主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア   作:ユリアンヌ

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前回オールマイトが何を恐れていたのかが分かるお話です。






第22話 よみがえる悪夢

 

その日の夕方。

 

 

つまり職場体験三日目。

 

 

時間はPM5:00。

 

 

グラントリノの元で相変わらず屋内で実践訓練を受けていた緑谷は5%の状態を維持を意識しつつ応対していたが最終的にはボコボコにされ壁に逆さまになって倒れていた。

 

 

「ん━━…これくらいにしとくか。これ以上やると同じ戦法の奴(おれ)と戦うと変なクセがつくかもな…」

 

「クセとか以前にまだまだ慣れが足りないです。もっとお願いします!」

 

「いや……十分だ。コスチュームに着替えろフェーズ2へ行く」

 

「へ……?」

 

 

慣れが足りないからともっと指導を希望するもいきなりコスチュームに着替えるよう指示を出され、緑谷は一瞬キョトンとするも言われるままに着替え始めた。

 

 

 

 

「つーわけで、いざ敵退治だ!」

 

「ええ~~~~いきなりですか!!?」

 

 

 

 

 

と、まるで買い物にでも行くようなノリで言われた。

 

 

 

 

「俺とばかり戦ってると全く違うタイプへの対応でつまずく!次は様々なタイプと状況の経験を積むフェーズだ!そもそも職場体験だ。敵退治をするのは当たり前だろ」

 

「仰ることはごもっともですけど…。こう突然だと心の準備が…」

 

「敵との戦闘は既に経験してるんだろ?それにそんなでかい事件(ヤマ)には近づかんさ。ちょっと遠出する」

 

「え…でもそれじゃあ成切さんはどうするんですか?もうすぐ帰って来る頃だし…」

 

 

 

手を上げタクシーを止めているグラントリノに、この後帰って来るだろう友里絵のことを尋ねた。

 

 

 

「ああ、それならあいつにはオールマイトのどこに行っててもらう。あいつをここに一人残すわけにはいかんからな。それに一緒にいさせれば少しは話し合いも出来るしな。小僧、あいつにそう連絡入れとけ」

 

「わ……わかりました……」

 

 

 

 

 

グラントリノ…本当急に言い出すな……。

 

 

ていうか何で自分で伝えないんだろ…?

 

 

 

 

 

そんなことを思いながらも友里絵に連絡しようとスマホを取り出す。

 

 

 

 

……あれ、成切さんからメール来てた。

 

 

 

 

 

 

 

"デクくんへ

 

職場体験中にごめん。邪魔になるといけないからメールにしたんだけどトリノおじさんに職場経験の期間中、私はどうしたらいいか聞いてくれないかな?トシおじさんも心配してて確認して欲しいって言うから……。

 

あ、トシおじさんにはバレたからもう言わなくていいよ"

 

 

 

 

 

 

メールの内容には今正に連絡しようとしていたことが書かれていた。

 

ついでにグラントリノのところにいることがバレたことも書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

あ、オールマイトにバレたんだ………。

 

 

でもまぁ…それは、それで良かったかな……。

 

 

 

 

 

 

………って、このメール二時間も前に来てる!!早く伝えてあげなきゃ!!

 

 

 

 

 

そのメールが送られて来たが二時間も前だと気付き慌てて返信を送った。

 

 

 

 

 

 

《~♪》

 

 

 

 

 

「あ、デクくんかな?」

 

 

緑谷が送ったメールはすぐに友里絵の目に止まった。スマホを手に持っていたところ、ずっと彼からの返信を待っていたようだ。

 

 

 

「えっとなになに…?

"返信遅れてごめん!これから敵退治に行くところで、グラントリノはオールマイトのところに行っててもらうって……"

えぇぇぇ~っ!!?

 

 

 

 

 

 

メールの内容を見て絶句した。

 

 

 

 

えっちょ………っ何それ、嘘でしょ!?

 

そんないきなり!?

 

しかも今からって言うの遅すぎじゃない!?着替えとか何もないのに普通もっと早く言うべきでしょ!

 

 

 

 

 

着替えとかどうすんの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう!何考えてんのトリノおじさん!」

 

 

 

 

 

呆れ対象は遅れてメールを送った緑谷ではなく、いきなりそんなことを決めたグラントリノである。

 

職場経験中なのだから緑谷がすぐにメールを確認できないことぐらい友里絵も分かっていたからだ。

 

 

 

 

 

 

「……仕方ない。トシおじさんに相談に行こう…」

 

 

 

ハァッと大きくため息をつき、オールマイトの元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

……とはいったものの、トシおじさん急にお願いして大丈夫かな……?

 

 

まぁ…最初自分のところに来るように言ってたぐらいだし、多分ダメとは言わないだろうけど、一度断った手前……頼みづらいな。

 

でもトリノおじさん(実際はデクくんだけど)に連絡ついたら教えるよう言われてるしな……。

 

憂鬱だ…………。

 

 

 

 

 

気が進まないが連絡がつき次第教えると約束をしてしまっている以上、破るわけには行かず仮眠室に向かって一歩一歩歩いて行く。

 

 

 

 

……ん?あれ……使用中の札がかけてある……?

