ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常 作:コントラポストは全てを解決する
「すぅ……よし、今日こそ真秀に会いに行くぞ」
「旦那様!みいこの学校がサービスオープン日だから一緒に行くの!」
「いや、今日は真秀ん家に神風特攻するって決めてて」
「旦那様の作ったお弁当が食べたいの!持っていくの!」
「話聞いて?」
俺と会話を成立させてくれ。有栖川女子学園のサービスオープン日とか知らん。俺は真秀に会いたいんだ。半月。半月真秀と会ってないんだぞ。好きな女と一緒にいられない俺の苦しみをわかってくれ。いや、真秀との壁になって欲しいって頼んだのは俺だけどさ。そろそろ規制緩和してもいい頃合いでな?
「俺は覚悟を決めた。真秀と向き合う覚悟ができたんだ。行かせてくれ」
「行かせたらみいこは余り物になるの。絶対行かせない」
「いや、振られて来るだけだから」
「1%でも正寿する確率がある限り、みいこは旦那様と真秀ちゃんの壁になるの。行くなら真秀ちゃんが彼氏作ってからにするの」
真秀に彼氏ができてからか。結局振られるならそれで良いんだろうけど、ほら、ワンチャンあるかもしれないじゃん。ワンチャンあるかもだからみいこは壁になってるんだけど。
明石家に行きたいのに、みいこを避けて通ろうとすると俺の動きに合わせて道を塞いでくる。右に行けば右に、左に行けば左に。物理的に俺の壁になるみいこ。
「真秀のところに行かせてくれ」
「嫌」
「このままじゃ愛しの旦那様の熱烈激熱魂土下座を見るはめになるぞ」
「旦那様の土下座は解釈一致なの」
つまり俺は簡単に土下座する男だと思われてると。
「この世界には土下座してる旦那様を踏んずけたい人が一定数いるの」
「例えば」
「わたしとか」
「みいこのドSは解釈違いです」
お前は純粋無垢にちょうちょ追いかけてれば良いんだよ。お願いだから余計な属性はつけないで。俺は水晶のように輝いてたあの頃のみいこが1番好き。
「そんなことより早く学校見学に行くの!」
「1人で行ってらっしゃい。俺は真秀と会ってくるから」
「しょうがないの。旦那様とみいこの事後風ツーショット写真をむにちゃん達にばら撒くの」
「ちょっと待って。話をしよう」
いつ撮ったその写真。見せて貰ったけどほんとに事後みたいな写真だった。裸添い寝から使用済みゴムの演出までしっかりしてる。記憶にないんだけど。合成?
「みいこと一緒に学園見学行ってくれる?」
「わかったわかった。行くよ。なんだっけ、弁当が食べたいんだっけ?」
「手作り弁当がいいの」
「サンドイッチで良いか?」
「なの!」
しょうがない。昨日のトンカツの余りサンドとベジタボーサンドを作ろう。まったく、最近のみいこはわがままなんだから。居候開始1週間はめっちゃいい子に暮らしてたのに。まあ、こうやってわがまま言われるのもなんだかんだ新鮮で良いけど。弁当作るかぁ。
────────
お嬢様学園なんてお兄さん緊張しちゃうわ。上流階級の娘達のお言葉遣いなんて分からない。ごきげんようとおしっこのお花摘みとうんこの薔薇裂きしか知らん。
「お嬢様を罵倒する時って『そなたの母上一般人』でいいの?」
「罵倒する必要あるの?」
「いや、なんか庶民見た瞬間見下すじゃんお嬢様って」
「うちの学校にそんな品性の欠けた人はいないの。それに旦那様だって金持ちの息子なの。少なくとも庶民ではないの」
みいこはそう言うけど、俺の感覚はバキバキ庶民だし。もしかしたら溢れ出るパンピーオーラをバカにしてくるかもしれないじゃん。ジャブは使えないから口撃するしかない。むにに鍛えられたレスバ力見せてやる。
「安心して。旦那様をバカにする人はみいこがやっつけてあげるの」
「スタンガンはやめような」
「武器を携え儚くも可憐に戦う乙女なの」
「豪傑と豪快で戦場を跋扈するソルジャーの間違いでは」
みいこに儚さとか可憐さを感じたことがないんだけど。学校だと清楚キャラなのか?
