取り敢えず、生き抜きますか   作:カイト改

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一度誤って消してしまい、再投稿です。

これを読んで下さる貴方の有意義な暇潰しになれますように。


一話

 ど〜も〜よくある神様転生で転生しました神崎蒼(かんざき そう)と申します。なんかトラックに轢かれそうになってる子供を無事救助して、テンプレ回避してやったぜドヤァってしてたら通り魔に土手っ腹刺されて、そいつをぶちのめして勝利のポーズ!(ヤッターマン感)してたら上から鉄骨が降って来てピタゴラスイッチ的な感じで死にました。

 んで、目ぇ覚ましたらどっかの素晴らしい祝福の駄女神がいて、「アンタを転生させるから特典を選びなさい‼︎」って上から目線(神様と人間だから当然?)で言われまして。取り敢えず、ISって言うパワードスーツが飛び回る女尊男卑なヤベー世界って言われたんで、アストレイ・レッドフレームを持って無事転生しました・・・目を覚ましたら5〜6歳のショタになってるわ、訳の分からん研究施設の実験台だわ、マジであの駄目神はいつかどうにかしてブン殴る‼︎っと、話がずれたな。まぁそこから2年ぐらいは我慢して、そこからパワードスーツとして存在してたアストレイをゲットして研究施設をぶっ壊して脱出しました。

 

『今日の仕事は楽だな〜』

『だな〜なんせガキ2人を攫うだけでいいからな』

 

 

 そこから7年が経ったんだけど、色々とやらかしてくれたわあの駄女神。そもそもISには女性しか乗れなくて、その技術もビーム兵器がめっちゃ珍しいってか始まりのIS以外は持ってないからどこの国の技術だ⁉︎ってなりました、はい・・・そのISのコアってのが世界に467個しか存在してないらしくて、世界のあっちこっちで出没してるアイツはなんなんだってことで世界的に指名手配されることになりました・・・

 

『アンタら、ガキ共はまだ寝てんのかい?』

『あ、ボス。はいぐっすりねてますよ』

『そいつらはドクターシノノノとブリュンヒルデの妹だ逃すんじゃないよ!』

『り、了解です!でもその2人の妹ってことは俺達は大丈夫なんですかい?』

『雇い主からISに対抗できる兵器ってのを借りてるからね、心配することはないよ!』

『『了解です!』』

 

 ほーん、ISに対抗できる兵器か・・・どんなんだろ?もうちょっと様子をみるか。

 あ、指名手配されたことによって俺は世界各地に拠点を作って飛び回りながらアストレイ用の装備を造ったり、違法施設をぶっ潰したりしてきてて、たまたまドイツの廃工場に擬装した拠点にヴォワチュール・リュミエールを搭載した換装ユニットを取りに来たら、なんか誘拐現場に遭遇したとです。どうしよう、これ・・・

 

『なるほどな〜どうりでボスが上機嫌なわけだ』

『壊れない程度だったら遊んでいいって話だしな』

 

 む、ちょっとやばいかもしれん。前世で国民を守る国家公務員な仕事をしてた身としては見過ごせんな。ちなみに今はアストレイ・ゴールドフレーム天ミナをモチーフとしたユニット、ステルスフレームのミラージュコロイド・ステルスで透明化してこいつらの会話を堂々と聞いてる訳なのです。ってかこれ音は消せないから動くに動けんのです。

 

『お、起きたな!どっちがいい?』

『そうだな・・・俺はこっちのサムライガールかな』

『りょーかい!』

 

 おぅふ・・・とうとう恐れてた事態が・・・最悪この2人には黙ってもらうか・・・こういうのをぶっ殺すのに抵抗とかはもうないけど、今持ってる武装が実弾ばっかだからTHE☆スプラッタ確定だからな〜下手にこの2人にトラウマを植え付けるわけにもいかんしな・・・あ、投げればいいのか。

 ではでは〜秒殺クッキング開始〜

 まず、アホ2人の首根っこを掴んで持ち上げます。

 

『な、なんだ⁉︎誰かに捕まれてる⁉︎』

『なんなんだ一体⁉︎』

「「ヒッ⁉︎」」

 

 暴れる2人の首を握り潰さないように気をつけながら、海の見える窓へと向きます。この時、目を覚ましたら唐突の怪奇現象に涙目になって抱き合っている美少女2人に思わずステルスを切りそうになりますが、情報が漏れると面倒なので我慢しましょう。

