ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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ハッピーアラウンド!始まるよ!(境家で茶をすする音)

 15徹という人間の限界を超えた日の夕方、真秀がやってきた……ついでにりんくとむにと麗もやってきた。勢揃いだね。ハピアラの事なら真秀の家に行けば良いのでは。俺は徹夜明けで体力が底を尽きてるから手を貸す事はできないぞ。

 

「これが旦那様の婚約者達?」

「あー…………そうとも言う」

 

 みいこから湧き出るふつふつとした威嚇の心。分かりやすく俺の腕に抱き着いて、みいこは皆に俺との関係性をアピールしていた。落ち着いてみいこ、婚約者と言ってもむには勘違いだし、麗は俺と婚約を結んだって情報を広めてるだけだから。この中で結婚する可能性があるのは真秀だけだから。だからみいこも敵を増やさないで。ここを戦場にしないでくれ。頼むよアミーゴ。

 

「まほろさん、そちらの方は……」

「ああ、竹下みいこって言ってね、俺の義理の妹」

「ご機嫌うるわしゅうなの。みいこの名前は竹下みいこ。旦那様の許婚将来を誓い合った仲なの。以後お見知りおきを」

「ご丁寧に。私は渡月麗と申します。境まほろさんとは婚約し将来を誓って接吻をした仲です。よろしくお願いします」

「卑しい女なの」

「うふふ」

 

 これが淑女同士の挨拶かぁ……金玉がヒヤヒヤして上がっちまうぜ。

 

「ふーん……これがまほろの許婚ねぇ。随分貧相な体型してるじゃないの。あたしの方が良いわね」

「旦那様、このチビ誰なの」

「大鳴門むにと言ってな、前にも話しただろ?俺の絵かき友達だ。一生友達でいる約束をしてる」

「あら、語弊があるわよ?正しくは、一生を添い遂げる約束、でしょ?誓いのキスだってしたんだし」

「……旦那様、股掛けはいけないことなの」

「不可抗力なんだ……!」

 

 前もこのやり取りした気がする。ほんと、早くむにとの約束の誤解を解かなければ。

 

「まーくん、いいなずけって何?」

「ああ、親同士が決めた結婚相手の事。父さんと母さんは俺とみいこを結婚させたいらしい」

「……真秀ちゃんは?」

「安心しろ。俺は真秀以外と結婚する気はない」

「そんな……旦那様酷いの……。今日の昼はあんなにみいこへの愛をベッドの上で囁いてくれたのに……」

「……まーくん?」

「落ち着けりんく、みいこのハッタリだから」

 

 背後から麗とむにの殺気を感じる。りんくもそんな引かないでくれ。皆落ち着け。俺が真秀以外にエロい事すると思うのかい?しないだろう?それに俺にはロリの趣味はない。

 

「みいこ、嘘つきは泥棒の始まりなんだぞ」

「でも旦那様とベッドの上で寝たのは本当なの。事実も織り交ぜた嘘ならそれは嘘じゃないの」

「詐欺師の常套文句じゃんそれ。あと、ベッドで添い寝くらいならこの中じゃ経験なしはりんくだけだぞ」

「つまり旦那様は誰とでも寝る尻軽って事なの?」

「そういう事じゃなくて」

 

 やめてよ。俺がヤリチンみたいに聞こえるじゃないか。

 

「そういえばまほろさん、ここ三日学校をお休みなされてましたが、その間は何を?」

「まさか一日中みいこと寝てたなんて事はないわよね?」

「旦那様はずっとライブに使う曲を作ってたの。もう15日徹夜してるの」

「無理してるわね。あたしが癒してあげましょうか?」

「具体的に何をされるのでしょうか」

「セックスだけど」

「エッチは疲れるから遠慮しとく」

 

 こんな体力が尽きてる身体でエッチなんてしたら死んじゃう。股関節周りの骨が疲労骨折しそう。女の子に逆レで絞られて骨折とか情けないにも程がある。でも15日分の精力が溜まってるから明日抜きます。

 

「15徹なんてしたら集中力が続かなそうだけど、進展はあったの?」

「新曲が5曲も完成した。寝ないほうが効率良いことに気づいちゃったかもしれない。次は20徹する」

「そんなの絶対許さないの。徹夜で壊れた旦那様の世話がどれだけ大変だったか。だからダメ」

「壊れたまほろってどんな感じだったの?」

「人格が変わって、みいこを襲おうとしてきたの。みいこ、押し倒されたの」

「……次はあたしが徹夜したまほろの世話をするわ」

「却下なの」

 

