ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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俺が、プリキュアに……?

 推しプリキュアはスタートゥインクルプリキュアのキュアミルキー。それをノア先輩に話したら「あなたってプリキュアの衣装似合いそうよね」って言われた。もしやこれは遠回しにキュアミルキーのコスプレをしろと言われてる……?

 

「ちょうど良かった。私ね、キスの練習に付き合ってくれる女の子が欲しかったのよ」

「はあ、なるほど」

「でも、咲姫ちゃんも乙和も衣舞紀も練習に付き合ってくれないし、そんな事頼めるほど仲良い人はクラスにいないしで困ってたの」

「あの、俺って性別♂なんですが」

「だから女装すればいいじゃない?」

 

 お前は何を言っているんだ。

 

「一応聞くんですが、なんのためにキスの練習を?」

「むにちゃんとの来るべき接吻のために決まってるじゃない」

「協力したいのは山々なんですが、俺じゃむにと体格差がありますし……」

「かがめばいいじゃない」

 

 え、ノア先輩そこまでするの?そういうのは本番とか練習とかの話じゃないと思うんだけどなぁ。ファーストキスは好きな人に捧げるのが1番だって。

 

「キスって言うのは初めてが1番重要なんです。俺なんかにあげちゃもったいないですって」

「キスが下手でむにちゃんに嫌われちゃったら大変じゃない。ノーマルキスとディープキスで籠絡できるくらいにはなりたいの」

「キスはテクニックじゃなくてハートです。想いを込めて、そっと優しく」

「なるほど……さすが、色んな女の子にキスされてるだけあるわね」

 

 最近は俺からキスすることが2回あったからクズ男じゃないって言い訳が使えない。いや、事情が事情だしワンチャンいけるか?

 

「だいたい、ノア先輩は男嫌いでしょう?男とキスしたって変な噂が流れたら大変ですって」

「…………あなたとなら別にいいかなって」

 

 いや、なんですかその反応。なんで満更でもなさそうな顔してるんですか。あなたは男嫌い、俺は数多の女の子をたぶらかして来たクズ男、絶対交わってはならない。あなたは全うな人間として、俺は怪物として生き続けるみたいな距離感でいないとですね。

 

「そういうわけだから、今日の放課後よろしくね。服は私が準備するから」

「え、ちょっ……」

 

 ノア先輩はそのまま行ってしまった。俺が女装……?正気か?絶対見るに堪えない怪物が出来上がるって。バックれようかな。いや、ここで逃げたらやっぱり男は最低な生き物ってレッテルをノア先輩が掲げてしまう。ノア先輩と付き合いたい全男子のためにここは俺が一肌脱がなければ。

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

 放課後。俺は被服室に呼ばれた。ここは被服部とか手芸部が使ってるから衣装も沢山ある。

 

「じゃあ、これ着て」

「セーラームーンの服ですか」

 

 そこはプリキュアで来るところだろぉ(かなりえづき)

 愚痴なんて言ってる暇がないので俺は衣装を着る。ご丁寧に金髪ツインテのウィッグまであった。これから俺は名も無き美少女JK堺まひろとして生きていくんだ。

 

「ふーん、意外と悪くないじゃない。イケメン系か……むにちゃんとはかけ離れてるけど、まあ四捨五入すれば大差ないわね」

「その四捨五入大丈夫?」

 

 捨ててる数字が4じゃなくてもっと大切な何かな気がする。俺のプライドが放り捨てられてるのはわかるが。

 

「うーん、見方によっては可愛いけど……あんまりかっこいい人を選ぶのも考えものね。ちょっとメイク入れてみようかしら」

「あの、そこまでする契約は結んでないのですが」

「私とむにちゃんの交際成就のためにね?お願い!」

「……下地つける程度なら許可します」

 

 化粧品が肌に合わなかったらどうしよう。皮膚科に行く羽目にはならないようにしないと。ノア先輩の化粧品のセンスと俺の肌質を信じよう。

 それからノア先輩に化粧を施して貰い、完成まで1時間待った。

 

「おかしい……可愛い系のメイクをしたはずなのに可憐になった……」

「俺の元がいけなかった……と?」

「なんか、愛する人を目の前で失った未亡人の雰囲気がある」

「褒めてるんですかそれ」

 

 なんで俺から熟年パートナーを失った人妻の雰囲気が出るんだ。しかも可愛い系のメイクをしたはずなのに。つまり俺の顔は常時死人に魂を引っ張られてる顔と?戦場出たらすぐ死ぬやん。

 鏡で自分の顔を見たけどガッツリメイクされてた。下地だけって言ったじゃないですか。どうして。

 

