ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常   作:コントラポストは全てを解決する

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最終カイ!!! 陽葉祭デートは順調カイ?ダッチュン!!!

 それゆけ陽葉祭。今日はお祭り無礼講。出店もいっぱい。夕方にはサンセットステージ。その後は後夜祭ライブ。高等部に上がって初めての陽葉祭だ。気分アゲアゲアゲハ蝶。

 

「みいこは何食べる?」

「旦那様と一緒に食べられるやつ」

「真秀は?」

「たこ焼きとか?」

 

 俺と陽葉祭を回る権利を巡ってハピアラとピキピキとみいこのイツメンで会議が行われていた昨夜。彼女でもないのにまほろを盗らないでと真秀が一蹴し会議が一瞬で終わった。そして最終的に残った真秀とみいこが話し合い、終局には殴り合いに発展仕掛けたので家族デートということで話を治めた。そういうわけで俺は今、彼女と妹を侍らせている。素晴らしい家族体制。

 

「なんか1発ネタ枠の面白いフードないかな」

「虹色チョコバナナとか?」

「タガメまんじゅうなの」

 

 皆で食えるたこ焼きを買ったあと、俺たちは適当にブラブラと校内を歩いていた。俺の食いたいものがない。とんでもないゲテモノを出す店とかないだろうか。

 

「いい感じにたこ焼き冷めたぞ。ほら、みいこ。あーん」

「あーん」

「彼女そっちのけで他の女とイチャつくのやめて」

「みいこは妹なの。だからこれはイチャつきじゃないよ。ごく当然のスキンシップなの」

「そろそろ兄離れしたら?」

「嫌」

 

 みいこが言ったあと俺の右腕に抱きついて来て、真秀が対抗して左腕に抱きついて来た。待って。たこ焼き食えないじゃん。あと周囲の男子からすごい視線を感じる。男子はどういう目で俺たちを見ているんだ。俺はロリに手を出したロリコンとでも思われてるのだろうか。

 

「あ、占いの館だって。まほろ、入ってみようよ」

「おぉ、いいじゃん。来年の運勢占って貰お。みいこも入る?」

「モチのロンなの」

 

 占いの館にIN。黒ローブを纏ってダンブルドア先生みたいな髭をつけた女子生徒がいた。

 

「いらっしゃい。ここは占いの館、あなた達の占って欲しい未来は何?」

『隣にいる男との相性(なの)』

「え、あっ……うん……」

 

 おいやめろよ。占い師さん引いてるだろ。そんなギラついた野獣のような目をしないで。女って怖。占い師さんもお客を選ぶ権利はあるから嫌なら言ってね。

 

「ふむふむ……なるほど……両方相性良しと出た。2人ともだいぶその男の人に助けられてる。あんまり攻めるのは良くないね。たまにはそちらの人の願いを聞いてあげなきゃ。そうすれば相性はもっと良くなる」

「まあ、まほろには色々世話になってるのはそうだね」

「旦那様のお願いって何を聞けば良いの?」

「普通に女の子でいてくれれば後は何も。争ったりせず、皆仲良くして欲しい。それが俺の願い」

 

 もう争いを見たくないんだ。平和と安定した未来が欲しい。これ以上の戦争は起きないと思うけどまた新しい女の子が俺を求めて戦い出すかも。それかみいこを狙うロリコン、または真秀を狙う陽葉男子。俺が守らなきゃ。

 真秀とみいこの守護天使になることを誓い、俺達は占いの館を後にした。絶対この幸せは手放さない。全部護る。

 

「旦那様のお願いを聞けばもっと相性が良くなるらしいし、お願いをなんでも聞いてあげるの」

「まほろ、さっき言った他にお願いある?」

「そうだなぁ……とりあえず2人とも腕組むのやめない?せめて1人ずつにして欲しい」

「だって。真秀ちゃん」

「は?なんで私が離さなきゃいけないの。みいこちゃんが離しなよ」

 

