主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア 作:ユリアンヌ
ありがとうございます。
あとがきに読者様へ訂正とお詫びについて載せてあります。
よろしければ目を通して下さい。
「──それじゃあ私はそろそろ学校に行きます。轟さん、飯田さん今日はありがとうございました。
デクくんも。元気そうで安心したよ」
「お礼を言われるようなことはしてねぇけどな」
「こちらこそ緑谷くんだけじゃなく俺達のことも気遣ってくれて感謝している。ただ次からは俺達にも敬語はなしにしてくれるとありがたい」
「はは、努力しますね」
「僕もありがとう成切さん。気をつけて帰ってね」
三人の様子を確かめられ本当に安心した雄英に戻る為、別れの挨拶をしていた。
三人も優しく見送ってくれる。
「みんなお大事に」
軽く手を振り、病室の扉を閉め出ていく。
怪我は酷かったけどトシおじさんの言う通り、みんな元気そうだった。おじさんの言うことを信じてないわけじゃないけど、やっぱり来て良かった。
おかげで怪我の度合を知れたし、何よりも友達が出来た……。
まだ友達だと言ってもらえた嬉しさが残っており、胸の辺りがまだほっこりしていて手を当てると温かかった。
「よう、小僧の見舞いは済んだみてぇだな、このおてんば娘」
「…!トリノおじさん!?何でここに……っ?
ていうか、何で知って……っ!?」
「病院内ででけぇ声出すんじゃねぇよ。 お前が学校ほっぽりだして朝っぱらからこの病院に来る目的っつったら、あの小僧の見舞以外考えられるか。
そもそも今は職場経験中だ。あの小僧がここに運ばれてんだから俺がいてもおかしくねぇだろ」
「あ…そっか……」
少し進んだ先でグラントリノに呼び止められ友里絵はギョッとするも、彼の言葉であっさり納得していた。
「んなことはどうでもいい。小僧の無事は確認出来たんだろ。終わったんならさっさと学校に行け。今なら昼前には着ける」
「え……怒らないの……?」
いつもならこういう時グラントリノからぐちぐち言われたりするはずなのに、それが全くないことに友里絵は意外そうな表情を浮かべる。
「まァ…ぐちぐち言いたいとこなんだが俺の代わりに俊典が言うだろうからな」
「え……トシおじさんに言ったの……?」
「当たり前だろ。逆に何で言わないと思ったんだ?」
「ですよね~………」
グラントリノが黙っていてくれるはずもなく、友里絵は苦笑する。
「安心しろ。アイツにはお前を追い詰めない程度にしろと言ってある」
「わ~……嬉しくなーい……。せめて程々にって言って欲しかった。
ま……トシおじさんはトリノおじさんとはまた違った感じのねちっこさだから、どのみち当てにはならないだろうけど…」
「オイ」
以前の調子を取り戻しつつある友里絵はわざとらしく呟。
「とにかく学校に向かうぞ。グズグズしてたら昼前に間に合わなくなる」
「わーい、付き添ってくれるんだ、優しー」
「調子に乗るんじゃねぇこのバカ」
「えへへ♪」
グラントリノが学校まで同行してくれるらしい。友里絵はまたからかいながらも嬉しそうに後ろをついて行き雄英に向かった。
一方、雄英では───………。
……ハァ……まさか友里絵が学校に行くふりをして病院に行ってしまっていたとは……。
先生から話を聞いた時は本当に驚いたよ全く……。
朝の時点で気付くべきだった……。
あの子のことだ。
私があまり出歩かないように言ってしまったから言い出せなくなってしまったんだろう……。
ちゃんと連絡を怠らないところは友里絵らしいと言えば友里絵らしいが、決して褒められる行動ではない……。
先生のおっしゃったように友里絵が学校に来たらしっかりと言い聞かせなければ……。
友里絵の行動に理解出来るものの、やはり見過ごすわけにはいかないので頭を悩ませつつ、小さくため息をついた。
「(………それにしてももうすぐ昼になるというのに友里絵はまだ病院にいるのだろうか……)」
「…随分と落ち着かない様子ですねオールマイトさん」
「…!あ…相澤くん」
なかなか来ない友里絵を心配し時計をチラチラと気にしていると、ふいに相澤から声をかけられた。
「何か気になることでも?たとえば成切のこととか……」
「な……何でそこで成切少女の名前が出てくるんだい?」
相澤の問いかけにドキリとする。
「とぼけないで下さい。昨日、顔色の悪そうな彼女といましたよね。一緒に歩いているのを見かけました。その成切から今朝、雄英(うち)に「気分が優れないので病院に行く」と遅刻の連絡が入ったそうでまだ来ていません。
そのことをあなたもどこかで知ったでしょう。時計を気にしているところを見れば普通に想像がつきます。彼女は緑谷と同様、またあなたのお気に入りの生徒ってことですか?」
「(み…見られていたのか…!移動中は念のためにマッスルフォームになっておいて良かった!
