ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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間違いない。決闘者(デュエリスト)

 私の名前は福島ノア。可愛いもの好きとして身内に名を馳せる一般的女子高生。今日はフォトンメイデンの定期集会で皆の前に集まったんだけど、なんか皆がカードゲームをしてた。衣舞紀と乙和が対戦してて、咲姫ちゃんはカードを整理してる。

 

「衣舞紀に乙和も遊んでないで……待って、なんでカードに私が写ってるの?」

「え、だって、最近のノアとまほろちゃんのラブコメシーンバトルって名前のカードゲームだし」

「ノアがまほろ君に乙女チックな顔してる写真を集めるの苦労したわね」

「やめて!」

 

 何してるのこの人たち。え、もしかして咲姫ちゃんまで加担してる?

 

「さ、咲姫ちゃん?その手に持ってるのって……」

「まほろさんとノアさんが2人きりで楽しそうにお昼食べてるカード」

「咲姫ちゃん!?」

 

 どうして咲姫ちゃんまで……誰だ、誰が垂らしこみやがった。一刻も早く咲姫ちゃんからカードを……いや皆からカードを取り上げなきゃ。

 

「やめて!私は境まほろなんて好きじゃない!変な誤解を生む様な黒歴史生産ゲームしないで!!!」

「正しく闇のゲームだー!」

「黙らっしゃい!!!!!!」

 

 ほんと……ほんとなんでこんな馬鹿みたいなゲームやってんのよ。私は境まほろなんて……境まほろなんて……

 

「えー、でも、ノアってまほろちゃんに会う時だけやたら嬉しそうな顔するし。ノアってウブだよねー」

「そんな事ない!だいたい、私のどこを見たら境まほろが好きだと……」

「さすがにまだ恋愛感情があるってわけじゃないのはわかってるけど、でもあからさまだしねぇ……」

「どこが!?」

 

 境まほろを良く思ってるのは事実だけど恋愛感情はナッシング!私の本命はむにちゃん!変なレッテル貼らないで!

 

「ノアさん……まほろさんの事どう思ってる……?」

「ただの友達」

「ノアが男子と友達ってだけでだいぶ脈アリよねぇ」

「それに、ノアってまほろちゃんの前でだけめっちゃ尻尾振るし」

「そんなわけない!私が好きなのはむにちゃんなのよ!」

「あー、あのちっこい子?その子と会った時と同じくらいあからさまだよ。ノアがまほろちゃんといる時の顔」

 

 そこまで?え、意識した事ないんですけど。だいたい私が男となんて……いや、境まほろとなら良いかなって何度か考えたけど……。

 

「前にまほろ君と偶然手が当たった時とかムラっとした顔してたし」

「あ、あれは境まほろの手が綺麗だなって思っただけで!」

「クラスの前で待ち伏せしてまほろちゃんが出てきたら偶然を装って声かけてたし」

「む、むにちゃんに会うためよ!」

「なら直接会いに行けば良い……。なんでまほろさんを通すの……?」

「そ、それは……むにちゃんが逃げちゃうから……」

 

 昔は遠くから目が合っただけで逃げられたし、境まほろを通さないとエンカウントさえ出来なかったから……。

 

「今は直接むにちゃんと会えるようになったから、もう境まほろは頼ってない」

「でも、よくまほろちゃんに恋愛相談って言って会いに行くじゃん。恋愛相談なら私達で良いのに」

「だって境まほろの方がむにちゃんを知ってるから……」

「女の子の事は女の子である私達の方が知ってるわよ。まほろ君は男の子だし」

「それはそうなんだけど……でも!境まほろはむにちゃんと趣味が似てるからためになるし……」

 

 境まほろの情報からむにちゃんの好感度を推測したりもした。むにちゃんの好きな物からお気に入りのイラスト素材サイトとか、絵を描く時に使うペンの種類とか使ってるVJソフトの便利機能、果ては贔屓にしてる生理用品まで。私はむにちゃんの事を知りたかっただけで境まほろなんて……。

 

「じゃあ、まほろちゃんのLINE消せる?」

「それとこれとは話が別でしょ!」

「そういえばノアってまほろ君とどんなLINEしてるの?」

「ダンスのコツを教えて貰ったり、発声練習とか、好きな髪型とか、異性のタイプとか、あと手の生命線の長さ教えあったり、私の店のクーポンあげたり……」

「え、まほろちゃん家に呼んだの?」

「お父さんとお母さんに誤解された」

「そりゃぁ……ねえ?」

 

 私にそういう意図は一切なかった。でも、境まほろはノリノリだったし、店の1番高い商品たくさん買っていくし、積極的に和菓子の知識貯めていくし、やたら和菓子作りが上手いしでお父さんもお母さんも半分本気で店を継がせようか相談してた。

 

「ノアさん、誤解されてどうでした……?嫌だった……?」

「……嫌じゃなかった」

「本当はまほろ君と結婚したりする想像したんじゃないの?」

「そんな事……無くはないけど……」

「まほろちゃんとむにちゃんだったらどっちが好き?」

「む、むにちゃん」

 

