主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア   作:ユリアンヌ

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前書きはなしで第18話へ(’-’*)♪


第18話 悲しみの裏側で

 

 

 

 

 

 

 

 

…もう15分は経つけどグラントリノさん、まだ話してるのかな…。オールマイトと何かあったって言ってたけどやっぱり気になるな……。

 

成切さんがあんなに泣くほどのことって何なんだろ…?

 

 

 

 

 

体調不良で学校に行ったことを怒られた…とか…?

 

 

 

 

 

 

 

いや……流石にそれで泣いたりはしないか……。仮に成切さんが体調不良なのを隠しててバレたとしてもオールマイトがそこまで怒るとも思えないし……。

 

 

 

 

 

だとしたら他に何が……。

 

 

 

 

 

 

グラントリノに外に出されてから15分間、ずっと入り口前の階段に座り考えていた。自分の思い当たる範囲であらゆる可能性を考えたがどれもいまいちピンと来ない。

 

 

 

 

「小僧もう良いぞ」

 

「あ、話終わったんですね。

それで成切さんは……?」

 

 

 

そこへグラントリノが緑谷を呼びに来た。

 

 

 

 

「とりあえず部屋で休ませてる。どうやら友里絵の奴、オールマイトと喧嘩したらしい」

 

「オールマイトと喧嘩!?何でそんなことに!?」

 

 

 

 

緑谷が心配そうにする中、グラントリノは友里絵がオールマイトと喧嘩をしたことを明かす。二人が喧嘩したという事実に緑谷は驚き、どいうことなのか確かめようとする。

 

グラントリノは少し迷い──……。

 

 

 

 

 

 

……さてどうしたものか…。

 

 

 

 

この小僧にはあのことはまだ話してないからな…。

 

オールマイトからも話は聞いとらんようだし友里絵が"個性"を消そうとしたことは言わない方が良いだろう…。

 

 

 

 

「友里絵が"個性"のことで悩んでいたのを黙っていたことがオールマイトにバレたらしく問い詰められたことで口論になったそうだ」

 

「え…黙っていたってどういうことですか…!?つまりオールマイトは成切さんが"個性"のことで悩んでいるのを知らなかったってことですか…!?」

 

 

 

考えた末、友里絵がしようとしたことは上手く伏せて話すグラントリノ。

それでも緑谷は友里絵がオールマイトに隠し事をしていたということが信じられなかった。

 

 

 

 

「いや……友里絵が"個性"のことで悩んでること自体はアイツも当然知っとるんだが、何故か友里絵にそう言った話をして来ないらしく、友里絵の方も"個性"のことに関してはオールマイトにすら触れられるのを嫌がってて言わずに済むのならと一切相談しなかったんだ」

 

「え…でもグラントリノさんには普通に相談してるじゃないですか…」

 

 

 

オールマイトとグラントリノ。どちらも友里絵の事情を知る人物であり理解者。

 

 

そして友里絵の保護者でもある。

 

 

オールマイトの方は友里絵と6年間離れていたハンデはあるものの、それを入れたとしても条件はほぼ同じ。

 

なのに何故オールマイトには相談出来ずグラントリノには相談出来るのか、不思議で仕方なかった。

 

 

 

 

「いや、普通と思うかもしれんが俺だって普段から相談に乗ってるわけじゃねぇし拒まれる時だってある。相談だってアイツからしてくるわけじゃねぇから結局はこっちから聞くか気付いてやるしかねし話が出来るかどうかは友里絵次第だ。だからアイツが話したくない時は無理に聞かないようにしてる」

 

「そうなんですか……」

 

「ああ。アイツの扱いは難しく特に気を使わなきゃならねぇんだ。だがオールマイトの奴が無理に聞き出そうとしたことで友里絵も我慢出来なかったんだろう。ついムキになって心にもないことを言っちまったらしい。それで落ち込んで泣いちまったってわけだ」

 

「…わかりました。教えていただいてありがとうございます…」

 

 

 

 

 

 

そうか……。だから成切さんはあんなに泣いてたのか……。

 

 

 

触れられたくないことをオールマイトに何度も聞かれたショックと、そのオールマイトにひどいことを言ってしまった自分への嫌悪で……。

 

成切さんがそこまで"個性"のことで悩んでいたなんて……。

 

オールマイトと和解して長い間苦しんでいたのがやっと解放されたと思ったのにまだ完成に解放されたわけじゃなかったんだ……。

 

 

彼女の"個性"事情はまだわからないけどその悩みが解消されない限り苦しみはまだまだ続くんだ……。

 

 

その悩みが早く解消されることを願うけどあとどれくらいかかるんだろう…?

 

 

あとどれくらい苦しめば成切さんは本当に解放されるんだろう……?

