ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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【急募】清水家に招待された時の対処方

 家の前にクソ長いリムジンが居座ってる。助けて。怖くて家から出られない。なんかピンポン連打してるし。借金の取り立て?リムジンで?なんだ、頭の中がパニックで何して良いか分からない。落ち着け、まだあわわわわ

 

「あれ、絵空ちゃん家の車なの」

「待って、今絵空って言った?」

 

 知り合いだったんかお前ら。

 

「旦那様と絵空ちゃん、知り合いだったの?」

「同じ学校の友達。ちなみに俺の髪の毛とか皮膚とか血を欲しがる」

「好きな子に危害を加えるタイプのヤンデレなの」

 

 みいこならどうにかできる?助けて。ぶっちゃけ絵空の使用人が間近にまで迫って来てるのも怖いけど、近所迷惑の苦情も怖い。仲良くしてるご近隣さんに迷惑だからやめて。

 

「もし俺が出たらどうなると思う?」

「100パー拉致られるの」

「頼める?」

「任せるの」

 

 みいこに出て貰った。俺は玄関が見える部屋の隅に隠れて様子を伺う。もしこれでみいこが帰って来なかったらどうしよう。みいこを犠牲に自分を守った最低なやつじゃん俺。でも俺が出て帰って来なかったらみいこを1人にしてしまうし……。俺に何かあったらみいこが生きていけないけど、みいこがいなくなってもみいこパパに合わせる顔的な意味で俺が生きていけない。なにこの選択肢。どっち選んでも詰むじゃん。二度とやらんわこんなクソゲー。

 心配事が積もり積もりながらソワソワしていると、みいこが帰って来た。時間にして3分。手には紙切れを持っている。

 

「みいこ、どうだった?」

「旦那様を出さないとこの家を買収するって脅して来たの。10億の小切手貰ったけどいる?」

「いらない」

「旦那様、どうするの?」

「俺を出さないとパピーとマミーの愛の巣が買収されるし、北の国に行く気で出てみるよ。俺が帰って来なかったら真秀の家に行くんだぞ?いいな?」

「みいこも一緒に行くの!みいこの話しなら絵空ちゃんも聞いてくれるかもしれないし」

 

 

 仕方ないから家を出た。うわ、グラサン黒服が5人いるメン・イン・ブラック戦隊じゃん。襲いかかってくる気配はないけど、リムジンのドアを開けて早よ乗れって急かして来る。なんか、警戒してたほど恐ろしい人達じゃなさそう。いやでも家を買収するって言って来たし……。

 絵空は何を考えてこんな刺客を送って来たんだ。これでクリスマスパーティーのお誘いだったら笑うぞ。小切手破り捨てて涙拭ってお前を殺すって言ってやる。

 

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

 

「まほろちゃんいらっしゃ〜い♪あら、みいこちゃんじゃない。どうしたの?」

 

 絵空の家に着いたら絵空ルームに案内された。特にクリスマスパーティーの招待とかではなさそうだった。いやまだ11月。

 

「絵空、手短に頼む。夕飯の買い物がまだなんだ」

「そんなのうちで食べてけばいいじゃない♪ほらほら座って。今日はまほろちゃんに大事な話しがあって招いたの。そういうわけだから、みいこちゃんはティールームに案内するわね」

「みいこも旦那様といるの」

「…………旦那様?」

 

 おっと、嫌な気配。

 

「……みいこちゃん、一応聞くけどまほろちゃんとどういう関係?」

「婚約者……許嫁なの」

「元許嫁だ。今はなんの関係もない」

「……そう、良かったわ〜。危うくみいこちゃんを亡きものに──」

「一時的に婚約破棄になっただけですぐ復活するの」

「みいこやめろって。俺と婚約関係があるなんて言ったら消されるぞ。そんなに俺を未亡人にしたいか」

「まほろ君とはただの友達なの」

「あなた達、ギャグやってるの?」

 

 絵空の前で将来俺と結婚する約束がある(両親公認)なんて言ってみろ。死ぬぞ。

 

「で、俺が呼ばれた訳とは」

「うーん、今のまほろちゃんには新鮮味がないかもだけど、私、まほろちゃんと許嫁関係になれないかってお父様に相談してるの」

 

 おっと、嫌な気配。

 

「それは大層な話で。でも俺は真秀との婚約関係があるのでちょっと」

「えー、でも、真秀ちゃんは最近新しい男を作ってるようだし、まほろちゃんの思いも無駄になるんじゃない?それだったら私とね?」

「旦那様は渡さないの!いくら絵空ちゃんでもそれはダメ!」

「あら、みいこちゃんはもうなんの繋がりもないんでしょう?あんまり出しゃばると火傷するわよ?ふふっ♪」

 

 絵空、みいこを消す気でいらっしゃる。そういう顔をしてる。やっぱこんなところ来ない方が良かったかも。素直に家売って千葉の本家に引っ越せば良かった。元々今の家って別荘だし。よく考えればあの家、愛の巣なんかじゃなかったな。いや、俺と真秀からすればあそこが愛の巣なんだけど。愛の巣って言うより、メスゴブリンの第2の家って言った方が良い気がする。真秀の性欲ってほんとゴブリン並なんだよな。

 

「絵空と話しててもどうせ婚約するまで帰して貰えないだろうし、絵空パパと話させて。俺の意思伝えて帰るから」

「ふふっ、私がそんな事許すとでも?まほろちゃんの意思を折って、承諾して貰って、それからお父様に合わせるのよ」

「そういうこったろうと思ったよ。俺は折れないからな。真秀と幸せになるって決めたんだ。あとみいこは開放しろ」

「まほろちゃんが婚約了承してくれるなら開放してあげてもいいけど」

 

