主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア 作:ユリアンヌ
とりあえずスマホのメールボックスに15話分くらい貯まってるので順番に載せていきます。
━その日の放課後━
HRで担任の相澤から連絡事項を聞いた後、すぐにまたマスコットを拾った場所へ向かった。
幸い近くにトイレがありそこに隠れて待ち伏せすることにした。
待ち続けること数十分………。
「ハァハァ……ッ」
「あ…!来ました、あの人です…!」
「あれか……。確かにあれでは顔は見えないな……」
オールマイトの狙い通り、あの時の女子生徒が息を切らせてやって来た。
緑谷はぶつかった相手本人であることを伝えるが、やはりフードのせいで顔は見えない。
「ない……っ落としたとしたらこの辺りしかないと思ったのに…っまさかさっきの人に拾われちゃったのかな…っあの人に拾われると困るのに……っ」
女子生徒は必死に床を見回してマスコットを探している。緑谷達の存在には気づいていないようだった。
な……なんだ?僕に拾われると困るってどういう意味だろ……?
「どうしますかオールマイト…?」
「……私が行く。君はそこで見ていてくれ。ただし、何があっても手出ししないように」
「え…は…はい、わかりました」
女子生徒の言葉に疑問を抱きながらもオールマイトにどうするのかを尋ねる。
するとオールマイトは緑谷にそう言ってトイレから出て行った。
トゥルーフォームのまま。
え…っオールマイト…!?マッスルフォームにならないのか!?まだあの人が知り合いかわからないのに!?
まさかのその行動にひどく焦った。
も霜あの女子生徒が知り合いではなかったらオールマイトの秘密がバレてしまうことになる。
しかし何があっても手出ししないよう言われた以上、黙って見てることしか出来ない。
「…どうしよう……やっぱりない……」
「探しているのはこれかい?」
「……!!」
緑谷の心配をよそに、オールマイトは女子の背後から声をかけマスコットを見せた。
驚いた女子生徒はハッと振り向きオールマイトを見た。その際フードが脱げ顔が露になった。
転んだ時には脱げなかったフードが振り向いただけで脱げるのは都合良すぎな気もするが、そこはご都合設定なのであしからず。
「…やはり君だったのか。久しぶりだな友里絵…」
「え…?」
「…っ」
そんな彼女にオールマイトは「友里絵」と呼んだ。女子生徒は慌ててフードを被り直し顔を背ける。
友里絵……?それがこの人の名前なんだろうか…?しかも呼び捨て……。
ってことはやっぱりこの人オールマイトの言っていた知り合い……!?
オールマイトは基本、生徒の名前を呼ぶ際には少年または少女をつける。
しかしあの女子生徒に対しては呼び捨てであることやオールマイトがトゥルーフォームのままでも普通に会話をしていることから、やはり彼女はオールマイトの知り合いなのだろうか。
「君とぶつかったっていう彼が拾ってくれたんだよ。これを見た時はまさかとは思ったが本当に君だったとはね……。
はいこれ」
「…………」
オールマイトは心配そうにこちらを見ている緑谷を示しながらそう言ってマスコットを女子生徒に渡した。
女子生徒は一瞬緑谷を見るもすぐに視線を戻し無言のままそれを受け取る。
「なんにしても、元気そうで何よりだ。今までどうしていたんだ?今はどこに…」
「……すみませんが何のことでしょうか?私は魔持軽結衣と言う名前です。友里絵ではありません、人違いです。なので先生とも初対面です」
マスコットを渡した後もオールマイトは女子生徒と話を続けるが女子生徒は自らを「魔持軽結衣」と名乗り友里絵ではないと否定した。
ま…魔持軽って、魔法使いみたいな名前だな……。だけど名前が違うってことはあの人はオールマイトの知り合いじゃないのか…?
