ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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果たし状

「境まほろ!アタシはお前との決闘を望む!」

 

 朝、学校に来たら俺のクラスにしのぶがいた。『打倒境まほろ』って書いたハチマキをしてる。お望みは決闘らしい。どうしたんだ。俺の事が好きすぎて憎悪を抱いちゃったのか?グラハム?

 

「まほろ、犬寄しのぶになにかしたの?」

「告白を振った事くらいしか心辺りがない」

 

 どこから見てもめんどくさい匂いがプンプンする。逃げようかな。

 

「ちょうどここにトランプとキンキンに冷えたコーラがあるんだ。晩酌しながらポーカーでもしようぜ」

「殴り合いに決まってんだろ」

「え、俺に勝ち目ないじゃん」

 

 ゲーセンのパンチングマシンで手首捻った俺が殴り合い?無理かべ。

 

「ちなみにしのぶが勝ったらどうなるの?」

「アタシと付き合え」

「俺が勝ったら?」

「明石真秀と付き合う権利をやる」

 

 しのぶ、まだ諦めてなかったんか。

 

「なんでだ。こないだ良い感じに話まとまったじゃん」

「まとまってないしアタシはまだお前と明石真秀の交際を認めてない」

「一旦落ち着いて引き目に見ろって言ったじゃんか」

「だから引き目に見て強情さを捨てて、レイプのところをまほろも考慮した決闘にしたんじゃん。ちゃんと譲歩したんだぞ」

 

 気を使ってこれってマ?しのぶ、恋愛の駆け引きの才能無さすぎだろ。俺もないけど。まあでもあの話し合いがなければレイプされてたかもだし……。

 

「一応言っておくが決闘は犯罪だぞ。だからここは穏便にUNOにしよう」

「アタシの人生を賭けた一大勝負をそんな紙切れで決められるか。未来はこの拳で掴み取る」

「カイジだってイカサマだらけのカードゲームに人生賭けたんだぞ。男見せろよ」

「アタシは女だ。だから拳で決める」

 

 なんだこの活気強い漢女は。恋というのは普段ダウナー気味のしのぶでさえここまで情熱的に焚き付けてしまうのか。これは重要論文として学会に提出する必要がある。

 

「しのぶに暴力を振るうなんてそんな酷い事できない」

「じゃあアタシの勝ちになるが?」

「わかってくれ。俺は大切な友達に拳は使いたくないんだ」

「いつまで経っても友達からレベルアップしないから殴り合いに発展したんだぞ」

 

 話の分からない頑固レディーだなぁ。

 

「俺は真秀の恋人なんだ。決着はとうについてる。しのぶとは付き合えません。ごめんなさい」

「やだ。地面を這ってでもまほろの恋人枠を勝ち取る」

「恋人枠はもう埋まったんだって。むにでさえ俺を諦めたんだぞ。時代は失恋期。恋人枠を巡って争う時代は終わったんだ」

「別にあたしはまほろを諦めたわけじゃないわよ」

「え、そうなの?」

「チャンスさえあればかっさらう気でいるわ。破局とか離婚とか、あと真秀が死んだ時とか」

 

 てっきりギャルゲの親友キャラに落ち着いたのかと。むにも恋意地張ってんなぁ。

 

「無駄だぞ。こいつは明石真秀に振られたら響子と付き合うって約束をしてるんだ。強引にかっさらわない限りまほろが手に入る事はない」

「ふーん……じゃあ、その時は山手響子と一緒にあたしの面倒も見てもらいましょ」

「お前何言ってんだ?日本の法律知らないのか?」

「あんたこそおつむが弱いんじゃないの?まほろは新人類だから特別な法律で嫁をいっぱい作れるの」

「は?おいまほろ、どういうことだ。そんな話聞いてないぞ」

「だって言ってないし」

 

 ノア先輩には非常時に頼ってくれって言ったけど、今は特に緊急性は感じないし、めんどくさい事になるって気づいたから今のところ真秀以外を嫁にする気はない。なのでその法律を使う予定はなかったんだ。異性を惹きつけやすい新人類だから拗れないようにってのは分かるんだけど、俺にとっては余計な法律なんだよなぁ。

 

