これもいいけど、こっちじゃない!私は聖剣が欲しかった!あの光がドバァーって出るやつ!あの闇を切り裂いたり、騎士王が持ってたりするやつが欲しかったんだァァァ!!!   作:排他的

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溜まった怒り

「……先生が帰ってきた?随分早くないか?まだウルに行ったばっかりと聞いているよ?」

 

「えぇ。愛子さんが帰ってきました。ついでに護衛の皆さんも。仕事中ですが会いに行ってもいいですよ、清水という貴方のクラスメイトが死んだから、だそうです」

 

リリアーナから聖我は護衛中に愛子が帰ってきたことを聞いて驚いているともう一つ驚く情報が流れてきた。闇術師の清水が死んだというのだ。

 

「……本当に死んだのか?」

 

「はい。ブルタールに引き裂かれたらしく、真っ二つになった遺体を見つけたそうです。愛子さんが」

 

「……そうか」

 

「行かなくていいんですか?クラスメイトでは?」

 

「……私は転校初日で転移しているし、他の奴らに嫌われているし、清水と関わりはない。それに私の今の仕事はリリィの護衛……例えリリィが離れてもいいと言っても私は離れないよ」

 

その言葉に無言でリリアーナは俯き部屋に戻って書類をまた片付け始め、聖我は探査と結界を広げ直す。

 

「(……仕事が終わったら見に行くか……)」

 

清水が死んで悲しいという気持ちは聖我の中にはない。せいぜいあぁそうですかみたいな感じだ。冷たいかもしれないが聖我はクラスメイトに対してそんな気持ちしか向けていない。園部とその2人の友達や雫なら別だが、他のクラスメイトには基本的に冷たい。

 

聖我が冷たいのも何もかも、最初に聖我を嫌ったクラスメイトと教師が悪いのだが……

 

 

 

 

「清水くん……」

 

畑山愛子、教師になって初めて自分の教え子が死んでしまった。その事実が愛子に重く覆いかぶさった。そして帰ってみれば光輝、龍太郎、香織が重傷で、魔人族の襲撃があった後であると。そして魔人族の襲撃の被害が最小限に抑えれたのは聖我のおかげ、聖教教会と一部の貴族以外が笑っていた。

 

そう笑っていた。自分の大切な生徒が殺され、光輝たちが重傷を負っているのによかった。その言葉が愛子の心に突き刺さった。聞けば聖我が救援に到着したのは光輝達が重傷を負ったすぐあとらしい。

 

もっと早く来れなかったのか。そんな考えが愛子の中で回っていた。

 

「……清水が安置されているのはここか」

 

あまり聞きなれない声。顔を上げてみれば聖我が清水の前に立っていた。

 

「……」

 

清水の死体の前で聖我は座り込んで合掌していた。

 

「………………」

 

そのまま立ち上がって聖我は清水が安置されている部屋から出ようとする。その様子を見た愛子は走って聖我の腕を掴んだ。

 

「何か御用ですか?」

 

「……」

 

「何か御用ですか?畑山先生」

 

「……」

 

「何か御用ですか?畑山さん」

 

「……」

 

聖我の腕を掴んだまま黙りこくっている愛子の様子を見てため息を付きながら聖我は腕を振り払おうとする。

 

その動作に反応したのか愛子は両手で聖我の腕を握る。

 

「…………何の御用ですか?畑山さん」

 

「なんで」

 

「?」

 

「なんで天ノ河くん達を助けなかったんですか」

 

「……間に合わなかったからです」

 

聖我の場合殲滅している時に新しい姿になるのは時間の無駄でしかないのでスラッシュになれなかった。なので光輝を助けることは殲滅している間不可能だった。

 

「……それでもクラスメイトを助けることはクラスメイトとして当然でしょう!本当に間に合わなかったんですか!?本当は見捨てたんじゃないですか!?」

 

「……その根拠は?」

 

「クラスメイトに嫌われているから、相手にされないからという腹いせに天ノ河くん達を助けなかった、見捨てたんじゃ「黙れ」え……」

 

聖我の突然の黙れに愛子は困惑する。

 

「……クラスメイトを見捨てたか……貴女にとってはそういう認識なんですね」

 

「どういうことですか!」

 

「……私にとってあなたがたはクラスメイトでも仲間でも同郷の人間でもなんでもない」

 

「え……」

 

聖我はきっぱりと愛子にそう伝える。

 

「あなたがたは私にとって邪魔な存在でしかない」

 

「な、なんで……」

 

愛子は聖我の言葉に動揺する。全く予想だにしない言葉を聞いたからだ。

 

