主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア   作:ユリアンヌ

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朝起きましたら誤字報告を下さった方が見えました。ありがとうございましたm(_ _)m

今回はオールマイト宅にやって来た主人公の様子と保須事件が起こる手前のお話になります。


第24話 親として出来ることを

そんなこんなで、いろいろありながらもオールマイトと共に無事に帰宅。必要な物も来る途中で全て買い揃えることが出来た。

 

 

 

 

「思ったより遅くなってしまったな…」

 

「ごめん……私が買い物行きたいって言ったから……」

 

 

何気なく呟いた言葉だったが、友里絵は本気で捉えてしまったのか小さな声で謝って来た。

 

 

 

 

「そういう意味で言ったんじゃないよ。気にしなくていい。それより急いで夕食にしよう。何か食べたい物あるかい?出前でも……」

 

「ううん、いい…。いろいろあって疲れちゃったし今日はもう休む……」

 

「友里絵………」

 

 

 

 

夕食はいらないと友里絵は首を振った。親としてはちゃんと食べさせたいところなのだが、あまり無理強いもさせられず心配そうに見つめるしかなかった。

 

 

 

 

「あ…でもトシおじさんのは私が何か作るよ…。トシおじさんって今は普通のご飯で大丈夫だっけ……?柔らかい物じゃないとダメとかある…?」

 

「あ…ああ…量とか多少なりに制限はあるが柔らかい物じゃないとダメとかはないよ。ただ、別に友里絵がそこまですることはないぞ?怪我だってしているんだし私のことは良いからゆっくり休みなさい。ヘッドはあっちにあるし、他にも家にある物なら自由に使ってくれて構わないから」

 

 

 

それでもオールマイトの夕食だけは作ろうとしたので、気にせず休むように言った。寝室の場所も教え自由に使って良いとのことらしい。

 

 

 

「え…私がヘッド使っちゃったらトシおじさんが寝られないんじゃ……。毛布だけくれればソファーか床で寝るよ…?」

 

「また君は……。年頃の女の子がソファーや床でなんてダメに決まってるだろう。たまには素直に聞き入れなさい」

 

 

 

 

平然とソファーか床で寝ると言う友里絵に、オールマイトもさすがにそれは首を縦には振らず断固拒否した。

 

 

 

「…むぅ…わかった……。とりあえずシャワーだけ浴びたいんだけど浴室ってどこ……?」

 

「何でそんなに不満そうなんだ君は……。

浴室はそこを入ったところにあるよ。タオルも置いてあるから」

 

「ん………」

 

 

 

 

少し不満気にしていたが、渋々聞き入れ、浴室の場所を聞くとすぐに向かって行った。

 

 

 

「全く…気を遣うのは悪いことじゃないんだが、まさか平気でソファーや床で良いなんて言うとは…。やっぱり友里絵には一度自分のことも考えさせるようにしないと…。

本当……子供を躾るというのは難しい」

 

 

 

 

 

オールマイトはやれやれという感じで一息つくとスマホを取り出しどこかに電話をかけた。

 

 

 

「…もしもし、私だ。さっきは済まなかったな塚内くん…。忙しい中来てくれたのに…」

 

「いや、気にしていないさ。あの場合はやむを得なかっただろうし」

 

 

 

かけた相手は塚内だ。話の途中で帰ってもらったことに対する謝罪をする為だった。

 

 

 

「それで彼女の様子は…?」

 

「…気丈に振る舞ってはいるが、かなり無理をしている感じだな…。タクシーの乗った辺りからはずっと黙り込んでいたし、今も疲れたからと食事も摂らずにシャワーを浴びに行ってしまったよ……」

 

 

 

 

塚内も友里絵のことを気にかけていたようで様子を尋ねた。オールマイトは先程のやりとりも含め今の状態を話す。

 

 

 

 

 

「そりゃあ彼女にとってトラウマとも言えるあの男の生存の可能性を知ってしまったんだ。無理もないだろう。その上、君の口から彼女とは別れることになるかも知れないという遺言のような言葉を言われたら尚更だろうな」