「だったら話が早い。響子もアタシも絵空も、皆々面倒見ろ。そっちの方が誰も傷つかないじゃん」

「経済的に無理」

「みいこが新人類家庭専用の扶養制度があるって言ってたわよ」

「むにさん、出来れば俺の味方をして欲しいなぁって」

「さっき言ったでしょ。チャンスがあれば取りに行くって。まほろが折れるならあたしは犬寄しのぶに協力する」

「ノア先輩とりんくがいるでしょ」

「ノア先輩は知らないけど、りんくだってまほろが好きだし」

 

 ノア先輩もいざとなったら俺の世話になる的な事を言ってたから問題ないけど、出来れば俺はむにとりんくとノア先輩の間を邪魔したくはないんだ。乙女の花園に入るとか俺には無理。

 

「ここに新人類法、新人類援助制度の早見表あるけど」

「むにさん、随分みいこと仲良くしてますね」

「まほろが真秀と付き合った以上、対立するより協力する方が良いし、そもそも法律が味方してるから対立する必要がないし」

「そっすか……」

 

 おかしいな。対戦相手が1人増えたぞ。むにはこっち側だと思ってたのに。どうして。

 

「なんなら、学校ではあたしがまほろと付き合ってる事になってるし、その立場を活用する手もあるけど」

「具体的には」

「正妻はあたし」

「それ真秀だけじゃなくてしのぶ達も張り合うだろ」

「アタシはまほろと結ばれるなら何番目でも良い」

「なんでそこは聞き分けが良いんだ……」

 

 その聞き分けの良さを最初から発揮してくれ。ここまで来たなら俺の1番にこだわれよ。永遠に争って自然消滅させる俺の作戦が。

 

「へー、まほろの嫁になると補助金が15万入るんだ。いいじゃん」

「それだけじゃないわよ。まほろは嫁を1人増やす毎に最大7万の援助が入るし、場合によっては住民税、固定資産税とかが免除される」

「なんで俺が嫁を増やすだけの事にそこまで金が入る」

「多夫多妻なんて金がかかるんだからこれくらい補助しないと持たないと思われてるのよ。ちょうどいいじゃない」

「絶対金目当ての人来るじゃん……」

「安心しなさい。あたしがちゃんと選別するから」

 

 そんなポケモンの厳選作業みたいな事しなくても……。

 

「なんだよ、アタシ達と付き合った方がまほろにとってもプラスじゃん。絵空と響子とアタシを嫁にしようぜ」

「うちはユニットメンバー全員娶って貰うわよ。あとノア先輩」

「い、いやー……俺の精神が持たないというか……」

「メンタルケアなら響子にして貰えよ」

「りんくもちょうど良さそうね」

「メンタルが持っても多分経済面で詰むと言いますか……」

「なんでよ。貯金6059万あるし毎月50万稼いでるじゃない。援助もあるし、困ったら麗とみいこと清水絵空を頼れば?」

「待って。なんで俺の貯金と収入知ってるの?」

「真秀から聞いた」

 

 なんで教えちゃうの。むにもなんで言っちゃうの。クラスの皆も聞いてるんだぞ。金目当てが絶対寄ってくるって。なんならホモも湧いて来るかもしれないだろ。絶対掘られる側じゃん俺。女だけだったとしてもフルフルテクノブレイクで詰む。1回に1発射だとしても5人が限界なんだぞ。絶対リミットブレイク課せられるって。

 

「安心しなさい。山手響子と犬寄しのぶと清水絵空、あとハピアラとノア先輩の面倒だけ見れば良いから」

「一気に8人は無理だって……。家事も夜も俺1人じゃ回せないよ……」

「あたし、最低でも3回はしたいわね」

「アタシは2回出来れば良い」

「死ぬじゃん……」

 

 ロリサキュバスがいる……。怖い……助けてママ……。

 

「という訳だ。まほろ、ハーレムおめでとう」

「ふふっ、まほろが新人類で良かったわね」

「待って。俺1人の意思じゃ決められない。真秀にテレフォンさせて」

「嫌よ。絶対真秀の意見に流されるでしょ。それに、まほろの携帯はあたしが持ってるのよ?」

「そういえばそうだった。ラップは順調?」

「もう新曲までバッチリよ」

「そっか。じゃあスマホ返して」

「まほろがハーレムを誓うなら返してあげても良いけど」

 

 俺のスマホなんだから返すのに条件とかいらないだろぉ(復活のかなりえづき)。教えてくれゼロ。こういう時俺はどうすれば良い。俺はあと何回、あのアイドル子を振ればいい。ゼロは何も言ってくれない。

 

「このままだと新人類のジャンピング土下座を見る羽目になるぞ」

「まほろの土下座は解釈一致よ」

「右に同じ」

 

 お前らもか。そんなに俺って容易く土下座する人間だと思われてる?

