ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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この小説が終わったらバンドリのモニカかRASの小説書きたい。

あと10話か20話ぐらいで最終回にしたいけど終わりが見えない。プロット作っときゃよかった。


みいこと病院へ行こう(ヘルヘイムの森)

「旦那様!大変なの!」

 

 土曜の昼下がりのマイハウス。今日は元気なみいこがやってきた。本日はお日柄もよく、真秀も来ない落ち着いた日だ。そんな中やってきたみいこ。何やら緊急事態らしい。手には新聞紙を持っている。

 

「どうしたみいこ。アポロチョコの打ち上げならもう終わったぜ?」

「違うの!旦那様にこれを見て欲しいの!」

 

 みいこが渡してきた新聞紙。そこには大々的に『異性を強く惹き付けるフェロモンを出す新人類。研究結果から明らかに』と書いてあった。なるほど。要はヤリチンヤリマンフェロモンってことだな。最低じゃねーか。旧人類で良かったー。

 

「で、これがどうしたの」

「旦那様はこの新人類だと思うの!」

「俺が?」

「なの!」

 

 俺からヤリチンフェロモン出てるの?え、普通に嫌なんだけど。イノベイター系の新人類なら喜んで受け入れたのに。

 

「新人類なんていないよ。どうせそれも虚構新聞とかでしょ?」

「お父様の会社の研究部が見つけた列記とした事実なの。新聞もお父様の友達がやってる印刷所で発行したものなの。嘘じゃないの」

「俺が新人類である根拠は」

「旦那様はいっぱい女の子を惹き付けてるの。それが証拠で根拠なの」

 

 異性を引き付けてるって言っても、真秀とむにと麗と絵空としのぶとみいこだけだし……。多いっちゃ多いけど、フェロモン出てるならすれ違う女の子に告白されるぐらいはあるはずだ。俺のフェロモンが弱いのだろうか。どっちにしろ嬉しくはない。俺は真秀を幸せに出来ればそれで良いんだ。こんな事実認めないぞ。

 

「ないない。俺モテたことないし、バレンタインだって小学校の頃は真秀と少しの女の子からしか貰ったことないし。中学校だってむにと響子としのぶが増えただけだし。みいこの思い違いだよ」

「なら、病院で確かめてみるの。ちょうど検査できる病院を知ってるの」

「えー、俺忙しいんだけど」

「良いから行くの!」

 

 みいこに腕を引っ張られて、俺は玄関まで連れて来られてしまった。みいこも力が強いなぁ。その小さな身体のどこにパワーを隠してるんだ。そんなに俺を病院に連れて行きたいか。まあ、忙しいと言っても、今日はYouTube見て後は絵描いて終わる予定だったし、しょうがないから行ってあげよう。

 

 

 

 

 ──────

 

 

 

 

 病院到着。受付して呼ばれて検査した。

 

 

 

「あー出てますね。フェロモン出ちゃってます。良かったですね、新人類ですよ」

「みいこの言った通りなの!」

「まじかよ」

 

 そんな……俺からヤリチンフェロモンが出てたなんて……。もしかして絵空と真秀が病んだのって俺のフェロモンのせい?むに連れて引っ越そうかな……。

 

「先生、そのフェロモンってどれくらい出てます?」

「だいぶ出てますよ。ずっと女の子にモテモテで良いですね」

「これ以上女の子が増えるのはちょっと……」

 

 現況ですら制御できてないのに、これ以上女の子が増えたらほんとに制御不能になって拗れて俺が刺されて死んでしまう。どうにかしなければ。

 

「まほろ君、今まで来た人の中で1番強いフェロモン出てるよ」

「その……異性が俺のフェロモンを感じた場合の俺への感情ってどうなります?」

「まあ、本能を刺激するものだからねぇー。最悪恋的に病んじゃうかも」

「うわ……」

 

 先生から聞きたくない言葉が出てきた。やっぱり真秀が病んだのって俺のせいだったんだ。ごめんよ真秀。真秀のヤンデレ、正直真秀が勝手に拗らせたのかと思ってたけど俺のせいだったわ。これはあれだね、これ以上真秀が病まないためにも一人で田舎に引っ越そう。農業でもしながら、ゆったりまったり余生を過ごさなければ。