「まあなんにせよ、これで心起きなくキスできるわね」

「誰にも見られないようにしてくださいよ?こんなところ真秀にでも見られたら」

「大丈夫大丈夫。被服部も手芸部も今日は休み。この部屋だって下駄箱から遠いし誰も来ないわよ」

「信じてますからね」

 

 これが響子やしのぶにでも見られたらと思うと。俺の顔を見慣れてる奴らは例え俺が女装してようが当てて来るからな。あいつらに変装は無駄。マスクしててもグラサンしててもバレる。

 

「じゃあ、手始めにノーマルキスを1秒」

「まるでディープキスもするような言い方」

「それだけじゃないわよ。むにちゃんからキスしてきた場合のシミュもするし、事故チュー訓練だってするんだから」

「最初はむににキスする訓練だけすれば良いと思うのですが」

 

 はるか未来を想定しすぎじゃないだろうか。キスの前に手を繋ぐ練習とかもしといた方がいいのでは?

 

「はい、というわけで目を閉じて」

「イェッサー」

 

 ノア先輩に指示された通り目をつむった。1秒後にキスされた。この人判断が早い。ノータイムでキスして来やがった。俺の事を男として意識してない?意識されても困るけど。

 

「……ノア先輩、どうでしたか?初接吻は」

「あなたのキス待ち顔がクッソエロかったわ」

「反応しずれぇ……」

 

 未亡人のキス待ち顔にエロスを感じるってノア先輩もしや特殊性癖持ち?

 

「なんか、キスするとムラムラして来るわね。レズセックスの練習していい?」

「発情しないでください。ノア先輩覚えてますか?俺にはちんこがあるんですよ」

「亀頭って可愛いわよね」

「え、怖……」

 

 何のほほんとした顔で亀頭が可愛いとか言ってるんだこの人。もしかして俺の貞操が狙われてる?いや、狙ってるのはむにとのキスとかレズセックスだし、あくまで俺は練習台。好きな人のためなら平気で男とキスをする。もしやこの人、むにとの練習って口実さえあればどんな男とでもヤるのでは。尻軽かよ。失望しました。乙和先輩のファン辞めます。

 

「ノア先輩どうしちゃったんですか。男嫌いなのに男とセックスまでしようとするなんて…………さては偽物……?」

「あ、あなたとなら良いかなって思っただけ!私は本物よ!まったく、私が誰とでもこういう事をすると思わないでよね」

「昼休みも思いましたけど、俺への信頼度高くないですか?なんで?」

「だって、境まほろは悪いやつじゃないってわかってるし……私達に協力してくれるし……」

 

 それだけ?ノア先輩、もしかして最初の警戒心がクソ高いだけでそれを乗り越えればチョロいのか?咲姫共々悪い男に引っかからないように監視しなきゃ。

 

「その調子で他の男とも友達に──」

「それは無理。常時セックスの事考えてるやつらなんてこっちから願い下げよ。それより、早く練習の続きをしましょ。次はそうね……境まほろからキスしてみて」

 

 ノア先輩の無茶ぶり。お互いなんの意識もしてないのにこっちからキスしていいんだろうか。いや、フレンドリーキッスということでしても平気?俺はどうすれば。

 キスするか否か。俺が迷っていたその時、被服室の入口から視線を感じた。ノア先輩も感じたようで俺と一緒に入口に目を向ける。

 

「福島ノア……あんた何してんのよ……」

「むにちゃん!?!!!?」

 

 視線の正体はむにだった。ドアの影からズモモモモというオーラを送っている。俺たちが気づいてからは早歩きで部屋に入ってきた。

 

「呆れた。あたしの事好きとか言っておいてノア先輩もまほろを狙ってたんじゃない。人の男に手ぇ出さないでくれる?」

「ち、違うのむにちゃん!これはむにちゃんと仲良くするための練習で……」

「騙されないわよ。まほろにキスするところまでバッチリ見たんだから」

「それも練習なの!むにちゃんを悦ばせるための訓練をしてただけで……」

「練習で男とキスするバカがどこにいるのよ!!!」

 

 俺の目の前にいるんだよなぁ。

 

「むにちゃん信じて!私は境まほろの事は眼中にないの!本当に愛してるのはむにちゃんだけなの!」

「クズ女」

「ひぅ……」

 

 むにの視線が絶対零度。ガチギレしてらっしゃる。本当に誤解をしているだけだが、むに的には自分を好きだと思っていた人が実は自分の好きな人を好きで、むに本人は俺に近づくための出汁にされたと思っているのだろう。修羅場だなぁ(鼻ほじ)。

 

