ヤンデレ真秀ちゃんに死ぬほど愛される日常 作:コントラポストは全てを解決する
今日もむにと絵を描いてた昼休み。
「あ、あの!境くん!」
「ん?ああ、どうしたの?」
「境くんの昨日のライブ見たよ!かっこよかった!」
「おぉ、それはどうも。かっこいいって言って貰えて嬉しいよ。ありがとうオリゴ糖ー」
俺の初パフォーマンスから1日が経った日。今日は俺の下に何人かお客さんが来る。来る人来る人、皆昨日のパフォーマンスの感想を言ってくれるのだ。ネットが普及し感想や意見は掲示板に書き込めば良くなった時代。こうして言葉を直接言いに来てくれるのは嬉しい。またライブしたいって思う。
「で、でね、良かったらこれ……どうぞ……」
「おー、カロリーメイトのいちご味だ」
「境くん、少食でこういうのしか食べないって聞いたから……よ、喜んで貰えたかな……」
「めーっちゃ嬉しいよ。サンキュー」
「う、うん!どういたしまして」
こうして皆差し入れにカロリーメイトをくれる。これで7個目だ。皆、俺が少食だということ知っていて、しかもカロリーメイトを好んで食うことを認知している。ご飯がいっぱい増えて嬉しい。
「そ、それじゃ、またね!」
「また今度ー」
どこかのクラスの少女Dは去って言った。結構可愛い女の子だったな。この学校、全体的に男女共々顔面偏差値が高い人が多いとネットのクチコミに書いてあった。そんな中にフツメンの俺がいていいのだろうか。
「モテモテで良いわね」
「俺が望んだ高校生活が叶った気がする。ご飯もいっぱい貰えた」
「あたしとさっきの女の子、どっちが好き?」
「真秀が好き」
「ちゅー」
「やめてやめてキスしないで」
昨日からむにのツンデレがなくなった気がする。あとしょっちゅうキスをせがんでくる。授業中にこっそりキスしようとするのやめてくれ。バレたら怒られる。
「まほろからは全然キスしてくれないわね」
「つ、付き合ってないじゃん」
「昨日告白してくれたじゃない」
「あれは告白ではなくてですね」
「『むにから離れたりしないよ。一生一緒にいる』……ほら、告白じゃない」
「待って、なんで録音してんの?」
スマホじゃなくてガチめな小型録音機に高音質録音してある。何この子……怖……。いつの間に録音したんだ。というかなんでそんなの持ってるんだ。
「うふふ、いいでしょ。これに沢山まほろの声を詰めて、何時でもどこでもまほろの声を聞けるようにするの」
「俺の事好きすぎかよ」
「あら、昨日のキスで想いは伝わってると思ったんだけど、まだ足りないようね」
「大丈夫、ちゃんとむにの気持ちは伝わってるから。だからキスはやめちくり」
またキスをしようとするむに。俺は迫ってくるむにを両手でガードした。
むにの謎の行動力はハテナだが、まあこれくらいなら許容範囲内だ。真秀みたいにならないことを願おう。
まあ、そんなことより。少し催して来た。漏らす前にこの場から退場しよう。
「ちょっとトイレ行ってくる」
「早く帰って来なさいよ」
俺は席を立ちトイレに向かった。教室を出る直前、むにがあの小型録音機にイヤホンを挿して何かを再生しながらニヤニヤしているのが見えたが、もしかして俺の昨日の告白モドキ聞いてる?やめて恥ずかしい。
──────
お手洗終了。スッキリした。さてと、戻ってむにとお絵描きでもしますかね。
「ま、まほろ!」
「ん?あ、響子。どうしたの?」
「え、えっと……その……」
山手響子らしからぬモジモジした感じで、手を後ろにして何かを隠している。なに持ってるのかな。肩にトートバッグもかけてるし。これからランチタイム?しのぶ達といないのは珍しいね。
「えっと……お昼、一緒にどうかなって」
「学食が俺には量が多いことは響子も知ってるじゃろ?」