 

「あの……俺、できればあんま女の子を病ませたくないんです……ていうかこれ以上ヤンデレ少女が増えると困るんですが……。なんというか、フェロモンを抑える薬的な──」

「あー、ないね。なにせ最近分かったことだし、何より病気じゃないし」

「救いはないんですか……」

「あー、ないね」

 

 どぼちて……どぼちて……。俺はもう田舎に引っ越すしか手がないのか。家どうしよう……そういえば父さんが本家が千葉の田舎にあるって言ってたっけ。帰ろうかな本家に。俺は社長の息子らしいし、事業立ち上げ前金ぐらいは出して貰えるか?それで農業やろう。よし決めた。俺一人で生きてく。

 

「まあ、私から言えることは、なるべく思わせぶりな行動は控えて、大人しくぼっちでいることだね」

「ぼっちでいたいのは山々なんですが、俺のクラスの隣の席が半ヤンデレでして……。ぼっちでいるのは難しく」

「じゃあ、行動一つ一つで注意していこう。さすがにその子も脈なしだと分かれば身を引くだろう」

「引くかなぁ……」

 

 むにはその程度じゃ止まらない。ハザードは止まらないんだよ。

 

「先生、旦那様はその、新人類として研究所に連れて行かれたりはしないの?」

「あー、今のところないね。新人類、新種って言っても、自然界じゃ惹性フェロモンって珍しくないし。モルモットはいっぱいいる。だから大丈夫だよ」

「良かったの」

 

 なんか怖い話してる。もしかして俺、研究所で非道な実験ルートたどってたかもしれないの?うかつに病院来るもんじゃねえな。俺はネビュラガス実験とニュータイプ実験しか興味ないね。亜人の世界だったらプレス機で潰されてる。怖……。

 

「まあ、モテない男子の恨みを買わないように頑張ってね。はい、診察終わり」

「ありがとうございました。旦那様、会計に行くの」

「あー……これからが憂鬱だ……」

 

 まじでこれからどうしよう。響子と駆け落ちか、大人しくヤンデレたちを受け入れるか。響子に畑仕事はさせたくないな。なんだかんだむにもほっとけないし。でも一人でいた方が良いよなぁ。まあ、よーく考えれば一人で一生ユーチューバーしてれば良いのは明白なんだけど。孤独に生きる──人生設計はこれで良いか。最悪、千葉の本家で御曹司系ユーチューバーやれば良いし。まあ、実際やることは変わらなそうだけど。誰にも俺のフェロモンが届かない土地で、ひっそりこっそり活動させてもらおう。みいことの婚約も破棄して、俺は一生一人。真秀ごめん。俺、孤独に生きるよ。本当は真秀と結婚したい。けど、真秀には俺の新人類としての力に巻き込みたくない。真秀ならきっと分かってくれる…………わかってくれるだろうか…。

 

「はぁ……結局、皆の俺への好意ってフェロモンのせいだったのか。まあ、何もしてないのに勝手に好かれてる謎は解けたが」

「みいこは違うの!みいこはちゃんと旦那様と話して、旦那様が一番だって思ったから。やっぱり旦那様に相応しいのはみいこだったの」

「出会って三十分で即堕ちしたんだよなみいこって。一番俺のフェロモンに振りまわされてると思うぞ」

「違うの!みいこには旦那様との思い出があるの!みいこの想いは本物なの!」

「真秀ですら怪しいのに」

 

 会計を済ませ、俺達は病院を出た。ほんと、みいこが一番俺と出会って日が浅いのにこれだもん。真秀が病むのも当然だ。

 

「旦那様、これからどうするの?」

「今日はまだ帰りたくないなぁ。あぁでも、帰って荷造りしなきゃ」

「荷造り?」

「父さんに頼んで千葉の本家に引っ越すよ。田舎って言ってたし、一人でのんびり畑耕すんだ」

「みいこも一緒に行くの!夫婦のイチャラブスローライフなの!」

 

