主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア 作:ユリアンヌ
21話のはじまりです。
「と……ところでトシおじさん……。ここに来た理由は実はもうひとつあるの……」
「もうひとつ?なんだい?」
「昨日のことちゃんとトシおじさんに話そうと思って…。相談も今後していくつもり…」
「え…いや…私も出来れば相談してほしいとは思っていたから、そう言ってもらえるのは嬉しいが別に無理に話そうとしなくていいんだぞ…?」
友里絵が"今後はオールマイトにも相談すると決めたことを伝える"という、もうひとつの目的を話すとオールマイトは少し戸惑いを見せた。
「ううん……私がそうしたいの……。昨日トリノおじさんやデクくんに言われたんだけど、溜め込むから余計辛くなるんだって……。トシおじさんなら必ず聞いてくれるから愚痴でもなんでもいいから話すべきだって……。だから私もそうするべきだなって思って……」
「ちょ………っちょっと待ってくれ。今トリノおじさんと言ったか!?」
「あ」
トリノおじさんという言葉に反応したオールマイト。まだ緑谷から聞いていなかったらしい。
友里絵もしまったと言わんばかりに口に手を当てた。
「そう言えば以前居場所を聞いた時、知らない方がいいと君は言っていたな……。急に緑谷少年の呼び方が変わっていたり彼にアドバイスをしたとも話していたが、じゃ…じゃあまさか君は今先生のところで暮らしているのかい!?」
「えっと…まぁ…そういうこと…。
(…デクくんまだ言ってなかったんだ……。職場体験中だから仕方ないか…)」
緑谷に言ってもらうつもりが自ら暴露してしまう結果になり、もう苦笑するしかなかった。
「一体いつから!?その様子だとごく最近というわけでもなさそうだが、まさか私の元を去ってから今までずっと!?」
「う……うん。私が黙って出て行こうとした時、私がそうするってトリノおじさん感づいてたみたいで、私を一人にさせておくわけにはいかない、トシおじさんに言わないでいてやるから自分の家に来いって
「…ハァ……通りで先生に友里絵がいなくなったと伝えた時、やけに落ち着いていらっしゃるとは思ったが……そういうことだったのか……。
提案って字が違ってるぞ友里絵……」
グラントリノが実は全て知りながら敢えて知らない振りをしていた事実をここに来てようやく知ったオールマイト。彼自身思い当たる節はあったようで軽く脱力し溜め息をついた。
「…しかし、それなら何でもっと早くそれを言ってくれなかったんだ友里絵。私に謝りに来たことはともかくとして、決意の報告をする前にまずそっちを先に話すべきだろう」
「や……だってトシおじさんトリノおじさんのこと怖がって話したがらないじゃん。ずっと避けてるの知ってたし絶対嫌がると思って言いづらくて…。
デクくんからもう聞いてるとも思ってたし……」
「そういう問題じゃないだろう。ちゃんと言わなきゃダメじゃないか。度が過ぎるとどうも君は気の遣い方を間違えるな。
あと緑谷少年を頼るんじゃない」
「……」
今回のことはさすがに見過ごすことが出来ないと、初めて友里絵に対し叱責したオールマイト。
すると───……。
「……何で笑っているんだい?」
「あ…ごめん。やっと私のこと怒ってくれたなって。トシおじさんなかなか私に怒ってくれないから嬉しくて(笑)」
「コラ君、反省してないだろ?」
「してるしてる♪』」
怒られているのにも関わらず何故か笑っていた友里絵。どうも叱ってもらえたことが嬉しかったらしい。その回答にオールマイトはまた溜め息をつく。
「全く……怒られて喜ぶって相当奇天烈だぞ。
大体私だって怒る時は怒る」
「ん、安心した♪」
「だから嬉しそうにするんじゃない」
「はーい♪」
「……………」
オールマイトの気苦労はもうしばらく続きそうだ。
「───で、話は反れちゃったけどおかげで少し気が楽になったから落ち着いて昨日のこと話せるよ。おじさんの考えてる通り、私は相澤先生に"個性"を消してもらおうとしたの…。私はこんな"個性"いらないし、使うつもりもないもん……。今までも、これからもね……。だから相澤先生にもヒーローになるつもりはないって言った……。だけど私は相澤先生の"個性"が見ている間だけだってことを知らなかったからすごくショックを受けたの…。"個性"のことはもう諦めるしかないんだろうけど気持ちだけは全然晴れなくて…」
