主人公はあの人の娘!?苦難多き少女のヒーローアカデミア 作:ユリアンヌ
パート2です。
つまりまた落とし物をする人がいるというわけです(笑)
では続きをどうぞ(笑)
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連休に入るとオールマイトと緑谷はそれぞれ思い思いに過ごした。
その間、特に変わった変化やオールマイトからの連絡は一切なくごく普通の生活を送った。体育祭で負った怪我のせいで右手が使えず不便な点はあったがなんとか左手だけでやり過ごした。
そして休み明けの二日後。その日は朝から雨が降っていた。
体育祭での傷はだいぶ回復し疲れもバッチリ癒えた……………ハズだったのだが…。
「(朝から疲れたぞ)」
何故だか緑谷は朝からグッタリと疲れきった様子で校門を歩いていた。
それもそのはず。
学校に来る途中の電車の中であらゆる人達から声をかけられ注目されたからだ。
声をかけて来たのは全員体育祭を見たという人達だった。ビッグイベントであるから故に雄英体育祭はそれだけ反響を与えるというわけだ。
「(…結局あれから連絡来なかったな……。成切さんと進展はなかったのかな……)」
「何呑気に歩いてるんだ!!」
ビクッ!!
「!」
友里絵のことを考えていると突然後ろから声をかけられた。
「遅刻だぞ!おはよう緑谷くん!!」
「カカカ…カッパに長靴!!」
同じA組でありクラス委員の飯田天哉だった。
カッパに長靴という姿で雨の中をバシャバシャと走りながら挨拶をし通り過ぎる。
「遅刻ってまだ予鈴5分前だよ?」
「雄英生たるもの10分前行動が基本だろう!!」
そう言いつつも飯田の後を追う。
しかし飯田はとにかく真面目な性格をしている為、緑谷の言い分は認めず走り続けた。
「…………
………あ…」
走る飯田の姿を見て緑谷は何かを思い出したかのように小さく声を発した。
下駄箱までたどり着いた所で飯田が再び緑谷に話しかける。
「兄の件なら心配ご無用だ。要らぬ心労をかけてすまなかったな」
「…………」
飯田の言う兄の件とは、体育祭中に起きた事件のことだ。その事件で飯田の兄であるプロヒーロー、インゲニウムは怪我を負い母親から連絡を受けた飯田は本来表彰式に出るはずだったが病院に向かうこととなった。
緑谷もそれを後から知り、気にしていたのだが飯田はそれだけ言うと教室へと向かって行き、その彼の後ろ姿を緑谷はただ見つめていた。
「何をしているんだ、早く行くぞ緑谷くん!」
「あ…うん!」
ポロ……ッ
再び飯田の呼ぶ声に慌てて向かおうとする。
その際ポケットから何から落ちたことに気づくことはなかった。
「……………」
その後も緑谷が落とし物に気づくことはなく、授業が始まった。
教室に入って来た相澤から体育祭での指名結果が発表され、それに伴い職場体験に行くことになった。
よりプロの活動を体験する為にヒーロー名を決めなければならないとのことで、相澤と同じ雄英教師であるミッドナイトの査定のもと、A組の生徒達はそれぞれヒーロー名を考えて行く。
この場で決めたヒーロー名がそのままプロ名となることも多いらしく、慎重に選ばなければならない。それでも思いの外順調に決まって行った。
緑谷も悩みに悩んだ結果、ヒーロー名を決めた。
「これが僕のヒーロー名です」
発表で緑谷がクラスに見せたボードには「デク」と書かれていた。
それを見た他のクラスメイト達は動揺を見せた。
デクというのは幼なじみで同じクラスの爆豪勝己が昔、無個性だった緑谷に木偶の棒という意味を込めてつけたあだ名で最初は本人も嫌がっていた。
しかし入学してすぐ、これまた同じクラスの麗日お茶子に「頑張れって感じのデク」と言われたことで緑谷の中で意味は大きく変わった。
いつまでも雑魚で出来損ないのデクじゃない。頑張れって感じのデクなのだと。
そんな思いからあえてデクを選んだ。その選択に後悔や迷いは一切なくミッドナイトの査定も無事通ることとなった。
ヒーロー名を決めた後は職場経験先を決めることになり指名がある者は個別の指名リストから。指名がなかった者はあらかじめオファーをしておいた全国の受け入れ可能な事務所40件から選ぶらしい。
相澤は今週末までに提出するように指示を出して教室から出ていった。
提出期限まで残りあと二日。
昼休みになるとA組の生徒達は職場体験先について伝えあっていた。
緑谷もお得のブツブツ思考で悩んでいた。
ワン・フォー・オールをまだ上手く扱えない緑谷は特に行く先を慎重に選ないといけない。
「え?「バトルヒーローガンヘッド」の事務所!?
ゴリッゴリの武闘派じゃん!!麗日さんがそこに!?」
「うん指名来てた!」
そんな時、同じクラスの麗日からバトルヒーロー「ガンヘッド」の所へ行くと聞かされた。
麗日のイメージとは程遠く、意外な反応を見せる緑谷。
「てっきり13号先生のようなヒーローを目指してるのかと…」
「最終的にはね!こないだの爆豪くん戦で思ったんだ。強くなればそんだけ可能性が広がる!やりたい方だけ向いてても見聞狭まる!
と!」
彼女曰く、体育祭で爆豪と戦った時の経験を生かし強くなることであらゆる可能性の幅を広げることが目的らしい。
それによって出来ることを増やそうとしているのだ。
「………
なるほど」
「ところでさっきから気になってたんだけど震えてるね?」
「ああ…コレ空気イス」
「クーキィス!!」
空気椅子とは要するに椅子から腰を浮かせた状態で維持した状態のこと。
少し前から緑谷が震えていることに気づいた麗日が尋ねた所、空気椅子をやっていたことが判明。しかも授業中もずっと空気椅子状態で受けていたという驚きの事実まで発覚した。
座った状態でも出来るトレーニングだそうだ。
「緑谷ー。何かフードを被った奴がお前に会いたいって今廊下に来てんぞ?」
「(フードを被った…………成切さんだ!)
あ、ありがとう切島くん!」
そこへ切島鋭児郎が緑谷の元へとやって来て友里絵が教室前に来ていると教えてくれた。
緑谷はすぐに教室の外へと向かうと相変わらずフードを深く被った友里絵の姿があった。
「ど…どうしたの成切さん?僕に会いに来たって聞いたけど……」
「…ここじゃ目立つから話は屋上で…」
「あ…う…うん……」
友里絵は場所を変えたいと言って屋上を指定した。
それに従い二人で屋上に移動を始める。
……念の為オールマイトに連絡しておこう……。
その際に友里絵に気づかれないようこっそりとメールを打ちオールマイトに送った。
はい、今回の落とし物の主は緑谷くんでした。
ここは当然のことながら私の勝手な設定でございます。
緑谷くんは一体何を落としたんでしょうね?
読んで頂きありがとうございます。