ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常 作:コントラポストは全てを解決する
「ま〜ほ〜ろ〜ちゃ〜ん♪セックスしーましょ♪」
「出たな緑の悪魔!トラップカードオープン!マイラブリーエンジェル響子!助けて響子!」
「……ごめん。今はまほろの味方にはなれない」
「嘘でしょ……」
俺の中のバスト70が膝から崩れ落ちる。どうしてだ響子。一緒に添い寝をした仲じゃないか。どうして俺から目を逸らす。絶望した顔をしないで。俺も今絶望でファントムが出てきそうだけど。
これだからピキピキの招集号令は無視したかったんだ。今は音響室にピキ4人と俺しかいないから、絵空は周囲の目を気にせず俺を襲えるわけで。由香が面白そうな顔して入口を陣取ってるから逃げることもできないし。スマホはしのぶに没収されたし。
「うわ、お前また褐色巨乳幼なじみモノ買ったのか。で、このちょくちょく入ってるロリっ子お嬢様モノは何なんだ?ロリに目覚めたのか?」
「俺の義理の妹が勝手に入れてくるんだ。有栖川に通っててさ、お嬢様なの」
「……ああ、あいつか」
「まほろちゃんに妹がいるなんて知らなかったわ。今度挨拶しに行こうかしら」
「やめとけ。あいつは重度のブラコンだから出会ったら殺られるぞ」
「うちのSPをなめて貰っては困るわね〜」
竹下家機動隊と清水家機動隊が戦う日は近いのかもしれない。名家吸収を賭けた全面戦争とかなら良かったんだけど、実際は1人の男を巡ってって理由だからな。俺へ向けて賠償金請求されそう。
「あの、俺はいつ解放されるのでしょうか。早く帰らないと真秀に怒られてしまうのですが」
「まほろちゃんが私とシてくれるなら解放してあげても良いけど、どうせまほろちゃんはシてくれないのでしょう?」
「当たり前だ。俺は真秀が好きだからな」
「ふふっ、良い目をしてるわね。支配したくなるわぁ……」
絵空の眼圧なんかに屈服しないぞ。真秀以外とはヤらないと心に決めたのだから。いや、最初から真秀以外とする気はなかったけどさ。本当に真秀ックスして決心固めることになるとは思わなんだ。
「絵空はあれか?やっぱ寝盗ってでも俺をモノにしようとするのか?」
「既成事実さえ手に入れれば真秀ちゃんと同じでしょう?そういうことだから頑張ってね、まほろちゃん♪」
「俺が絵空を愛していないって点で決定的に真秀と違うぞ。俺は真秀を愛してる」
「しょうがないわねぇ……うちの会社で作らせた催眠アプリでも使ってみようかしら」
「エロ同人かよ。てか立場逆だろ」
お父さんの会社の技術開発部を私用で使って催眠アプリを作る。そこまでして手に入るのが俺だぞ?やめとけって。YouTuberやってるDJ男なんて確実に地雷じゃん。
「絵空は俺がタイプだって言ってたじゃん?じゃあさ、A組の相馬とかどう?声は割かし男って感じだけど、俺と結構似てるしあっちの方が顔いいぞ?」
「相馬君ねぇ……なーんか普通の人って感じがして魅力感じないのよね〜。今まで会って来た私のタイプの人の中で、まほろちゃんが1番魅力を感じるの。だから誰にも渡したくない」
「俺さ、身体から女性を惹きつけるフェロモンが出てるんだけど、それに惑わされてるだけだったりしない?」
「フェロモン……?まほろちゃん、もしかして最近発見された新人類っていうあれ?」
「そうそう。それそれ」
絵空は騙されてるだけなんだって。それが分かればきっと少しは俺への好意が薄れてくれるはずだ。
「そう……余計まほろちゃんが欲しくなっちゃったわね♪ふふっ、新人類とのセックスは最高に気持ちいいって言うし、楽しみだわぁ」
「しのぶ助けて!悪魔に襲われる!」
「おいおいまほろ。今のアタシが絵空側だってこと忘れてないか?ここで絵空に混ざってまほろとヤった方がアタシのためだろ。もう後先考えてる余裕ないし」