 さ〜て、準備が整ったので思いっきり腕を振りかぶり、地面にクレーターを作りながら踏み込み、ご唱和ください!せ〜の、

 

 星に、なぁれぇええええっ‼︎

 

『『ギャァァァアアアアアアッ⁉︎⁉︎』』

 

 さて、あとはどっかに行った女ボスをしばいて終わりですね。えっと、レーダーに反応はっと・・・

 

「あ、あの!」

 

 ん?なんでこっちをみて・・・あ、音は消せないってさっき自分で言ってたじゃん・・・

 

「お、おい一夏、大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ箒。だって私達のこと助けてくれたもん」

 

 いや、そんだけで大丈夫とはならんと思うんですが・・・

 

「どなたかは知りませんが助けてくれてありがとうございます!姿を見せないってことは何か事情があるんですよね?誰にも言わないので安心して下さい!ほら、箒も!」

「えっと、その、ありがとうございます」

 

 おおう、そんな深々と頭を下げられるとなんか居心地が悪いんだが・・・っていうかこの一夏って呼ばれてる子、なんとなくだけど小説とかだったら絶対主人公だろ。なんか、こう、無条件でこっちのことを信じてくれて、悪意を持って近づいてもこっちが罪悪感で死にたくなる系の。

 う〜ん、このまま放置すんのもなんか嫌だし、ちょっとばかりお節介でもかけますかね。IS作った人と世界最強の妹だったらこんなこともあるだろうしな。えっと、ボイスチェンジャー起動っと。

 

『一夏さんと箒さんでしたか?』

「は、はい!織斑一夏です!」

『手を出しなさい』

「えっと、これは?」

『発信機です。もしまたこのようなことがあって、すぐに救助が望めない時に押しなさい。私が駆けつけましょう。唯の気まぐれです、信じる信じないも自由です』

「ありがとうございます!」

 

 うわ〜この疑いのない守りたくなるこの笑顔。前世では出会わなかったタイプの人間だなぁ・・・ん?広域レーダーに反応、高速で接近する熱源体1つが接近中・・・ふむ、もしかしなくてもしのののの博士か世界最強だろうな。えっと、ネットからの情報・・・

 "織斑千冬、決勝にて相手を瞬殺した後、ドイツ軍からの情報で妹の救出に急行‼︎"

 ・・・いや、軍と一緒に救出に来いよ・・・人質に取られたらどうすんだよ・・・まぁ、結果オーライでいいか。

 

『ブリュンヒルデが貴女達の救助に向かって来ているようです。』

「本当ですか⁉︎お姉ちゃんが‼︎」

「ちなみに大会はどうなったんですか?」

『ブリュンヒルデが対戦相手を瞬殺したようですね。対戦が始まった直後に貴女達が誘拐された情報が伝わったようです』

「そうなんですか・・・」

 

 う〜ん、なんか作為的なもんを感じるなぁ。あ、YA☆RA☆KA☆SI☆TA

 

『おい、お前ら、食べもん買って来たぞって、はあっ⁉︎』

 

 女ボスが普通にドアから参戦、か〜ら〜の〜

 

「無事か、一夏、箒ぃ‼︎」

 

 世界最強が壁をぶち破ってダイナミック参戦!

 って、大乱闘が始まるかと思えば、女ボスさん秒殺かよ・・・ていうかいきてる?頭ブン殴られてゴギッっていうか、ボキッ、みたいな人から鳴っちゃいけないような音がしましたけど?

 

ーー生命反応あり

 

 あ、よかった生きてた。さて、解決したっぽいし逃げるとしますかな。ユニットは後でまた取りに来ればいいし。にしても俺、こんな馬鹿でかいコンテナ置いてたっけ?