「わ、私……おにぎり作って来たんだ。ちっちゃいやつ……。ほら!」
「おぉ、ミニサイズだ」
コンビニおにぎりよりも小さい、1口サイズのおにぎりが入ったランチボックスを響子が見せてくる。形が歪んでるところを見る限り本当に手作りらしい。でも俺、もうカロリーメイト食べたからなぁ……。これ以上入るかどうか。
「うーん……3分待って。俺のお腹と相談してみる」
「む、無理はしないでね。まほろが少食なのは知ってるから、ダメだったら断って良いよ。うん、私も大丈夫だから……」
響子は俺に断られた体でもう話を進めているようだ。めっちゃションボリルドルフしてる。これ、断ったら泣いちゃうんじゃないだろうか。
まあ、俺も男だし、たまには根性出そうかね。それに、おにぎりを粗末にするやつには天誅が降るって混ぜ込みおむすびさんも言ってたし。
「良いよ。一緒に食べよう。俺のお腹もまだ行けるって言ってる」
「ほんと!?良かった……ありがとう!」
「どういたしまして……で良いのか?作って来て貰った俺がお礼を言うべきだと思うが。で、どこで食べる?出来ればしのぶと絵空がいないところがいいんだけど」
「屋上行こう!ね!」
「おう、分かった」
少し食い気味に、でもとても嬉しそうに、響子は笑っていた。可愛いなぁ……。響子みたいな大人しくて、相手を理解してくれて、頑張ってご飯まで作ってくれる女の子が俺は好き…………おかしいな、昔の真秀と一致するぞ。今では俺に近づく女絶対許さないウーマンとなってしまってよく荒ぶってるけど、昔は大人しく、俺にベッタリだったけどあんまりがっつかないで、俺の隣を歩いてくれる理想の女の子だった。いやまあ、今の真秀も好きだけど。もう少しこう……手心というか……。まあ、女の子は皆好きって事で、この話はおしまい。
さあ、屋上へ行こう。響子とお昼ご飯食べるんだ。
「アタシのまほろに手を出すとは、いい度胸だな。響子」
なんかしのぶの気配がするが気のせいだろう。俺はめんどくさい気配はスルーする主義なのだ。へけっ。
来たぜ屋上。見せるぜ人情。そういえばむには今も録音機で俺の声聞いてんのかな。そのうち録音じゃ我慢出来なくなったとか言ってきそう。むにも着々と真秀化してるようで草も生えない。
はぁ(クソデカため息)
「まほろ、どうしたの?ため息なんかついて」
「ん、いや。世の中の女の子が皆響子みたいだったら良いなって思って」
「私?」
「そっ。皆、なんかバチバチしてて怖いけど、響子はおしとやかだし、こうして料理まで作ってくれるし。ありがたいありがたい」
「……それって、やっぱり皆まほろを狙ってるって事?」
「んー……どうなんだろ。狙われてるのかなー」
皆俺が好きなのだろうか。キスとかはされてるけど、でも海外とかだと挨拶でキスするし……それに学生ってノリでなんでもやるし。むにはまあ俺をそういう目で見てるとして、真秀は……ただ俺に依存してるだけかもしれないし。しのぶは多分、『俺の音楽が好き』という気持ちを、『俺が好き』だと勘違いしてるんだろう。
「ま、まあ、いきなりそんな難しい事言われてもわかんないよね。ご飯食べよっか」
「そうだな。わかめのおにぎりある?」
「あるよ。まほろ、わかめのおにぎりと鮭のおにぎり好きだったよね」
「あれ、教えたっけ」
「絵空に教えて貰った」
絵空にも俺のおにぎりの好みを教えた記憶がないが、まあ、あいつなら俺の身辺調査をして俺の好みを割り出すのなんて容易いだろう。絵空って自分の正義の心振りかざしてめっちゃ牙向いて来るからな。この間なんか俺の血が欲しいって言って来たし。ヴァンパイアかよ。
「絵空は元気してる?」
「あー……最近はまほろが会いに来てくれないからって大分荒れてる。マホロビンCが足りないとか言ってたかな。愛されてるんだね」