 

 

友里絵の本当の気持ちに気付いてやれないばかりか何もしてあげられない自分に緑谷は悔しさともどかしさを感じ拳をギュッと握りしめた。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

夜───。

 

 

 

 

 

……今日もあまり職場経験が出来なかったな……。成切さんのことがあったから仕方ないけど………。

 

 

 

初日同様、今日も職場体験は途中で終了になってしまった緑谷。

 

またしても部屋に籠って出て来ない友里絵の心配をしつつ、どうしようかと迷っていた。考えた末、また自主練をしようと一階に降りてきた。

 

 

 

 

「あ…デクくん……」

 

「な…っ成切さん…!?え…っ何してるの!?」

 

「私がまた変なとこ見せちゃったせいで職場体験が中断になっちゃったから謝ろうと思って待ってたの。デクくんのことだからきっと今日も自主練するかと思って……」

 

 

 

するとそこには何故か椅子に座る友里絵の姿がありった。どうやらまた職場経験が中断になったことを謝ろうと思い、緑谷が今日も自主練をすると見越して待っていたのだ。

 

 

 

「え…じゃあまさかずっとここで!?もし僕が来なかったらどうするつもりだったの……!?」

 

「その時は様子見て戻るつもりだったから大丈夫だよ…」

 

「そ…そっか…。だけど職場経験のことは成切さんのせいじゃないから気にしないで…。グラントリノから聞いたけどオールマイトと喧嘩したんじゃ落ち込むのも無理ないと思う…」

 

 

 

いつから待っていたのか気になるところだがはここは敢えて聞かず、ひとまずはずっと待ち続ける可能性はなかったことに安心し、友里絵に気にしないように伝えた。

 

しかし友里絵は首を振った。

 

 

 

「けど聞いて呆れるでしょ…?せっかく和解したのにまた喧嘩しただなんて……。しかも何も悪くないトシおじさんにひどいこと言っちゃって…。メールとかも無視しちゃったしきっとトシおじさんも呆れて私のことなんてもうどうでもよくなってる……。こんなことになるなら最初から和解なんてしないままの方が良かった…」

 

「そんな…!違うよ……!僕は呆れてなんかないしオールマイトだってそんなこと思ったりしない!するハズがないじゃないか…!それに喧嘩するのは悪いことじゃないよ…!あ、いや…悪いんだけど和解したから普通に喧嘩出来るようになったんだし、僕も成切さんと仲良くなれた!和解してなかったら絶対に出来なかったことだよ!」

 

 

 

 

和解しない方が良かったという言葉が耐えられず、つい感情的になり必死に訴えた。

 

 

 

「…クスッ、それ結局喧嘩が良いのか悪いのかわからないじゃない」

 

「…っそ…それはそうだけど…!ごめん…うまく言えなくて……」

 

「ううん、そんなことない。デクくんの気持ち伝わったよ。ありがとう…」

 

 

 

 

緑谷の必死さが伝わり友里絵の表情に少しの笑顔とツッコミを入れる余裕が戻った。

 

 

 

「と…とにかくもう一度オールマイトと話してみなよ。きっと大丈夫だよ。

そうだ、いっそこの際思いっきり愚痴っちゃえばどうかな?溜め込むよりかずっと良いしオールマイトなら愚痴でも受け止めてくれるよ」

 

「それ…トリノおじさんにも言われた。トシおじさんに黙ってるから余計に苦しいんだって。話せば気持ちだけでも少しは楽になれるからって…。だからどうするかずっと考えてた…。

そして決めた…。私トシおじさんに言う……。明日になったら会って謝って辛いこと全部話して悩みを聞いてもらう」

 

「そっか……。僕もそれが良いと思う。頑張って」

 

「ありがとうデクくん」

 

 

 

 

オールマイトに打ち明けることを決めた友里絵。これにより彼女の悩みがひとつ解消されたことになる。

 

緑谷もそんな友里絵に励ましとエールを送った。

 

願わくは少しでも彼女の救いになることを祈る。

 

 

 

「…じゃあ問題が解決したところでデクくんにずっと言いたかったことがあるんだけど」

 

「え、僕に?」

 

「今日の朝たい焼き出したでしょ?」

 

「な…何で急にたい焼きの話に!?

ていうか何でそれを!?」

 

 

 

シリアスな雰囲気から一転、いきなり話はたい焼きへと切り替わった。

その上、何故か朝たい焼きを出したことが友里絵にバレていた。

 

 

 

「何でってデクくんがメールくれたんじゃない。たい焼き温めてたらワン・フォー・オールのコツに気づいたって」

 

「…あ…っ!」

 

 

 

その言葉に緑谷はハッとした。

 

 

 

 

 

そ…そういえばそんなことをメールで送ったっけ……!

 

あの時はただ単に協力してくれた成切さんにワン・フォー・オールのコツが掴めたことを伝えたくて打ったメールだったけどよく考えたら、たい焼きなんて文送ったら自分から成切さんにたい焼きを出したって教えてるようなものじゃないか……!

グラントリノさんから黙ってろって言われたのに何やってんだ僕!!