 

 

 

仮眠室の前まで来たところで扉に使用中という札がかけてあることに気づいた。

 

 

 

 

 

 

ここ滅多に使われない場所なのに珍しいな……。

 

それもこんな時間から………。

 

 

 

あ…でもデクくんとここで話をする時も札をかけてたから、もしかしたらトシおじさん誰かと会ってるのかも…。

 

それなら終わるまで待つしか……。

 

 

 

まだオールマイトと和解する前、何度か仮眠室の前に来ていた時に札がかけてあることがあったのを思い出し、そう考えた友里絵が扉から離れようとしたその時だった。

 

 

 

「………だからその時は友里絵を保護して欲しい……」

 

『………………え?』

 

 

 

 

中からオールマイトのそんな会話が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

え…………何?

 

 

私を保護……?

 

 

 

 

 

 

会話の内容に戸惑いつつ、いけないと思いながらも扉に耳を当てた。

 

中からはオールマイトと若い男性の声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

「それは構わないがオールマイト……。君はそれでいいのか?彼女の気持ちも考えてやるべきなんじゃないか?」

 

「わかっている……。しかし、もし君の言った通りなら、このまま行けばまず闘いは避けられないだろうし、私もいつまでもあの子の側にはいられない…。そのことを友里絵に話すべきではないかとさえ思っているんだ…。彼女は6年前に負った心の傷が癒えずにいる……。なのにあの男が生きて再び動き出したなんて知れば友里絵はまた……」

 

『……っ!!』

 

 

 

 

 

 

聞こえて来た内容に友里絵は驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじさん今何て言ったの………?

 

 

 

 

 

 

 

あの男が生きていた……?

 

 

 

 

 

 

 

再び動き出したって何………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6年前…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が負った心の傷……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか………………っ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

何で…っだってアイツはトシおじさんが倒したハズじゃ………っ

 

 

 

 

 

「あ…っ」

 

カタンッ

 

 

ひどく動揺し後退りしようとして足がもつれて倒れ込んだ。当然それは中にいるオールマイト達にも聞こえ………。

 

 

「……!誰かいるのか!?」

 

 

 

若い男性が勢いよく扉を開けた。

 

 

 

「ゆ…っ友里絵!?」

 

 

 

青ざめた表情で座り込んでいた友里絵の姿を見たオールマイトが驚いて近づく。

 

 

 

「友里絵って…君が話していた娘さんか!?」

 

「な……何で君がここに……っまさか、今の話を聞いて………っ」

 

「と…トリノおじさんに連絡がついて……トシおじさんのところに行くように言われて………それで報告しにここに来たら話が聞こえて………」

 

 

 

 

青ざめたままここに来た経緯を話す友里絵。その声は震え、次第に体まで震え出す。

 

 

 

「い…っ嫌…………嫌………っ!嫌ぁ………っ!」

 

「……っ」

 

 

 

頭を押さえてひどく怯え出す友里絵をオールマイトはギュッと抱き締める。

 

 

 

 

 

 

まさか友里絵が来ていたなんて……っなんてタイミングだよ全く……!

 

 

 

 

 

友里絵がこの場に居合わせていたことはオールマイトにとっても想定外だった。

ずっと話せずにいたことが望まぬ形で伝わってしまい友里絵を抱きしめたまま歯を強く噛みしめた。

 

 

 

 

 

 

「すまないが塚内くん…。今日はこの辺にしてもらえないか……?」

 

「その方が良さそうだな…。彼女もひどく動揺しているようだし、君がしっかり責任を持ってケアしてあげることだ」

 

「ああ…………」

 

 

 

塚内と呼ばれた若い男性。以前オールマイトが話していた親友の警察官だ。

 

友里絵の怯え切った姿に彼もこれ以上の話し合いは無理だと判断し、塚内は一足先にこの場を立ち去った。

 

 

 

 

 

「……私達も中に移動しようか…。

放課後とはいえ、ここにいては目立ってしまう………。立てるかい…?」

 

「…………」

 

 

 

 

友里絵は怯え切っていて問いかけに答えない。

 

 

 

 

「ちょっと失礼するよ…」

 

 

 

 

周りに誰もいないことを確認しマッスルフォームになると震える友里絵を抱き上げ一旦仮眠室へと連れて行った。

 

 

 

 

 

 

 




今更ですがこの作品は原作を見ながら制作しております。

なので原作に沿ってる部分のセリフやモノローグなんかは原作と同じようになっております。…や!の数とかも。


オールマイトが恐れていたのはオール・フォー・ワンのことでした。

ただし、原作ではまだ「オール・フォー・ワン」というセリフは出てこないので、それに原作で「オール・フォー・ワン」というセリフが出るまでは名前は出さず「あの男」や「奴」などで表記させていただいております。

原作でオール・フォー・ワンの名前が出るのはまだ先ですからねぇ……。



閲覧ありがとうございました。
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