 出来れば真秀にお世話されたいって言ったら、きっと皆が争い出すから俺は静寂を貫く。

 

「みいこさんは人格の変わったまほろさんをどうやって元に戻したんですか?」

「……内緒なの」

「スタンガン使って気絶させたんだよね。まほろが可哀想」

「そ、それしか手がなかったの!仕方なかったの!真秀ちゃんだってみいこと同じ状況になったらきっと同じ事するはずなの!」

「私には鍛えた拳があるから」

 

 2人とも怖……。みいこ、可愛い長巾着持ってたから何かと思ったら、スタンガンだったのかあれ。スタンガンを顎下に当てて電気を流すと人が気絶するって何かの漫画に載ってたな。それに対し、真秀は拳……。気絶するまでファミパンされるのだろうか。まだ道具に頼ってるみいこの方が非力さが伝わって来て可愛げがある。でもどっちも怖い。

 

「スタンガン持ってる危ない女の子をうちに置く訳にはいかないし。ほら、みいこちゃん。GOホーム」

「断固として拒否するの」

 

 真秀、すごい雑にみいこを帰そうとするじゃん。

 

「まあ、みいこちゃんの退場は決定として。まほろ、夕飯の買い物行こ」

「みいこは今日も旦那様の家に泊まるの」

「もう十分泊まったでしょ。はいはい、帰った帰った」

「旦那様助けてなの!性悪小姑にみいこ追い出されちゃうの!」

「こら!まほろにひっつくな!」

 

 みいこが抱きついて離れなくなってしまった。性悪小姑……俺とみいこが結婚したら本当に真秀はそのポジションになりそう。逆に真秀と結婚したらみいこが小うるさくなると。真秀と結婚すれば女の子絡みのいざこざは消えると思ってたが、割とそうでもないのか?

 

「まあ真秀、別に4日連続泊まるくらいいいじゃないか。俺の家だし。でもスタンガンは預からして貰うね。危ないし。護身用だろうけど、うちの中にいる間は安全だしさ」

「みいこ、ここにいる旦那様の婚約者モドキにとって邪魔な存在なの。もしかしたら殺されちゃうかもだからスタンガンは持ってたいの」

「私達にとってみいこちゃんは確かに邪魔だけど、みいこちゃんだって私達の事が邪魔だよね。そのスタンガンで殺されたら困るから預けてくれないかな」

「スタンガンじゃ人は死なないの」

「スタンガンの電流を増幅させればワンチャン行けるのでは」

「旦那様!どうして真秀ちゃんの味方をするの!」

 

 なんとなく気になった事を口に出しちゃったけど、真秀に肩入れしたことになったらしい。まあ、スタンガンの電流は微弱に調整されてるし、人は殺せないのは確かだと思うが。

 

「あたし達がみいこを殺すわけないじゃない。手を汚したらまほろと一緒にいられなくなるのは明白だし。まったく、お嬢様学院に通ってるからちょっとは話が分かるのかと思ったけど、見た目通りってわけね」

「旦那様、このチビは追い出した方が家のためなの。やっちゃえなの旦那様」

「そうやってすーぐまほろを頼って、自分でどうにかする頭はないの?所詮、執事に頼りっぱのお嬢様って事ね」

「……」

「みいこ落ち着け。そのスタンガンで何する気だ。おーい、みいこ?みいこってば」

 

 ハイライトが消えた目でみいこがスタンガンを構えている。むにに照準を定めて今にも殴りかかりそうだ。お願いだから心を鎮めて。

 俺は何とかみいこを説得し、その後やっと皆にお茶を出すことができた。

 

「まほろ、夕飯の買い物行こうよ」

「だな。でも、客がいるのに家主が家を空けるって失礼じゃないか?」

「だったらいっその事みいこちゃんに任せよう。帰る気ないらしいし。ずっとここにいたんだから家の事分かってるでしょ」

「……まあ、もうみいこはほとんどうちの人みたいなもんだしな」

「それってみいこが旦那様の家族同然って事?」

「そうなるのか?」

「つまり旦那様の嫁はみいこって事なの。旦那様公認なの」

「いやどちらかと言うと妹的な」

 

 みいこが妹になるって言われたら喜んで受け入れる。妹なら結婚できないから一緒にお風呂入ったり添い寝したりしても安心だ。媚薬も盛られないだろう。

 

