対に織斑くんのお姫様抱っこより貴重なんだから……」

「深窓の佳人の異名は伊達じゃないのよ!」

「……そもそもあそこの真似して、どうやって宮田くんにお姫様抱っこしてもらうつもりなのさ?」

「「「ああ……」」」







宮田グループの女子全員の脳裏に、ハードスケイルの簡易アームに四肢+頭を拘束された挙句、最後は穴だらけにされた例の一夏がエグいと評した無人機の姿がよぎったという……。

お姫様抱っこというよりは、処刑スタイル?
タイタンフォールだったらトドメ演出で見れそう。

そんな雪夫のテーマソングは霧時計。
本編はやってないけど曲は好き。

ちなみにハードスケイルのイメージは、クシャトリヤ(ガンダムUC)の象徴とも言える四枚羽根のバインダー。
Lady in Vortex(ACVD)のプレートでも可。
個人的にMODEL FANS Steel Legendの1/100シャトリヤのビジュアルが好き。
簡易アームもあんな感じで展開されるのだ。

鈴は一夏抜きの純粋な株が上昇中。

次はお待ちかねの弁当回。

作者は随時感想を募集中でございます。
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