パワポケSS断片集   作:艶 紫苑

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和那が暴走していた時期にあるヒーローと出会っていたらみたいな妄想です
ヒーローがどうにかして手に入れたジャマーで超能力を封じているという設定です
超能力ありの戦闘は書けないので


和那VS謎の男

長身の女と浮浪者然とした格好の男がにらみあう。

じりじりと間合いをつめる。

女が見下ろし、男が見上げている。

見下ろされても男は臆することなく先に動いた。

強烈なローキックが女の長い脚に叩き込まれる。

 

「ちっ…なんちゅう…」

 

膝をあげ防御するも、膝から下が千切れ飛んだかと錯覚するほどの威力。

 

――こらあかんわ。ガードやのうて、完璧にかわさな…

 

男は足を重点的に攻めてきた。

足をキャッチしようとするが、上手い具合に攻撃を散らしてくる。

蹴りだけでなく拳も強烈だった。

 

「さっきまでの威勢はどうした?」

「ぐぅぅ…うっさい、あほ!」

「動きが鈍いぞ。超能力に頼りすぎたツケだな」

 

視界が塞がれる。

男が身にまとっていた外套を投げたのだ。

 

「ちっ、小賢しい!」

 

薙ぎ払う。

視界が晴れた先。男の姿が消えていた。

 

ざざっと砂を擦る音。

とっさに身をかわした。

 

「っぶな!」

 

男が足めがけて滑り込んできたのだった。

ベースに滑り込むときのようなスライディング。

ぼーっと突っ立っていたら骨を砕かれていたかもしれない。

 

「わわっ」

 

足元に男がいる。カウンターを叩き込むチャンスでもあったが、かわすのがやっとだった。

足に男が絡みついてくる。

転がされ、膝を極められそうになる。

極めきられる前に反対の足で蹴って脱出する。

 

「いったぁ…もう、なんやねん…」

 

距離をとろうとしたところで強烈なローキックを入れられた。

 

ふらついたところに連続攻撃。

かわしきれず何発も喰らってしまう。

反撃はかわされいいところがない。

 

「千本槍、どうやら君は口だけだったようだな」

「…あはは、確かに。ボコボコやね」

「終わりにしよう。そのあとでたっぷりとお説教だ」

「はっ!やれるもんならやってみい!」

 

男が距離をつめてくる。

迎撃。ひらりとかわされる。

 

――くそっ、ほんまにツケが回ってきてるみたいやな…超能力を使った戦闘に慣れすぎた…思うように体が動かん…コイツが予想以上に強いっちゅうんもあるけど、打たれ放題や…

 

一方的に攻められる。

日本刀のような切れ味のローキック。ワンツーから強烈なアッパー。

かわし、受け流し、決定打こそさけるが、ダメージは確実に蓄積していく。

 

「どうした、本当に口だけか?」

「うぅぅ…」

 

痛みと絶望感に顔をゆがめる。

男が〆とばかりに攻勢を強めてきた。

 

――でも、見えてきたで。アンタのクセ。

 

絶望の表情の裏で、和那はぺろりと舌を出した。

 

 

 

「つかまえた♪」

「なっ」

 

耳元で囁かれぞっとする。

胴に何かが巻き付いた。何か。和那の腕だ。

ふわりと持ち上げられる。早業かつ力業。踏ん張るいとますらなかった。視界がぐるりと流れる。へそが天を向いたあたりで胴に巻き付いていた腕が外された。空に投げ出され落ちてゆく。

 

「ぐぅっ!!」

 

強い衝撃が体を突き抜ける。

 

「暗黒イズナ流星落とし、バージョン和那…能力が使えたらもうちょいちゃんとパクれるんやけど、いまのはただの投げっぱなしジャーマンやね。背中から落ちるようにしといたで。普通のヤツならそれでもあかんけど、あんたなら大丈夫やな?」

「くそっ…」

 

ふらふらと立ち上がる。

和那が目の前にいた。

 

「形勢逆転。…さっきまでのお返しや!」

 

ドカッ!バキッ!ボコッ!

 

「ぐあっ!!」

 

長い手足から繰り出される攻撃。

一方的な展開になる。

無理やりにでも反撃。ひらりとかわされた。大きな体を地を這うような低い姿勢でもぐりこまれる。

再び胴をとらえられた。

 

 

 

和那は一瞬躊躇する。

 

――さすがにもう一回はマズいかな?