「旦那様は素直じゃないの。正直にみいこを嫁にしたいって言えばいいの」

「俺の嫁になると真秀+αと殺し合いすることになるけどいいの?みいこパパはそんな事望んでないんじゃない?」

「好きな男のためならライバルは蹴落とすものってメイドさんが言ってたの。旦那様のためなら、みいこはライバルとバトロワだってするの」

「真秀は空手やってたから勝てないと思うぞ」

 

 武力で行くならむにとかはどうにかなるとして、真秀が厄介だ。仮に真秀を攻略したとしても、機動隊なんかを使った絵空が待ってるかもしれない。俺の周りの女の子、皆武力を持ってる。怖い。

 俺は真秀と結婚する予定だからみいこと結婚することはないとして、無事に真秀と結婚出来るだろうか。ニセコイの楽みたいなやつが俺と真秀の結婚を邪魔したりとかなんかそういうイベントが起こりそう。

 

「確実に真秀と結婚する方法ないかなぁ」

「私がここにいる全員を殺せばとりあえずライバルは減るから、まほろが私と結婚できる確率が上がるよ」

「あ、いや、今のは違う。言葉のあや。つい口に出しちゃっただけだから気にしないで。真秀も臨戦態勢取らないで」

「まほろはあたしと結婚するんでしょ?浮気は許さないわよ」

「まほろさんは私と婚約してるんです。少なくともまほろさんのお相手は真秀さんじゃありません」

「旦那様と結婚するのは許嫁であるこのみいこなの」

 

 まずい。皆殺る気だ。俺が失言したばっかりに。違うんだ聞いてくれ。真秀の事考えてたらつい口からポロッと。くっ……前はこんな事なかったのに。やっぱり俺が真秀を意識し始めてる証拠か。

 

 とりあえず逃げよ。

 

「夕飯の買い物行ってきます!真秀、行こ!」

「え、あ……うん」

 

 真秀の手を引いて、財布とエコバッグを持って家を出た。出来れば帰る頃には皆落ち着いてて欲しい。俺と真秀がいなければ皆落ち着くはずだ。クールダウン。

 

 

 

 

 

 ──────

 

 

 

 

 

 近所のスーパーにやってきた。

 家の客人が多いし、夕飯にするとしたら作りやすく量もあるカレーとか焼きそばとか、あとシチューとか。むにがレトルトカレーをよく食べてるから、カレーは除外した方がいいかな。

 

「真秀、夕飯どうする?」

「うーん、肉じゃがとかでいっかなー。お肉安いし」

「麗とみいこもいるしやっぱ肉は高いやつがいいのかな」

「麗もみいこちゃんも意外と庶民舌だから普通ので大丈夫だと思うよ」

 

 そういえばみいこはジャンクフードを美味しい美味しいって食べてたっけ。麗もインスタント系好きだったな。金持ちに不健康なもの食わせると意外にハマるらしい。俺は高い食材の方が美味しいと思うけど、普段からいいもの食ってる人達には奇抜な物の方が舌にウケるのかな。

 

「みいこに加えてハピアラの皆……みいこは泊まるって言ってたけど、まさか皆も泊まる気じゃないよね?そういえば皆大荷物だった気が」

「皆泊まるよ。まほろがここ最近私達に肩入れしなくなったからその説得でもする気なんじゃない」

「いやだから、あれは真秀が成長期だからで」

「私はね。でも皆は成長期じゃないし、何かあった時のためにまほろがいた方が良いし。皆頼りたいんだよ」

「皆も成長期だと思うけどなー」

 

 なんか体良く利用されてるだけな気がしなくもないが、皆そんな事は考えてないだろう。打算的に動く人達だったら俺はとっくに縁切ってる。

 

「今までピンチになったらまほろが助けてくれて、それで乗り切って来た私達だからさ、やっぱりまほろがいないと不安だなって」

「でも、むにが初ライブの時にどっか行った時とかは皆だけで解決したじゃん。それに俺はただ手伝ってたわけじゃないし。皆に教えながら俺流の技術を伝授して来た。俺は所詮スタートダッシュアイテムだからさ、中盤以降は使えないんだ。だからどっちみち俺の居場所はなくなってた」

「そんな事ない。まほろがいるだけで皆やる気になる。まほろの居場所がなくなるなんて事は絶対にないよ」

「俺がいるとみんな喧嘩するからなぁ……」

 