 着いてく気満々だね。ついてくついてくはライスシャワーで十分だよ。みいこは有栖川女子学院と自分のユニットがあるでしょ。着いてきちゃだめ。ほら、森へお帰り。君の居場所はここじゃない。みいことの時間、短かったけど楽しかったよ。あぁ、島買ってあつまれ動物の森するのもいいな。とりあえず、引越しは誰も人のいない所に行きたい。

 

「俺はこれから一人で生きなきゃいけない。みいこ、お前は人間達のなかで生きつづけろ。俺とみいこは、交わっちゃいけなかったんだ」

「みいこを人外にしないで欲しいの!それに、勝手にいなくなろうとしないで欲しいの。みいこは旦那様といたいの。みいこと別れるのは許さないの」

「え、あ、ごめん……そんなガチになるとは思わなかった。冗談だよ冗談。半分くらい本気だけど」

 

 ちょっとふざけたつもりだったんだが、みいこはよっぽど俺と別れたくないらしい。まあ、気に入った異性から離れるのってちょっと辛いよな。けど、俺はもう女の子といちゃいけないんだ。割と真面目に。田舎に行かないとにしてもせめて男子校に行くぐらいはしないと。

 

「みいこさ、前に理由を用意すれば婚約破棄してもいいって言ってなかった?十分な理由じゃない?」

「みいこが納得してないからダメなの」

「どういう理由なら納得してくれるの」

「みいこが旦那様を諦めたときか、みいこに何かあって旦那様と一緒にいられなくなった時なの」

 

 それはつまり無理ゲーということでは。暗殺者を雇ってみいこを殺るか、バイオテロで竹下家もろとも滅ぼすかしないと婚約破棄できないってことでしょ。俺にこだわりすぎでは。

 

「俺はただ、真秀を幸せにしたかっただけなのに。真秀も良い感じ……ちょっと行き過ぎだけど好意的な目で見てくれてると思ったけど、それも実質虚実だったし。どうしてこうなったのかなぁ。はぁ、泣きたい」

「みいこの胸で泣く?」

「遠慮しとく」

 

 できればおっぱいがあって、褐色で、家事力のある女の子に癒されたい。俺の理想の女の子を探す旅にでもでるか。なんか最終的に真秀にたどり着きそう。俺は真秀を好きで、真秀も俺を好きということにして付き合っちゃおうかな。真秀を騙してるようで気が進まない。やはり響子をとるべきか。いや、響子も俺に騙されてるんだよな。やっぱり孤独ルートか。ツラぽよ。

 

「はぁ、気がめいって腹が減った。ちょうど昼時だしマックでも行くか」

「旦那様、まっくってなに?」

「庶民ご用達のハンバーガー屋だ。味は保障する。行くか?」

「行くの!」

 

 お嬢様にぱんぴーの飯を食わせていいか疑問だが、これも社会勉強ってことで。レッツ、マクドナルド。

 

 

 

 

 

 

 

 ──────

 

 

 

 

 

 

「ハワイアンフィッシュバーガーセットとテリヤキバーガーセット一つずつください。会計はカードでお願いします」

「かしこまりましたー」

 

 マックに来て、注文して。ほんと、ここだけ見れば何気ない一日の一幕なんだけど、ついさっきあれがあったからなぁ。

 

「旦那様、学生なのにクレジットカード持ってるの?」

「まあ、収入があれば楽天の緩審査でカード作れるし。みいこも持ってそうだけどないの?」

「みいこはお小遣いなの。現金なの」

「お小遣い、良いよなぁ。俺も毎月小遣い日はわくわくしてたよ」

 

 5000円ぐらいもらってたっけ。今思うと、社長なんだからもっとくれても良かったんじゃないだろうか。おかげでだいぶ庶民的な感覚が身についてしまった。いや、父さんはそれが目的だったのか?一般で社会的な感覚を身に着けることで、将来の経営で顧客の気持ちを分かるようにと、そう言う事だろうか。なるほど奥深い。

 

「32番でお待ちのお客様ー」

「あ、呼ばれた」

 