「あたしが好きって言葉も嘘だったんでしょ?まほろの傍にいたいけど男嫌いって言う看板があるから、あたしを好きな事にしていつもあたしの傍にいるまほろに入り寄った」

「誤解よ!私はむにちゃんしか愛してない!スマホのホーム画面だってむにちゃんのお昼寝してる画像だし、むにちゃんのTwitterは常時追ってる!お願い信じて……」

 

 今にも泣き崩れそうなほど慌てふためくノア先輩。俺とキスするところを見られちゃったからなぁ。誤解を解くのは難しそう。

 

「何よ……ノア先輩の事ちょっと良く思ってたあたしがバカみたいじゃない……。どうせ意識してるあたしを見て笑ってたんでしょ?本気にしててキモイなって。最っっっっ低」

「むにちゃんお願い……話を聞いて……。本当に境まほろとはキスの練習をしていただけなの……。うぅ……どうしてこんな事に……」

「なに被害者面してんのよ」

 

 このままじゃノアむに交際√が途切れてしまう。むにの安定した老後が。りんくとノア先輩にむにの将来を任せる計画が破綻してしまう。そろそろ俺も話に介入せねば。とりまノア先輩とキスしたことの弁明から。

 

「むに、俺とノア先輩は本当にキスの練習をしていただけなんだ。信じてやってくれないか?」

「なによ。まほろまでこいつの味方するの?女装男子が好きなのか知らないけど、まほろにこんな格好までさせてキスまでして来たのよ?」

「ノア先輩の練習に付き合えるのが俺しかいなかったってだけでな?どうか許して欲しい」

「そもそもキスの練習って何よ。キスって言うのは実戦で腕を磨いて行くものでしょ。練習なんて浅はかなものでどうこうできるものじゃないの。もしかしたらキスの練習って名目でまほろとキスしたかっただけかもしれないのよ?」

 

 そう言われると何も言い返せないけど、ノア先輩のむに愛は本物なんだ。どう説明すればむには分かってくれるだろうか。

 

「ノア先輩は俺の事なんてアウトオブ眼中だよ。この人の男嫌いはむにも知ってるだろ?」

「どうせまほろを特別扱いしてるんでしょ?」

「してないよ!私は境まほろなんて興味ない!私が愛してるのは」

「あんたは黙ってて」

「ひぅ……」

 

 ノア先輩への当たりが強い。むにがノア先輩を見る時だけゴミを見る目をしている。

 

「誤解も誤解。俺たちはなんの関係もないただの友達」

「ただの友達はキスなんてしない」

「ビジネスキスだよ。ビジネスビジネス。信じる心が世界を救うんだぞ」

「じゃあ、証明してよ。あんた達が付き合ってないって。ただの友達だって」

「どうやって証明すれば良い」

「あたしにキスして」

「ノア先輩が?」

「まほろがに決まってるでしょ」

 

 証明は建前で俺のキスが目的だったりしない?あんまりところ構わずキスするのは嫌なんだけど。真秀にあげる時に新鮮味がなくなりそうだし。もっとこう証明書発行とかでどうにかならないか?

 

「ほら、早くしてよ」

「今したら関接的にノア先輩ともしたことになるぞ?」

「どうでもいい」

「キスはもう真秀以外とはしたくないんだけどなーって」

「ノア先輩の無実を晴らせなくて良いの?」

「それは嫌だけど……」

 

 仕方ない。神絵師おんりぃ様の会フォロワー1号境まほろ、行きます!(カタパルト射出音)。

 

「……こんな感じでどうでしょうか」

「ふふっ、前より上手くなったわね」

「左様で」

 

 俺のキス審査委員会にでもなったのだろうか。こんな事に専門性持たなくて良いんだけどな。むにがどんどんキス魔に育って行く。私が育てました。前は自分からしてくるだけだったけど、ついには俺からを求めるようになってしまった。

 

「これでノア先輩のこと許してくれるか?」

「しょうがないから許してあげるわ。ノア先輩、次はないからね」

「は、はい!!!」

 

 ノア先輩の方が年上なんだけどなぁ。威厳がない。まあ、ノア先輩はキスの練習ができて、むには俺からキスを貰えてwin-winだろう。

 

「さ、帰るわよ。まほろ、ゲーセン行きましょ」

「むにちゃん私も!私も一緒に行く!」

「しょうがないわね。ただし、まほろに接触するのは許さないからね」

「境まほろなんてどうでもいい!」

 

 ファーストキスをあげた相手にこの仕打ち。練習だからノーカンだとは思うけど。意識して欲しいわけじゃないが、もう少しこう俺の扱いというか男の扱いをですね。まあいいや、ゲーセン行こ。

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