「あいつのはただの狂気だ。一体、何が絵空をそうさせるんだろうなー」
「意外と、単純な愛だったりして」
「愛ねー」
愛という盾の前なら何しても良いって絵空思ってそう。あとマホロビンCって何。万物の源ですかい。そのうちマホロビンC枯渇問題とか出てきそう。いや、もう絵空の中だと枯渇してるのか。可哀想に。
おにぎり食べよ(他人事)
「まほろ。あ、あーん……」
「……顔赤いけど大丈夫?」
「い、いいから食べてよ」
「はーい。……うん、美味しい。ビタミンCが効いてる味がする」
めっちゃわかめと塩気がする。俺は塩気の効いたわかめが好きだ。塩気の効いた鮭も好き。塩気が好きなんだと思う。
あーんって良いね。手を使わずにご飯が食べれる。赤ちゃんに戻った気分だ。ばぶー。食べさせてきた響子の顔が真っ赤になるのが問題点だが、まあ、可愛いからいっか。
「なんだかんだ、響子が一番女の子っぽいのかもな」
「私の事、女の子っぽいって言ってくれるのなんてまほろだけだよ。皆、かっこいいって言ってくるし」
「響子はかっこいいって言われるの嫌なの?」
「嫌じゃないけど……たまには可愛いって言われたいなって」
響子にも乙女心が残ってたんだなー。絶対王者って言われて女の子にモテモテだから、もう百合の道を進むのかと思ってたよ。しのぶと幸せになってくれたら俺の不安も少しは紛れるんだけど。
「響子は好きな人っているの?」
「……いるよ。優柔不断で、そのくせノリが軽くて茶化し癖があって、色んな女の子にモテモテな男の子。昨日からもっとモテモテになっちゃった」
「クズ男かよ。やめとけ響子、そういうやつはヤるだけヤったら響子を捨てるぞ。かー!最近の男はヤる事しか頭にないからいかんね」
「まほろは、ヤるだけヤったら私を捨てるの?」
「は?一生大切にしますが。死んでも守るけど」
「なら、私は安心だよ」
「そ、そうか」
なんで響子はそんな安心しきった顔してるんだ。微笑みが優しすぎだろ。ほんのり顔赤いの可愛い。惚れそう。だが、そんな響子はクズ男に引っかかりそうになっている。なんとしてでも守り抜かねば。俺が護らねば。今ここに、山手響子親衛隊の設立を宣言する!
「ま、まほろは好きな人いないの?」
「皆が大好き」
「そういうのじゃなくて、付き合いたい人とか……結婚したい人とか……」
「俺が誰かと付き合ったら、その人が幼なじみに消されるんでね。いやー、最近の俺の幼なじみすごくてさー。なんて言うか、俺に近寄る女絶対殺すウーマンになっちゃって。昔は可愛かったんだが──」
「……まほろ、嬉しそうだね」
「え、そう?」
真秀の恐ろしさを話してるつもりだったが、嬉しそうな顔をしていたらしい。もしや俺は真秀の圧が好きなのだろうか。真秀の圧…………こっわ……無理ぽよ……。
「そっか。まほろの好きな人、何となく分かったよ。私も負けてられないな……」
響子は俺の好きな人がわかったらしい。俺ですら自分の好きな人がわかってないのに、なぜ響子にはわかるのか。まさか、ニュータイプ……?はえーびっくり。やっぱ学園の絶対王者は違いますわ。てか、絶対王者の作ったおにぎり食ってる俺、割とレアキャラなのでは。
「そうだ、響子。お弁当のお礼しなきゃな。何が良い?なんか欲しいものある?」
「え、良いよそんなの。私が勝手にやったことだし、お礼なんて……」
「大丈夫、おじさんに任せんしゃい。なんでも言って?響子のお願いなら全部聞いちゃるけん」
「……そ、そう?じゃあ──」
響子は何をお願いするのかな。ランボルギーニか?フェラーリか?ロレックス?現ナマ……は響子は頼まないか。
俺は響子が何をお願いするのかウキウキしながら待っていたら、響子が頭を俺に向けて来た。つむじが見える。なんこれ、頭突きしろって事?