あと何気に言い訳が上手いな友里絵!)
べ…別にそんなんじゃないよ。昨日はたまたま顔色を悪くしていた彼女を見つけてただ付き添ってあげただけで…」
「彼女の担任かリカバリーガールを呼べば良いことでしょう。何故わざわざあなたが付き添う必要が?」
「ま…まぁそうかもしれないが、彼女を見つけてしまった以上は私も放ってはおけなかったし、彼女もあまり周りに知られて大事にしたくなさそうだったから急遽私が付き添ってあげたんだ。
彼女の心配するのも教師として当然のことであってお気に入りとかは関係ないよ」
相澤は友里絵に対して既に不信感を抱いている。その上オールマイトとの関係性まで疑い出した。
下手な言い訳や誤魔化しはかえって彼の不信感を増幅させるだけだ。そこでオールマイトも重要な部分だけを上手く隠し話せる範囲で相澤に説明した。
「…教師として……ね。
まぁ特定の生徒を気にかけるのもほどほどにしといて下さいよ」
「あ…ああ、気をつけるよ。
ただ…その…余計なことかもしれないが君も彼女のことを気にしすぎじゃないか?彼女は何か心の傷を抱えているようだから、あまり詮索したりして刺激しない方が良いんじゃないかな…?」
「ええ…本当に余計なことですね。あなたに言われなくてもわかってますよ」
「あ…うん…ごめん…」
さりげなく相澤に友里絵を探るのを止めさせようとしたオールマイトだったが冷たく返されてしまい、つい謝罪の言葉を述べた。
「……とはいえ、成切のことについては全く無視は出来ません。
今の所、彼女自身に企みや危険性等はなさそうですが秘密を抱えているのは間違いないですし、その内容によっては万が一という可能性もあります。何か起こってしまってからでは遅いので、早めに探る必要はあります」
「そ……そうか………」
…やはりそう来るか………。
友里絵から相談を受けて以降、彼はずっと怪しんでいるようだし……。
昨日のこともまさか相澤くんに見られていたとは思わなかった……。一緒に歩く姿をと言っていたからその前のやりとりまでは見られてはいないとは思うが、これ以上余計なことは言えないし聞くわけにもいかない…。
友里絵は怪しくないと私が断言してしまえばそれはそれで怪しまれて友里絵との関係もバレてしまう。
これからは更に細心の注意が必要だな……。
本格的に探りを入れていくつもりの相澤。友里絵のことを敵の可能性としても考えている彼の言葉を本当なら違うと否定したい。だが、それをしてしまえば、今度は断言出来る理由などを追及されてしまうだろう。
今はより一層気をつけるようにする以外するしかなく何も言えないまま会話は終了となった。
《♪でーんーわーがーきた!でーんーわーがーきた!》
「済まない、電話だ」
「……。
(その着信音変えろよ…。それかせめてマナーモードにしろ……)」
そこで電話が鳴りオールマイトはまた職員室を出る。
《ピッ》
「はい」
「俺だ」
「先生!?」
相手はまたグラントリノだった。相変わらずの反応だ。
「ど……っどうされたんですか?また何か……?」
「今友里絵とタクシーに乗ってそっちに向かってるとこだ。あと数十分くらいで着く」
「ゆ…っ友里絵とですか。それは…わざわざありがとうございます…っ先生にお手数をおかけしてしまい申し訳ない限りです…」
少し前に電話で話したばかりなのに、また電話がかかってきたので今後はどうしたのかと思ったが、内容は現在タクシーで友里絵を送り届けている途中だという報告だった。
「要件はそれだけだ。送り届けたら俺は帰るからな」
「は…はい!