 やべ、争い出しちゃった。周囲の男性陣からの視線がエグくて……。余計な戦いが生まれると思ったんだ。不良に巻き込まれたりとか。

 

「10分交代とかにしよう?ほら、じゃんけんして」

「勝っても負けても文句なしだからね」

「望むところなの」

 

 じゃんけんの結果、真秀が権利を獲得した。10分交代だけど。

 

「さてと、次はどこに行こうか。子供向け以外はほとんど食い物屋なんだよな。演劇でも見るか?」

「みいこ、水風船が欲しいの。あと金魚」

「うちに水槽ないぞ」

「家のリビングにおっきい水槽を置くの!」

「水槽って臭くなるし別の部屋にしないか?なんなら生き物部屋作る?」

「作るの!」

 

 みいこが水ヨーヨーと金魚が欲しいと言うので、俺たちは子供向け縁日広場に向かった。

 

「わっ、子供がいっぱい。射的とか輪投げもあるね」

「陽葉祭なんてちゃんと回ったことなかったけど、こういうのもあるんだな」

「旦那様早く!早く水風船と金魚を取るの!」

「はいはい」

 

 可愛らしくはしゃいじゃって。妹になったみいこはこんなにも心穏やかな気持ちで見ていられるのか。頑張って良かったなぁ。実家に拉致された時はどうなる事かと思ったけど何とかなったし。

 

「店員さん、水風船くださいなの!」

「何回やる?うちのヨーヨー釣りは厳しいぞ〜」

「お金払えば貰えるんじゃないの?」

「あはは。君面白いねぇ〜。こういうのは自分で釣って手に入れるんだよ」

「なら望むところなの」

 

 みいこにお金を渡して1回分やらせてみた。ねじったティッシュについたフック。ポリ水槽の中に入れて、水に浮いてる水風船の輪ゴムにかける。持ち上げようとしたら案の定切れてしまった。

 

「はい残念。参加賞で好きなの1個選んで良いよ」

「じゃあ、この青い水玉のやつ」

「はい、どうぞ」

「ありがとうなの」

 

 ほのぼのしてる。可愛い。ノア先輩の気持ちが少しわかった気がする。危害を加えて来ない女の子はこんなにも可愛い。心が穏やか。

 

「まほろ、みいこちゃんの事見すぎ」

「妹以上の感情はないから許して」

 

 違うんです。家族といる幸せを噛み締めていただけで。初めて妹を可愛いって思えたから。大切にしたい気持ち。だから真秀も俺の二の腕つねらないで。

 

「旦那様、次は金魚なの!」

「はいはい。金魚すくいはあっちだよ」

「金魚はいっぱい欲しいから旦那様が取って欲しいの」

「いや、失敗しても1匹くれるしそれ繰り返せば?」

「効率が悪いの」

 

 急に可愛くない事を言う。なんでいきなり効率がどうとか言うんだ。

 

「お願い、お兄様……」

「……しょうがないな。俺も初金魚すくいだから時間かかっても文句言うなよ」

「わかったの」

 

 みいこの猫なでボイスでお願いお兄様なんて言われたらやるしかないじゃないか。やっと俺はお兄様になれたんだ。どれだけこの日を待ちわびた事か。嬉しみ。

 この歓喜の味を噛み締め俺は金魚すくいにチャレンジ。デメキンと普通のやつ5匹くらいでいいか。ポイは水平に移動させるといいんだっけ。

 

「なるほど、だいたいわかった。コツは掴んだぞ。みいこ、欲しい金魚を言ってくれ」

「あのおっきい子が欲しいの。あと、この子とあの子」

 

 隣で観察するみいこの指示に従ってお椀に金魚を入れて行く。それにしてもこのポイ、やたらと頑丈にできてるな。全然破けない。これなら取り放題だ。

 

「とりあえず10匹取ったけどこんな感じでいいか?あんまり多いと持って帰るの大変だぞ?」

「欲しい子は全部手に入れたの。もう大丈夫」

「了解。すみませーん、この金魚買い取りたいんですけど」

 