 さすがマック。出来上がるのが早い。ポテト揚げたてって言ってたっけ。早く食べよう。

 俺はみいこを連れて、向かい合って座れる席に座った。みいこにはテリヤキバーガー。多分みいこは子供舌だから甘めな味付けのものがいいだろう。

 

「ハンバーガー、初めて食べるの!いただきますなの!」

「ああ、めしあがれ」

 

 みいこが一口かぶりつく。一口がちっちゃいな。そして、食べたみいこは目を輝かせていた。良かった。黒毛和牛に比べれば大分味に差があるから心配だったけど、気に入ったようだ。こうしてみればただの可愛い妹分なんだけど。俺が新種の人間じゃなければ、許婚として出会わなければ、きっと熱い友情で結ばれたマブダチになれただろうに。実際は許嫁なんていう大それた関係だもんなー。今は真秀しかその事を知らなくて真秀とみいこで勝負している段階だけど、これが絵空にばれたら、許嫁増えるんかなぁ……。はぁ……(クソデカため息)

 

「旦那様、食べないの?」

「ああ、食べる食べる。いただきます」

 

 今は食事中だ。フェロモンのことは忘れよう。

 

「おぉ、新発売とだけあって美味いな」

「ハワイアンフィッシュバーガー……お魚さんが入ってるの?」

「肉の代わりにな。ほれ、一口食ってみ」

「あーん……」

 

 みいこが向けてきた口にハンバーガーを当てる。相変わらず一口が小さいなぁ。可愛い。

 

「どうだ?美味いか?」

「美味しいの!」

「なら良かった」

 

 俺のあげたハンバーガーがそれほど美味しかったのか、みいこは嬉しそうに身体を揺らしていた。そんなに?美味しいとは言ったがそこまで喜ぶ程のものでは……。俺はもう一口食べてみたが、まあ、普通に美味いというだけで。庶民バーガーがみいこの普段使わない舌の細胞を刺激したのだろうか。高級料理って量少ないし味薄そうだもんね。

 

「旦那様と間接キスしちゃったの♪次は本物のキスをするの!」

「ああ、そういう……」

 

 味なんて関係なかったんやなって。ほんと、こんなところ真秀かピキピキの面子に見られたらまた裁判ものだよ。もっと俺に優しい女の子で周囲が満たされないかなぁ──そう言う点では、みいこはだいぶ俺に甘い。恋愛ごとを除いて。

 

「あれ、まほろ?」

「んえ……わ、響子だ」

「珍しい。妹さんと一緒?」

「あー……」

 

 響子、そういえばハンバーガー好きだったね。そうか、出会っちゃったか。ピキピキの、絵空の仲間が、俺の許嫁に。みいこ、上手くごまかしてくれよ。ああ……響子が俺の隣の席にプットオンしてしまった。

 

「はじめまして。私、山手響子。まほろと同じ学校の友達なんだ」

「ご機嫌麗しゅうなの。みいこは竹下みいこって言うの。まほろ君の婚約者なの!」

「ず、ずいぶん癖の強い妹さんだね……」

「だよなー……癖つよだよなー……」

「妹じゃないの!婚約者なの!旦那様もちゃんと説明して欲しいの!」

 

 まあ、みいこに誤魔化すなんて芸当できないか。最悪、響子にばれても秘密にしてって頼めば聞いてくれそうだし、そこまで身構える必要ないよな。ここに来たのが響子でよかった。しのぶも絵空もアウトだし、由香は絶対面白がってバラすし。

 

「響子は今日一人?」

「うん。散歩がてらお昼食べに。まほろは?」

「あぁー……病院帰り」

「病院?どこか悪いの?」

「なんかさ、俺が新種の人間らしくってさ。それの検査」

「新種の人間……?」

「旦那様は体から異性を強く惹き付けるフェロモンを出してるの」

「フェロモン……?」

 

 響子の顔にハテナが浮かんでる。分かるよ。俺も最初聞いたとき訳わかめでガセ情報か疑ったもん。

 