 俺は一匹狼が1番自分の中で馴染んでるし、フォトンメイデンはヤバくなってから呼んでくれだし。正直俺がやりたいことをやるためにサポーター系は断ったんだ。

 まあ、俺がサンセットステージに出られれば、その枠を真秀達に渡してハッピーエンドだったんだけど。

 

「まほろは人気者だからね。で、いつになったらまほろは私を彼女にしてくれるの?」

「うーん……最長であと1年ぐらい?」

「私、陽葉祭でまほろとデートしたいんだけど」

「そんな短期間で惚れた理由を見つけるなんて……」

「別に、私と付き合ってから惚れた理由を探すで良いと思うけどな」

「何か大きなイベントがあって、それで真秀を好きって理解してから付き合いたいんだ。こればっかりは譲れない」

 

 漫画のような恋がしたいというか、それぐらいの事がないと俺が真秀に告るのは無理というか。ほら、俺ヘタレだし。それに俺は主人公だから劇的な恋をしなきゃいけないんだ(言い訳)。

 

「大きなイベント……絵空さんにレイプされるとか?」

「否定したいけどマジでありそうなイベントだから困る」

「絵空さんはまほろのフェロモンに酔わされちゃってるから」

「ほんとに引っ越したい……平穏な生活が欲しい……」

 

 俺の事がタイプというだけではあんな風にはならなかっただろう。俺さえいなくなれば絵空の目は覚めるはずなんだ。

 

「最近思うようになったんだけどさ、私とまほろが一緒にどこかへ引っ越せばそれで解決するんじゃないかなって」

「いなくなるのは俺だけで十分だ。真秀は皆といてやってくれ」

「私の気持ち知っててそれ言ってる?」

「え、あー……めんご」

 

 正直俺も真秀を連れて行きたい。10何年も一緒にいた真秀を置いていくとか正直良心に響く。

 

「まあでも、結局逃げたところで絵空とかが追って来るから意味ないんだよ。俺が誰かと付き合うまで……なんなら付き合った後も争いは耐えないかもしれない。誰かに殺されるのが1番のハッピーエンドなのかも」

「それは遠回しに私に守って欲しいって言ってる?」

「何をどう解釈したらそうなるんだ」

 

 ボディーガード的な意味でか?殺されるのは怖くないから別にいらないんだけど。

 真秀の拳は確かに強いが、それだけじゃちょっと。絵空の機動隊には勝てないと思う。もしかしてみいことか麗も機動隊や特殊部隊を使って来るのだろうか。やっぱ俺、死んだ方がいいんじゃ。

 

「まほろは昔っから男子達にいじめられてたから守りがいがあったよ」

「真秀がいなかったら俺生きてなかったかもだし。感謝しかない。本当は立場逆なんだろうけど」

 

 ほんと情けない男やで。だからみんなにヘタレって言われるんだ。衣舞紀先輩も母性を発揮しちゃうんだ。

 

「はぁ……真秀と一緒にいられればそれで良かったのに。なんでこうなったんだか」

「まほろが皆に愛想を振りまいたからでしょ。早く縁切りしなよ。間引いて厳選して、まほろが過ごしやすい環境を作らなきゃ」

「そんな非道な事できない……」

 

 レジで会計をしながら、俺は皆と縁を切った時の事を考えた。皆の怒った顔、悲しそうな顔、病んだ顔。どれも見るのが怖くて俺に縁切りは無理だなって思った。衣舞紀先輩や乙和先輩ですら別れるのは辛いと思ってるのに。

 

 そうして俺たちはスーパーを出て、家に帰って、皆で夕飯を食べた。その後、麗からハピアラ専属マネージャー契約書を渡され、1時間かけてそれを断った。りんくも麗もむにも残念そうな顔してたな。わかってくれ。皆をサンセットステージに立たせるためなんだ。

 こんな重い空気は心臓に悪い。どうにかしなければ。

 

「旦那様!一緒にお風呂入るの!」

 

 みいこのその一言で、誰が俺と風呂に入るか戦争が始まった。さっきまでの空気は吹き飛んで。みいこに気を使わせてしまったようだ。いやもうちょっと違う気の使わせ方をして欲しかったが。まあ、ありがとう。

 

 この後こっそり1人で風呂に入り、皆で遊んだり雑談したりしながら時間を潰して0時に寝た。寝る時に誰が俺と一緒に寝るか大戦が起こったよ。もうヤダこの人たち。

 

 結局俺は真秀と寝た。




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