 店員に大きめの袋を貰って金魚を入れて貰った。みいこもご満悦だ。

 

「まほろ、随分上手いじゃん」

「あのすくうやつがめっちゃ丈夫にできてたから。とりあえずアマゾンで水槽買うわ」

「みいこちゃんも良かったね。まほろにちゃんと感謝しなよ」

「ありがとうなの。旦那様」

 

 旦那様に戻ってしまった。次はいつお兄様って呼んでくれるんだろう。もっと俺もお兄様らしく立ち振る舞って行かなくては。目指せ理想のお兄様。

 

「いけね。そろそろシフトの時間だ。行かなきゃ」

「旦那様のお店は何やってるの?」

「喫茶店。真秀、みいこの事頼む」

「はいはい。行ってらっしゃい」

 

 そういえばむにも俺と同じ時間にシフト組んでた気がする。偶然か策略かは知らないけど、むにと一緒なら何とかなるだろう。レッツ接客業。

 

 

 

 ────────

 

 

 

 うちのクラスはいつからメイド執事喫茶になったんだ。男子は執事服着てるし、女子はメイド服だ。

 

「あら、結構似合ってるじゃない」

「むにさんさ、俺とノア先輩がキスしたの根に持ってるでしょ」

「なんのことかしら。あたしはただ、まほろに女装が似合いそうだなって思っただけよ。むに様の目に狂いはなかったわね」

「執事で良かったじゃん」

「まほろみたいなイケメン女顔執事なんて見たら子供の性癖が歪んじゃうでしょ」

 

 そんなイチャモンをつけられ、俺はメイクとメイド服を施されていた。ミニスカフリフリタイプ。黒タイツがキツい。めっちゃ股がスースーする。とうのむにはむにむに笑顔で俺の姿を写真に収めていた。絶対福島ノアキス練習の女装から着想を得てるだろこれ。

 

「ほらほら接客するわよ。あたしとまほろがいればノルマなんてあっという間。捌いて捌いて捌きまくるの」

「絶対声で違和感持たれるだろ」

「裏声で喋りなさい。確かまほろの裏声は結構な人妻声だったはず」

「どこで俺の裏声なんて聞いたんだ?」

 

 むにに俺の裏声を聞かせた事はなかった気が。そもそも裏声なんて出す機会ないからあんまり上手く出せないぞ。人妻声ってなに。俺にできるのか?

 

「あー、あー、どう?こんな感じ?」

「そうそうそんな感じ。それでずっと喋ってれば良いのよ」

「変じゃないか?」

「雇い主と結ばれて30年経った熟年完熟ムチムチドスケベ人妻メイドの声よ。もっと自分に自信持ちなさい」

「それは自信を持って良いのか?」

「あ、客が来たわ。一緒に行くわよ」

 

 お客さんが来たらしい。むにに手を引かれ挨拶しろと言われた。

 

『お帰りなさいませ。ご主人様♡』

「まほろ……?まほろだよね?」

「待って響子。今のは聞かなかった事にして」

「大鳴門むにもまほろも何してんだ?」

「接客してんのよ。見ればわかるでしょ?」

「あらあら……まほろちゃん、随分エロスティックな格好してるじゃない♪」

「わー、可愛いー。まほろ、こっち向いて」

「やめて。撮らないで」

 

 ピキピキがご降臨。よりによってなんで俺がシフトの時に来るんだ。響子に見られたのが1番ダメージでかい。あと写真撮影はやめて。写メは100円払って貰うからな。

 

「まほろはなんでメイド服着てるの?あと声どうしたの?」

「声は裏声。メイド服着てるのは執事服だと子供の性癖が歪むからって……」

「そ、そっか。似合ってると思うよ?」

「殺して」

 

 響子の優しい目が俺を殺した。もうお婿に行けない。

 

