ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常 作:コントラポストは全てを解決する
ごめん皆。実は俺さ、福島ノアって名前聞く度にウルトラマンノアの顔思い浮かべてた。ノアなんて名前そうそういないからドナルドはつい考えちゃうんだ。多分ノア先輩の両親はノアの箱船のようにピンチの時に皆を乗せて助けられる人になって欲しいとかそんな感じでノアってつけたんだろうけど、俺の中じゃもう何回絆がネクサスしたか覚えてない。
「ノア先輩にこれあげます」
「……何これ」
「ウルトラレプリカのエボルトラスターです。まあ、お守りみたいなものなので貰ってください」
「うるとられぷりか……えぼるとらすたー……?よくわかんないけど、貰っておくわ。ありがとう」
ノア先輩ごめんなさい。嬉しそうな顔してるけど、女性デュナミストはザギの復活エネルギーになって出番は終わりなんだ。好きな男に絆を繋いでネクサスして欲しい。
「境まほろ、お守りからなんか音が鳴り出したんだけど」
「神に変身する音です。拝聴しましょう」
ノア先輩が変身キャップを外してしまった。キャップは無くしやすいから気をつけて欲しい。
「で、ノア先輩。俺はなぜ呼ばれたのでしょうか」
「人生相談、のってくれない?」
「進路なら先生の方がいいのでは」
「聞きなさい。境まほろにも関係あることだから」
ということは、フォトンメイデン関係だろうか。もっと新しい雰囲気が欲しいとかそういうあれ?それとも曲を作れとか言われるのだろうか。
「むにちゃんが、懐いてくれないのよねぇ……」
「それは……ほら、照れ隠しとか」
「近づいただけで怯えるし、最近は遠くから目が合っただけで逃げられるし。加虐は趣味じゃないんだけど」
「まずは友達から始めるのがいいのかもしれませんね」
ノア先輩が遠い目をしている。確かに最近はノア先輩がむにに近づこうとしているのをよく見かけた。むにもノア先輩の話題が出るとゲンナリするくらいには手を焼いてるっぽいし。けど、ノア先輩に狙われ始めてから自分が獲物になる感覚を学んだせいか、むにが俺を狙う時の態度が気持ち控えめになった気がする。
「やっぱりガツガツ行き過ぎたのかしら。でも、攻めないと愛は伝わらないし。はぁ……むにちゃ〜ん……」
「そのうち心開いてくれますって」
ノア先輩はだいぶむににお熱だ。この調子で一生むにの面倒を見てくれないだろうか。そしたら俺も安心なんだけど。むにはクラスの友達が俺しかいないし、クラス外でもハピアラの皆しかいない。ぜひノア先輩にはむにの心を射止めてネクサスして貰いたい。
むにとノア先輩の進展方法を考える──考えようと思ったのだが、校内放送で『1年D組の境まほろ君。至急学園長室までお越しください』と呼ばれてしまった。俺とノア先輩は屋上を後にする。
「境まほろ、なにかしたの?」
「心当たりがμmもない」
一体何をしでかしてしまったのだろう。進路調査でYouTuberって書いたのは別に問題なかったし、女の子絡みのいざこざだって今は何とか抑えている。思い当たる節はミジンコほどもない。男子たちに10股してるって噂流されてるけど教師達は真に受けてないし。一体、俺は何をしでかしてしまったんだ。
そして俺達は学園長室に辿り着いた。学園長って何してんだろ。学園の経営方針は理事長が決めてるし。暇してんのかな。不労所得?