だけどそれなら何であの人……。
二人の会話に入れず出来す静観していた緑谷はこの時ある違和感を感じていた。
「(……魔持軽……ね。全く…隠す気があるのかないのか……)
…そうか。だったら何故フードが脱げた時慌てて被り直したんだ?」
「驚いただけです…。私人見知りで相手の顔をまともに見れなくてすぐ緊張してしまうので……」
質問に対してそう答える女子生徒。一応筋は通っている。
「先生が"一体何をお聞きしたいのか"は知りませんが、そういうわけなので他にないならもう行ってもいいですか…?」
「(……やはり読まれているな……。しかし…)
なら最後にもうひとつ聞かせてくれ。
どうして君は私が「先生」だとわかったんだ?」
「何故って…学校にいるんですから当たり前じゃないですか……」
「だが君はさっき私とは初対面だと言っただろう。それでいきなり先生と思うのは無理があるんじゃないか?」
「そ…それは…」
それまで普通に答えていた女子生徒がついに言葉を詰まらせた。
オールマイト……気づいてたんだ……。魔持軽さんが矛盾した回答をしていたことに……。
そう、先程緑谷が感じた違和感も友里絵がオールマイトを"先生"と呼んだことだった。
一見どこもおかしな点はないように思えるが問題は"今のオールマイトを見て"先生と呼んだこと。
本来の姿のオールマイトだったら先生と呼んでもおかしくはないのだが今の彼はトゥルーフォーム。
目の前にいるのがオールマイト本人であることは友里絵は知らないはずなのだ。
そのことをオールマイトも気づいていた為、わざと気づかないふりをして質問をし、最終的には言い逃れ出来ないようにしたというわけだ。
「さあ、もう十分だろう。これ以上偽名を使って他人の振りをしてても意味はない。そろそろ正直に……」
「…ったまたまです…!たまたま先生かと思っただけです!オールマイトさんのことなんか私は知りません!」
追い詰められた女子生徒はまだ否定を続けるが、相当焦って動揺したのか「オールマイト」と言ってしまっていた。
「お…オールマイトさんってことやっぱり魔持軽さんは全部知って…!?」
友里絵が口を滑らせたことで、つい叫んでしまう緑谷。
それにより友里絵はハッとし慌てて口を押さえるが既に遅く、最早嘘をついていることは明らかだった。
「……まぁとにかく、また会えてよかったよ。どうだい?せっかくだし少し話をしないか?」
「…お断りします。私は話すことはありません。
勝手にいなくなったことは今でも申し訳ないと思っています。でも私はもう貴方と関わる気はありません…。
私急ぐので失礼します…」
オールマイトは久しぶりに会えた嬉しさからもう少し話をしようと誘うが女子生徒はそれをあっさり断り一礼して去ろうとした。
「そんな…!魔持軽さん何で…!?」
「あなたは黙ってて……!全部あなたのせいよ……!」
「!?」
「……っ」
状況がわからないながらも必死に引き留めようとする緑谷。
しかし女子生徒はすれ違い様に睨み付け声を荒立て走って行ってしまった。
「うーむ……少し急し過ぎたとは言え、どうやら私は彼女に嫌われてしまっているようだな…。緑谷少年も済まない。私が無理に詰め寄ったせいで君にまで嫌な思いをさせてしまった…。あの子は幼い頃から相手を気遣ってしまうくらい優しい性格をしていて、本来あんな態度を取るような子じゃないんだが……」
「い……いえ。大丈夫です。それよりも、あの人はやっぱりオールマイトの知り合いだったんですね……。彼女は一体…?」
オールマイトが小さく呟き、それを聞いた緑谷はいてもたってもいられず彼女について尋ねた。
「……そうだな、君には話しておこう。とりあえずここではなんだし仮眠室に行こう。詳しい話はそれからだ」
「あ…はい」
そうして二人は話をする為、一旦仮眠室へと向かって行った。
2話終了です。
次回は主人公の正体が明かされます。プロフィールやあらすじに記載があるのでまるわかりですが(^^;
誤字等ありましたらすみません。