 

「そ…それについては何も反論出来ないよ…」

 

「君の言いたいことはわかる。けど、君がいなくなれば彼女は今以上に傷つき悲しむことになるんじゃないのか?彼女の為にもやっぱり君はいなくなるべきじゃない。そのことをもう一度よく考えた方が良い」

 

「ああ……わかっているよ……」

 

 

 

いくら友里絵のことを思っての事とはいえ、自分の言動がどのような事態を招くことになるのかをオールマイトに諭すように話す塚内。

オールマイト自身もそれはわかっていたのだが難しい顔をしていた。

 

 

 

 

「ところで、その彼女のことで聞きたいことかあるんだが、彼女の"個性"は予言のようなことが出来る能力だったか?」

 

「いや……そんなことはないがどうしてだい?」

 

「実は随分前に匿名で女性からあるコンビニで強盗だという通報があったんだが、我々警察が駆けつけたと同時に強盗がやって来たんだ。つまり犯人を未遂で逮捕出来たというわけだ。それ以降も度々同じような通報があり、その全てが未然に終わってる」

 

 

 

ふと友里絵の"個性"について尋ねられ理由を尋ねたところ、塚内は実際にあった通報のことを話した。それによると、通報は匿名の女性からで、まるで犯行を予言するような内容だったらしい。起きてからの通報ではなく、起きる前の通報。警察も半信半疑だったが、その後も何度か同じような通報があり、その全てが未然に防げていた。

 

 

だが、通報して来たのが女性というだけで友里絵との関連性は見当たらない。

 

 

 

 

「そんなことが………。

しかしそれと友里絵とどう関係が?」

 

「今日雄英で彼女と対面した時に気づいたんだが通報してきた女性と声が似ていたんだ。それと、これはコンビニの店員に聞いた話なんだが、来店した女性からいきなり警察を呼ぶように言われたらしい。その女性と言うのが"雄英の制服を着た藍色髪のフード女性"だったそうだ」

 

「…………」

 

 

 

 

フードに雄英の制服。加えて藍色の髪。

 

これはもうほぼ間違いないだろう。

 

 

 

 

「最も、その時店員は本気にしなかったそうだから自ら通報したってところだろうな。ただ、その女性の活躍はそれだけに止まらず電車で女性に絡んでいたチンピラの男を素手で締め上げたらしい」

 

「…チンピラのことについては私もわからないが、通報した女性はまず友里絵で間違いなさそうだな……。

コンビニ強盗に関しては恐らく予言ではなく何かの拍子に偶然相手の思考を読み取ってしまったんだと思う……。彼女は見た相手の思考を読むことも出来るからね…」

 

「なるほど……。丁度悪事を考えていた犯人とすれ違うでもしたか………。

まぁ何にしても確認だけはしないといけないし、本当に彼女かどうか君の方からも聞いておいてくれないか?もし事実なら一度……」

 

「警部!ちょっと来て下さい!」

 

 

 

 

塚内がそう言いかけた時、彼を呼ぶ声がした。

 

 

 

 

 

「わかったすぐ行く。

どうやら何かあったみたいだ。今度はこっちが話の途中になって済まないが詳しい話はまた後日聞くことにするよ」

 

「大丈夫かい?何なら私も一緒に……」

 

「おいおい、彼女を一人残して来るつもりか?」

 

「あ…」

 

 

 

何かあったと聞き、つい友里絵のことも忘れて向かおうとするオールマイトに塚内が指摘した。

 

 

 

 

「だったらこちらのことは良いから彼女のそばにいてやれ。大切な娘さんなんだろう?」

 

「あ…ああ」

 

「それじゃあまた」

 

 

 

 

ここで塚内との電話が切れた。

 

 

 

 

 

「……何事もなければいいんだが………」

 

 

 

向かいたい気持ちはあったが塚内の言う通り、情緒不安定な友里絵を放っていくわけにもいかず、嫌な予感だけが頭を過る。

 