「「失礼します」」
「やあ、いらっしゃい。ごめんね。昼休みなのに呼び出して」
「いえいえ」
学園長室にお邪魔させて貰った。今更だがなんでノア先輩はついて来たんだろう。俺のことなんてどうでもいいと思うんだけど。
「さっそく本題からね。境君、陽葉祭のサンセットステージ出てみない?」
「サンセットステージ。ですがあれは4人以上からでは?」
「さすがに本戦にはね?でも、エキシビジョンというか、オリエンテーションというか。そういう特例で出してあげられないかと理事長から提案があった。境君も頑張ってるようだし」
「ああ、前座ですか」
「ちょっ、言い方……」
なるほど。特例。場をいい感じに盛り上げて、本戦をもっと暴れられるグゥレイトなライブ会場にしろと。それって外部からユニット呼んだ方がいいのでは……いや、金がかかるからダメか。前座とはいえサンセットステージに出れるならそれに越したことは無いし。乗った。
「引き受けましょう。とりあえず本戦参加者の雰囲気を削がないぐらいのいい感じの曲作っときます。1曲でいいですか?」
「話が早くて助かるよ。曲は1曲で頼む。みんなと同じだ」
「承知しました」
言ったはいいものの、参加者の雰囲気を削がない曲かぁ。ポップでいいんだろうけど、念の為ロックと演歌も作っとこ。まほろ君人気過ぎてやることがいっぱい。腕が足りない。スティッチになりたい。男子からまた不正したって言われそう。この学校から男は滅ぼすべきなのでは。
「話は以上だよ。境君、頑張ってね」
「かしこま。失礼しゃす」
学園長室を退散。いやー、やること増えちった。
「良かったじゃない。サンセットステージ出れて」
「本戦に繋ぐために下手なことはできないですけどね。BPM150ぐらいのポップな曲流します。本気出しちゃったら会場の皆が疲れちゃうんで」
「そう。まあ、いきなりハードな曲流されてもね」
デリヘル呼んだら君が来た系作って会場凍りつかせたろかなとか一瞬考えたけど、俺と似たような境遇の後輩が入って来た時にサンセットステージへ立つ可能性を潰しちゃうかもしれないから即刻ボツにした。後釜育成は大事。
「教室戻って曲作るかぁ。ノア先輩もこっち来ます?教室にむにいますよ」
「よし。今日こそ親睦を深めましょう」
ノア先輩はやる気に満ち溢れていた。今日こそはむにと友達の証を結べるといいのだけど。なんならそのまま一生そばに居る契りを交わして欲しい。そうすればむにも寂しくなくなると思うんだ。ノア先輩からフォトンメイデンの皆に仲間の輪が広がっていって、フォトンメイデンからまだ見ぬ友人に輪が広がっていって。そのうちむににも運命のお相手が現れるのかなぁ。御祝儀はいくらがいいかしら。
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「む〜に〜ちゃ〜ん!」
「げっ!?ノア先輩!?」
ノア先輩のむに愛がビシビシ伝わってくる。俺から見てもむには可愛い。可愛いもの好きのノア先輩が気に入るのも当然というか。初対面の時から相性ピッタリだったし。ノア先輩に褒めちぎられればむにの自己肯定感も上がるだろう。むには崇め奉られるの好きだし。さてと、俺はサンセットステージ用の曲を作るかね。
「離して〜!!!」
「むにちゃんのお肌はすべすべだね〜嗚呼〜健康になる〜!」
「まほろ、助けて!」
「好かれてるんだから良いと思ったんだけど」
「限度があるでしょ!限度が!!!」
昼休みはまだ半分あるし、10数分仲良くできるね。ハピアラとフォトンの親睦、きっとこれからに繋がるだろう。百合百合しいのは健康にいいからもっとイチャイチャしてくれ。ありがとうノアむに。むに様も超人ノアの唯一無二になるんやで。
「だいたいなんでいつもまほろと一緒にノア先輩がついて来るのよ!あんたたち付き合ってんの!?」
「ノア先輩はむに目当てで来てくれてるんだぞ?御足労いただいたんだから接待して。ほら、営業スマイルはむにの十八番だろ?」
「営業スマイル言うな!」
自分が優位に立った場合の煽りと営業スマイルはむにの得意分野じゃないか。接待はOLになってからも使えるし、煽りはレスバで使えるから今のうちに鍛えておいて損はないだろう。むには就職試験と2chを切り抜けられるのか。
「ノア先輩は友達になりたがってるんだ。俺もむにに友達が増えるのは嬉しい。だからほら、もっと打ち解けて。むにだって友達欲しがってたじゃないか」
「あたしにだって選ぶ権利くらいあるでしょ!こんな変態と友達になるなんて嫌!!!」