 いや、なんで境まほろの顔がチラつくのよ。私の好きな人はむにちゃん。それ以上でもそれ以下でもない。境まほろはただの友達だって言ったでしょ。しっかりしなさい福島ノア。境まほろなんて女装して化粧しても儚い可憐美女になるだけの男。可愛さがないのに私が気に入るはずない。

 

「まほろちゃんも呼んで実験してみる?意外と2人きりになった瞬間キスしだしたりして」

「ノアとまほろ君のキスかー。映えそうね」

「キスは最強カード……」

「やめて!境まほろを呼ぼうとしないで!」

 

 まずい。ついこの間キスしたばっかだし、今呼ばれるのはまずい。余計な誤解を生む。

 

「ノア、どうしたの?そんな必死になって」

「さてはまほろちゃんとなにかあった?」

「喧嘩……?」

「それはその……」

 

 このままじゃ福島ノアラブコメデュエルカードに境まほろとキスって言う環境カードが追加されて、私もカードも皆のおもちゃにされる。境まほろにも余計な誤解が行って迷惑かけちゃう。何とかしないと。

 

「ノアさん、汗すごい……」

「え、なに。やましい事でもあるの?もしかして本当にキスしたとか?」

「そ、それは……!」

「咲姫ちゃん!ノアの色チェック!」

「焦り……隠し事……バレたくないことがある色……」

「咲姫ちゃんやめて!見ないで!」

 

 こんな事に共感覚使わなくていいから!こうなったら逃走してやる。

 

「衣舞紀!ノアを確保だー!」

「任せて!」

「離して!私は境まほろとキスなんてしてない!無実よ!」

「ノアさん……?」

 

 体育会系は力が強い。助けて。逃げられない。

 

「……ノア、もしかしてまほろ君と」

「し、してない!」

「すごい目が泳いでるよ?まほろちゃんとキスしたんだ」

「うぅ……殺して!」

 

 私の人生終わった。これから私は男嫌いなのに男とキスしたっていうエセ男嫌いとして名が広まってフェミニストに叩かれるんだ。男子達にも無理やり迫られて犯されちゃうんだ。おぇ……。

 

「まあまあ落ち着きなさい。で、なんでまほろ君を好きなことを認めないの?」

「ち、違うの!むにちゃんとの本番キスのための練習でしただけで……」

「あらあら、ノアも大胆な事するわね。でも、なんの好意もない男の子とキスなんてするかしら?」

「むにちゃんとのために妥協したの!」

「えー、じゃあ、まほろちゃんとキスしてどうだった?ドキドキした?」

「……ちょっとだけした」

「嫌悪感とかは?」

「……なかった」

 

 皆の目がギラギラしてる。私このままじゃおもちゃにされちゃう。助けて境まほろ!

 

「ねえ、ノア。いくら練習とは言え、男嫌いのノアが男の子とキスしたのはおかしいと思わない?」

「それは……境まほろなら良いかなって……」

「なんでまほろちゃんだと良いの?」

「私達に良くしてくれるし……信頼できるから……」

「じゃあ、まほろ君の他にも私達に協力してくれて、信頼できる男の子がいたらノアはその子ともキスしてた?」

「え、無理。境まほろ以外の男とか心が受け付けない」

「ベタ惚れじゃん」

「ち、違──そういう意味で言ったんじゃない!」

 

 境まほろは男嫌いの私が何とか受け入れられた人。私の男ふぁっきゅー審査にそう易々と合格できると思わないで欲しい。境まほろは真正なる審査とこれまでの行いを精査してやっと友達になれたの。多分これから先ずっと、男の友達は境まほろ以外にできないと思う。

 

「ノアってあれからまほろちゃん以外の男友達できたの?」

「できないしいらないし必要ない。私の男友達理想像は境まほろで完成されてるの。咲姫ちゃんの胸を性的に見ず、女の子の意思を尊重し、女の子の顔を見て話す。私の小さな変化にも気づいてくれて、ダンスや歌声に異変を感じたら真っ先に気にかけてくれる。私の作った試作和菓子を美味しいって食べてくれるし、改善点も教えてくれる。最近は1回だけだけどお弁当も作ってくれた。美味しかった。親友ってこういうのを言うんだなって思った。キス練習は正直バックレられるかなって思ったけどちゃんと来てくれたし。境まほろ以上に完成された男なんていないの」

「ベタ惚れじゃん」

「そんなんじゃない!」

「いやそういうのでしょこれは」

 

 境まほろは優しい。男子の女の子にモテたいからやる上っ面だけの優しさじゃない。自分が助けたいから助ける。そんな真性の優しさと温かさを感じる。だから境まほろは気に入ってるの。

 