「旦那様は今、自分に近づく異性不信病にかかってるの。フェロモンのせいで女の子が近寄ってくるだけで、本当は自分の魅力じゃないって思ってる真っ最中なの」

「つまり、まほろに好きって言っても、そのフェロモンのせいにされて想いが伝わらないってこと?」

「なの」

「それはだいぶ問題だね……」

 

 問題か?ただの事実じゃん。俺はもう一生一人でいるって決めたんだ。あの時俺が好きだと言ってくれた少女Dも、バレンタインに一回だけ爪入りチョコ渡してきた名も知らぬ女子Eも、真秀の好意も、全部全部フェロモンのせい。俺の力だけど俺の魅力ではなかった。そこに間違いがあろうか。

 

「ねえ、まほろ」

「なんじゃい。響子もフィッシュバーガー一口食うか?」

「そうじゃなくて。私はさ、まほろのフェロモンとか関係なく、まほろのことが……その……良く思ってる……」

「もしかしたらフェロモンのせいかもしれんぞ」

「ち、違う……!私はまほろの事……ちゃんと心の底から……す、好きだよ……

「……まあ、響子はマブダチだ。信じよう」

「…………まほろには伝わらないか……」

 

 響子はマブダチだと胸を張って言えるようになった。なんで友達に好きって言うだけで顔を赤くするんだろう。まるで恋する乙女だ。

 

「旦那様!この女敵なの!」

「響子は俺らの味方だぞ。見ろ、このラブリー具合を」

「味方じゃないの!やっぱりみいこ以外の女は旦那様のフェロモンに酔わされてるの!どうせ響子ちゃんも旦那様とセックスすることが目的なの!」

「こら、そんな事言っちゃいけません。品のないこと言うとみいこのお父様にみいこが下品だから婚約解消してくれって言っちゃうぞ」

「それは困るの……」

 

 まったく、響子が敵だなんて。みいこも人を見る目はしっかり養わないと将来雇用で苦労するぞ。まったく。

 

「……ふーん。まほろの婚約者ってのは本当だったんだ」

「あ、いや……今のはただの言葉のあやで……。みいこは義理の妹。マイシスター。OK?」

「みいこは旦那様の婚約者なの。しかもただの婚約者じゃないの。みいこと旦那様は両親公認の仲、許嫁なの」

「……ふーん」

 

 おぉっと、雲行きが怪しくなった。みいこがめっちゃ威嚇してる。響子もカリスマモードでめっちゃマウント取ろうとしてる。えらいこっちゃ、戦争じゃ……。これも俺のフェロモンのせい?もうヤダお家帰る……お家帰っても真秀がいる……。どこか女の子がいない場所に行きたい……。

 

「響子お願い……この事はピキピキの皆……特に絵空には言わないで……」

「まあ、絵空にバレたら不利になるのは私だし。この事は内緒にしておくけど、これだけは聞かせて。まほろはみいこちゃんと結婚する気はあるの?」

「ない!俺は真秀と結婚するんだ!」

「そんな……旦那様酷いの……。昨日の夜はあんなに激しく愛を囁いてくれたのに……。みいこが1番だって言ってくれたのに……。みいこのお腹には、まだ旦那様の熱い赤ちゃんのお汁が残ってるの……」

「まほろ?」

「どうしてみいこはこういう時だけ機転が利くんだ……!」

 

 その機転を響子を誤魔化す時に使ってくれよ。みいことセックスした覚えなんてない。覚えなんて──

 

「みいこ、もしかして睡姦した?」

「旦那様の想像に任せるの♪」

 

 おいおいおい、やめろよその含み笑い。おしっこチビっちゃうだろバカ。もしかしてみいこ、そうやって今まで男を誘惑してきたの?今まで男側が100割悪いと思ってたけど、みいこが陥れてきたんじゃ。

 

「こんなこと言うのは旦那様にだけなの。変な勘違いはやめて欲しいの」

「だったら最初から嘘つかなければ良いのでは。まじでビビったからやめてくれ。みいこへの信用度が下がるところだったぞ」

「これで下がらないなんてやっぱり旦那様は優しいの。春奈ちゃんなら2時間お説教コースなの」

 