 なんでや、みいこは関係ないじゃん。可哀想だから出してあげてよ。こんなモンスターがいる清水ワールドなんていたくないだろうし。出してあげてよ絵空さん。

 

「絵空ちゃん、旦那様はみいこの旦那様なの。もしかしたら真秀ちゃんのものになっちゃうかもだけど、少なくとも絵空ちゃんはアウトオブ眼中なの」

「好きな人って言うのはね、自分の魅力で振り向かせるものなのよ」

「だったらちゃんと魅力で勝負するの。絵空ちゃんのやってる事は脅しだよ。それに、旦那様から絵空ちゃんは血とかを欲しがるって聞いたから渡せないの。旦那様が欲しかったらまずその害悪ヤンデレ気質を直せなの」

「まほろちゃんはこういう事をしてやっと手に入る存在なの。みいこちゃんだって知ってるでしょ?まほろちゃんがどれだけ女の子に必要とされてるか」

 

 みいこの話も聞いてくれない。本気で俺と婚約する気なんだな。でも、俺は絵空を好きじゃない。そのことをちゃんと絵空に伝えた事ってなかったような気がする。今日は厳しく行こう。

 

「絵空、俺は絵空が恋愛的に好きかと言うとあんまりそうじゃないんだ。絵空もわかってるだろ?」

「だからこうやってまほろちゃんを招いたのよ。まほろちゃんを惚れさせる、まではいかないにしても、少し進んだ関係に」

「正直、今の絵空は嫌いだ。そんな絵空となんかと婚約したくない。大人しくみいこと幸せになる」

「あらあら、そんな事言っちゃっていいのかしら。ここは私のホームグラウンド。指先1つで貴方を閉じ込める事ができるし、みいこちゃんだって好きなようにできるのよ?」

 

 確かにここは絵空の領域だが多分病んでるのは絵空だけだろうし、絵空のお父さんは愛娘がこんな事してるなんて思ってないだろう。というより絵空の精神状態すら知らないはずだ。使用人だって好きで絵空に従ってる訳じゃないと思う。

 

「絵空は優しい女の子だからそんな事はしない」

「ふふっ、私ね、まほろちゃんを好きになってわかった事があるの。優しさだけじゃ愛する人は手に入らないって。必要なのは力だった」

「俺を諦めて新しい人を探せ。そうすれば優しさだけで人を愛する事が……いや、違う。愛は優しさと厳しさだ。支配や恐喝、服従じゃない。少なくとも、愛は温かいものなんだ。絵空からはそれを感じない」

「まほろちゃんは私の愛が見えてないだけ。真秀ちゃんを諦めれば、本当の、こんなに大きな愛が貴方を待ってる」

「みいこの方が俺を愛してくれてるってわかるよ。絵空は論外」

 

 絵空、出会った頃はもっと聞き分けのいい子だったんだけど。何かあったらブラックカードで解決しようとするのは今と変わらないが。昔の絵空を取り戻したい。優しい絵空カムバック。

 

「俺は絵空を愛さない。俺と絵空は友達。それでこの話はお終い。仮に絵空と婚約関係になっても俺は真秀と結婚する」

「まほろちゃん、今日は随分と我が強いじゃない。いつもはあんなに弱々しいくせに」

「今日は覚悟キマッてるから。真秀とゴールインするため、他を払い除けてでも未来を掴むって決めた。あとみいこの安全のため」

 

 早くみいこを開放してあげて欲しい。俺は絵空とバトって帰るから先に帰らせてご飯食べさせないと。

 

「みいこは旦那様と一緒に帰るの。だから早く絵空ちゃんは旦那様を諦めて」

「お腹空いてないか?」

「別に空腹なんてどうとでもなるの」

「貴方達、監禁されてる自覚ある?」

 

 監禁。どうせ3日ぐらい経ったら麗の家の機動隊とかが乗り込んで来るだろうし。なんなら真秀にSOS信号も出せるし。あんまり不安になることなかったなって。それにいざとなったらみいこを担いでドア蹴破るし。それぐらいの筋力が最近ついた。

 

「絵空とは付き合いません。俺が結婚する相手は真秀です。あんまり無茶な事言うと絵空パッパにチクるぞ。俺が引っ越したろか。おらおら」

「そこまで否定しなくてもいいじゃない。私がどれだけ真面目に事を進めて来たか」

「真面目だけど雑なんだよ絵空は。もっと漢心をくすぐるアピールをして欲しい。絵空は恋愛ウブすぎ。次の恋で反省点にしてくれ。じゃ、俺たち帰るから」

 

 みいこを脇に担いでドアを蹴破った。良かった、鍵かかってない。使用人には話は破局の方向でまとまったって言って後は全力ダッシュ。タワマン1フロアだから豪邸に比べりゃ部屋内部がわかりやすい。玄関までの道のりも覚えてる。さっさと退散しよう。こんなところ二度と来たくない。命がいくつあっても足りないん。

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 無事清水家から脱出を果たした。やっと夕飯の買い物に行ける。

 

「旦那様は真秀ちゃんとみいこ、どっちが大事?」

「恋愛的には真秀、妹的にはみいこ」

「家族的には?」

「どっちも」

 

 みいこも真秀も家族としてはだいぶ馴染んじゃったし。どっちかなんて選べないよ。

 

「旦那様はみいこを選んだ方が絶対幸せになれると思うの。それに、真秀ちゃんにはもう新しい男がいるの」

「まだ確定事項じゃないから。俺は最後まで諦めない」

 

 真秀に他の男が出来たら俺も新しい人探さなきゃなー。俺に真秀以外を愛す事ってできるんだろうか。俺には分からない。

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