「前から私は貴女が嫌いだ、一方的にそちらの言い分を投げかけこちらの意見を真っ先に否定する、断片的にしか情報を聞かないでそれを知ったかぶりのように高圧的に言ってくる……」

 

「それは君のことを思って……」

 

「……仕舞いにはクラスメイト、……人が1人死んだだけで帰ってくる。職務怠慢だ……国から渡された仕事も満足にできないのかあんたは」

 

「クラスメイトが死んだことをそんな扱い……」

 

「あんたは戦争中にも同じことが言えるのか?戦友が死ぬ度に悔し涙を流して戦争中に葬式を開けるか?そんなことをしたら戦争に負けてしまうだろうさ」

 

聖我は愛子のことを貴女からあんたと言い始めていい返し始めた。どうやら前から溜めていたストレスが今解放されたらしい。

 

「……私は戦争なんかさせるつもりはありません!神刃くんはいいように使われているだけです!」

 

「……止められない時点であんたの力はその程度だ」

 

「う……」

 

「それに、私はいいように使われてない」

 

「え?」

 

「私はリリィのために剣を振るう。あんな人を殺すのを何も考えず戦争参加を決めて教会に本当にいいように使われているあの勇者(バカ)と一緒にするな」

 

「それでも人殺しは……」

 

「……私はリリィの騎士だ。貴様に口を出される覚えは全くない。もう二度と関わるな。いい加減目障りだ」

 

聖我はそうきっぱり愛子に伝えて清水が安置されている箱の前に花を添えてそのまま部屋から出た。

 

 

 

 

 

「見てたわ。随分きっぱり言うわね」

 

「雫か」

 

「あら名前で呼んでくれるようになってくれたのね」

 

聖我が部屋から出て少し経ってから雫が聖我の目の前に現れた。

 

「……幻滅したか?」

 

「ううん、貴方は正しいと思うわ、だから安心しなさい」

 

「……そうか、おやすみ」

 

「おやすみなさい」

 

聖我は雫の横を通り過ぎ、雫は聖我を見送ってから部屋に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

「……そうですか、そんなことが」

 

「どうされますかリリアーナ様」

 

「……」

 

リリアーナはハルナから聖我が愛子に向かって言い返した現場のことをハルナから聞いていた。

 

「リリアーナ様?」

 

「今度聖我と話しませんか?ハルナさんも一緒に」

 

「え?」

 

いきなりのリリアーナの言葉に驚くハルナ。

 

「一緒に聖我のストレスを無くしましょう?貴女が聖我のことを想っているのは知っていますよ?」

 

「……そうですね。その時はご一緒させていただきます」

 

聖我のストレスを無くすことを企むリリアーナとハルナだった。

 




清水くんが死にました。クラスメイトで死亡者第一号です。

清水くんが死ぬ事で原作が80パーセントくらい崩壊します。なぜなら清水くんが魔人族と接触してティオを洗脳することがウルの話の始まりだからです。

魔人族は戦争に駆り出されているので清水くんと接触することはありませんでした。なので運悪くブルタールに殺されたことになりました。

清水くんは魔人族と出会わなかったことでティオを洗脳することは出来ませんでした。なのでティオはウィルを襲わなくなり、ハジメはレガニドと豚貴族に絡まれてキャサリンの手紙を見せてはい終わりみたいな感じでしょう。依頼がないので金ランクにはなりません。

そしてミュウは救われなくなります。ミュウはティオを仲間にした後接触するキャラクターなのでそのままグリューエンに向かってしまうので会うことすらありません。エリセンにも向かわないのでレミアと会うこともないでしょう。……エリセンには向かいますがレミアと会うことがないでした。

オルクスも魔人族は勇者の無能さを見ているため勧誘することはないと思うのでオルクス襲撃もないでしょうし、あったとしても勇者はそこには居ないです。オルクスに神代魔法を取りに行くついでに永田達が殺されるかもしれません。

香織がハジメと再会していないのでリリアーナが助けを求めることも無く、恵理ちゃんが騒動を起こすことがあっても聖我が鎮圧するでしょう。

聖教教会に向かって神代魔法を取りに行くついでに香織たちに会うかもしれませんけどね。

こう考えると清水くんはキーキャラなんですよね。清水くんが死ぬ事で原作はこうも崩壊します。なので聖我とハジメが会うこともほぼなくなり、ハジメはヒロインがめちゃくちゃ少なくなり、原作にもほとんど関わらないと思います。

……こんな作品ですが、これからも読んでもらえると幸いです。

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