「──頭、撫でて欲しい……」
は?かわよ。
顔赤いの点数高い。狙ってやってます?俺の心の萌え萌えゲージが限界突破しちゃう。こんな響子の可愛い面を見れるの俺だけだろうなー。この学園の男達はこんな可愛い響子をほっぽって何してんだろ。響子を放っておくとか人生の100割損してる。
俺は思わず響子を抱きしめてしまった。でも俺は悪くない。可愛い響子が悪い。だから私は謝らない。
「ま、まほろ!?ハグはしなくて良いって……あ、あの……あぅ……」
「よしよし。響子は可愛いね。いつも頑張ってて偉いよ。俺はいつも響子の事見てるからね」
響子をハグして頭ポンポンしながら思ってた事全部ぶちまけた。あー、彼女にするならこういう子を選ぶのが幸せへの第1歩なんだろうな。なるほど、これが愛おしいと思う心か。大切なものを愛でる気持ち。必死に育てた朝顔の花が咲いた気分だ。この気持ち、正しく愛だ!
「ま、まほろ……ダメ……私、ダメになる……うぅ……恥ずかしい……」
響子の弱々しい声。響子は由香とかで抱きつき慣れてると思っていたが、意外とハグは経験薄いらしい。今のうちにいっぱい抱いて慣れさせとこ。響子を抱けるのは俺だけとか独占欲働いちゃう。うぅ、ダメになる。うずうず、うずうず。
「そろそろ離そうか?」
「うん……そうして欲しい……」
「顔真っ赤だね」
「み、見ないで……!」
ピュアっピュアだなー。あまずっぺぇ。あ、今俺青春してる。むにと真秀にキスされた時以上に青春してる気がする。そもそも真秀とむにのあれは青春というより戦争だったからな。あんなバチバチした環境に戻るなんてごめんだね。そうか、俺は響子を取るべきだったんだ。
「なんか、響子の知らない1面を見れて良かったよ。でも、もっと欲張んないとダメだぞ。欲しいものは全力を出さなきゃ手に入らない」
「……そうだね。それは一番わかってるよ。でも、勇気が出ないんだ……。いつも、もっと話そうとか、今日は距離を縮めるぞとか、脳内ではいっぱい考えるんだけど、結局は頭の中で終わってて。今日だって、昼休み始まったらすぐ誘おうって思ったのに、チキって時間かかっちゃった……」
「分かる。俺だって、もっとあいつの事大切にしなきゃって思うけど、結局は逃げたりしちゃって。怖いって嫌だよな」
「うん、そうだね……」
あれ、響子にもっと強欲になれって話してたはずなのに、なんで俺は真秀の話をしてるんだ?ついさっきドンパチするのは嫌だと言ったばかりじゃないか。俺の脳は訳わかんない思考をするなぁ。
そういえば真秀は今何してるんだろ。むにとまた喧嘩してんのかな。あの2人はなんか知んないけど俺を取り合ってるし。平和的解決を望むが、俺がいなくならない限りはそんな未来は来ないんだろうな。
考えても仕方ないので、俺は気晴らしにおにぎりを食べた。
「……まほろ、やっぱり嬉しそうだね。好きな人の事考えてるんだ」
「なんだかんだで、俺はあいつの事が好きなのかもな」
「そっか」
本当は響子みたいな子を恋人に選んだ方がいいんだろうけど、なんでかずっと真秀の顔が過ぎってくる。真秀の事を放っておけないと言う感情が芽生えてくるのだ。
「まほろの幼なじみに負けたくないな……」
響子が俺の肩に寄りかかって来た。なんだか切なそうな顔だ。何か明るい話題を振ってあげた方がいいかもしれない。
「そういえば、そのトートバックには何入ってるの?」
「これ?ああ、まほろへのプレゼント」
「俺、誕生日じゃないよ?」
「私が渡したいと思っただけ」