 

 

 

 

そう、緑谷にとっては何気なく書いたものだったが、たい焼きという文を入れていた時点で友里絵に自分から教えてしまっている。

 

 

 

「気づいてなかったんだ。本当うっかりだね……」

 

「う…うん、一応出せないってことは伝えたんだけどグラントリノさんに黙ってればわからないからって押しきられちゃって…」

 

「そんなことだろうと思った。どうせデクくんの朝食もたい焼きだったんでしょ?ごめんね、やっぱりあの時私がちゃんと朝食準備しとくべきだった」

 

「え…!い…いや、そんな…っ僕なら大丈夫だよ。たい焼き嫌いじゃないし…。

第一、成切さん今日学校で階段から落ちたんだよね…っ?保健室運ばれたとも言ってたし……!」

 

「好き嫌いとか、そういう問題じゃないでしょ。朝食がたい焼きって普通あり得ないから。それに階段から落ちたのだって熱のせいじゃなくて階段を上がってた時に先生に声をかけられて振り返ったら踏み外しちゃっただけだってば」

 

「どっちにしろ朝食の準備やらなくて正解だよ…っ!もしかしたらもっと大変なことになってたかもしれないし成切さんはもう少し自分を大事にしなきゃダメだよ……!」

 

 

 

 

最初はたい焼きを出してしまったことで萎縮していた緑谷だったが友里絵が朝食を作るべきだったと言い出した為、猛反発し、二人はまたしても意見が食い違い言い合いを始めた。

 

 

 

「もう…わかったわよ。

何でデクくんとはこうも意見が合わないんだろ…?ひょっとして私達って相性が良くないのかな…?」

 

「成切さんがむぼ……頑張り過ぎなんだよ…!いつもそれで言い合いになってるし…」

 

「今無謀って言おうとしたでしょ…?」

 

「そ…っそこは聞き流してよ!絶対わざとだよね…!?」

 

 

 

 

 

 

今回も友里絵が譲歩し話は収まった。

 

しかし緑谷が言い直しをしたことを聞き逃さなかった友里絵は敢えて指摘。緑谷が顔を赤くさせあたふたする。

 

 

 

 

成切さんってけっこう意地悪なところがあるな………。

 

 

まぁ…笑顔が戻っただけ良かったけど…。

 

 

 

 

 

『ごめんごめん。でも私がこうして素でいられるのはトシおじさんやトリノおじさん以外でデクくんだけだよ。学校じゃ私はいつも気を張ってるしクラスの人と会話はしてもデクくんみたいに気の許せる人っていないからさ』

 

「あ…」

 

 

 

緑谷は気づいた。友里絵が自分らしくいられるのはオールマイトの娘だと知る人物の前だけだということを。

 

 

 

そうか……。僕がオールマイトと成切さんが家族関係にあることを知ってる人物だから本当の自分を出すことが出来るんだ…。

 

学校には僕以外に秘密を知る人がいないから、周りに気を許すことができないんだ……。

 

 

僕もオールマイトとの関係やワン・フォー・オールのことを知られないようにしなきゃいけないのは一緒だけど、成切さん程気を張り続けてるわけじゃないし僕には普通に友達もいる……。

 

 

同じような境遇なのに僕と成切さんは全然違う……。

 

 

もしかしたら彼女は学校にいてもずっと寂しい思いをしてるんじゃ…………。

 

 

 

 

内容は違えど緑谷と友里絵は同じオールマイトに関する秘密を抱える者同士。隠さなければならないのは仕方のないとしても友里絵が肩身のせまい生活を強いられてしまうことを考えるとあまりにも辛く胸が苦しくなった。

 

 

 

「そんな顔しないで。私にとっては気軽に話せる人が一人いてくれるだけでも十分嬉しいし、クラスの人も私はただ口下手なだけなんだって思ってて孤立してるわけじゃないから大丈夫」

 

「成切さん…」

 

 

 

友里絵は大丈夫だと笑って話すが緑谷は複雑な気持ちだった。それでもかける言葉が見つからず何も言えなかった。

 

 

 

「あ、デクくん自主トレ行くんだったよね。また長々と話しちゃってごめんね。私もう休むから」

 

「あ…う…うん」

 

「あとちなみに、学校にいる人で校長先生とリカバリーガール先生も私のこと知ってるから」

 

「え…っ」

 

「お休み~」

 

 

 

そう言い残し手をヒラヒラさせて友里絵は部屋に戻って行った。

 

 

 

 

 

な…成切さんの秘密を知ってる人他にもいたんだ……。

 

 

だけど何で成切さんは僕がその事を考えいたのがわかったんだ?

 

口に出して言わなかったのに……。

 

 

 

 

あれ……?でも前にも同じようなことがあったような…。

 

 

 

まるで僕の考えを読んだかのように…。

 

 

 

 

 

──もしかして成切さんの"個性"って…。

 

 

 

 

……いや、まだわからない。

 

仮にそうだとしてもあそこまで嫌うのはおかしい……。

 

 

 

今は余計なことは考えないでおこう……。

 

 

 

 

 

友里絵の"個性"について何か気づいた様子だったが確証がなかった為、それ以上は考えずそのまま自主トレへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




執筆しているとどうも眠くなっちゃいますねぇ…(^_^;)

これから少しずつ友里絵の"個性"について触れていきたいと思います。

閲覧ありがとうございました。

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