 

「お前の雇い主は誰だ!」

『言うわけないだろ!来い‼︎』

 

 うわ〜女ボスさんなんか不穏なこと言って気絶させられたぞおい・・・

 

ーーコンテナ内部より熱源体を感知・数4

 

 わぉ、もしかして俺フラグ建ててた?コンテナをぶっ壊して現れたのは・・・

 

『なんでやねん』

 

 どーしてSEEDのストライク以外のGATーX4機が出てくるんですかねぇ⁉︎俺がこの世界に転生した影響ですか⁉︎

 

「ッ⁉︎一夏、箒、私から離れるなよ‼︎」

 

 ふむ・・・流石に2人を庇いながらは世界最強と言えど戦えんか。しゃーないなーもー

 10秒後にミラージュコロイド・ステルスを停止、主ジェネレーターを待機から戦闘へ出力上昇、各武装の安全装置解除、サブジェネレーターはステルスからミラージュコロイド・ディテクターへ切り替え・・・完了。

 さて、戦闘開始だ。

 

 

ーーーーーーside out

 

『ブリュンヒルデ、2人を連れてここから逃げなさい!』

「なっ⁉︎」

 

 織斑千冬が振り向くと、ちょうど何もなかった筈の場所から滲み出るようにして赤いフレームをベースに白と黒の装甲と右腕と背中の釣り針を鏡合わせにしたかのような武装が特徴的な全身装甲型のIS?が現れた。世界各地からの報告とは見た目が少し違うが、関節部分が赤いことや、頭部の特徴的なV字の角などから《スカイゲイザー》であることがわかる。(ちなみにこの名前は、各地で見られた時に空を見上げていることが多かったためである)

 

「何が目的だ⁉︎」

『問答をしている場合ですか?コイツらとは個人的に因縁があるだけです』

「・・・任せるぞ」

『貴方達の追跡くら逃れ続けているのは伊達ではありませんよ』

 

 織斑千冬は2人を脇に抱えて飛び去った。織斑一夏が何やら叫んでいたようだがすでに戦闘を開始していたため、聞こえることはなかった。

 

『さぁって、生命反応なし、ハンドガンによる損傷が認められないことからPS装甲は搭載していると仮定、現在使用可能武装・・・トリケロス改弍、トツカノツルギ、マガノイクタチ、マガノシラホコ、イーゲルシュテルン、グラップシールド、ハンドガン一丁か〜、ビーム兵器を一個ぐらいは積んどくべきだったかな〜?か、ウイングソー』

 

 四方から飛んでくるビームやらランサーダートやらインパルス砲やらを余裕で避けながら分析を行う蒼。PS(フェイズシフト)装甲とは一定の電圧の電流を流す事によって相転移する特殊な金属でできた装甲である。ぶっちゃけると、実体系の攻撃で損傷しないめっちゃエネルギーを食う便利装甲であると思っておいて欲しい。ちなみにアストレイは発泡金属という"当たらなければどうと言うことはない!"を地で行く軽量装甲を採用している。

 

『まぁ、どこぞの公式チートと違ってフレームは普通だからやりようはあるか』

 

 そう呟くと、動きが変わる。回避に専念していたのから、腰部横のレイピア型の実体剣であるトツカノツルギを抜刀、ビームサーベルを発振して突っ込んできたデュエル頭部のメインセンサーに突き刺し、そのまま頭をもぎ取る。

 

『まずは1つ』

 

 そのまま右腕のトリケロス改弍から電磁加速し、装甲の貫徹に特化したランサーダートを首に撃ち込み、内側から真っ二つにして撃破。続いて両肩のミサイルポッドを開いたバスターに対してもランサーダートを発射、誘爆させて両腕を失ったところにトツカノツルギを突っ込み、そのまま胸部へ振り抜いて破壊。

 

『二つ』

 

ーーミラージュコロイド・ディテクターより、8時の方向距離3

 全てのセンサーから消えるトンデモ技術を使用したブリッツを見つけることができるこれまたトンデモ技術で探知すると、トリケロス改弍に収納されていたハンドガンで射撃を行えば、頭部と胸部を撃ちぬかれたブリッツが現れる。

 

『三つ・・・って、あれ?イージスはどこ行った?』

 

 周辺を探索するが、どこにもいない。ちなみに、イージスは同時期に開発された5機のGATーXシリーズの中で唯一の変形機構を持っており、その姿は今までの可変モビルスーツとは一線を画する異様さを持つ。

 

『どこぞの勇者王みたいに壊れながら変形してたとか?』

 

 と言いながら、探索を続けるが反応はなく蒼は諦めた。ちなみに彼らの言う勇者王は、勇気という言葉で大抵のことはなんとかなる敵を光に変える胸にライオンの頭が付いたスーパーロボットの事である。

 

『さて、逃げるとしますかね。主ジェネレーター待機へサブをステルスへ切り替え・・・あの姉妹を覗いてから帰るかな』

 

 と、極力駆動音を消しながら廃工場の外へと歩いていく。

 