そうして響子はトートバックの中から直方体の箱を取り出した。パッケージにはマイクの写真と『BLRX-1988』という型名が書いてあった。なぜマイク。
「まほろ、ライブデビューおめでとう。まほろはボーカルやってるって聞いたから、気に入ってくれたらって思って。私のオススメだから良かったら使ってみて欲しいな」
「おぉ、そういう。ありがとう。次のライブで使ってみるよ」
「ん。私のと同じ機種だから期待して良いよ」
「じゃあ、お揃いだな」
「う、うん。お揃い」
響子は照れくさそうにしていた。
性格も合うし、マイクまでお揃いって、これはもう事実上付き合ってるという事では。いや、響子の事だ。きっと俺とお揃いにしていつかライブでコラボする気なのだろう。電乱カウントダウン歌いたい。
「響子、改めてありがとう。またお返ししなきゃな」
「別に良いって。……も、もう、頭撫でないでよ」
「でも、気に入ってるだろ?撫でられるの」
「あぅ……」
ピュアっピュア。なんだかこれ、響子が俺を好いてるみたいだな。こういう事され慣れてないだけなのに、勘違いしそうになる。いけないいけない、響子にキモがられないためにも変な思い違いはしないようにしなきゃ。こんな響子も、いつか誰かと付き合いだすのかな。俺より弱いやつには……俺より弱い男とかいるのか?泣けるで。
顔真っ赤な響子を見ていると、今何考えてんのかなって思ってしまうね。
(まほろにいっぱいアピールできたし、今いい感じだし、きょ、今日こそは──!)
隣にいる響子が、何か決心した顔をしている。
「ま、まほろ!」
「おう、どしたん」
「わ、私ね、実はまほろの事が……す……す……」
「酢?」
響子が「す……す……」って言ってる。酢の話でも始める気だろうか。俺のおすすめはミツカンなんにでも合う簡単酢だ。響子はなんの酢が好きなのだろう。まあ、待ってみよう。
「まほろの事が……好k──」
その時、屋上の入口の扉が勢いよく開いた。誰かが入って来たらしい。
「響子、そこまでだ」
「し、しのぶ!?なんでここに……」
「後つけて来た。で、全部聞いてた。響子、抜け駆けしようとしたな」
「ち、違うのこれは。え、えっと」
「違くないだろ。ほら、戻るぞ」
やはりしのぶが後をつけて来ていたか。今までのこと全部聞かれたし、もしかしたら見られてたかもと。気配をまったく感じなかったが、相変わらずの忍者スキルのようだ。
「まほろ、響子がすまなかった。今の話は忘れてくれ」
「酢の話をしてただけなのにこの仕打ちはあんまりじゃまいか?響子が可哀想だ」
「お前は相変わらずだな。まあ、今日は暴れる気はないし、咎めはしないよ」
「はぁ、なるほど」
「それじゃ、またな。おら、響子立て。これからピキピキ会議だ」
「うぅ……酷いよしのぶ」
「悪いな。お前に渡す訳には行かないんだ」
そして、響子は身体とランチボックスとトートバックを引きづりながら、しのぶに連れられて行った。一体なんだったんだろう。響子が俺に話そうとしていた事とは一体。
…………。
むにのところに戻るか(思考放棄)
──────
「むにー、ただいまー」
「おかえり……って、何その箱」
「響子から貰った」
「誰よその女」
「ツッこむとこそこ?」
教室に帰ったらむにが1人でお絵描きしていた。マイクの事を話したら、マイクより響子の事に突っかかって来たのはなんでだろう。時々むにの感性が分からなくなる時がある。
俺は響子との関係を放課後まで延長してむにに説明した。むには終始不機嫌だった。なぜ。