「なんか、みいこを女の子として扱ってない言い方なの。せっかく旦那様と真秀ちゃんの緩衝材になってあげてるのに。もっと敬って」
「緩衝材というよりただの防護シャッターなんだよみいこは。もっと上手く立ち回って」
「具体的には」
「学校の三者面談みたいに俺の隣で補足説明を入れてくれればそれで良い。真秀と真剣に話がしたいだけなんだ」
「みいこは旦那様のお母さんじゃないの」
まあ、三者面談で嫁を連れて行くのもおかしな話だが。もっとこう、柔軟な対応を求める。
「冷たいこと言わずにさ。主人公の手助けは好感度アップの絶対条件だぞ」
「エロゲはヒロインを攻略するものなの。好感度を稼ぐのは旦那様の方なの」
「みいこの好感度上げてもなぁ。もうカンストしてそうだし」
「まだ70%なの」
70%でこれかぁ……。100%行ったらどうなるんだ。ヤンデレになる未来が見える見える。ワンチャン第2のむにになる可能性が。むにはなんかもう娘って感じがするんだよなぁ。ほっとけないっていうか、ほっとくとヤンデレより怖い拗らせ発動するから。
「俺はメインヒロインの好感度が稼げりゃそれで良いんだ」
「CGコンプしないなんてエロゲーマーの恥なの」
「エロゲーは18歳になってからだぞ」
「年齢偽ってエロゲー購入は常套手段だよ旦那様」
法律さん仕事して。ここに性知識だけ豊富なロリが……いや、エロゲーなんて童貞スタッフが妄想詰め込んだ1次夢創作みたいなもんだし正しい性知識にすらならない。エロゲって高校生が中出しセックスするらしいし。何考えてるんだ。
「まったく、いけないお嬢様だなみいこは」
「そのセリフを言っていいのはみいこにエッチなおしおきをする時だけなの」
「いや、そんなことするわけないじゃん」
「なんならそこの物陰で1発シてあげても良いけど?」
「みいこがしたいだけだろそれ……。いや神聖なキリストの学校でそんなことできるか」
早くみいこの行きたい場所に着かないかな。こんなロリとセクシャルな話するの嫌なんだけど。サービスオープン日にしては人少ないから、やろうと思えばできるが。もしバレたら俺は良いけどみいこが退学食らうだろうし。
「それでみいこはどこに向かってるんだ?」
「みいこ達がいつも集まる秘密の部屋なの」
「ああ、友達とユニット組んでるだっけ?リリカル……リリカルなのは?」
「リリィなの」
みいこがユニットねぇ。落ち着きなさそうだし物事覚えるの苦手そうだし、上手くやれてるんだろうか。
「どうせなら景色がいい所で食った方が良くない?」
「旦那様にみいこのことを知って欲しくて」
「もう嫌という程分からされたんだけど」
「旦那様が見てるのは恋の狩猟者としてのわたしなの。まだまだ旦那様に隠してることはいっぱいあるよ」
「実は借金2億抱えてますとか?」
「実はみいこが優等生なこととか」
みいこが優等生。なんか心にズレが起こる。みいこはこう……純粋無垢な顔で頭の悪いことしてる方が解釈一致というか。言ったら殺されるから言わないけど。
「旦那様、着いたの」
「なにこれ。地下階段?地下鉄の廃線駅でも通ってるの?」
「この奥にみいこ達の練習場があるの。秘密の部屋なの。学園公認だけど」
「秘密とは」
こんなお嬢様学校でもユニット組めるんだな。DJはできるって前に聞いたけど。
実際に中に入ってみると大層なお部屋だった。音響設備は最新。質は良いが値が張る金持ち御用達メーカーの機材で全部固めていた。さすがお嬢様。金の暴力。
「はーん、良いな。俺もこんな豪華な機材でライブやってみてぇー。やっぱお金は大事なんだなぁ」
「みいこ達だって最初は学校にある予備機材からスタートだったの」
「これはみいこ達が小遣いで買ったのか?」
「そうだよ。みいこ達にかかればこんなの屁でもないの。学園の許可さえ降りればこっちのものだった。みいこと結婚するならこの機材達を触っても良いけど」
「急に交渉入るじゃん。俺、庶民的な方が好きなんだけど。あんまり豪遊する人とはちょっと」
幸せのためにはお金が必要だけど、金遣いが荒いのはマイナスポイント。俺がヒロインだったら好感度下がってたぞ。
「みいこと結婚すればもっとお金持ちになるのに」
「前にも言ったが金なんてどうでもいい。俺は愛が欲しいんだ」