(むしろその方が有難いです!!)」
こうして通話は終了。
そこにはグラントリノと顔を合わせずに済みそうだと本気でホッとするオールマイトの姿があった。
「……──つーわけだから雄英あっちについたらアイツにちゃんと謝るんだぞ」
「わ…わかってるよぅ……」
そしてこちらはタクシーで移動中の二人の様子。
通話を終えたグラントリノに友里絵はしっかりと念を押されていた。
《♪ピロリン》
「あ…メールだ」
と、今度は友里絵のスマホが鳴る。
ただし電話ではなくメールだ。
"昼休みに仮眠室に来なさい"
「うっわ………早速連絡来たよ………」
覚悟はしていたとはいえ、呼び出しメールに、つい正直な反応をしてしまう友里絵だった。
数十分後、雄英に到着。
「じゃあな。アイツにきっちり絞られて来るんだぞ」
「……病院で言ってたことと違うんだけど……」
病院では安心しろみたいなことを言っていたくせに今はしっかり叱られて来いと言う。
「細かいことは気にすんな。ホラ早よ行って来い」
「細かくないってば……」
グラントリノはそれだけ言うとタクシーで帰って行った。
「……はぁ…憂鬱だ……
(まぁ…自業自得なんだけど………)」
ため息を吐きつつもゆっくりと校内に向かって歩き出す。
「えっと…まず職員室で遅刻届けもらわなきゃだよね…。トシおじさんいたらどうしよ……わっ?」
遅刻届けを貰いに職員室前まで来た友里絵が扉を開けようとした瞬間ガラッと扉が開き、どういうわけかまたしてもタイミング悪く相澤が中から出てバッタリ出会ってしまった。
「っと、成切か……。今来たのか」
「あ…相澤先生……」
ちょ…っ何でまた相澤先生が!?
タイミング悪すぎ!
何度も相澤と遭遇してしまうのでつい心の中で叫んだ。
「エト……オ……オハヨウ…ゴザイマス…」
動揺から思わず不自然な喋り方になる。
「ロボットかお前は。そうやってあからさまな態度を取るのは止めろ。
会う度に反応しやがって…」
「す…すみません…つい……」
そして普通にツッコまれた。
や……普通に警戒はするでしょ……。
相澤はああ言っているが、資料まで見て調べていた相手にどう安心しろというのだろうか。
たとえ本当に何も聞いて来ないのだとしても、相手を見て身構えてしまうのは当然だ。
出来ることならバカをやらかす前に戻りたい。
「その様子じゃ、やはりオールマイトにも何も話していないようだな」
「え…お…オールマイトにもって…?」
いきなりオールマイトの話をされた友里絵は驚いて一瞬「おじさん」と言いかけそうになるも、ぐっとこらえて相澤を見る。
え……な……何でいきなりトシおじさんの話を…?
ていうか、この人今やはりって言った…?
ってことはトシおじさんに探りを入れたな……!?
「お前昨日オールマイトといただろ。青ざめてたところを付き添ってもらったんだってな。随分とお前のことを気にしていたぞ。さっきも職員室で時計を見てそわそわしていたし余程気に入られてるんだなお前」
オールマイトに言ったのと同じことを友里絵にも話す相澤。それによって友里絵の反応を見ようとしているようだ。
あー……これは完全に真っ黒だわ……。
もう探る気満々じゃん…。
しかも私から喋らせるように仕向けてる…。確かに質問としては聞いて来てないけど、これは明らかに誘導尋問だ…。トシおじさんにまで探りを入れてるしなんてせこ………巧妙すぎる………。
けど、昨日のことを知ってるっぽいしまさか見られていた…?それで私とトシおじさんとの関係性まで疑うように…?