 春奈ちゃんって誰や。学院の友達?とりあえず今度有栖川女子学院に行ってその春奈ちゃんに全部チクってやるから覚悟しとけよ。いや、春奈ちゃんも女の子なら会わない方がいい?今度連絡先だけ聞いてみよう。

 もうね、みいこの嘘で誰も信じられなくなりましたわ。俺は響子しか信じない。マイラブリーエンジェル響子たそは裏切らないんだ。

 

「あ、響子で思い出した。月曜日のピキピキサポートは響子とのボーカルレッスンだったよな。スタジオ借りる?」

「屋上でいいよ。空見ながら歌いたい」

「おk」

 

 メモ帳に忘れないように書いとこ。

 

「まほろ、女性不信になった割には平気そうじゃん」

「響子は信じれるから。みいこは、まあ」

「むぅ……みいこだって旦那様を愛してるの」

「そういうことは10年一緒にいてから言おうね。あと包容力が足りない」

「さすが、褐色巨乳優幼なじみものが好きなだけあるね」

「きょ、響子……何故それを……」

「しのぶから聞いた」

 

 響子にまで俺の性癖がバレてしまった。優しく「ふふっ」って笑ってるけど、絶対軽蔑されたやん。ああ、友達レベルから近所の犬レベル程度には好感度が下がったかな。殺せ。俺にはもう生きてる価値はない。

 

「ね、ねえ、まほろ。カリスマ巨乳お姉さんものに興味ない?」

「まあ、バブみがあるならお姉さんも好きだが……」

「旦那様にはロリっ子お嬢様ものが1番なの」

「まるでみいこちゃんみたいだね」

「そっちこそ、まんま響子ちゃんなの。旦那様の性癖開発ならみいこの方が上手なの」

 

 何を張り合ってるの?性癖開発って何。俺調教されかけてる?みいこの方が俺の性癖開発上手って、みいこに開発された覚えなんてないけど。どういうこと。またみいこのはったりか?真秀としのぶ曰く、俺は真秀似の女優を選んで抜いてるらしいが、それをカリスマ巨乳お姉さんかロリっ子お嬢様にすり替えようって言うの?なんの為に?俺にもわかるように説明をプリーズ。

 

「みいこの方が精神年齢は大人なの。バブみだってあるの」

「口にテリヤキソースつけてる子にそんな事言われてもねぇ」

「あぁ、ほんとだ。ほら、みいこ、こっち向け。拭いてやるから」

「なの」

 

 俺はポテトについてきた紙ふきんでみいこの口を拭ってやる。ああ、ほんとに。何回も言うがこうしてれば普通に可愛いんだが。守ってあげたくもなるのに。それがどうして赤ちゃん汁だの性癖開発だのと口走りようか。

 

「まほろ」

「んあ?どうした響子」

「ん」

「?」

 

 響子が「ん」って言いながら口につけたBBQソースを見せて来る。なにこれ。舐めろってこと?響子にそんな下品なこと出来ないんだけど。ていうか響子も赤くなるならやんなきゃいいのに。

 

「はぁ……。まほろ、そういうところ直した方が良いよ」

「え、あ、さーせん」

「旦那様の扱いもみいこの方が上なの♪」

 

 響子にため息をつかれてしまった。結局響子は何がしたかったのだろうか。真相を探るため、我々はAmazonの奥地へ……

 

「そういえば宅配便が来る予定があった気がする」

「何頼んだの?」

「特注のDJコントローラー」

 

 デュエルディスクサイズの腕に付けれる小さいコントローラー買ったんだった。お届け予定日が午後だから、そろそろ帰らなければ。みいこも食べ終わったようだし、響子の散歩を邪魔しても悪いし、そろそろお暇しよう。

 

「みいこ、そろそろ帰ろう。荷物受け取りのことすっかり忘れてた」

「わかったの。響子ちゃん、またね。それと、旦那様は渡さないから

「またね、みいこちゃん。こっちだって負けないからね

 

 俺とみいこは店を後にした。なんか最後、響子とみいこが睨み合ってた気がするが、気のせい?さすがに別れ際にバチくそやるわけないか。俺の目もだいぶイかれて来たな。

 