「こんなに可愛いわたしがこんなに愛してるのに?」
「みいこの愛はなんというか強引だからなー。加減がない」
「愛を知らずに無理やり取り繕ってるんだから我慢して欲しいの」
「1回俺以外の普通の男で付き合い方学んだ方が良いと思うぞ」
「旦那様以外の男とかもう無理なの」
新人類の味を知っちゃったからもう味のしない旧人類は食えないとみいこは言った。フェロモンに騙されてるだけだと早く気づかせなければ。高嶺の新人類より路端の一般人の方がほのぼのしてていいじゃん。
「まあ、旦那様のファーストキスをくれるなら付き合い方考えてあげるけど」
「真秀にあげる予定だからちょっと無理」
「セックスでもいいよ」
「レベル上がってんじゃねーか。そんな淫乱な子とはできません」
「真秀ちゃんだって淫乱なのに?」
「真秀は良いんだよ」
正直真秀の性欲がないと俺との子を生すのは難しいだろうし。俺はあんまりがっつけないからその分を真秀に補って貰う。おかしいな、高校生男子なんてヤリたい盛りなはずなんだけど。
「そうやって真秀ちゃんばっか贔屓してるから拗れるの。旦那様はもっとどっしり構えて、向かってくる女の子を全部受け止めるぐらいしないと幸せにはなれないの」
「ハーレムエンドは俺がテクノブレイクするからバッドエンドなんだよ。皆1回でやめてくれるなら良いけど」
「……みいこだけ3回くらいにおまけしてくれない?」
「そういうとこやぞ」
ハーレムエンドなんて絶対拗れるから選ばんけど。例えこの国がハーレムを認めても俺は真秀一筋を貫く。俺の愛は無限じゃない。全愛の数値を真秀に送るんだ。なので皆は愛せませんので早く新しい男を見つけてください。特にみいことむに。
「みいこは新人類だから子供が出来にくいの!1日1回じゃ絶対孕めないの!」
「まだ新人類設定引っ張ってるのか?ネタは2回使ったら捨てないと飽きられるぞ」
「ネタじゃなくて本当なの!」
「じゃあ診断書見せて」
「家にあるの」
「家に忘れたは言い訳の常套。つまり嘘。さてと、弁当食うか」
「嘘じゃないの!本当にみいこの家にあってみいこは新人類なの!」
「はいはい。かつサンドでも食べて落ち着きなされ」
みいこの口にカツサンドを1個突っ込んで口を塞ぐ。しばらくモゴモゴしてたがその後すぐに落ち着いて食べ始めた。とてもやるせない顔をしている。
新人類……みいこが俺と同じ存在ならほんとに心強いんだけど。話したいこともたくさんある。でも嘘は良くない。みいこが新人類なら俺はとっくにみいこに惚れてるはずだ。だから嘘だとわかる。まったく、いけないお嬢様だぜ。
◇
「はぁ……学校では相馬君と付き合ってることになってるし、まほろを傷つけちゃったし、みいこちゃんが邪魔してまほろの家に入れないから弁明もできないし、どうしたらいいんだろ……」
お先真っ暗。このままじゃほんとにまほろを誰かに盗られるかもしれない。こんな事ならさっさとまほろの子を身ごもっとけば良かった。そうすれば噂はどうあれ確実にまほろの女を主張できたのに。まさか既成事実作ってもまほろを手に入れられないなんて。
「こうなったらまほろの部屋の窓にハシゴかけて……」
玄関からは無理。いつ行っても何故かみいこちゃんがいる。あの子学校に行ってるのかな。放課後にピンポンすると絶対みいこちゃんが出てくるんだけど。有栖川って陽葉より遠いはずなんだけどなぁ。
「いや、弱気になってちゃダメだよね。まほろは私が好きって言ってくれたし、信じなきゃ……ん?」
部屋の外。いつも歩いてる通路。窓からまほろとみいこちゃんが一緒に歩いてるのが見えた。まほろの手には小さなランチボックス。そしてみいこちゃんはまほろと腕をしっかり組んで彼女アピール。ほんと、往生際の悪いロリだなぁ。もう許嫁じゃないくせに。
「今行けばまほろと話ができる……?」
まほろが家に入る前に行けば何とか……なんか、みいこちゃんからまほろを奪ったみたいで癪。まるで私がメインヒロインから主人公を奪うサブヒロインみたい。私が1番最初にまほろを好きになったのに……。まほろは私の物のはずなんだけど……。
それに……
「まほろ、なんであんなに楽しそうな顔してるんだろ……」
呆れながらだけどしっかり楽しんでる顔。胸がモヤモヤする。
なんか私、負けヒロインになったみたいじゃん……。