「むにちゃん酷いな〜。私はちょーっとむにちゃんを好きな気持ちが強いだけの乙女なのに。ちゅ〜」
「ひっ……!?や、やめて!キスはまほろ以外とはしたくないの!」
ノア先輩の顔を嫌がる猫みたいに突っぱねるむに。別にほっぺぐらいだったらキスさせても良いと思うんだけど。俺なんて色んな女の子から唇キスされてるし。俺はクズ男じゃない。
「むにちゃん、ほら、ほっぺならいいでしょ?それともおでこ派?」
「あんたさては可愛いもの好きの皮被ったレズね!?」
「安心して。むにちゃん限定だから」
「何も安心できない!!!」
ノア先輩、咲姫にもたまにそういう目線送るよな。さてはヤリマン……でもむにを娶ってもらうことを俺は諦めない。
むにさん、マウスtoマウスは今は避けられてるけど、いつ馴れ初めするか。いざその時が来ると考えると心がぴょんぴょんしちゃうね。
「でもさ、むにのファーストキスはもうあげたんだし、ノア先輩と相思相愛だしキスしてあげたら?」
「相思相愛じゃない!それに……自分からするキスは確かにまほろにあげたけど……まだ相手からしてもらうファーストキスは残ってるし……。だからまほろ以外の人にキスされる訳にはいかないの!」
「むにちゃん……なんて一途な子……」
うーん……前にも思ったけど、ここまで好かれてるのなにかのバグでは?むにがそこまで俺にこだわる理由が分からない。むにみたいな美少女に好かれるのは嬉しいけど、理由の分からない好意は怖いというか。
「境まほろがむにちゃんにキスしてるところは確かに見たい。きっととんでもなく可愛い顔をむにちゃんはするんでしょ?ぜひ同席を」
「あたしはムードのないところでキスされるなんて嫌」
むにが……ムードを気にした……?ファーストキスは真秀に当てつけのようにするというムードもへったくれもないやり方をしたむにが、ムードを。やはりノア先輩を通じてむには精神的成長を遂げていると。
「そうか……むにもここまで成長したか……これが親心……!」
「親じゃなくて恋人になって欲しいんですけど」
「ノア先輩……むにのことお願いします……。引っ込み思案でちょっと臆病なところもありますが良い子なんです……」
「話し聞きなさいよ!?」
「ふふっ、任せない。むにちゃんは私が幸せにしてみせるから。じゃあまずは誓いのキスを……唇はダメらしいからおでこに」
「ひっ……!?」
「そんな怖がらないで。冗談だから」
「顔がガチだったわよ……」
むにの全力拒否顔、新鮮だなぁ。むにと張り合える人って珍しいし、ていうかノア先輩はむにを制御できるし。貴重な人材というか、ノア先輩にしか任せられないというか。りんくとノア先輩がいればむには安泰だろう。ノア先輩の心も潤って一石二鳥。この人と出会えて良かった。神様に感謝。
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むにの成長、ノア先輩との進展、期待で胸が膨らんじゃう。ノア先輩ガチレズ疑惑が強くなったけど悪い人じゃないし。むにのことを本気で任せたい。
むにのノア先輩に対する反応を見てると、むにと出会った頃を思い出す。素直じゃなくて、意地っ張りで。俺への対応もキツかった。なんか色々罵倒をされた気がしたけど忘れた。そんなむにが今じゃあれだもんなぁ……。
「ただいまーっと──なんか、やかんが沸騰してる音がする……?」
帰宅したら台所からやかんが煙吹く音がした。誰か麦茶でも沸かしてたのだろうか。
俺は音がなる台所の方へ。そしたら──
「……真秀、何してるの?」
「うぅ……まほろ……助けて……」
「え、どしたん?顔赤いぞ?熱……はないみたいだけど」
台所の床に倒れ込んだ真秀がいた。風邪ではない。ということはなにか別の病気?悪いものでも食べたとか……食中毒?腐ったものでも食べたのか?えっ……怖い怖い。真秀の異常事態は心臓にクるからやめて。
「真秀、何があったんだ?」
「その……」
「ゆっくりでいいぞ。言いたくないなら言わなくていいし」
「まほろは多分幻滅すると思うけどさ……えと……」
真秀を抱き起こしながら、どこか息の荒い真秀の話しを聞く。別に幻滅したりなんかしない。体調不良のどこに幻滅する要素があるのか。
「まほろに盛ろうとした媚薬……間違えて飲んじゃった……」
「……………………は?」
よく見たら調理台の上にこの間ネットニュースで見た世界一強力な媚薬の空き瓶が転がっていた。真秀、急にIQ低いことするじゃん……。エロ同人かよ……。
とりあえず真秀は俺の部屋のベッドで寝かせることにした。