「まほろ、いいケツしてんじゃん」

「やめてしのぶ。俺のケツ揉まないで」

「犬寄しのぶ、お触りは1000円からよ」

「はいはい。パンツ何色?お、女性モノ履いてんのか。いいもっこりだ」

 

 変態ジジイ化したしのぶ。スカートをめくって俺のパンツを見てくる。むにに紫のラメ入りをはかせられたから見ないで欲しかった。俺の尊厳はどこ……ここ?響子は俺を見ないように手で自分の顔を隠してるけど、指の隙間からチラチラ見てるし。

 

「しのぶやめて。セクハラで訴えるぞ」

「アタシの事をぞんざいに扱った罰だ。まほろには営業時間いっぱいまでアタシの相手をしてもらう。今からお前はアタシ達のおもちゃだ」

「まほろちゃんをおもちゃにしていいの?ふふっ、楽しみだわぁ」

「あはは、まほろは相変わらず人気者だねー」

 

 由香は面白がってるし、悪魔は結託したし。もうこの店に救いはない。救いはないのですか。

 

「飯食ったらさっさと退店してくれ。ご注文は?」

「パンケーキとコーヒー」

「まほろが作ったオムライス」

「料理担当じゃないから無理」

「紅茶とショートケーキとまほろちゃんにイタズラする権利♪」

「当店基本的人権を重視しておりますゆえ、店員を売るような真似は」

「まほろにイイ事できる権利は5分1万円からよ」

「5万円ベット!」

「私の貯金全額賭けるわ!」

「むにさん、俺の味方してくれない?」

「なんでよ。稼ぎ時じゃない」

 

 俺は性奴隷じゃない。この店はキャバクラじゃない。女装男子にいい事できる権利とかいらないだろう。だからしのぶも絵空も金をしまえ。響子さんもその手に持ってる1万円札閉まってください。

 

「こうなったら切り札を使わせて貰いますわ!店長!」

「境君なら好きにして良いよ」

「どうして……」

 

 この店長人を売りやがった。労基に駆け込まなきゃ。営業停止を。営業停止を決行してくれ。それか弁護士。俺には裁判を起こす権利がある。

 

「じゃ、まほろ。厄介きゃく…………VIPの相手よろしくね。たんまり稼ぐのよ」

「嘘でしょむにさん。俺を1人にするの?嫌だ……まだ死にたくない……置いてかないで……」

「ごめんね。あたしこれから他の人と撮影会があるから」

「俺もそっちに」

「もうピキピキからまほろ指名の注文書がいっぱい入ってるの。頑張って。ほら、スマイルスマイル♪」

 

 そうしてむには子供と一緒に撮影会を始めてしまった。俺の人権はどこ……ここ?

 

「まほろ。とりあえずほら、胸揉ませて」

「やーん♪まほろちゃんの下着セクシ〜♪」

「まほろを自由に……まほろを自由に……」

「わー、楽しそー」

 

 しのぶは俺の胸を揉み、絵空は下着チェック、響子はやりたいことが多いのか目がグルグルしてる。由香は面白そうに俺を見ながら握力鍛えるやつでカチャカチャしてた。俺はピキピキのおもちゃになったとさ。クソですわ。

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 地獄のメイド勤務を無事乗り越え、ついにサンセットステージの時間になった。予定では初戦にピキピキとフォトン、ハピアラが1回戦を勝ち抜いて来れば2回戦でピキピキと当たるらしい。頑張れ皆。俺の事おもちゃにしたピキピキをやっつけてくれ。

 俺の出番はさっき無事に終わった。アイドルjポップで会場を湧かせたんだけど、その後フォトンメイデンから緊急招集がかかったんだ。

 

「コードネーム泡沫まほろば。緊急事態と聞きつけ馳せ参じました。で、ご要件は?」

「あ、まほろちゃん!」

「やっと来てくれた……」

「まほろさん……助けて……」

 

 乙和先輩も衣舞紀先輩も咲姫も皆困った顔をしている。あれ、ノア先輩は?