 

 

 所変わってこちらは脱出した織斑千冬たち。その周囲にはようやく追いついたドイツ軍が展開しており、織斑千冬は軍人の1人と話をしていた。

 

「では、今廃工場の中にはもうスカイゲイザーはいないと?」

『はい。ここからの探査のみですが、各種のセンサーにはスカイゲイザーに倒された3機の反応以外は検知されていません』

「そうか・・・ありがとう」

 

 3機、という言葉にどことなく違和感を覚えながらも織斑千冬は未だに廃工場を眺めている2人の下へ向かった。

 

「あ、お姉ちゃん」

「軍人達曰くスカイゲイザーは既にどこかへと去ったのではないかとの話だったよ」

「そっか〜ちゃんとお礼を言いたかったな〜」

「まぁ、いつか偶然会えるかも知れんしな」

「うん!」

 

 織斑一夏が輝くような笑顔を浮かべ、それを見た織斑千冬と篠ノ之箒がようやく表情を緩めた時、唐突に先程聞いたマシンボイスが響いた。

 

『織斑千冬!2人を守りなさい‼︎』

「ッ⁉︎」

 

 声に反応した織斑千冬は瞬時にIS<暮桜>を展開し、2人に覆い被さるようにして抱き締めた。

 

ーーチッ!今からじゃ主ジェネは間に合わんか、トリケロス改弍をパージ、サブと左腕を直結、サブを強制最大出力へ!

 

ーー危険❗️サブジェネレーター及び左腕部に重大なエラー発生の可能性大、両ユニットの制御が不能になり、爆発の危険性あり❗️

 

ーーやかましい!元はと言えば、俺が原因の可能性があるし、女の子3人を助ける代償が腕一本なら安いもんだろ!

 

 織斑千冬にだけ聞こえてきた男の声は、何かの拍子に繋がったのか目の前にいつのまにか現れたスカイゲイザーから聞こえできているようだった。

 背中のユニットから伸びたケーブルは引き絞られた左腕に接続され、時折火花が散っている。その拳の延長線にはどこかへと消えていた前方のアームを展開し、中央のエネルギー砲を晒したイージスが突貫してきていた。スカイゲイザーの左の籠手部分にエネルギーが蓄積していっているのか、徐々に光が強くなっていく。

 

ーー接触まで・・・3・2・1・今

 

ーー喰らって果てろ、煌雷拳‼︎

 

 突き出された拳は真っ直ぐにイージスのエネルギー砲の中心をぶち抜き、蓄積したエネルギーを全開放した。次の瞬間、イージスの機体全体に激しい電流が走り、その動きを止めた。そしてスカイゲイザーは背中と左腕の各部から上がる火花と赤熱化しているのを気にした風もなく3人の方へと向き直った。

 

 

『・・・皆さん、怪我はありませんか?』

「あぁ、・・・って、大丈夫なのかその、色々と!」

『なんのことでしょう?』

 

 はて?と首を傾げるスカイゲイザーに対し、通信が聞こえていたと、自分の腕を犠牲にしようとしていたことが聞こえていたと、叫ぼうとした織斑千冬はなんのためにスカイゲイザーが惚けているのかに気づいた。

 

(一夏と箒のためか)

 

 2人が自分達を庇ったことで自身の腕を犠牲にしようとしたと気づかれないようにしているのだと。元のフレームが赤なのでわかりづらいが、湯気が上がっているのがわかる。

 

『皆さん無事のようで何より。申し訳ないがここで皆さんに捕まる訳にはいかないので、では!』

 

 そう言うと、煙幕をはった。それが消えるとスカイゲイザーはそこにいなかっ。

 

『あ、1つだけ。私の名前はアストレイです。以後お見知りおきを』

 

 スカイゲイザー、いやアストレイはそれだけ言葉を残した。

 

 

 

 この後、織斑一夏、篠ノ之箒の両名は無事に帰宅した。

 世界各国では、スカイゲイザーではなく、アストレイと自ら名乗った謎のISを探したが、それまではポツポツとあった報告はパッタリと途絶えた。

 

 そして、物語は2年後へと加速する。

 

「・・・一夏」

「箒。IS操縦者として頑張ればきっとアストレイさんに会えるよね」

「そうだな。共に頑張ろう!」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 




2/25に武装名の間違いの指摘をいただき訂正しました。
マガイクノタチ→マガノイクタチ


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