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

 

 帰宅。途中みいこが家に帰るといい別れたので、みいことさよならしてからは1人だった。なんか、心が楽だ。今日は色々あったし。家に帰って休もう。

 

 

「あ、おかえりまほろ。荷物来てたよ」

「ああ、ありがとう。それとただいま」

 

 家に入ったら真秀が出迎えてくれた。ちょうど荷物を受け取ってくれたらしい。テーブルの上に荷物がある。しかしまあ、病院で色々あって、あんなことを言われた後なのでちょっとたじろいでしまう。言わなきゃね、あのこと。

 

「真秀、大事な話がある」

「なに。告白?それとも病院で言ってた新人類がどうとかいう話?」

「あー……新人類の方」

 

 やっぱりというか、盗聴で全部聞いてたらしい。話が早くて助かるが、俺のプライバシーがないね。まあ、そんな事は今はどうでもいいか。

 

「真秀も聞いていた通り、俺は新種の人間だ。特殊な遺伝子……というか物質を出してる。それのせいで、真秀の感情に大きな誤解を生ませてしまったかもしれない。真秀、真秀が感じてる俺への好意は──」

「ねえ、まほろ。まほろは私のこと好き?」

「え、あ……多分……好きだと思います……です……」

「じゃあさ、もし私がまほろと同じ存在だったとしたら、まほろの想いは特殊物質のせいの勘違いになるの?」

 

 真秀が俺と同じだったら……俺の真秀への愛はフェロモンによる偽の気持ちということに──

 

「…………多分、違うと思う。俺のこの気持ちは、真秀とずっと一緒にいて……芽生えたものだから……と思います」

 

 俺との思い出が偽物……例え話だと思うけど、なんか嫌だった。真秀との思い出を全部否定されたみたいだ。俺のこの想いは、誤解なんかじゃない。列記とした"本物"だ。

 

「私も同じだよ。まほろとずっと一緒にいて、積み上げて、積み重ねて、それで芽生えた気持ち。それが偽物だと思う?」

「……思わない」

「たとえ他が偽物でも、上っ面だけの好意でも。私とまほろの時間は、記憶は、思い出は、想いは、全部本物だよ」

 

 真秀の言う通りだ。俺と真秀の想いは本物。例え真秀が俺と同じだったとしても、俺が真秀を愛する気持ちは本物。俺たちは本物。

 なのに、俺は真秀の想いが勘違いだと勝手に決めつけて、真秀を傷つけなおかつ逃げようとした。俺は……なんてことを──

 

「あの……真秀……ごめん……。俺、酷いこと言った……」

「大丈夫。まほろ、おいで」

「うん……」

 

 真秀が俺を優しく抱きしめてくれる。温かい……真秀の温かさだ。背中をとん、とんと撫でてくれて、俺を安心させてくれる。

 

「まほろはただ、急に新人類とかフェロモンとか言われて困惑しただけだよね。まほろの事だから、私を巻き込みたくないとか言って引越しとか考えたと思うけど、私は大丈夫だから。ね?私を信じて。私はまほろを不幸にしない。きっと幸せにしてみせる。だから、私の傍にいて欲しい」

「わかった……。真秀の傍にいる……」

 

 

 

 

 あぁ……これ……ダメだ……。俺が真秀に依存させられる。それぐらい心地いい。

 

 

 

「よし。じゃあ、この話はおしまい。なんかおやつでも食べよっか」

「えと……マックの三角チョコパイ買ってきたからさ、一緒に食べよ?」

「うん!」

 

 真秀が俺に見せたとびっきりの笑顔。なんだろう。ドキドキする。今までにないくらいドキドキする。え、嘘。なんか真秀の顔見れないんだけど。何故。エラーが多発するぶっ壊れpcみたいに不自然な動きしか出来ない。誰か助けて。

 

 

「あ、そうだまほろ」

「な、なに?」

「これからもオカズは褐色巨乳優幼なじみモノにしてね」

「あ、うん」

 

 

 

 あれ、エラー直った。これも新人類の特性?わからん。

 

 

 

 

 

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