 

バックを取り情け容赦なく反り投げようとした寸前に善良な心が顔をのぞかせたのだ。

躊躇したのはほんの一瞬。

 

「ぐぅっ」

 

その一瞬に肘を叩き込まれた。

顔面に痛みが走る。

 

「いったぁ…コイツっ!」

 

無理やり投げようとして、もう一発肘を入れられた。

胴をとらえていた手を離してまう。

男が空中でくるりと回転した。

華麗に着地する。

和那はべちゃりと倒れこんでしまった。

 

それでもすぐに立ち上がる。

鼻からつっと熱い液体がしたたった。

呆然とそれを拭う。

赤く染まった手を見て目を見開く。

 

――あまっちょろい考えは通用せんってコイツに教えたるつもりだったのに…まさかこっちが思い知らされるなんて…

 

「いまので目が覚めたわ」

「なんだ、いままで寝ていたのか」

「ああ、そうやね。こっからが本当の戦いや!」

 

叫んで間合いをつめる。

男も前に出てきた。

殴り合い。

 

――あらら。こらあかんわ。最初に蹴りをもらいすぎた…

 

足の痛みがひどい。

本当の戦いなどと息巻いたが、あっという間に圧されてしまう。

 

――なんやねん、コイツ。バケモンか?

 

男の驚異の回復力。

ついさっき地面に思い切り叩きつけられたことなどなかったかのような動き。

 

――頭から地面に突き刺すべきやったか…

 

殴り合いが殴り合いではなく一方的になるのも時間の問題だった。

 

中段蹴りを放つ。

痛みのせいでひどいもの。

男に受け止められてしまう。

 

「離せっ!このっ!」

 

顔面に爪を立てる。頭突きをくらわせる。がむしゃらだった。

よろめいた男にタックル。馬乗りになって拳を落とした。

鬼の形相。

 

しばらくして拳をとらえられる。腕ひしぎを極められそうになる。

 

「ぐあっ!」

 

男の脚に噛みついた。

たまらず腕を離した男にもう一度馬乗りになろうとする。

だが、するりと逃げられてしまった。

 

もう何度目かのにらみあい。

 

「驚いたな…心優しい大江和那という女の子はもうどこにもいないらしい」

 

男は苦笑いする。

和那はけたけたと声をあげて笑った。

 

「大江和那?誰やねん、そいつ」

 

たがが外れたように、腹を抱えて大笑いする。

男が怪訝そうな顔をした。

 

「なにがおかしい?」

「はっ。笑わずにはおれんわ。なんや、あんた、大江和那と戦っとるつもりだったん?」

「そうだが?」

 

けらけらと笑う。

 

「涙出てくるわ。ぷくくっ。あー、おかし」

 

男は呆然としていた。

和那はため息をひとつついて笑いを一段落させる。

 

「――あんた、間違えてるで。人違いや」

「人違い?」

「そ、あんたが探しとるんは大江和那やろ」

「いまさらしらばっくれるつもりか?」

「ちゃうちゃう。しらばっくれるんやのうて、事実や」

 

「臆病で、背の高いことを気にしとって 自分に自信がなくて…でも、それでも、同じクラスの男の子のことを本気で好きになって恋に落ちた、大江和那はいまはおらん」

 

「いまあんたの目の前におるんは――ケンカが好きで暴悪な鬼――茨木和那や!…大江和那?二度と間違えんな、ボケがっ!」

 

 

 

男が笑った。

間合いをつめてくる。

 

男の動きに合わせて腰を落とす。

低い姿勢で攻撃をくぐり痛みに顔をしかめながら右手右足を前へ。

 

 

 

男は目を丸くした。

 

――槍を隠し持っていたのか…?

 

和那の長い手足、完璧なタイミング、茨木流の鍛錬によって身についた姿勢。

それらが合わさって男に槍の一撃を幻視させた。

胸を穿たれたかと思うほどの威力。

 

崩拳が男のみぞおちに直撃した。




殴り合う二人の間に武美がノコギリをもって乱入
和那があっさりと手首をつかまえて投げ飛ばし、つめよっている
隙をつかれヒーローキックを食らわされて決着

ってな感じの妄想
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