 

「咲姫、ノア先輩は?」

「あそこ……」

 

 咲姫の指さした方向。控え室の隅の壁際。ノア先輩が体育座りでバイブレーションしてた。なんだあれは。寒くて震えてる?ノア先輩の冬眠でも始まったのか?フォトンの衣装って冬場寒そうだし、ノア先輩が越冬モードに入っちゃったとか。

 

「ノア先輩は何をしてらっしゃるので?」

「ノアったらねー、緊張でここ来た時からずっとああなの。まほろちゃん、どうにかしてくれない?」

「こういう時こそフォトンの皆が一眼となってノア先輩を立ち直らせるのです。皆の絆で宇宙を掴むのです」

「一応さっきから声はかけてるんだけど、聞こえてないらしくて」

 

 衣舞紀先輩曰く私達の声が届かないとの事らしい。咲姫でダメなら俺なんてもっと無理では。

 

「これ、俺の管轄外じゃないっすか?」

「ノアが心許してるまほろちゃんだからこそ!」

「やるだけやってみてくれない?」

「電子レンジみたいに……ノアさんの心を溶かして……」

 

 むにでも呼んだ方が良かったか。まあ、やるだけやってみるけど。俺じゃダメな気がするなぁ。フォトンの皆は俺とノア先輩の間に何を見出してるんだ。ノア先輩はむにでレズの扉を開いたお方だぞ。俺の出番なんて。

 

「ノア先輩、大丈夫ですか?」

「うぅ……境まほろぉ……」

「どうどう」

 

 俺を視界に写した瞬間抱きついてきたノア先輩。男にこんな弱みを見せるなんてだいぶイっちゃってらっしゃる。ちゃんと宥めて耳にある緊張ほぐしのツボを押してるけど、ノア先輩は泣き止んでくれない。

 

「大丈夫大丈夫。憧れに見たサンセットステージじゃないですか」

「いざステージに立つってなると怖くて……いつもなら大丈夫なんだけど……」

「俺もさっき立って来ました。大丈夫です、そこまで怖くありませんよ」

「貴方は生粋のエンターティナーだから大丈夫なのよ……私は……」

 

 テレビ収録でもなくいつものステージでもない。サンセットステージという大舞台だから余計緊張すると。

 

「むにちゃんも見てるし失敗できない……かっこ悪いところ見せられない……もし……しくじったら……」

「もしもを考えるのはやめましょう。落ち着いて、深呼吸してください」

「すぅ……はぁ……」

 

 背中をさすってノア先輩を落ち着かせる。緊張で吐いたりとかはしないでくれよ。もっとリラックスさせなきゃ。こういう時、ASMRだと心音を聞かせたりするのが良いんだっけ。

 

「ほら、ノア先輩。俺の胸に耳を当てて、俺の鼓動に身を委ねて、悪い妄念は捨てましょう。どうです?落ち着いて来ましたか?」

「ちょっとだけ落ち着いた……」

「はい。ノア先輩には俺と、むにと、フォトンの皆、そして今まで頑張って来た過去があります。だからノア先輩が思ってるような悪い未来は来ません」

「ほんと?私、ドジしない……?」

「しません。絶対に」

 

 なんかこう、勇気の出るおまじないとかはないだろうか。手に米って書いて飲み込みやつをやるか?もっと魔力の高い勇気の出るものが欲しい。

 

「もし失敗したら……?」

「失敗した時より成功した時の妄想をしましょう。こういう時こそポジティブに、元気よく、スマイルスマイルです。ほら、二ー」

「にー……」

「少し元気になったでしょ?」

「うん……なった……」

 

 さっきより幾分かましな顔になった。順調に緊張がほぐれてきている。後はむにのキスでもあれば完璧に立ち直れると思うんだけど。

 

「ステージが終わったら後夜祭です。むにと一緒にステージに立てますよ。ですから頑張りましょう?胸張ってサンセットステージに出れたって言うために。大丈夫、失敗してもリカバリーできるだけの腕をノア先輩は持っていますから。傍で見てきた俺が保証します」