実はこの時、東京都保須市では大変な事件が起こっていたのだが、まだそのことを知る由もなく今は友里絵の側にいながら何事もないことを祈るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

「……それにしても塚内くんから友里絵の情報を聞いた時は驚いたな…。まさか私と再会する前から何件もの事件を解決していたとは…」

 

「私が何……?」

 

「!!」

 

 

シャワーを浴びに行っていたはずの友里絵がいつの間にか背後に立っていてオールマイトはビクッとし喀血した。

 

 

 

 

 

「ちょ…っ大丈夫おじさん…!?」

 

「だ……大丈夫大丈夫、何ともないよ」

 

『本当に……?』

 

「本当だよ。そんなに心配しなくて良いから。

けど随分早かったね。もう浴びて来たのかい?」

 

「う……うん…。シャワーなんだからそんな時間掛かるものでもないし早めに出てきたの。

で……私がどうかしたの…?」

 

 

泣きそうな顔で見つめる友里絵にオールマイトはごしごしと口を拭いながら宥めるようにもう片方の手で友里絵の頭を撫でた。

 

まだ不安げではあったものの、一応落ち着きを取り戻し受け答えをしたあと先程のことについて尋ねた。

 

 

「あ…いや……、さっき塚内くんとの電話で、君がこれまで何件か通報で事件を未然に防いでいたって聞いたんだが本当なのかい?」

 

「あー………それね…。うん本当だよ…。まぁ…全部たまたまなんだけど読み取っちゃった以上は無視するわけにはいかないでしょ…?犯罪を見逃すことになるし…。

だけどこれから強盗が来るなんて警察に言っても信じてもらえないと思って強盗がいる体(てい)で通報したの…」

 

「なるほど……素晴らしい機転だな。大したものだよ。しかし電車でチンピラを素手で締め上げたとも聞いたんだがそれは?」

 

「それも私……。私トシおじさんの元を去るにあたって、護身の為に武術身につけてたから」

 

「えぇ!?そうなのかい!?それは知らなかったよ」

 

 

 

話を聞いていく中で、オールマイト自身も知らなかった武術を身につけていたという事実。驚いて声をあげていた。

 

 

 

 

「目立つようなことは避けたかったんたけどやっぱり見過ごせなくて…」

 

「そうだな……。君は正しいことをしたんだ、私も嬉しいよ。

ただ……、私の知らない所であまり危ない真似はしないでくれ…。武術を身につけたと言っても君は女の子なんだし一般人でもあるんだから…」

 

「……女の子ってところが何か引っかかるけど…わかった、今後は気をつける……」

 

 

 

 

なにやらトゲのある言い方に感じるも、オールマイトに心配はかけたくないので素直に応じた。

 

 

 

「じゃあ私休むけどその前に湿布と包帯ってある…?」

 

「あ…ああ、足に使うのか。少し待ってなさい」

 

「ん…」

 

 

 

足の怪我に使おうと友里絵が湿布と包帯を求めるとオールマイトはすぐに取りに行ってくれた。

 

ものの数秒で救急箱を持って戻って来る。

 

 

 

「手当てするよ。そこに座って」

 

「ううん…渡してくれればあとは部屋で自分でやるから…』

 

「そうか…わかった。なら、はい湿布と包帯」

 

「ありがとうトシおじさん…。おやすみなさい…」

 

「おやすみ友里絵…」

 

 

 

 

オールマイトから湿布と包帯を受け取り、就寝の挨拶を告げると友里絵は一人寝室へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 




閲覧ありがとうございました。

一応、この話の直後に保須事件が起こる………という設定です。原作でオールマイトは保須事件に関わっていないのでその空白を利用させていただいています。

また、これはあくまで主人公の物語なので保須事件は丸々カットになってしまいますがよろしくお願いします。

ちなみにオールマイトの食事についてですがこれもあくまでこちらの想像です。オールマイトは胃袋を全摘していますがGoogleでいろいろ調べてみたりして一応食事は出来るとありましたし、肉まんを食べたりするシーンもあったので。


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