「そうか……。
しかし、まぁ…そうだな……。君の"個性"については今後どうするかゆっくり考えて行こう。私ももちろん出来る限り力になるよ」
友里絵は宣言した通り、オールマイトに昨日のことや今抱えていることを全て正直に話した。
オールマイトはその話を真剣に聞き、力になると約束した。
「うん、ありがとう。
ただ……………」
「ただ……?」
「その相澤先生、私のこと調べてたってトシおじさん言ってたじゃない…?今朝も相澤先生にバッタリ会っちゃって……。その時は深く聞いては来なかったけど、不審に思われてはいるだろうし、もしかしたらこの先も探りを入れられるかも……」
「うーん……確かにそれはあるかもしれないな……」
自らした行動のせいで新たな不安要素を作り出してしまう結果に。
友里絵は深く後悔し俯いた。
「ごめんなさい……私が安易に相談なんかしたから……」
「いや…仕方ないさ。いつかは話さなければならない時は来るだろうし……。
とりあえず、その時が来るまでは隠したままにしておこう。もし何か聞かれても君は誤魔化すんだ。私も一応彼のことは注意しておくよ」
「うん………」
俯いたまま申し訳なさそうに謝るが、その行動についてはやはり強く責めることは出来ず、優しい言葉でシラをきり通すように伝えた。
……すまない友里絵…。本当はもう一つ君に言わなければならないことがあるんだが、今それを話せばまた君を苦しめてしまうことになる…………。
だからその話はまた機会を見てするとしよう……。
と、実はオールマイトには別件で胸に秘めていることがあったのだが友里絵のことを考え今伝えることはせず、ひとまず話を切り上げることにした。
「さてと……これで一通り話は出来たかな」
「ん、私の方は話しておきたいことは全部言えたよ。トシおじさんは他に何か聞きたいこととかある?」
「聞きたいことか……。
…あ、そういえば職場体験の期間中、君はどうすることになってるんだい?職場体験なら外回りはやるだろうし1日、2日帰って来ないことだってあり得る…」
「あー……どうなんだろ?それに関してトリノおじさんから連絡や指示は受けてないし、多分一人でお留守番になるんじゃないかな?」
もし職場体験によって自分一人だけになってしまう場合については友里絵も特にグラントリノから何も言われておらず、少し考えて留守番ではないかと呟いた。
「………!そ…っそれはダメだ!」
「え……っど…どうしたの急に…?」
その途端、突然声を荒げたオールマイト。
友里絵もこれには流石にビクッとして驚いて彼を見る。
「あ……いや…その……アレだ。 年頃の女の子が一人で留守番なんていろんな意味で危ないだろう?先生も君を一人にしない為に側に置いているのに一人で留守番なんてしたら意味がなくなるじゃないか。何なら職場体験期間だけでも私のところに来ないか?」
「んー……でも大丈夫じゃない?私も次の日には学校に行くから実際一人になるのは夕方から翌日の朝だけなんだし。夜もちゃんと戸締まりとかするしさ」
「しかしだな……」
どうする……?やはり今あのことを話すべきなのか…。
そう……。オールマイトがここまで心配するのには先程伝えられなかったことが関係している。
それによって引き起こされる、オールマイト自身も考えたくない"ある可能性"を危惧しているのだ。
その為には友里絵を一人にさせておくわけにはいかない。
「…そんなに心配なら一応トリノおじさんに聞いてみるけど………」
「あ……ああ、そうしてくれ。先生と連絡を取れたら教えてくれ」
「わ…わかった」
一度グラントリノに確認をとることで話はまとまった。
オールマイトが友里絵に伝えれないこととは一体何だったのだろうか?
閲覧ありがとうございました。
悩みを全て打ち明けた主人公ととにかく主人公を心配するオールマイト。
原作だと既に保須事件手前辺りになるので、オールマイトが何を心配しているのか想像がつく方もいらっしゃるかと思います。
次回をお楽しみに!