「信じてたのに……しのぶはなんだかんだ俺を助けてくれるって好感度上がってたのに……どうして……」
「もうなりふり構ってられないんでな」
しのぶも悪魔だったか。ピンクの悪魔とかもっと嫌だ。悪魔が2匹、マイラブリーエンジェルは部屋の隅で体育座りして落ち込んでる。かわよ。やっぱり俺、ピキピキの中じゃ響子が1番好きだ。由香は絶対助けてくれない。このヤシの木黄色もなんだかんだ悪魔。
「まほろが明石真秀とヤらなければまだ安全だったものを。お前の自業自得だぞ。反省してアタシ達に襲われろ」
「しょうがないじゃんか。真秀が媚薬飲んじゃったんだから。少なくとも俺は加害者ではない」
「でも、明石真秀が好きなんだろ?」
「ああ、俺は真秀が好き。やっと心が理解したんだ」
「だからダメなんだよ」
何がダメなんだよ。絵空もしのぶもがっつき過ぎだ。俺はお淑やかな響子や咲姫みたいな人の方が……いや、真秀を好きってことは意外と積極的な人が好きなのか?……待て、真秀も昔はお淑やかだった。だから俺はお淑やか好き。L.E.D.照明完了。
「しのぶ、ヤるのはいいがスマホは返して欲しい。ちょっと親に連絡したい用事があるんだ」
「しょうがないな。ほらよ」
しのぶからスマホを返して貰い、俺は部屋の入口を陣取る由香の方に向かった。
「まほろ、どうしたの?しのぶと絵空にここは絶対に通すなって言われてるからどけないよ?」
「由香にこれあげる」
「なにこれ」
「とあるつてから手に入れた最新製のプロテイン。タンパク質の吸収率が従来の5倍。6ヶ月分あげる」
「…………しょうがないなぁ。今回だけだよ?」
由香への賄賂が成功した。渡月製プロテインが筋トレ以外で役に立った。よっしゃ逃げよ。
──────
はぁ。やっとあの地獄から逃げきれた。しばらくピキピキの招集号令は無視しよう。もうピキピキのサポーターでもなんでもないんだし。
そういえば今日はむにと話さなかったなぁ。真秀から全部聞いてるはずだから絶対突っかかって来ると思ったんだけど。
「まほろ」
「おん?ああ、むにか。ちょうど今むにの事考えてて──」
むにに声をかけられ、振り向いたらキスされた。5秒しっかりキスされ、むには恥ずかしそうな素振りを見せることなく俺をジっと見つめる。
「むに、どうした?機嫌悪い?」
「まほろ、あたしと付き合って」
どこに付き合えば……なんて誤魔化すことを許さない目。おっと、ガチで俺を奪いに来てますねこれは。仕方ない。俺も本気モードで対話するとしよう。下駄箱でずっとたむろってて良いのか分からないが、今は大事な青春シーンだからお許しを。むにが本気なんだ。
「ずっと考えてた。まほろが真秀に盗られて、まほろを諦めるべきか」
「諦めること出来た?」
「できるわけないじゃない」
「だよなー……」
俺も真秀が誰かと付き合うってなったら受け入れられるかどうか。頑固オヤジになる自信がある。むにも同じで、大切な人を奪われたくないだけ。気持ちわかるよ。
「ごめん。俺、真秀が好き」
「あたしが認めるとでも?」
「むにとは友達でいたいんだ。お願い」
「友達じゃ嫌。あたしはもっと上の関係になりたい」
引き下がらないむに。俺も引き下がれない。ここでむにの告白を受けたら真秀だけでなくむにも裏切ることになる。なぁなぁで付き合うのはダメ。いつか絶対破局するから。
「わかってくれ。俺はむにをそういう目では見れないんだ」
「なんでよ。あたしに興味があったからあの時話しかけて来たんでしょ?」
「興味の種類が違うじゃん」
「情けで声かけたってこと?」
「そうじゃなくて」
話が飛躍し過ぎというか。俺もむにも陰キャじゃん。かけられる情けなんて持ってるわけない。俺はあの時、むにと友達になりたくて声をかけたんだ。ただその一心しかなかった。絵を描いてて、趣味も話しも合いそうで、きっと良い友達になれるって思った。