もし、本当に相澤先生が昨日のことを見ていたんだとしたら会ってないとか知らない振りをしても逆効果になる……。ここは一緒にいたことは認めつつ、それ以上の関係性はないことを示さないと。
「そ…そうですね。確かに昨日はちょっと具合が悪くなっていた所をオールマイトが通りかかったので救けてもらいましたけど、それってただ普通に教師として心配してくれてるだけだと思いますけど……。今日だって私が来てないと知ったから心配だったんじゃないですかね?」
状況を何となく理解し友里絵は脱力するが、昨日のことを相澤が知っている可能性もあるとなると否定するようなことは言えず友里絵は少し考えた後、ひとまずオールマイトといたことは否定せずにまた上手く誤魔化す。
「(…オールマイトといたことは否定しないか……。筋も一応通ってはいる……。二人の意見にも相違はない…。
こいつの場合、本当がどうか怪しいもんだがな…。どちらにせよ、こいつはやはり簡単には答えないか…)
…わかった。もう良い。
が、一つだけ忠告しといてやる。お前が話したくないのは勝手だが、この先もそのままってわけにはいかないぞ。いつまでも一人で抱え込んでないで面倒なことになる前に早めになんとかしろ」
「は……はい……。
(あれは絶対信じてないよね…。
まず、なんとかしようにもそれが出来ないから苦労してるんだけど…………)」
「なら早く遅刻届けをもらって戻れ。それと一応オールマイトにもお礼言っとけよ」
「わ……わかりました」
助言とも言える忠告をされた友里絵。実行するにはなかなか困難を極めそうだ。
まぁ…何はともあれ、会話を始めてからそんなに長くは経っていないが、やっと相澤から解放されたのだった。
この作品を読んで下さっている方々へ。
えー……この作品を読んで下さっている読者様から評価とコメントを頂き、いくつか指摘をして下さいました。
なのでこの場でお詫びと訂正をさせていただきました。
まずオリ主のプロフィールについて。
詳細がほとんどなく、必要ないのでは?とのご意見。
改めて考えてみたら確かにその通りでした。元々自己満足で書いていた物であり、読者様に想像を膨らませながら楽しく読んでもらいたいという思いから書いていました。読む側のことを考えていませんでした。申し訳ありません。キャラプロフィールは訂正をし開示しましたので多少のネタバレ部分はありますが気になる方はご覧下さい。
二つ目、主人公だけが『』になっていること。
これは昔別サイトで書いていた小説で使用していた方法でただ主人公のセリフだと判別しやすくする為でした。
その時は『』の方が分かりやすいと意見をもらいましたので。とりあえず主人公のセリフも「」に変更します。既に『』で投稿してしまっている数話は順次直します。
そして物語のスタートと志村菜奈の孫設定。
スタートが体育祭終了後からなのは単なる作成である私に文才がない為です。緑谷がグラントリノの元に行く前に和解をさせたく、他に良い方法が見つかりませんでした。
原作で志村菜奈が自分の子にヒーロー社会から遠ざけているのにも関わらず、雄英にいたりヒーローに関わりまくっていることについては一応こちらでもシナリオを考えて書いています。オリ主プロフィールにも書きましたが、ヒーローと関わっている理由やオリ主の親のことなどをこの先書いて行くつもりです。もちろん都合のいい設定ですが真意は作品を読んで頂き確かめて頂ければ幸いです。
長くなりましたがご指摘を下さった方、本当にありがとうございました。まだまだ未熟であるからこそ指摘して下さることはとても有難いことです。悪い所がわかり、より一層良い作品に出来るよう精進していきたいと思います。
指摘は私を成長させてくれます。
他の方も何かあればぜひご指摘願います。
ありがとうございました!