 ええい仕方ない。こうなったら借りパクしたしのぶ忍電七つ道具の煙玉で退散だ。さらば!愛しき我が子達。

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

 昼休み。午前の授業をフルでサボって屋上に避難していた。空はこんなに青いのに、俺の目の前にはピンク色のオーラを纏ったロリサキュバスしかいない。せっかくみいこが落ち着いたのに。

 

「まほろ、何してるの?」

「……真秀か」

 

 なんとも偶然、真秀が来た。お弁当を持っている。お昼ご飯か。

 

「聞いてよ真秀。しのぶとむにが俺にハーレムエンドを強いて来るんだ」

「ハーレムエンド?法律で無理じゃん」

「それがさぁ、新人類法で俺は嫁がいくらでも取れるからさぁ……皆が燃えちゃって」

「……そういえば、私も新人類の男ならまほろに加えて結婚できるってみいこちゃんに言われたっけ」

「そうそう。多夫多妻。いらない法律だよなぁ」

 

 真秀が寝盗られるかもと思うとオチオチ新人類法なんて使ってられない。一夫一妻が古い時代に突入しようとしてるんだろうけど、新しい時代の転換期には懐古厨が湧くものだし、俺は時代のビッグウェーブには乗れないなって。

 

「……一応聞くけど、真秀って新人類の好きな男いる?」

「私がまほろ以外の男を愛すわけないじゃん。まほろも他の女に惑わされないでね?」

「俺も真秀以外の女が受け入れられなくてなぁ」

 

 響子とりんくならまぁギリ行けるけど、それ以外は友達でいたいって思うし。

 

「むにも落ち着いたと思ったら普通にエンジンかかってたし、しのぶは諦め悪いし。みいこはちゃんと諦めたのに」

「まあ、みいこちゃんもまほろのファーストキスを貰っていったけどね」

「でもちゃんと切り替えたし」

 

 正確には切り替え中って感じだけど。新人類の籠絡を乗り切った女は面構えが違う。でも、今朝みいこに『旦那様とセックスする夢で愛液吹いちゃったからパンツを洗濯して欲しいの』ってスクランブル洗濯機したしなぁ……。みいこもいつぶり返すか。

 

「しのぶなんて最初は俺との交際を賭けて決闘申し込んで来たんだぞ」

「ああ、うちのクラスまで話が回って来たよ。まほろがピキピキの犬寄しのぶと決闘するって」

「そしたらむにの姉貴が新人類法の早見表を取り出してなぁ、しのぶと結託して俺をメンタルを木っ端微塵にしてもうたんじゃ」

「これでわかったでしょ。ここにいてもろくな事がないって。私と一緒に遠くへ引っ越そうよ」

 

 みいこを連れて行けるかで答えは変わるけど、真面目に失踪を視野に入れなきゃ行けない時期が帰って来た。落ち着いたと思ったのに。

 

「決闘ついでにこれあげる」

「……果たし状?え、なに?真秀、俺と決闘したいの?」

「私ね、今日相馬君を振って来たんだ。まほろが好きだからって。そしたら相馬君からこれを貰った。まほろに渡せって」

「あいつまで武闘派なのか……」

 

 いや、相馬はサッカー部だしワンチャンドリブル対決とか……。

 

「もしかしてこれを渡すために俺を探してた?」

「うん。負けたら相馬君と私が付き合う事になるから。助けて」

「……わかった。この命に変えて、真秀を守る」

 

 相馬なんかに真秀を渡さないんだから。どっちみち負けたらロリサキュバス含めた7人の嫁が一斉に襲って来てテクノブレイクENDだし。絶対負けられない。

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