「境まほろも後夜祭ステージ一緒に出てくれる……?」

「出ますよ。なんならノア先輩の傍にいます」

「分かった……頑張ってみる……」

「はい」

 

 良かった。まだちょっと不安はあるけど八割立ち直った。

 

「あの……境まほろ……。聞いて欲しいお願いがあるの……」

「なんなりと」

「お父さんが昔、勇気の出るおまじないをしてくれたんだけど……それをして欲しい……」

「おまじない方法は」

「おでこにキスして……」

「了解しました」

 

 ノア先輩が前髪を上げておでこを見せて来たので、そこに優しくフレンドリーキッス。5秒しっかりおまじないをかける。その後、ノア先輩は安心しきった顔をしていた。よし、完全復活。

 おまじないが終わったと同時にフォトンの出番が来たらしく、ノア先輩は1人覚悟の決まった顔をしながら控え室を出た。皆もそれについて行った。俺の役目は無事達成されたわけだ。あとは舞台袖から後方腕組彼氏面するだけ。

 

 

 

「ノア、あれでまほろちゃんに惚れてないは無理でしょ」

「劇薬を見せつけられちゃったわね」

「男に惚れたメスの顔してた……色も真っピンク……」

 

 ちなみにフォトンの皆は呆れていた。

 

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

 ノア先輩は無事にステージを終えたけど、対戦相手のピキピキにボッコボコにされてた。王者って怖いな。ハピアラファンで良かった。ハピアラもハピアラでピキピキにボコボコにされてたけど。これが弱肉強食。

 

「なあなあ真秀、俺のステージどうだった?」

「良かったよ。ただ、あんまりまほろがキラキラすると夢女が増えるから目立つのはほどほどにして欲しいな。浮気はダメだからね?」

「はーい」

 

 元より真秀以外を愛す気はないし。しのぶと決着つけなきゃなって思ってたけど、俺メイドにセクハラしたら満足したのか何も言って来なくなった。だからもう浮気の元になりそうな要素はない。俺は晴れて真秀の彼氏。

 

「そういえばさ、私ってまほろからキスして貰った事ないじゃん?その……そろそろ良いかなって」

「言われてみればしたことなかったな。よし、するか」

 

 後夜祭まで時間あるし、2人きりだ。星空も見えてムードはバッチリ。

 

「じゃあ、その──んっ」

「はいはい」

 

 真秀が目を閉じて、顔を向けて来たからそっとキスをした。おぉ、めっちゃ幸福感。これが愛する人にキスする感覚。もうずっとこのままで良いかもしれない。

 

「……ふぅ。どう?変じゃなかったか?」

「ふふっ、とっても幸せだよ」

「そりゃ良かった」

 

 真秀も満足げだ。この顔が見れただけで俺も満足。ここまで来るのに随分と遠回りをした気がする。色んな人を振って、ボコされて、ハチャメチャにやんちゃしたなぁ。一時は詰んだと思った時もあったけど皆の協力と俺の潜在能力で何とかなったし。俺1人じゃここまで来れなかったと思う。ありがとう、全俺の友達。

 

「ねえ、まほろ」

「なんだい」

「私の事、幸せにしてね。私もまほろを幸せにするから」

「ああ、一緒に幸せになろうな」

 

 真秀に送った指輪に誓って、俺は真秀と二人三脚で一緒に歩んで行く。病める時も健やかなる時も寝盗られた時も確定申告の時も俺は真秀と一緒にいる。それが俺の幸せだから。




ノア先輩はノア先輩√に入らない限り気持ちを自覚する事はありません。現場からは以上です。
これにて完結になります。評価9に票ぶち込みでもしてくれれば嬉しいです。良ければ何卒。気が向いたらハピアラ、ピキピキ、フォトン、リリリリ各1人ずつ選んで個別√でも作ります。

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