「ねえ、ノア。1つ思ったんだけど、男の子の知り合いはまほろ君以外に作る気はないんでしょ?」

「そうよ。男なんてどうせセックスのことしか考えてないんだから。ヤリ目男と付き合うなら一人の方がまし」

「なら、恋愛感情の有無に関わらずまほろ君とは付き合っておいた方が良いんじゃない?」

「なんで?」

「ノアの家は昔から続く和菓子屋さんだし、跡継ぎとかいるでしょ?だからまほろ君は絶対必要になると思うんだけど」

「それは……確かにそうだけど……」

 

 お父さんとお母さんも最近ちょっとだけ私に彼氏作れオーラをさりげなくアピールしてくるし。境まほろとなら幸せになれるかなって何度か考えもした。境まほろとの子なら産んでも良いかなって思った。

 

「でも、境まほろは真秀ちゃんと結婚の約束をしてるし、今日見たら真秀ちゃんが境まほろに買って貰った婚約指輪をしてた。仮に恋愛感情があったとしても、苦しむだけなのはわかってるし……」

「ノアさん……」

「それに!私、むにちゃんを幸せにしたいの!だから境まほろとは付き合えない!」

 

 最近やっと私への印象が良くなって、キスの誤解もあったけど親密度が上がってる。私の可愛いの完成系であるむにちゃん。一目惚れだった。境まほろに写真を見せて貰った時からこの子だって本能が感じた。だから、境まほろには悪いけど私はむにちゃんを取る。

 

「ノア、もしかして恋多き乙女ってやつ?」

「女の子も好きなのがノアらしいわね」

「むにさんでもまほろさんでも、付き合ったら祝福する……」

 

 女の子もというか、境まほろとむにちゃん以外無理というか。胡桃ちゃんは幼なじみであんまり恋愛的に見れないし。咲姫ちゃんは幻想的で高嶺の花過ぎるというか。

 

「ノアも恋愛かぁ。私もまほろちゃんに告白してみようかなー」

「やめて。境まほろは色んな問題を片付けてやっと真秀ちゃんと結ばれたの。それを邪魔するならいくら乙和でも殴るわよ」

「冗談だって……。もう、顔が怖いなー。そんなんじゃまほろちゃんもむにちゃんも逃げてっちゃうよ?」

「余計なお世話よ」

 

 私は私の道を行くからそれでいい。絶対むにちゃんを手に入れて、私は幸せになるんだ。

 

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

「──ってことがあって啖呵切ったはいいものの、実際問題跡継ぎはどうしようかなって……」

「んなもん養子で解決じゃないですか」

「養子ねぇ……。引き取られて育った子はお父さんがいないことに周りとの劣等感を覚えちゃったりしないかしら……」

「そこは離婚したとか遠くにいるとかで誤魔化すしかないですね」

 

 昼休みのことを境まほろに相談した。境まほろは養子を取れば良いって言う。

 

「養子ってどうやって取るのかしら」

「俺方法知ってますよ。今度一緒に役所行きます?」

「なんで詳しいのよ。まさかあなたも」

「いえ、実は俺、とある財閥の養子になったんですけどその手続きを全部自分でしたんです」

「……ということは、境まほろと真秀ちゃんの子はその財閥の跡継ぎ決定ってこと?」

「です」

 

 重い期待を背負わすのも考えものね。私は出来ればだけど自由に生きさせたい。私の代で店を畳んでも良いかなって思ったりもしてる。

 

「まあ、男が必要なら俺に言ってください。大抵の事はどうにかできますので」

「お父さんもお母さんもあなたの事気に入ってるし、合理性を取るなら境まほろの方がいいんでしょうけど」

「愛はハートです。付き合えるなら好きな人と付き合った方がいいですよ」

「もし、むにちゃんと境まほろ、両方と付き合いたいって言ったら?」

「一応俺って新人類法とかで嫁はいくらでも取れるらしいんで、もしもの時は覚悟を決めてむにもノア先輩も響子も皆皆面倒見ます」

「男らしいわね」

「真秀と結ばれるっていう願いが叶って、今心にめっちゃ余裕あるんで。豪語がいっぱいできます」

 

 浮かれてるってわけね。まあ、私に何かあった時にむにちゃんを任せる相手としてしっかり頼らせてもらいましょ。

 

「ノア先輩も大変ですね。跡継ぎだったりむにのことだったり、身内が変なカードゲームしてたり」

「そうなの!ほんと、乙和達はほんと……」

「ノア先輩が俺を好きなんて。性格改編もいいところです」

「そうそう。私とあなたは友達。それだけなのに……」

 

 恋人になっても良いかなって感じるぐらい仲がいい友達って言う関係。恋人になってくれって言われるのはまた別の話なのに。なんでもかんでも恋愛に結びつけるのは良くない。何が私と境まほろのラブコメデュエルカードよ。おかげでこっちはすごく取り乱したんだから。まるで私が境まほろを好きみたいに言って。乙和達にこんなバカなゲームはやめろってキツく注意しとかないと。

 

 




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