「……やっぱり、あたしのことが嫌い?出会った頃ずっとまほろに悪態ついてたから嫌だった……?一緒にいたくないって言ったの今も気にしてる?」
「そんなこと言われたっけ?記憶にない」
あのころは絵描き友達ができたのが嬉しくて、あまりむにの話しを聞いてなかった気がする。使いやすいペンとかツールとか、好きな食べ物とか、むにの笑った顔とかなら思い出せるんだけど。俺の頭、完全に都合の悪いことを頭から消してる。
「じゃあ、やっぱりあたしの魅力不足……?あたしみたいな陰キャじゃ嫌……?」
「むにも俺も陰キャなのは認める。でも、むにはキラキラしだしたじゃんか。それに、むにはずっと魅力たっぷりな女の子だよ。自信持って」
ハピアラになる前からむにには輝く素質はあったんだ。小学校の頃学芸会でお姫様やったって言ってたし。世界がやっとむにに追いついた。
「まほろはあたしが嫌いじゃない?」
「嫌いじゃないよ」
「じゃあ……付き合ってよ……」
「ごめんな」
むにに謝ることしかできない。むには泣きそうだし、空気が最悪。でも、ここで逃げたらもっと最悪な未来が来る。
「一生一緒にいるって言ったくせに……言ってくれたのに……」
それは友達として……って言いたいけど、余計むにを傷つけるだけだよなぁ。今のむにには言えない。こういう雰囲気は苦手なんだけど……。どう言ったものか。あまり良い言い換えができない。一生友達でいようって今言い直す?さすがに今じゃない。
「ごめん……って言うことしかできない」
「一生一緒ににいるって言うのは嘘?」
「そこは本当だ。ただ、その……むにもわかるだろ?」
いい感じに俺の意図を汲み取って欲しい。いや、こんな辛そうな顔したむにに理解しろって言うのは酷なことなんだけど。
むにと真秀、一緒に付き合えたら良かったんだが、そんなことは国外の民族とかじゃないとできないし。どう話したものか。
「わかんないわよ……まほろの言いたいことなんか……。いっつも言葉が足りなくて……相手を誤解させて……。中2の時だって、思わせぶりな態度であたしと絵を描くのが好きって言って来て……期待してたあたしがバカみたいじゃない……」
そんな思わせぶりな態度をしていたのか。自然に接してたつもりなんだけど。
「期待させてごめん。むにに辛い思いさせたな。俺のことは嫌いになっていい。殴っても、なんなら殺されても文句は言わないから」
「そんなことできるわけないじゃない!!!まほろを殺すなんて……嫌いになるなんて……」
「優しいな」
むには優しいんだ。可愛いんだ。健気なんだ。本気を出せば引く手数多なのに、なんで俺なんかに好意を持っちゃったんだか。こんなむにを見捨てるなんて俺はしたくない。でも、自分の気持ちに嘘をつきたくない。正直な心で向き合えばきっとむにもわかってくれると思うんだ。
「俺のことはゆっくり受け入れて行けばいいさ。りんくだってノア先輩だっている。愚痴吐いてスッキリして、またいつもの俺たちに戻ろう?」
「やだ……諦めたくない……。まほろを閉じ込めてでもあたしのものにする……」
「むにはそれで幸せか?強引に手に入れた荒い幸せで満足か?」
「……」
むにの頭を一撫でして、心を落ち着かせられるように努める。もう半分泣いてるし。ハンカチで涙を拭いながら話しを進めてるけど、いつ大泣きしてしまうか。今日はむにの家で1晩語り合おう。
「ほら、むに。そろそろ帰ろう。送ってくし、泊まって行くからさ。いっぱい話そう。むにの気持ちも愚痴も全部話して気分晴らそう」
「まほろが付き合ってくれるまで、あたし諦めないから……」
「それでいいよ。無理やり気持ちに蓋をするのは良くない」
むにと恋人繋ぎで手を繋いで、一緒に帰宅した。むには家の中でずっと俺に引っ付いていたし、風呂も一緒、寝る時も一緒。しょっちゅうキスされた。キスはいつもより長かった。
真の面白小説には評価1もいっぱい来るって聞いて私も己の未熟さを知った。